6BQ5 超三結アンプ製作記

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1997/9〜2014/05   宇多 弘


始めに

 6BQ5 とその兄弟 7189/7189A とは結構長いおつきあいになります。
 最初に出会ったのは 1975 年頃、会社の同僚からもらった球式チューナ付プリメイン Trio W50 のパワーアンプに使っていた 7189A pp でした。 これを骨の髄までシャブリ、W50 の本体がとうに廃棄となっても 7189A(T) pp アンプとして主要部分だけが形を変えて、しぶとく1995年まで生き延びた主要現用機でした。 その間に 7189 s のイコライザ付きアンプ、7189A(T) パラシングルアンプ等にも挑戦しました。
 何台かの超三結V1 アンプを製作して様子が判ってきた1997年 に、先行して試験的に製作した 6BM8 超三結V1 アンプ三台のうち、一台を 6BQ5 超三結V1 アンプに転用して一号アンプとしました。 6BQ5 は Gm が高いためか、超三結V1 アンプの中では 6BM8, EL34 とならんで、ビーム管とは異なる「固め」の音が得られ、代表的な超三結V1 アンプとなり得るものと思われます。

その後の変化

 上記一号アンプは <愛用の小型出力トランス> 一個で構成しました。 低音の不足とフル出力での容量不足が感じられましたが、シャーシが小さくて小型出力トランスを増設する余地がありません。(1997/9)
 そこで、二号アンプはシャーシを大型のものに変更して、同じ小型出力トランス二個を一次パラ二次シリーズにしたものに変更して低音の力感が大幅に改善されました。
 初段 6U8A の三極管部を二極管接続として、五極管部のプレートに直列挿入してリニアライザ効果を狙ったつもりですが、効果の程は疑わしいです。 それよりも電圧帰還管を 12AT7/2 に分離したことで、6U8A のみで初段〜帰還段を構成した場合の G1p-Gt 間の飛びつき発振を回避した効果があったことになります。(1999/1)
 その後別のアンプの跡地に移り住み、三号アンプとなるも B 電源電圧が不足でした。(1999/10)
 電源の昇圧改造待ちだったこのアンプが気に入られた方が現われ、お嫁入りしました。(1999/12)
 下記は三号アンプの回路図です。

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作り直しました

 小型の超三結V1 アンプがユニバーサル・アンプに吸収され消えて久しく、フト思いついてマナイタ (Bread board) に 6BQ5 にてコンパクトに超三結V1 アンプを組んでみるか、と発想しました。 ボンネットがなくてトランス類の端子が剥き出しでは安全性が問題、カバーを何とかしようと DIY の厨房用品コーナーをウロウロ。
 見つけたのが写真に示したコーナーに置くフレーム棚です。 マナイタをつり下げて棚上にパンチング・メタルを敷けば一応は危険防止となる訳です。 フレーム棚の価格はリーズナブルですが、つり下げ金具とパンチング・メタルのコストを加えると、ボンネット付きシャーシの価格に近くなってしまいました。 
 アンプ部分は全て市販品・・・実は宝箱をひっくり返して集めて再利用しました。 特に変った部分はありませんが、初段バイアスには終段のカソード電流から DC-NFB を掛けて温度変化に耐える安定度を考慮しました。 動作試験に入ったら発振がなかなか止まらずハテナ?、イロイロ対策して最後に出力トランスのフレームをバスアースに接続したら収まり、通算にて四号アンプが完成しました。(2013/12) 

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以上

改訂記録
1997/09:初版 
1999/12:改造経過と運用停止
2013/12:再度製作
2014/05:分解転用