すこやかに老いる 食事随想
ひょうたん町耳鼻咽喉科医院 石丸幹夫
すこやかに老いる これは 皆の願いですが、若いときからの生活習慣が問題ですから、あわてて頑張っても効果は余りないかも知りません。生まれつき、ある病気になりやすい人があり、これはどうしようもありませんが、その発生を遅らすことはできます。
例えば私の医院にもよく糖尿病の方が来られます。耳鼻咽喉科医院ですから来られるのは難聴やめまいとか扁桃炎とかの別の病気ですが、 時々尿糖、高血糖が見られます。食後2時間頃が多いのですが、朝食より昼食、特に夕食後に検査すると良くみつかります。
私も患者さんから教えられて自分の健康法を確立している様です。夕食のカロリーやメニューには大変気遣っています。自分の血糖を測定してみても夕食2時間後が一番高くなります。
特にどんぶり飯など米飯をとったときは高くなります。パンやラーメンは余り高くなりません。只1日の総カロリーを減らすだけではだめで、朝、昼、夜いかに上手に配分して摂取するかが問題です。特に内臓が一晩やすんだ朝は沢山とり、昼、夜と軽くしていくやり方が血糖値安定に良いようです。
また高血糖管理も大切ですが、低血糖管理もそれに劣らず大切です。めまい、難聴などふらふらなのに糖分をおそれ、コヒーの砂糖、ケーキ等全く拒否している低血糖の人もいます。こんな事がつづくと変な異常な状態に適応した身体が出来上がっていくに違いありません。
−−−−最近始めたバナナ健康法について−−−−
バナナは大変元気のでるたべものです。スポーツの試合がある時の疲労回復、スタミナを付けるために食べる人もいます。またバナナは食後高血糖にに悩む人に大変いい食べ物だと思っています。しかし、この食べ方に工夫がいります。一番血糖値の上がる夕食をとる1時間半前に大きなバナナなら1本、中なら1本半、小なら2本をたべます。これで、一番危険な白米の夕食でも食後血糖値は安定します。この1時間半前と言うのが大切なキ−ポイントです。私自身も一時食後血糖値が不安定な時期がありましたが、バナナのおかげで全く安定しています。夕食のライスカレー、肉丼、すしなどおいいしそうな白米たっぷりのご馳走は糖尿の人には大変危険な最近話題の食後高血糖の食事です。米は吸収がよくて急激に血糖値を上げますが、食前1時間半前のバナナ摂取が効率よくインシュリンの分泌をスタートさせてくれるのかもしれません。ただ誤解してはいけないのは、米は血糖値を急激に上げ、食後2時間で、糖尿がでたり、発見されやすいのですが、吸収の悪い脂肪などは食後3〜4時間も警戒ししなければなりません。どうしても旅行中などバナナが手に入らない時は、炒飯など米を油でコーティングしたものをとります。ただ脂肪はカローリーが高いので少な目にとります。
私の経験でも海外旅行中は全く米飯をとらない日が続きますが、本当に血糖値は安定しています。日本人は何故糖尿病なりやすいのか?いろいろ議論されていますが、兎に角、白米を主とした日本食、特に寿司は吸収がよくて、血糖値をグーンとあげます。しかし、日本食は脂肪が少なく、健康食です。只その食べ方が問題なのです。先に天ぷらなどのおかずを食べ、ゆっくり食事をとり、米飯は最後に少しとるという宴会式の食べ方が良いようです。
夕食を急いでとらねばならない人は、食前1時間半めにおやつをとるよ良いでしょう。おやつにも効率の良さがいろいろあって、おにぎり3分の2個、あんぱん1個、カステラ2切れなどありますが、やはりバナナが最高です。