6AV5GA_6DQ6A/B_CV450 超三結V1 アンプ 試作〜改造試験記

1999/12〜2000/06 宇多 弘
6av5ga.jpg
初期の 6AV5GA 超三結V1 アンプです。


1 6AV5GA 専用アンプの運命

●先行した 6DQ6A-B および CV450 があってこそ・・・  以前からストックしてあった、テレビ受像機の水平偏向出力管 6DQ6A/B を機会あらば料理してやろうとかねがね考えていました。 それに以前頂いた CV450、これは欧州の球ですが、互換表によると 6CU6 相当、 6BQ6 とも互換性があります。 さらに 6DQ6 一族と比較すると類似、これらも一緒に、別項の「汎用超三結V1 アンプ」の構想が展開しつつありました。(1999/09)

●6AV5GA を発見!
 秋葉原の A 販売店にて 6AV5GA を発見、早速購入しました。 特性を調べたら 6AV5GA6BQ6/6CU6 ソックリ、さらに動作例の各部分の値が全く同一で、ビックリしました。 どうやら 6AU5/6AV5 ともにパルス高圧対策のためトップ・プレートにした 6BQ6/6CU6 の前身球ではないかと推測されます。 
 6AV5GA の口金接続が (6CK) であり、多くのオーディオ出力管・水平偏向出力管共通の (7AC/6AM) とも違います。 そこで、US プラグと US ソケットを組み合わせたアダプタを作り、6DQ6A/B 超三結 V1 アンプにて試験動作させると、各電極の電圧が殆ど 6DQ6A/B と同様な値となりました。(1999/09)

●専用機にしたにもかかわらず・・・
 6AV5GA のアダプタ・オペレーションは余り見栄えがしないので、既存のアンプを改造して専用機としました。(1999/12)
 ところが、すでに 6DQ6A/B 超三結V1 アンプは「汎用超三結V1 アンプ」として改造が進んで、6DQ6A/B の陰が薄くなっており、本機で救済しよう・・・。
 6AV5GA を「専用機に格上げ」してホッとしたのもつかの間、相対的にはマイナーな存在、6DQ6A/B 一族の出番が増えると、本機をもとのソケット接続 (7AC/6AM) に戻したくなり 6AV5GA はアダプタに手戻り、実質的に 6DQ6A/B に乗っ取られてしまいました。(2000/05)

●もろとも汎用機に飲み込まれる!
 「ユニバーサル超三結V1 アンプ」が完成して、たとえ先行の 6DQ6A/B 一族が関係をヒックリかえしても、6AV5GA もろとも吸収されてしまい、また 6AV5GA は「アダプタ運用」のまま移行、本機の役目はあえなく終わりました。(2000/06) 

 関係する一部の管種の規格表に示します。

表 6Y6G/GT, 6384, 6DQ6A/B, 6AV5GA, 6CU6, 6L6GB, 6CA7 規格一覧

管球型名
標記
単位
6Y6G
/GT
6384
6AR6
6DQ6A
6DQ6B
6AV5
GA
6CU6
6L6GB
6CA7
構造上の分類 (電力増幅)ビーム ビームビームビームビーム ビームビームビーム五極
口金接続形式7AC6BQ 6BQ6AM6AM6CK6AM 7AC8EP
ヒーター電圧EhV6.36.3 6.36.36.36.36.36.3 6.3
ヒーター電流IhA1.251.2 1.21.21.21.21.20.9 1.5
最大プレート損失PpW12.5 3021181811 111925
最大プレート電圧EpmaxV200 750630770770550 600360800
最大スクリーン電圧EsgmaxV 200325315220220 175200270425
最大スクリーン損失PsgmaxW 1.753.53.53.63.6 2.52.52.58
プレート電圧EpV200 250300250250250 250250250
スクリーン電圧EsgV135 250300150150150 150250250
制御グリッド電圧Eg1V -14-22.5-36.0-22.5-22.5 -22.5-22.5-14-13.5
無信号時プレート電流Ip0mA 617758556557 5772100
無信号時スクリーン電流Isg0mA 2.23.54.01.51.82.1 2.15.015.0
内部抵抗Rp 18.322.522.02018 14.514.522.522.5
相互コンダクタンスGmmS 7.15.44.36.67.3 5.95.96.011.0
所定出力時の負荷抵抗RLΩ 2,600---- --2,5002,000
出力PoW 6.0----- -6.511.0

2 変更工事

 例によって、6Y6G/GT 超三結V1 アンプをタネ機として部分的変更にて極めて短時間に対応しました。 

●その1:6Y6G/GT→6AV5GA(1999/12)
 一時間で工事は完了しました。 (我ながら呆れます。)

(1) 出力管の接続変更
 ソケット接続を 6Y6G/GT (7AC) から 6AV5GA (6CK) に変更しました。

(2) 電圧配分変更
 B 電圧が 270V なので、Ep/Esg が Ek 基準で 215V/140V 辺りとなり、
 動作例より控えめの Ik=55mA に調整してオシマイです。

(3) 出力トランスと電源トランス
 東栄 OPT-5S および山水 P-44B を着装してありました。

●その2:6AV5GA→6DQ6A/B(2000/05)

(1) 出力管の接続変更
 ソケット接続を 6AV5GA (6CK) から 6DQ6A/B (6AM) 接続に戻しました。

(2) 電圧配分の変更
 スクリーングリッド電圧供給は15kΩ〜56kΩ のプリーダ固定としました。
 やや低いSG 電圧の CV450 の動作は、音を聴く限り特段の問題がなく、
 フルパワーは得られないけれど問題なしと決着しました。

(3) 出力トランスと電源トランス
 タンゴ U708 に変更し、タンゴ ST220 に変更しました。 
 250V タップをシリコンダイオード整流して約 300V を得、450V220μF のキャパシタを 6個使用した 20Ωによる二段πのリップル・フィルタとしました。

6av5gas.gif


以上
改訂記録
(1999/12):初版 
(2000/05):Rev1、6DQ6A/B との合流、PT/OPT の更新
(2000/06):Rev2、ユニバーサル超三結V1 アンプに合流、消滅
(2004/05):表のリンクミス訂正、文章短縮