その後、 SRPP 〜 P-G NFB 併用カソードフォロワ・ドライブに変更、自己バイアス抵抗を切り替えにて 2A3/45 準超三結 (Semi-STC) アンプとして稼働し、更にカソードフォロワ段の管種による音質の変化を知りました。 P-G NFB 併用カソードフォロワ・ドライブとは、カソードフォロワ段のプレートに終段のプレートから直流電圧と一緒に NFB 信号を供給するものです。(2002/07)
1619 をこのアンプに吸収すべく UX ソケットをオクタルに換装し、自己バイアス抵抗のスイッチ切り替えポジションを追加、2A3/45 はソケット・アダプタに着装して挿し換え運用する 2.5V 出力管の Semi-STC ユニバーサル・アンプとなりました。(2004/05)
1619 の稼働率が上がらず、シャーシの更新機会に 2A3/45のみに戻し、カソードフォロワ段も 12AU7/2 に戻しました。(2007/02)
● カソードフォロワ段まわり
初期には 12AU7/12BH7A の半分またはパラレル接続を使っていました。(2000/10)
その後、他の何種かの Semi-STC アンプ実験にてカソードフォロワ適用管種により音質が変わることを発見しました。 カソードフォロワ段のμが・・・終段の P-G NFB 量が 1/μにて効くことが判ったのでμ=6.5 12B4A に変更してみた結果、制動が強化されてかなり音質が変化したので、別項目に掲げた
300B Semi-STC アンプのカソードフォロワ段も同様に 12B4A に変更しました。(2002/07)
しかし色々なスピーカにつないで見るといかにも過制動の音であり「過ぎたるは及ばざるが如し」。 初期の 12AU7/12BH7A に戻りました。(2007/02)
● 出力段まわり
2A3/45 の自己バイアス用のカソード挿入抵抗は 750Ω/750Ω+820Ω をスイッチ操作にて切り替えとしました。 2A3 および 45 のプレート負荷インピーダンス切り替えは、出力端子の 3.5kΩ/5kΩ を選択するものとしました。
● 電源まわり
使用した電源トランスの B 巻線 がシリコン・ダイオード (SiDi) によるブリッジ整流用であり、Power on 時にはスロースタートである整流管のような B 電源の立ち上がり・・・終段動作に合わせたソフト・スタートができません。 そこで電源スイッチを二回路二接点タイプにて、
◆下 :「AC on」 ◆中点:「AC off」 ◆上 :「AC+B on」
として、下:「AC on」で 2A3/45 のフィラメントが 10 秒程度待って明るくなったら、中点を通って上:「AC+B」on
にする「手動式タイムディレー」兼電源スイッチにして、フィラメントが未加熱のまま高圧が掛からないようにしました。
Power off 時には、一旦下:「AC on」ポジションにてリップル・フィルタのキャパシタをアンプにて放電させてもよいのですが、AC
が切れると放電する AC100V リレーの Normally close 接点に 2.5kΩ20W の放電抵抗を用意して、停電時またはコンセントを誤って抜いた場合でも
B チャージが急速に放電されるようにしたので、単に中点:「AC off」で OK です。
● 回路全体について
さて本アンプの回路図は、よく見かける古典回路の SRPP-カソフォロ・ドライブの直熱三極管アンプとはチョット見では殆ど変らず、不注意な人は混同するでしょう。 しかし決定的な違いは、下記の複数の局部 NFB による近代回路?である点です。
◇(1) カソフォロ・ドライバ段には終段プレートから P-G NFB を掛け、超三結効果を得た。
◇(2) カソフォロ・ドライバ段の負荷には定電流源を併用し、NFB 量を確保した。
◇(3) 出力トランスの二次側から初段に帰す、オーバーオール NFB の使用を避け、
出力トランスの仕様依存性を回避して再現性を高めた。
◇(4) 初段には終段プレートから軽く P-K NFB を掛け、アンプ全体の歪を軽減した。