1626 準超三結アンプの製作

2001/06〜2001/09 宇多 弘
1626.jpg
Semi-STC 1626 amp (left) and 6BK5 STC amp (right)

1 いきさつ

 P-G NFB 併用カソフォロ・ドライブによる UX2A3/UX45/300B の準超三結アンプを完成しました。 その応用動作として以前 (1997/08) に P-G NFB 併用 SRPPドライブ・アンプとしてしばらく稼働した 1626 を、今回は準超三結アンプにして以前の音と比較して見たくなり、早速試作しました。
 例によって試験用のシャーシの製作が面倒なので、GT 管のソケットが装備されている、6AG7-6CL6-6197 の外部電源による超三結 V1 アンプを転用しました。


2 回路など

●回路構成とトータル・ゲインの検討  
 前身の超三結 V1 アンプの構成を大幅に変えずに済む簡単なプランとしました。 初段は電圧増幅五極管となっているのでゲインは確保できそうですが、最大振幅が少し心配です。 カソードフォロワ負荷には抵抗に加えて 2SK163 等の source/gate を接続した定電流源素子を加えて負荷のインピーダンスを高くしました。 1626 をドライブするには、初段に双三極管の SRPP を起用してタップリと終段への入力振幅を取りたいところですが、フルドライブ・フルパワーが最終目的ではないので、既設の初段五極管 6AU6 を利用し、カソフォロ段および P-K NFB に挿入の非直線素子には 12AU7 を利用しました。

●終段の自己バイアス抵抗
 以前の 1626 P-G NFB 併用 SRPP ドライブ・アンプ実験記録に Ep=250V, Rk=2.8kΩ とあり 2.7kΩとしました。

●出力トランス他
 シャーシに取り付けられていた春日無線変圧器の 54B57 を 7kΩ:8Ωにて利用しました。

●電源回路
 B 電源は 4000μF 塔載の 260V/285V/310V150mA、ヒーター電源は 6.3V3A x 2 の汎用外部電源から供給しました。

 回路図を下記に示します。

1626sch.gif


3 できぐあい

1626 準超三結アンプは、以前の P-G NFB 併用 SRPP ドライブ・アンプよりも遥かに迫力を伴って、多極管の超三結 V1 アンプの音に接近しており、直結にこだわる必然性はない、と思いました。 また以前の実験時に使用した電源よりも、遥かに強化されたものを使用したので、その効果が現われたみたいです。(2001/06)
以上

改訂記録
2001/06:初版
2001/09:改訂第一版 〜6LR8 超三結 V1 アンプに転用・消滅