6CD6-GA STC →水平管天国二号 →チューブチェッカー STC アンプ改造記

2007/08-2012/05 宇多 弘

6cd6s.jpg 6cd6wys.jpg

1 製作および拡張改造の経緯

1.1 発生時点 (2007/08)
 これまで、アダプタに着装して細々と稼働機会を得てきた 6CD6-GA (Pp=20W, 口金接続={5BT}) の稼働率を得るため、専用の本アンプを製作しました。

1.2 第一次拡張・改造 (2007/11)
 本アンプのシャーシを整備する機会に、拡張して 6Y6G, 6Y6GT および 6W6GT 稼働環境を加えました。 その発想は・・・これらの管種は 6V6GT 等と同じ口金接続の {7AC} でありながら Ep=200V などと動作電圧が低く、無理に 250V 等で動作させれば寿命を縮めたり音質を損ないます。 また、電源部分を内蔵した「チューブ・チェッカー」ユニバーサル超三結アンプでは B電源電圧の調整機能をもたないために、これらの管種を挿し換え運用対象外の「宿無し状態」とせざるを得ませんでした。
 ところがこれら管種は、B 電源電圧が調整可能な外部電源にて稼動する 6CD6-GA 専用アンプの動作電圧に近く、吸収可能であると気がつき拡張・改造するに至りました。 かくして本アンプは、汎用化リバウンドのエスカレートに乗って「水平管天国二号」に昇格しました。

1.3 第二次拡張・改造 (2008/07)
 「水平管天国二号」の拡張をさらに検討していくと、下記の2項目の改造にて数年前に一旦分解した外部電源にて稼動する原形の「チューブ・チェッカー・アンプ」に簡単に戻れることが判り、早速改造を加えました。 これで「水平管天国二号」は、再度格上げされて 6CD6-GA 対応を追加した「<新>チューブ・チェッカー1号アンプ」として生まれ変わった訳です。

  (1) 外部電源の B 電圧の加減にて運用に対応、  (2) 可変の嵩上げ抵抗に変更

1.4 第三次拡張・改造 (2009/09)
 規格表を点検していたら、6CD6-GA のソケット接続なら、そのまま 6CL5 が挿せることが判明しました。 それではと、6CD6-GA では Ep なみに設定してあった Esg をスイッチ選択にてドロップできるように変更しました。 すなわち 6CD6-GA では一般オーディオ管なみの Ep=Esg 設定とし 260V 運用、 6CL5 では一般の水平偏向出力管なみの Ep>Esg 設定として 310V 運用とする訳です。

6cd6wy.gif

2 回路構成

2.1 動作電圧など
 B 電圧は 260V/310V に設定するものとします。 

● 6CD6-GA 関係 (260V)
 規格表に記された 6CD6-GA の動作例では プレート電圧 Ep = スクリーン電圧 Eg2=175V, 制御グリッド電圧 Eg1=-30V となっています。 Eg1 が一般のオーディオ管の倍程度まで深いので、超三結V1 回路として動作させるには「嵩上げ」電圧を 50V 程度に設定して初段の動作電圧を確保したい所です。 これにバイアスを加えて、さらに出力トランスの許容直流電流を考慮してカソード電流 Ik=65mA 程度の控え目な動作点に設定すると、カソード電圧 Ek=80V 程度を得るに必要なカソード抵抗は Rk=1.2kΩとなりました。 Eg2 はナマ Bのままでは Eb より高いので、専用のブリーダ・ドロッパで若干調整してオシマイです。(2008/07)

● 6W6GT/6Y6G_GT 関係 (260V)
 6W6GT および 6Y6G_GT それぞれの動作例では Ep =200V, Eg2=120V/135V, Eg1=-8.6V/-14V となり、Ik=48mA/63mA から嵩上げ+バイアス抵抗 1.2kΩを 6CD6-GA と挿し換え共用した場合に 58V/76V、Ep=260V-58V/76V=202V/184V となります。 Eg2 の設定は 6CD6-GA のドロッパの先で更に合計 70V 程度落せば 260V-70V -58V/76V=132V/114Vとなって、いずれも規格はオーバーしません。
 6Y6G, 6Y6GT についてはやや内輪の動作で Ep/Eg2 を若干上げたいですが切り替えが面倒です。 共通とした場合でも実用上は問題なくパワーが十分取れないだけであり、勘弁してもらいました。(2008/07)

● その他の出力管 (310V)
 大形・小型出力管および一般水平偏向出力管については特段の制限は設けないことにしました。 ただし 6AR5/6AQ5, 6AU5GT などでは Pp 一杯になりそうなので、B 電源を適宜降圧して運用するものとします。 6CW5 は更に降圧が必要、対象外としました。(2008/07)
 6CL5 をこのグループに加えました。 6CL5 の挿し換え運用時の Eg2 の設定は水平偏向出力管なみ扱いとしてドロップさせ、6CD6-GA の挿し換え運用の場合は、オーディオ管なみ扱いとしてドロップさせないもとのします。(2009/09)  

2.2 自己バイアス+嵩上げ抵抗の切り替え
 下記のように設定して、挿し換え時にスイッチ選択し、カソード電位はほぼ 60V 前後を確保・維持するものとします。

 大形出力管 =820Ω (75mA)、 水平偏向出力管、中小型出力管 =1180Ω (40〜60mA)

2.3 SG ブリーダ・ドロッパ
 「2.2 自己バイアス+嵩上げ抵抗の切り替え」のスイッチと連動して、水平偏向出力管の場合は降圧します。
 対カソード電圧にて概ね 120V、対グランド電圧にて概ね 180V に設定されます。 これにて殆どの水平偏向出力管は問題なく動作します。 
 6CD6-GA では SG ブリーダ・ドロッパは適用せず、大形・小型オーディオ出力管と同様に若干電圧降下させた SG 動作電圧を供給し、6CL5 では水平偏向出力管なみ扱いとしてドロップさせるように変更しました。 (2010/05) 

2.4 出力トランス
 東栄変成器製の OPT-10S (3.5kΩ/8Ω) を使いました。(2007/08)
 6CL5 の利用環境が追加されたので、タンゴトランスの FW-20S に取り替えました。(2009/09)
 いずれも二次側出力には 8Ω/4Ω端子を設けて、高 Rp 小型出力管とのマッチングに配慮しました。

3 できばえおよびフォロー

(1) ユニバーサル環境での挿し換えなどの操作は不要、より安心で外観もよろしい・・・などの追加
  精神効果が得られましたが、当然音質には大差ありませんでした。(2007/08)
(2) リバウンド拡張とはあまり冴えませんが「水平管天国」は二台目となり 6Y6G
  灯が点って賑やかになりました。 水平管にはもっと活躍してもらいたいです。(2007/11)
(3) 「チューブ・チェッカー」ユニバーサル超三結 V1 アンプ三号と並んで、41, 42, CZ-504-D
  (6B-7AC) アダプタに着装し、また CZ-504-D ではアダプタ上でのヒーター電圧降下
  スイッチ設定により、Ebb=310V 環境での動作確認を行いました。(2008/10)
(4) 6CL5 の利用環境を 6CD6-GA 環境に追加して充実しました。(2009/09)
(5) 再度調査により、CV450 は特殊な口金接続であるため専用アダプタ着装に変更し、
  動作例により Ep=Esg に設定するオーディオ管扱いとしました。(2010/05)
(6) 旧V1 一号は陳腐化のため分解し、本アンプを新V1 一号に変更しました。(2012/05)
以上

改訂記録
2007/08:初版
2007/11:改訂第一版:拡張改造にて 6W6GT/6Y6G_GT 環境を追加
2008/07:改訂第二版:拡張改造にてユニバーサル環境を整備
2008/10:改訂第三版:41, 42, CZ-504-D の利用環境追加、動作確認
2009/09:改訂第四版:6CL5 利用環境追加、CV450 は規格が不整合にて除外
2010/05:改訂第五版:CV450 の環境整備と復帰
2012/05:改訂第六版:分解整理
End of text