水平偏向出力管ユニバーサル・アンプの製作

2007/07-2009/09, 2018/07~ 宇多 弘

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1 いきさつ

1.1 ユニバーサルの弊害
 これまでに製作し改造・整備してきた、チューブチェッカ・ユニバーサル超三結 V1 アンプ等では、水平偏向出力管(水平管)を可能な限り運用できるように吸収してきました。 水平管の挿し換えを容易にするため、トップ・プレート・キャップ組み込みの US ソケット・アダプタを用意して、予め着装するよう改良しました。 
 しかしながら、アダプタ併用は外観が悪くしかも操作が面倒にて、稼働率がイマイチ上がりませんでした。
 かと云って各々個別のアンプを作れば大変です。 そこで、水平偏向出力管一族の中でも多数を誇る、6AM/8GT の口金接続をもつ 6BQ6-GTB, 6CM5/EL36, 6CU6, 6DQ6-A/-B, 6G-B3/-B3A, 6G-B6, 6G-B7 等の一族、最大は 12E1 を限定的にアダプタ無しの挿し換え+プレート・キャップ着装にて運用できる、水平管天国 アンプを別途に作って出番〜稼働率を増やそうと計画しました。(2007/07) 

1.2 リバウンド、積み残し、組み換え
 すなわち共通性のある一群の管種をまとめて「分家」する、ユニバーサル化に対する「リバウンド」現象です。
 ただし上記以外の口金接続をもつ 6AU5-GT, 6AV5-GA, 6CD6-GA, 6CL5, 6146 族 等の他、マグノバ・コンパクトロン一族は何れも少数派、専用アンプにしない限りアダプタ併用は宿命、他に吸収するアンプも用意されていることでもあり、本アンプでは対象外としました。(2007/07) 
 トップ・プレート・キャップの危険性回避のため、ボンネット付きシャーシに組み換えて運用時の安全性を計り、電源を内蔵化しました。(2008/05)
 チューブチェッカ・ユニバーサル超三結 V1 アンプの整備が進み、本アンプの役目は終わりました。(2009/09)
 CV450 について詳細調査の結果、本アンプには適合しないため除外しました。(2009/09)

1.3 返り咲きの水平管天国
 一旦役目を終った本アンプは、下記の三度の再利用を経てそれぞれの役目を果たして後、次の用途が発生する事無くスタンバイ状態にありました。 
6Y6-G/-GT 超三結 V1 アンプ (二期 2009/09〜2012/07)
EL34 PP モノラル・アンプ (2012/09~2015/10)
2SK3689-01 超三結 V1 アンプ (2016/07~2018/03)

 そこでこの度、第二次の 水平管天国 アンプとして復元することにしました。(2018/07) 


2 回路構成および変更

 初期の回路は P-G NFB 併用の SRPP ドライブにて構成しました。(2007/07)
 別項のチューブチェッカ・ユニバーサル超三結 V1 アンプとほぼ同一の超三結 V1 回路に変更しました。(2007/12)
 分解・転用した時点とほぼ同様の、超三結 V1 回路にしました。(2018/07)   

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3 完成して

 かくして本アンプ対象の水平管は、アダプタ着装運用から解放されました。 どの水平管も平明な音ですが、それは美しい TV 画面を得るため、厳しく製造管理されて高品質・高性能を獲得したことの証しでしょう。 オーディオ専用管を脅かす余力ある一群の管種です。 
以上

改訂記録
2007/07:初版
2007/12:改訂第一版:回路変更、共用電源化
2008/05:改訂第二版:電源内蔵化、ボンネット・シャーシ化
2009/09:改訂第三版:分解・転用、CV450 関連部分削除]
2018/07:改訂第四版:分解前とほぼ同じ状態に復元、文章一部整理