改造内容: 動作状態
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○B 電源=Ebb:約 180V に
○カソード抵抗=Rk:220Ωに、約 64mA で約 14V
○SG 電圧=Esg:135V、ドロッパ R の調整にて対接地間149V
○プレート電圧=Ep 150V、対接地間 164V、OPT での電圧降下 16V
6Y6G, 6Y6GT を動作させ、いずれも大差なく無難な音で鳴りました。 これを「一号アンプ」としました。
◇試験経過:
回路変更1:超三結V1 であった二号アンプを超三結V3 に回路変更しました。
動作試験:まず、適当に電圧配分したら変な音が出てきました。 高音がなくモワモワでゲインは低いのです。
バイアス Ek を点検すると少し高めであり、 Ik が多すぎでした。
回路変更2:一号アンプと二号アンプの電圧配分を比較して明らかに異なるため、それが原因と見て
一号アンプの電圧配分に近づくように抵抗値の調整にかかりました。
点検調整:スクリーン・グリッド供給電圧を得るためのドロッパ抵抗 Rsg を加減して都度音質を点検すると
スクリーン・グリッド電圧 Esg(K〜SG 間電圧)の値が、かなり音に影響することが判りました。
すなわち、6Y6G_GT は Esg の設定によっては音質が悪化する管種固有のクセがある訳です。
◇最終調整:
スクリーン・グリッド電圧 Esg を適正な135V に設定、二号アンプは良好動作となり一号アンプと同様な音質が得られました。
極めて当然ながら、超三結V1 にも超三結V3 試験の電圧配分を適用すべきである。 すなわち、
◇V3 での Ek=14V, Ep=150V (対接地169V), Esg=135V (対接地149V) の組み合わせは、
◇V1 にて Ek=50V, Ep=150V (対接地200V), Esg=135V (対接地185V) の組み合わせに
「平行移動」できる筈。
◇超三結V1 でも、Esg は規格の 135V にしたい。
◇それ以下であっても、Ep は必ず Esg を 10% ぐらい上回るように電圧配分できればナントカ鳴っている。
◇従ってEsg=135V, Ep= or < 150V と設定すればOKのはずである。
◇6Y6G_GT の超三結V1 は、もっと高い B電圧〜250V 程度で試験すべきである。
そうしないと十分な Ep, Esg が供給できない。
◇高い B電圧にしないと OPT での電圧降下を吸収できず、Ep > Esg の関係が維持しにくくなる。
◇高い B電圧にすれば、前段により高電圧を供給でき、十分なドライブ振幅が得られる。
◇他の球の場合でも同種の問題がありうる。用心に越したことはない。
◇807 では Esg が 250V max の条件。 Psg の問題以外に、Ep > Esg との制限がありうる。
規格表では 6V6/6L6 族でも 807 と同様の制限があり得、ビーム管固有の問題かもしれない。
◇五極管の 6F6 族, 6BQ5, 6BM8 では Esg equal Ep でも特に異常はない。
このような経験から、以後のビーム管の超三結V1 では、Ep > Esg とすべくブリーダ供給にしました。
二号アンプの超三結V1 は、一号アンプの超三結V3 よりもクリアーで迫力のある音が得られ、6BQ5 や 6V6G_GT の超三結V1 アンプに近い音質になりました。(1997/10)
二号アンプのシャーシ上の配置は、本文の先頭に示す写真のように縦長とし、電源トランスからの磁気漏洩を避けるため、出力トランスとの間に整流管 5Y3GT および 6Y6GT を配列し、最前部に初段を配置しました。
以下には最新の 6Y6G_GT 超三結V1 アンプの回路図を示します。(1999/09)
●リニアライザ改良:
初段プレートにリニアライザとして 6AL5 を挿入。
派手さが失われ素っ気ない印象の音質になったが、暗くはなりませんでした。(1998/01)
●電源強化 :
電源トランスに余裕を持たせ、タンゴの ST220 に換装しました。
Stopping diode としてOPT の B 電源側に 6AS7GA(D) [二極管接続] を挿入。(1998/03)
●Esg の怪 :
Ep が高い場合には、Esg ドロッパが直列抵抗では、あまり Isg が流れず、Esg が高い状態で安定していました。
Ep が高いと SG を電子が通り抜けて Isg が増えない現象があるかのようです。
しかし、超三結V1 では直流サーボが効き、Isg が増えないこともあって Psg を超えなかったようです。
直列ドロッパをブリーダ形式に変更して、所定の電圧となるように変更しました。(1998/03)
●SD 他の構成変更:
Stopping diode を SiDi 1N4007 に変更しました。(1999/09)
●統合吸収にて分解:
本アンプはユニバーサル超三結V1 アンプの完成により役目を終わり、分解しました。(1999/12)
初段および電圧帰還管には 2E24 超三結 V1 アンプに採用した、発振を起こさない 6AW8A を採用しました。
PT には 100V-220V/50VA のセパレーション・トランス、6.3V5A ヒータートランス、OPT には東栄変成器 OPT-10S を使用しました。
バイ・アンプ運用を考慮して、信号入力ジャッグは並列に二組を装備して、信号のスルーによる並列接続を可能にしました。
シャーシ・ケースは鈴蘭堂製の SU-8 を使用しました。
以下には復活後の 6Y6G_GT 超三結V1 アンプの回路図を示します。