★ 02.4.3◆春の京都その3◆




苔と桜のじゅうたん / 鹿王院の朝

母と二人で嵯峨野の鹿王院というお寺の宿坊に泊りました。 寺の朝の清清しさは格別。加えて朝食の前の座禅。 心を無にして自分の呼吸だけに意識を集中する、自分の中の雑念を吐き出し、 朝の澄んだ新しい空気を吸い込む...気持ちイイ。

鹿王院でのお精進の朝食は、ご飯に椎茸のお味噌汁、大豆の煮物、百合根と銀杏の入ったがんもどき 、昆布と実山椒の佃煮、浅漬。朝はあまり動物性たんぱく質を摂りたくないので 非常に嬉しいメニュー。 京都の漬物、美味!ここのは有名漬物やさんの味とも違う、ほんとに素朴な手作りの味。

仁和寺、大徳寺をゆっくりじっくり拝観。仁和寺は御室桜が5分咲き、朝の人が少ない時で良かった。 大徳寺で母は「一久」の大徳寺納豆を買い、お昼もそこでと思ったけれどどうにも精進料理続きで 寂しいので同じ並びにあった「和久傳」にて懐石ミニランチ。桜茶から始まって筍やソラマメ、 春の食材ふんだんで、しかもコースを通して鯛づくしが嬉しかった。そしてやっぱり出汁が、うまーい! 家でも普段けっこうマジメにお出汁とるんだけど、(安物の鰹節じゃだめなのね) 苦味やえぐみが出て、料亭の味とはほどとおい。だから美味しいお吸い物、ほんとに幸せ。 アイナメと道明寺の揚げ煮なんてのも美味しかったぁ。湯葉、京菜、ヨモギ麩と一緒に炊く京都らしさも good。デザートのれんこんの澱粉で固めたというお餅も面白い。初日に伊勢丹で見て気になってたから思わぬ再会に感激。

大徳寺の高桐院は冬に行って大感動したので、再訪。 紅葉で有名な寺だけど秋は人でスゴイらしい。どんな名所でも人ごみの中にあるとその魅力は半減、 逆に地味であってもその過ごし方によって満足度は高いように思います。今の時期は観光客は桜に集中しているから この苔の庭をしばし二人じめ。ゆったりと母と過ごす静かで平和なひととき、 この一年けっこう大事件続きだったのでとてもとても感慨深い思いでしばし庭を眺め、しみじみ幸せ なときを過ごした。
こういう旅がしたかった、こういう時間が欲しかった。


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