熱帯魚     
始まりは些細なことだった。
2000年ころのお酉さまの時だっただろうか、長男が金魚すくいをやりたいと言いだし、
戦利品の金魚を持ち帰って観察し始めたことだった記憶している。

最初はジェックス(株)の「小さな楽園」という、わずか4L程度の水槽からだった。
そのころはサカナなんて飼う気もなかったので当然いい加減。
エアレーションはあったがフィルターがないので水は汚れ放題。
でも、エサなどやったり、たまにイミテーションの水草を洗ったりするうちに
愛着がわいてくるもので、メダカや、出目金も仲間に加わった。

すると、さすがに容量が不足気味になってきた。
とどめに、水漏れが発生し、水槽の買い換えを決意。
一気に約4倍の大きさの約15リッターで外掛け式フィルターや
蛍光灯ランプののついた水槽を買ってきた。
水槽そのものは安いが、今度は砂利や本物の水草も必要だ。
ウィステリアや、カボンバなど、何種類か買ったが
全く懲りずに入れては枯れ、入れては枯れ・・・
流木なんかも入れてみたくなってくる。
灰汁抜きを甘く見て適当に入れたら濁る濁る・・・これは参った。

グッピー、ネオンテトラや、ミッキーマウスプラティなど
ホームセンターに行くたび、いろいろ買っては水槽に入れてみた。
やはり最初のうちはあまり長生きしなかったが慣れてくるとけっこういける。
やがてグッピーの腹が膨らんできた。
産卵ボックスに入れてみると見事稚魚が産まれたではないか!
ほかのサカナに喰われないよう、しばらくボックスで育てた。
ある程度の大きさに育ったら外に出す。一気にすごい数のグッピーが増えた。
調子に乗って、色違いのグッピーを買ってきて、交配にチャレンジ!
しかし、なかなか思ったとおりにはいかない。

水槽は、コケとの戦いである。
いろんな薬を試してみたが、未だに「これだ!」と言う製品にはお目にかからない。
それもそのはず、生態系とはどんどんかけ離れた環境に変わっていくだけなのだから。
やはり、基本技は「水草を増やす」。これにつきるのではないか。
次にコケを食べる生き物を入れること。
観賞用にはルックスは今一だが、コケった水槽よりはマシ。

ご多分に漏れず、我が水槽もコケがすごくなってきた。
コケ用の薬を入れてみたが、見事に水草の葉が落ちた。
薬のタイプが合わないのと、入れすぎが原因だったと思う。
ヤマトヌマエビ、石巻貝、オトシンクルスも投入。
しかし、生物兵器の威力は限定的で既に太刀打ちできるレベルのコケではなかった。

そして2003年2月、ついに現在の水槽コトブキ工芸のデビュー450を購入。
また以前の3倍の水量になった。セット重量約50キロに達する。
増えすぎたグッピーにはこれでちょうどいいくらいの広さだ。
やっと一般のアクアリストに追いついた感じ。
といっても、最も一般的な60cm幅より小さい45cm幅のモデルだ。
価格的には60も45も変わらないが、設置場所とのかねあいで決めた。

やっと分かったのだが、実は水槽が大きければ大きいほど管理が楽で簡単だということ。
落ち着いて考えれば当たり前だが、水質の変化も緩やかだ。
上面にあるフィルターは、今までの小型のものと根本的に異なる発想のもので、
物理的な濾過ではなく、バクテリアをたくさん住まわせる生物濾過が主である。
その目的から、リング形状の濾材にしておけば、
フィルターのメンテも、半年に一回くらいしかしなくてよい。

ランプもこだわり、付属の蛍光灯からアクアデザインアマノのNAランプに交換。
アルミ箔を蛍光灯ケースの内側に貼って照度アップも図った。
やっぱりどうしても「CO2」(二酸化炭素の添加)がやりたくなり、
高圧ボンベのかっこよさに憧れつつも予算から発酵式のものを購入した。
ボンベ式の方が実はランニングも安くコンパクトで、
添加量のコントロールもできるが、予算が・・・

水交換はできるだけ5日おきに4分の1程度換水としている。
本来はもうちょっと水を増やして間隔を開けてもいいのだが、
たまたま有ったバケツに一杯分だったからそうしているだけだ。
特に間隔があいたり、汚れていたりすると2杯分交換したりすることもある。
水質の変化を小さくする意味ではマメに少しずつ交換する方法がいいと思う。
交換直後の水の透明度は見ていて実に気持ちがいい。

なにしろ水草をいっぱい植える。この鉄則に則りどんどん植えてみた。
最近では、やっと薬の使い方も経験から学び少なくて済むようになった。
水草の浄化能力が大幅アップしているので、水の汚れも以前より少ない。
コケも明らかに少ない。水槽の見た目にもとてもいいし、メンテは本当に楽になった。

これだけ水草が増えてくると、いつの間にか勝手にグッピーが増えていく。
もう何世代目か、私にもよく分からない。
水があったのか、やたら長生きなヤツも居る。
そろそろ何か違うサカナを入れてみようか、と思う今日この頃であった。

水草の管理は、ガーデニングにも似ていると思う。
いや、同じと言っても過言ではあるまい。
まだまだ奥は深く、これからも挑戦は続く・・・


     2003年11月27日撮影の水槽
       

ライティングもさらに工夫し、以前の水槽のライトも無理矢理乗せた。
光量アップとともにライトの位置が前にでるので明るくなった。
その代わり、上部フィルターは乗せられないので水中式にチェンジ。
やっぱ、高圧ボンベのCO2、欲しいなあ。

     2004年12月1日撮影の水槽
        
     かなり草ボーボー・・・
     そろそろ刈り込みするかな。

     2005年12月14日撮影の水槽
        

1年前と比べ、水草のイメージはだいぶ異なるが、
実はセンター奥の流木を入れ替えた以外は新規購入はしていない。
手入れはほとんど自然の成り行きに任せている。
なくなっていった物、やたら増えた物いろいろだ。

CO2もやめてしまった。
あまり違いは感じない。そんなもんかな・・・
でも、水草から酸素の気泡は出なくなった。
無理矢理乗せた追加ライトは水中に落とし壊れちゃったので
そのまま廃棄処分に。

     2006年12月1日撮影の水槽
        

前衛草、枯れてますねえ・・・
グッピーは写真ではよく見えないけどもの凄いカラフルになりました。
どういう組み合わせなのか、かなりのミックスぶりです(笑)
何とか言うコケ喰うサカナが異様な巨大さになってる。
ここのところ、何にも追加してない。

実は、転居に伴い現在水槽のチェンジ、終いには海水にスイッチも検討中
だったのだが、予算が尽きており、普通に断念。
それどころか、水槽自体を終了させる話もなきにしもあらず・・・
と言う状況下であったので放置状態が続き、水槽内は一時期荒れ放題になっていた。

それでも一応存続することになったのは、終わらせ方の問題。
やっぱり生き物であるので、殺してしまうには忍びない。
ペットほどではなくとも、なんだか親心(?)がついてしまうのかな?
その辺の池などに流してしまうわけにも行かず、寿命を待つことにした。

程なくして、グッピーは全滅した。
夏休みの間、水質悪化に耐えられなかったのかな?
長い期間閉鎖させた環境にいると、病気になったり、
奇形になったりすることがあるので、そのせいかもしれない。
直前まで、異様なほどのカラフルさだったので残念と言えば残念だが、
このまま飼育していてもエンドレスなので、まあ、いいか・・・
他のサカナも徐々にではあるが減少傾向にある。
草の方も似たような感じだ。

     2008年3月4日撮影の水槽
        

例年12月頃に撮影していたのに失念してました・・・
やる気のなさの現れ?
ともかく、やる気がないので(?)えらくさっぱりしてきたなあ・・・


                            2003.11.27作成
                            2008. 3. 7更新


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