41/42/CZ-504-D アンプ製作記

2008/09 - 2009/03 宇多 弘
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1 始めに

 何と今や珍品である CZ-504-D を二本、M 市の S 氏から頂戴、「数年以内に鳴らすこと」とニコニコしながらのご指定です。 現物と一緒に入っていた検査証のスタンプには昭和 44年 (1969年) とあり、約 40年経って日の目をみた訳です。 その昔、学生時代には同グループの電圧増幅管 CZ-501-D をしばしば使用しましたが、出力管の CZ-504-D に触れる機会がなく、筆者には久々の「初顔合わせ」となりました。 
 さて、短時間にて鳴らすには、既成アンプの改造が近道。 稼動率が低い 2E24 超三結アンプに「魔の手」が伸びました。 また例によって汎用化を図り、口金接続が同一にて類似規格の UZ41/UZ42 との挿し換え運用を併せて計画しました。
 これらペントードの個性音は極力尊重しようと、回路は終段 P から初段 K 回路に掛ける所謂 P-K NFB としました。 超三結 V1 と同様に出力トランス一次側からの局所 NFB にて出力トランスの影響を受けにくい・・・選択自由度が高い、したがって再現性も高いという訳です。
 CZ-504-D の規格概要は下記の通り、自室で使うには A1シングルで十分です。 UZ41/UZ42 よりひと回り大きいけれど自己バイアス抵抗、およびヒーター電圧を切り替えます。 スクリーン・グリッド電圧 Ec2 供給は CZ-504-D 向けにブリ−ダ・ドロッパとし、UZ41/UZ42 では切り替えを省略した内輪な動作。 かくして挿し替え運用環境が整いました。

 用途・種類:電力増幅五極管、Ef(V) x If(A) =5.5 x 1, 口金接続=6B
 動作例  :Eb=250V, Ec2=200V, Ec1=-13.5V, Ib=40mA, Ic2=7.5mA, rp=90kΩ Gm=3.5mS


2 実装設計

● 終段の自己バイアス抵抗
 自己バイアス抵抗 Rk は CZ-504-D は動作例から 280Ω、 UZ42 は 410Ω、UZ41 は動作例から 480Ωとなります。 これを手持ちの抵抗から 300Ω+120Ω+100Ωのスイッチ切り替えとしました。 これらの抵抗値は若干大なるも問題ありません。

● 出力トランス
 直流電流容量 50mA 程度の中型形出力トランスにて納まります。 7kΩ/8Ωが望ましいですが手持ちの 5kΩ/8Ωを活用しました。

● 終段回路およびB 電源電圧
 B 電源電圧をやや低めの 250V とし、終段スクリーン電圧 Ec2 は CZ-504-D を挿して 220V となるようブリーダ・ドロッパを調整しました。 UZ41/UZ42 では動作例より低いけど、特段の支障はありません。  

● 初段、ドライバ段
 6U8A/6EA8/6GH8A を採用しました。 五極管部から終段に C/R 結合が可能ですが、三極管部を直結カソードフォロワ・ドライバとし、その負荷から終段に C/R 結合しました。 後の超三結回路実験への準備です。

● B 電源回路
 100V-220V 50VA のセパレーション・トランスに 12V0.3A の汎用トランスを継ぎ足して、1N4007x4 によるブリッジ整流としました。 リップル・フィルタには 350V100uF x2x2 および 400V560uF x2 にて、二段π構成の途中から L/R 電源として分岐しました。

● ヒーター電源回路
 終段管 CZ-504-D のヒーター電圧が 5.5V、スイッチ切り替えにて 1Ωの直列抵抗を挿入し AC 5.3V に調整しました。 初段、ドライバ段に対するヒーターハム対策の DC 電圧付与は、ヒーター回路を終段管カソード回路に接続して済ませました。

● 回路図
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3 製作と動作試験

● シャーシと部品配置
 写真の通り、アルミ製 350x200x60 T=1.2mm の汎用シャーシの妻面下方をアルミ・サッシュのアングルにて補強、縦型配置としました。 さらに四隅にアルミ・サッシュのアングルを立て、上方には縦横方向に梁を渡して保護フレームを構成、ヒックリ返して配線・点検を容易にするとともに、出力管を挿したままの運搬・保管を可能にしました。

● 動作点点検
 回路図に示すように、三種の出力管につき終段 Ek/Eb/Ec2 を点検、何れも安全圏内を確認しました。

● 出来映え
 どの球も若干個性的なペントード音です。 しばらく聴いて「これはこれで行けるな」。

● 応用動作〜汎用化  
 US ソケットの 7AC/8EP 接続および UZ ソケットの 6B 接続とのアダプタを作り 6K6GT/6F6GT をそのアダプタに着装して挿し替えて UZ41/UZ42 ポジシヨンにて動作できるようにしました。 さらに軽い動作なら 6V6GT/6L6GB もアダプタに着装し挿し替えて Rk は CZ-504-D ポジシヨンの Rk=300Ωで動作でき、KT88/6550/EL34 (6CA7) も・・・  

以上

改訂記録
2008/09:初版:試作試験
2009/03:改訂第一版:分解・転用
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