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中田が阪神戦でプロ初アーチ狙う

　阪神戦でプロ初アーチ！　日本ハム高校生ドラフト１巡目の中田翔内野手（１８）が１０日の阪神との練習試合（名護）にかける思いを明かした。高校時代に熱烈なラブコールを受け、中田も意中の球団の１つだった。「コイツを取っておけばよかった、と思わせる活躍をしたい。何としても１本打ちたい」。阪神の先発は大阪桐蔭の先輩、岩田稔投手（２４）。因縁深い一戦でアーチ人生のスタートを切ることを予告した。
　大好きな“故郷”にささげる予告アーチだ。阪神との練習試合を前に、中田はいつも以上に気合を入れた。「たまたまなんでしょうが、スゴイっすよね。相手が阪神で先発が岩田さん。特にやりたい気持ちは強い。何としても１本打ちたい。大きいのを…」。巡り合わせに驚きを隠せなかった。７日の紅白戦で実戦デビューを果たしたが、敵チームと戦うのは初めて。相手にとって不足はなかった。
　名護キャンプは第２クールが終了。日本ハムにすっかり溶け込んでいる。「先輩たちによくしてもらって、めっちゃ楽しいんですよ」。大物ルーキーとして注目を浴び重圧もあるが、同僚との触れ合いで苦も感じない。そんな中田だが、昨年のドラフト直前は別の思いがあった。「本当は大阪に残りたかった。阪神は球場が甲子園で人気球団。オリックスには清原さんがいたし」。わずか３年の高校生活だったが「ナニワ」に愛着があった。気心の知れた仲間もいる。「話していても飽きない」関西人の気質が怪物にマッチした。
　７日の紅白戦は無安打２三振、初エラーも記録した。それでもおくするところは全くない。「僕は打席でオーラを放ちますよ。守りじゃ、消えちゃいますが…。打つほうは悪くない」。冗談めかして振り返ったが、強気の姿勢は崩していない。阪神の相手は大阪桐蔭の先輩である左腕岩田。因縁めいた一戦で、中田が爆発の予感を漂わせた。
　今回の練習試合は関西でもテレビで中継される。「第２の故郷」へアピールする絶好機だ。「大阪の人も見るんですよね。コイツを取っておけばよかった、と思わせる活躍がしたい。阪神はファンも多いし、いい所を見せたい」。関西ですくすくと育った中田が、猛虎を相手にアーチ人生の１歩を踏みしめる。

中田が星野監督視察で猛アピール

　日本ハム高校生ドラフト１巡目の中田翔内野手（１８）が北京五輪野球日本代表の星野仙一監督（６１）が視察予定の９日の練習で、北京五輪日本代表入りへの猛アピールを敢行する。「自分が候補になっているのがありえないという気持ち。バッティングだったら、思い切りのよさを見てもらいたい」。あこがれの舞台への第１歩。スケールの大きな打撃で、北京への道を自ら切り開く。
　梨田監督も後押しを決めている。星野監督の到着に中田と稲葉のフリー打撃の時間を合わせる方針。「（順番を）入れ替えはいつでもできる。僕が星野さんの立場だったら当然見たいと思うし、配慮したい」。天候に恵まれない今キャンプだが「室内だと飛距離も分からないでしょ」と、できる限りグラウンドで怪物のパワーを発揮させたい考えだ。
　７日の紅白戦で中田が無安打に終わったことを伝え聞いた星野監督は「ええやん。この時期にポンポンと打ったらどうするんや」と擁護した。そんな気遣う発言、期待する発言にも応えたい。中田は「思いっきりやるしかない」と、星野ジャパン入りへ意欲を見せた。

梨田監督が中田に英才教育プラン

　日本ハム梨田昌孝監督（５４）が８日、「実戦皆勤」の英才教育を中田に課すプランを明かした。初実戦となった７日の紅白戦は４番三塁で３打数無安打、１失策と精彩を欠いたが、一夜明けたこの日、今後の見通しを説明。１０日の阪神戦も含め「中田には打席を多めに打たせたい。３打席回るくらいは」と方向性を語った。
　練習休日のこの日も、怪物育成に頭を巡らせていた。「代える時はファンの人に怒られそうだな」とジョークを飛ばしたが、具体的な青写真は描かれていた。「（試合に）出ないと、出さないといけないよね」。守備に大きな不安がある三塁ではなく、開幕１軍入りにより現実的な一塁やＤＨでの起用も示唆した。
　９日の練習後のコーチ会議で最終決定となるが、阪神戦は「６番前後くらいかな」と打順は５～７番の三塁で先発出場する見通し。キャンプ中に予定されている実戦は、紅白戦２試合を含めて残り１２試合。三塁争い筆頭ライバル小谷野との兼ね合いを見ながら、チャンスを与えていく。

ダルがプロ入り初の親子共演へ“登板”

　プロ入り初の“親子共演”が実現へ。日本ハム・ダルビッシュ有投手（２１）が、父ファルサ氏が３月４～１０日に札幌三越（南１西３）で開催するイベント「ペルシャの風」に参加を予定していることが８日、分かった。ファルサ氏の祖国イランの伝統工芸品を展示するイベントで、１０日にダルビッシュも参加する見通しとなった。
　夢の親子タッグが実現しそうだ。ダルビッシュが、父ファルサ氏が手掛ける札幌三越でのイベントに、３月１０日の１日限りで登場する予定。イベント最終日に盛り上げのための“救援登板”。本拠地で、さながら先発ファルサ氏、リリーフ・ダルビッシュの親子共演となりそうだ。
　イベントは３月４～１０日に予定されている。ダルビッシュは沖縄キャンプ、オープン戦から同３日に帰札予定で、再び関東遠征に出発する移動日の１０日に、イベント会場に顔を出す予定になっている。ダルビッシュに関するイベントの詳細は球団と三越で現在調整中だが、抽選会などが検討され、グッズ販売も計画されている。
　ファルサ氏はペルシャ文化を伝えるため各地で同様のイベントを開催してきたが、北海道では今回が初開催。過去に息子が父のイベントに参加したことはなく、日本ハムの本拠地がある札幌でこその初合体となる。関係者によると、ダルビッシュは「札幌だったら」と承諾。移動する合間の短時間だが、公の場で貴重な２ショットになりそうだ。
　今イベントは、手作りのガラス、陶器、テーブルクロスなど、イランの伝統工芸品約１０００点が展示される。ペルシャ文化の普及に尽力するファルサ氏のミニトークショーも予定。ダルビッシュのイベント出演で、ファン殺到も予想される。セーブできないほどにぎわうことは必至で、好救援になるのは間違いなさそうだ。

木下が開幕ローテへ真っ向勝負

　３年目の日本ハム木下達生投手（２０）が開幕ローテーション生き残りをアピールする。１０日の阪神戦で先発が予定されている。オフの８日も、吉川とともにプールトレなどで汗を流した。闘志あふれる投球スタイルが持ち味だけに「ストライク（ゾーン）で勝負したいと思っている」と、真っ向から猛虎打線へぶつかることを誓った。

中村が古巣阪神に“かみつく”

　阪神から移籍してきた日本ハム左腕の中村泰広投手（２９）が、古巣相手に“ハムデビュー”する。１０日の阪神との練習試合に、中継ぎで登板予定。左投手の激しい争いについて、梨田監督が「武田勝がその中へ食い込むとなると、左投手のレベルがどーんと上がる」と話すだけに、アピールは不可欠。「結果が見られるので」と意気込む新顔左腕が、トラ相手に遠慮なくかみついていく。

中田を評論家３人が徹底分析

　球界の話題を独占する日本ハム高校生ドラフト１巡目の注目ルーキー中田翔内野手（１８）は、シーズンでどのような活躍を見せてくれるのか。魅力は？　そして欠点は？　日刊スポーツ評論家の山下大輔氏（５５）西本聖氏（５１）佐々木主浩氏（３９）が、７日の紅白戦を観戦。それぞれの視点で、中田を分析した。（構成・飯島智則）
　山下は７日の紅白戦を観戦した後、フリー打撃で撮影した分解写真を見た。「部分、部分で止まっている写真で大きな欠点はない。非常に力強さのあるフォーム」と好評だ。しかし、言葉が後に続いた。
　山下「しかし相手投手は、このスイングを崩そうとして投げてくる。そこを含めた一連の動きの中で、どうタイミングを取るかとなれば、ちょっと時間がかかるかなという印象はある」
　山下は昨年まで楽天の編成本部長を務め、高校時代の中田もよく見ている。
　山下「すごく魅力のある選手だよね。バットを振るスピード、そして飛距離。野球界を支えていく存在といっていい。だけど、まだ原石。土も泥もついているままの原石。きっとダイヤモンドが出てくるだろうけど、これから削っていく作業が必要でしょう」
　西本、佐々木とも「素晴らしい１８歳」と評した上で、現状を分析した。これからの中田のために。
　中田が構えると、オープンスタンスに目がいく。中田の特徴といってもいい。
　佐々木「投手の視点からみると、非常に投げやすい打撃フォームをしている。打席でのオープンスタンスを見た瞬間、投手の直感で『内角が弱いんだろうな』『内角に投げられたくないんだろうな』と感じた」
　内角の意識が、中田の打撃を狂わせる。７日の紅白戦での第４打席。投手の星野は、初球を内角速球で空振りを奪うと、２球目は外角への速球を投じた。それほど厳しいコースではなかったが、中田は見逃した。
　佐々木「こうやって追い込んだら、もうストライクはいらない。３球目からは外角へ２球続けて変化球を投げて空振り三振を奪った。中田はフリー打撃では味わえない、プロのレベルを実感したことだろう」
　山下「内角の速い球に対する意識が強すぎるから、体の開きが早くなる。だから外の球に手が出ない」
　西本は紅白戦の後で中田に話しかけた。
　西本「本人に『内角を意識した構えなのか』と聞いたら『高校１年のときのフォームに戻しました』と答えてくれた。彼なりに工夫しているんだね。でも、現状では内角球がさばけず、外角に落とされたらまずついていけない。タメをとることができずに、タイミングが合わない」
　期待のルーキーには厳しい評が続く。では、どうするべきか。
　山下は「中田は逆方向へ打てるかな。今の打ち方では打てないのではないかな」と指摘した。
　実際、中田は「最終的には広角に打てるようになりたいけど、今は思い切って引っ張っていきたい」といった趣旨の言葉を口にしたことがある。最大の魅力である飛距離をアピールしたいという思いが強いのだろう。山下は「そこがポイントかもしれない」という。
　逆方向へ打てない理由。山下は「構えではない。構えはどんなでもいいと思う。実際、落合（中日監督）はオープンスタンスでも逆方向へ打てた」と言う。
　山下「中田の場合、投手にバットのグリップが見えるタイミングが早い。インパクトまで距離が取れない。落合はギリギリまでバットが出てこない。そこが違う」
　佐々木「落合さんの場合、投手と正対することで逆に投手に重圧をかけていた。『内角でも外角でもどうぞ』という雰囲気で、実際に打った。まあ、１８歳で落合さんと比べること自体、彼への期待が非常に大きいということだよ」
　中田の魅力が、飛距離にあるところは間違いない。しかし、山下はパワーヒッターこそ逆方向へ打つ打撃を練習すべきと述べた。
　山下「米国へ行ったとき、ヤンキースの打撃コーチに伝わる指導法として『パワーヒッターには逆方向へ打たせろ』というマニュアルがあると聞いた。これは非常に有効だと思う。インパクトまでの距離を十分取れ、強い打球を打つための基本になるからだ。バリー・ボンズも調整の一環で、１週間から１０日の単位で絶対に引っ張らない時期があるという。その時期の実戦では、右方向へ進塁打すら打ちたくないから、走者がいるとバントすることもあるそうだ。パワーヒッターの成長過程で、そういった練習も必要なのではないか」
　一見して気が付く欠点。指導者はどう対処しているのだろうか。西本は「１８歳の彼が、彼なりに工夫している。その工夫が間違った方向へいってはもったいない」と言って、コーチの元を訪れた。
　日本ハム中島打撃コーチ「（欠点は）十分わかります。今は何も言わないで見ている状態。本人も、このままじゃ打てないと分かってきた。こちらの言葉で中途半端に変えるより、本人が肌で感じ取ってほしい」
　西本「それも１つの指導方法だとは思う。当分は今のまま見ていくようだが、いつアドバイスして変えていくのか、それがポイントになるだろう。さらに変えていくとすれば、チームとして彼をどう育てるのかという方針ともかかわってくる。１軍で使いながら育てるのか。２、３年ファームにおいて、じっくりと鍛えるかでも、彼の将来は変わってくる。体も、もっと絞った方がいいだろうしね」
　山下には危惧（きぐ）がある。現状のまま実戦を続けていけば、そう簡単に結果は出ないとみている。結果はいい。中田に起きる変化を心配する。
　山下「恐らく今のままでは『内角に詰まる』『変化球に当たらない』という状況に陥る可能性はある。そんなとき、バットに当てようと打撃を小さくしてほしくない。でも、そういうことじゃない。日本を代表する長距離砲になる素質があるわけだし、大きく大きく育っていってほしい。周囲もだけど、まずは本人がそういう意識を持ってほしいね」
　佐々木「高卒ルーキーに欠点があるのは当たり前。でも、１８歳として規格外の能力を持っていることは間違いない。フリー打撃で周囲の度肝を抜いた飛距離も天性のものでしょう。結果が出なくても変に縮こまらず、１つ１つ課題をクリアしながら大きく伸び伸びと育ってほしい」
　右の長距離砲として期待される高卒ルーキー。どうしても周囲は、清原が新人で残した３１本塁打と同等の期待を寄せてしまう。即戦力として１年目からの結果を期待してしまう。しかし山下は「清原は１８歳のころから、プロで１０年４番を張ったような打撃をしていた。内角攻めがきつくても、そこに反応して開くこともなかった」という。清原は１年目からダイヤモンドが見えていた。中田はまだ原石のまま。しかし、ダイヤが出てくる素材という見方は一致している。何も清原と同じような数字を残し、同じように歩んでいく必要はない。中田には、中田の道がある。
　打撃も、言動も、表情も魅力たっぷりの中田。将来的に大きく育ち、プロ野球を支える打者になってくれるだろう。それまで、少しばかり気を長く、その日を楽しみにしていればいいのかもしれない。（敬称略）

３連覇へ陰の助っ人が加入？

　チームに陰の助っ人が加入した。日本ハムが今キャンプから、花粉症対策の乳酸菌サプリメント「ＨＳＫ２０１」を導入した。スギ花粉が飛散し始める今月末ごろから効果を発揮するはずだ。日本ハム本社の関連会社が製造。２０００株の乳酸菌の中から、抗アレルギー性の高い植物性乳酸菌を選定、花粉症に悩む選手に錠剤にして配布している。
　倦怠（けんたい）感や鼻水に悩んでいた選手には、グラウンドに集中できる態勢が整う。建山や伊藤、田中賢ら花粉症に悩む選手は例年、オープン戦や開幕直後は症状に悩まされてきた。伊藤は「鼻に吹き付ける薬とか、いろいろ対策はしてきました。効果がどう出るか楽しみ」と期待。球団関係者も「症状が出ると集中力も欠けてくる。悩まされなくなると大きな効果があると思う」と話した。
　一般発売されていない非売品だけに、関係者は「ファイターズのために開発したと言ってもいい」と胸を張る。３連覇へ、頼もしい戦力になる。

スレッジが「ビデオ予習」強化

　日本ハムの新外国人のターメル・スレッジ外野手（３０＝パドレス）が「ビデオ予習」をキャンプ中の課題とする。日本の投手に対する予備知識がまったくなく、イメージトレーニングが必要と危機感を抱いている。「これからビデオを収集していく。まったく情報がなく開幕に臨むことはない」。今季から球団はスコアラー部門のプロスカウトに映像担当者を置く。前２軍打撃コーチの島田氏を配置して強化しただけに、心強い後ろ盾になりそうだ。

生命保険に加入／ショウ君ｉｎ沖縄

　オトナへの階段を１つ上った。練習休日の８日、日本ハム高校生ドラフト１巡目の中田翔内野手（１８）は午前中に１時間ほど外出した。用件は生命保険加入のための手続き。同僚の村田に紹介されたのだという。ルーキーはすなわち社会人１年生。入寮直後に行った鎌ケ谷市への住民票提出など、グラウンド以外でもさまざまな初体験をこなしている。
　一方で、午後からは沖縄入りした母香織さん（４４）と合流して、観光＆食事。先月２６日の大阪桐蔭卒業式以来の再会に、練習でたまった疲れが吹き飛んだ。「感謝しきれないくらい迷惑をかけている。活躍してどんどん親を喜ばせたい」と話す中田だが、このときばかりはコドモの顔になっていた。

開幕戦エスコートキッズを募集

　日本ハムが３月２０日の開幕戦セレモニーに出演する「エスコートキッズ」を募集している。対象は０８年に５歳の誕生日を迎える児童３５～４０人（応募多数の場合は抽選）。申し込みは球団ＨＰ、球団オフィシャル携帯サイト内の専用ページから（ファクスや、はがき、電話では受け付けない）。２５日必着、当選者には２７日にメールで通知する。問い合わせ日本ハム＝電話０１１・８５７・３９３９へ。

2/9北海道日刊スポーツ

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