出張演奏のご案内

  最近、特別な意義のある演奏会を二回ほど依頼されて開催しました。いわば出張演奏会です。二回ともたいへん好評で、引き受けた私も、責任を果たしたようで気分がよかったです。そこで、どなたからでも、同じようなご要望があれば、ぜひまたプロデュースさせて頂きたいと思い、ここに宣伝を兼ねて、その演奏会のことを報告します。学校・会社・自治会・自治体などで、文化的な催しを企画する立場にある方、また、邦楽に興味のある方は、ご一読ください。

  その一つは、1999年10月31日(日)に東京、町田の「シーアイハイツ町田」という団地で行った「午後のコンサート」です。この団地は町田市北部の、12棟からなる巨大なマンション群ですが、静かな森に囲まれて、近くには自然公園や鎌倉街道の古道などがあり、鶴見川も流れています。団地全体で人口が約5000人もあるので、生活やレジャーのための施設が内部に揃っていて、住民の方たちは自然を満喫してのんびり暮らしている感じです。大きな団地なので、自治会の中に「文化厚生グループ・青少年担当」という部署があり、そこで毎年イベントを企画・開催しているのだそうです。そこの主催で、昨年度の企画として、私の尺八と私の友人のハープのジョイントリサイタルが開かれたわけです。場所は、その団地の中央の「ウッドパーク」という野外広場でした。雨天の場合は、屋内の集会所で行う予定でした。

  曲目は、尺八で『砂山』と『鹿の遠音』、私の作った独奏曲『津軽陰影』。また、ハープの弾き歌いで『エーデルワイス』、『庭の千草』など。合奏で『アニーローリー』、『里の秋』、その他。『里の秋』は聴衆の皆さんにも一緒に歌って頂きました。最後に『尺八とハープを自分で弾いてみましょう』という番組もあり、興味のあるお子さんなどは解散後も広場に残って、私たちが尺八とハープの演奏法をお教えしました。

  次の一つは、今年(2000年)の1月29日(土)に、吉祥寺にある『成蹊中学高等学校』という所で行われた私のライブです。これは、『文化講演会』として、校内のホールで開かれました。この文化講演会というのは、この学校のPTAの教養部が主催して、毎年、講師や演奏家を招いて開くもので、学内の人に限らず、学外の人も入場自由です。今年は私が講師として招かれ、尺八の独奏、筝・三味線との合奏、それに講演を行いました。プログラムも私が作り、歌詞や演奏家の紹介を載せました。曲目解説も私が即興で舞台上から話し掛けました。PTAの係りの先生や父母の方たちに裏方の手伝いをして頂きました。

  内容は、尺八独奏で『鹿の遠音』と『津軽陰影』、筝・三味線との合奏で『岡康砧』と『赤壁の賦』、そして、私が『虚無僧と尺八と江戸の身分制度』という演題で講演を行いました。聴衆は、非常に熱心に聞いてくれる雰囲気が舞台上に伝わってきたので、私は講演を予定より延ばして、40分も話してしまいました。この話のもとになる論文は、現在このホームページに連載が進行中です。後でいろいろな人から感想を頂きましたが、尺八や筝を実際にまのあたりにして演奏を聞くというチャンスはめったにないので、非常に興味深かったという感想がとても多かったです。尺八は普通、筝と合奏することが多いので、筝曲をプログラムに載せられたのは、たいへん良かったと思います。筝は、三人の方に賛助出演して頂きました。講演も、文化講演会という趣旨には合っていたと思います。

  さて、このような催しを開くのに、どの位金が掛かるかということですが、私に関して言えば、謝礼は些少で結構です。ただし、筝・三味線・ハープなど他の楽器を頼んで合奏するとなると、それなりに金が掛かります。詳しくはメールでお問い合わせください。