耳鼻咽喉科の救急疾患  by はたの耳鼻咽喉科

 耳が痛い、鼻血が止まらない、魚の骨がのどに刺さったなど耳鼻咽喉科の救急疾患
の対応をこのコーナーでは扱っています。下記の注意事項を必ずお読みいただき、御
承諾の上、御利用ください。

                     
                         注意事項

1.記載した内容は、実際に診察した上での治療方法ではありません。あくまで「家庭の医学」的な参考資料としてお考えください。

2.夜間、休日や何らかの理由ですぐに医療機関を受診できない場合の応急処置を想定しています。医療機関を受診できる場合は速やかに医療機関にご相談ください。また、症状が落ち着いても必ずしも直っているわけではありません(例えば、急性中耳炎の耳痛など)ので、症状が落ち着いた後、早期に専門医の診察を受けてください。

3.標準的な耳鼻科救急疾患の対応を示していますが、この内容に基づいた治療経過が不良であったり、薬のアレルギーが出る等の不都合が、ご利用された方に生じた場合の責任は負いかねます。                                

症状一覧

鼻・顔面

のど

耳が痛い

耳かきなどでつついた


耳に虫が入った


急に聞こえなくなった


めまいがする

鼻出血

鼻に何かを入れた


鼻をぶつけて形が変わった


顔面が痛い


顔の動きが悪い

のどが痛く食べられない

魚の骨が刺さった


豆などが気道に入った

息苦しい





耳が痛い

疾患

急性中耳炎、急性外耳道炎などの耳疾患や扁桃腺炎などの耳の放散痛など

処置

急性中耳炎はカゼの後に、外耳道炎は耳かきなどで耳をいじりすぎた後に起こることが多い。耳痛は、備え付けの鎮痛剤か坐薬で通常は治まる。安静にし、早めに耳鼻咽喉科を受診する。


耳かきなどでつついた

疾患

外耳道損傷、深部までつついた場合は鼓膜穿孔を生じることもある

処置

耳痛は、備え付けの鎮痛薬か坐薬で通常は治まる。耳出血を見ることもあるが、圧迫かタンポンで通常は止血する。外耳道炎や鼓膜の穿孔を作ることもあり、早めに耳鼻咽喉科を受診する。


耳に虫が入った

疾患

外耳道異物(昆虫)

処置

玩具や消しゴムなどの異物では炎症を起こすことは少ないが、昆虫異物では外耳道炎や場合によっては、鼓膜の損傷を起こすことがある。虫が死ぬと耳痛は軽減し耳内の雑音は治まる。光を当てて虫を誘き出す方法もあるが、成功することは少ない。民間治療としてオリーブ油などを耳内に入れて殺虫する方法もあるが、早めに耳鼻咽喉科を受診したほうが良い。


急に聞こえなくなった

疾患

突発性難聴、耳垢栓塞など

処置

原因が不明で急に難聴になった場合は上記の疾患が疑われる。耳垢栓塞であれば除去によって軽快する。突発性難聴では耳鳴やめまいを伴うことがある。治療が遅れると治癒が悪くなるので早めに耳鼻咽喉科を受診した方が良いが、通常救急外来を受診しなくても良いことが多い。


めまいがする

疾患

内耳性めまい(メニエール病、頭位性めまいなど)、脳の障害によるめまいなど

処置

内耳性と中枢性(脳の障害による)のめまいに大別される。中枢性の場合には意識障害、頭痛、手足の運動障害やしびれなどの症状を伴うことがあり、重篤感が強い。中枢性が疑われる場合には救急外来受診したほうが良い。


鼻出血

疾患

鼻出血

処置

鼻中隔(鼻の真中にあるしきい)粘膜から出血することが多い。出血部位は比較的前方にあるので、小鼻をつまむようにして押さえると多くの場合は10分程度で止血する。多量に出血する場合や30分以上止まらない場合は、救急外来受診の適応となる。高血圧や肝臓疾患などがある場合は、原疾患のコントロールが重要である。


鼻に何かを入れた

疾患

鼻内異物(玩具、紙など)

処置

幼児の場合、異物を入れたことを訴えないこともあり、くさい鼻汁が続く場合には鼻内異物の疑いがある。鼻をかんでも出てこない場合には早めに耳鼻咽喉科を受診する。


鼻をぶつけて形が変わった

疾患

外鼻外傷、鼻骨骨折など

処置

いわゆる、鼻っ柱をぶつけると鼻骨の骨折を起こすことがある。皮下出血や腫脹があると外鼻の変形に気づきにくいが、腫れが取れてくると変形が目立ってくる。通常受傷から1週間以内であれば、骨が固まっておらず比較的簡単に整復できるが、時間がたつと整復が困難となる。早めに耳鼻咽喉科を受診したほうが良い。


顔面が痛い

疾患

急性副鼻腔炎、三叉神経痛など

処置

副鼻腔炎の場合は頬部、眼の内側〜深部、前頭部の痛みが多い。三叉神経痛の場合は発作性で刺すような痛みのことが多く、接触することによって痛みを誘発することがある。両者とも通常、備え付けの鎮痛剤で一時的な症状の緩和は得られる。早めに耳鼻咽喉科を受診する。


顔の動きが悪い

疾患

顔面神経麻痺

処置

顔面神経の麻痺によって目を閉じたり、口を閉じる等の顔面の表情運動が出来なくなる。原因不明(特発性)のものとウイルス性の麻痺に分けられる。後者では耳痛、耳鳴、めまいを伴うことがある。治療が遅れると治癒が悪くなるので早めに耳鼻咽喉科を受診した方が良いが、通常救急外来を受診しなくてもよいことが多い。


のどが痛くて食べられない

疾患

急性咽頭炎、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など

処置

咽頭痛は備え付けの鎮痛剤や坐薬で緩和されることが多いが、細菌感染に対する治療が遅れると重症化する。呼吸困難がなければ、あわてることはないが、出来るだけ早く耳鼻咽喉科を受診する。


魚の骨が刺さった

疾患

咽頭異物、食道異物など

処置

実際に骨が刺さっている場合と骨は見られず傷になって痛みを感じる場合がある。後者の場合には痛みは軽減してくるが、異物が疑わしい場合には耳鼻咽喉科の診察を受けたほうが良い。ご飯の丸呑みなどをして異物を落とそうとすることは異物をさらに奥に押し込むことになり、行ってはならない。


豆などが気道に入った

疾患

気道(喉頭、気管、気管支)異物

処置

窒息の危険があり、最も緊急性が高い。乳幼児ではピーナッツなどの豆類、老人ではモチが原因となる場合が多い。咳、喘鳴(ゼーゼーとする呼吸)がみられる。異物が下方に落下すると一時的に症状は和らぐことがある。至急、救急病院を受診する。


息苦しい

疾患

気道異物、急性喉頭蓋炎、アレルギーによる喉頭浮腫など

処置

窒息の危険があり、最も緊急性が高い。乳幼児の呼吸困難では、気道異物を考慮する必要がある。咽頭痛、嚥下痛を伴う場合は急性喉頭蓋炎などの炎症による気道狭窄に起因する。食物アレルギーなどで呼吸困難を起こすこともある。至急、救急病院を受診する。


(耳鼻咽喉科救急室:ERから)