◎ 朋盟発明・発見・アイデア教室 ---朋盟が仕掛けた知の迷路
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2001.01
目次
1 視力検査を能率的に実施する
2 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その1)
3 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その2)
4 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その3)
5 橋の交通渋滞を緩和する
6 社員食堂の待ち時間をなくす
7 マンションのエレベーターの待ち時間をなくす
8 英和辞典を3秒で引く
9 電子単語帳
10 運動会の「玉入れ」「鈴割り」で勝つ
11 運動会の「綱引き」で勝つ
12 薬の飲み方
13 透明でない傘を差したまま、自転車で信号を見ずに交差点を突っ切る
14 電車の精算機の混雑をなくす
15 電車に乗っている時間の有効利用(その一)
16 長袖シャツ
17 右ポケット
18 頭髪再利用
19 バス優先信号機
20 乗り換え切符を駅のホームで買う
21 高速「動く歩道」
22 眼鏡レンズ再利用
23 太陽光反射板
24 風呂の空間の有効利用
25 入浴時間の有効利用
26 この文章の意図に付いて
27 食器棚
28 レインコート
29 濁音・半濁音・振り仮名
30 共同化・国有化・共産化
31 右折信号の廃止
32 一方通行の幹線道路を作る
33 信号があってもノーストップ
34 数学クイズ 小銭入れに硬貨は何個入らなければならないか
35 鹿の角の露吹きの玉
36 風呂の温度と湿度の有効利用
37 数学クイズの答
38 小銭入れを軽くする通貨体系
39 定期券は一枚がいい
40 入学式・卒業式・成人式の見分け方
41 乗り換えなしでどこへでも行ける
42 もう一つの「車」もエレベーターに乗せて欲しい
43 英会話で一番役に立つ言葉
44 エスカレーターの能率的運転
45 超小型リモコン胃カメラ
46 時刻受信機
47 電波時計
49 正確な五分遅れの時計
50 路線バスの右折廃止
51 あらゆる道路を一方通行にしたら
52 高性能ブラインド
53 都市建造物の緑化(その1)
54 バスタブの仕切り板
55 回転寿司と寿司の知識
56 クラスのニックネーム
57 車間距離を0にする
58 線路空間の有効利用
59 iモード辞書
60 十二個の玉のクイズ
61 人質クイズ
62 洗濯物乾燥機
63 出前配達請け負い業
64 娯字訂正クイズ
65 清涼飲料のカリウム含有量
66 光源氏の本名は?
67 渋滞車線
68 渋滞時連結
70 人質クイズの答
71 光源氏の本名
72 ロミオとジュリエットは、出会ってからどのくらい経って結婚したか
73 合理的な振り替え休日
74 都市の冷房
75 弘法大師の雨乞いはなぜ効果があったか
76 携帯電話とバス・タクシー
77 片側一車線の道路の追い越し
78 タクシー・ナビゲーション・システム
79 ロミオとジュリエットの結婚
80 観光バス・ナビゲーション・システム
81 弘法大師の雨乞い
82 通勤電車のラッシュの緩和
83 山手線の輸送力を七割アップ
84 前2項目はまったく不可能と判明
85 精神安定ガスでテロを解決
86 接触限界を超えずに車両を増やす
87 井の頭線のレール分岐を、全線に渡って実地検分
88 二階建ての滑走路
89 インフルエンザの流行を抑える
90 目の前の湖の深さを知る
91 高性能ローラースケートの開発
92 速度が測れるメトロノーム
93 キックスケーター用ロッカー
94 発車時刻の表示は切符売り場に
95 □□□□
96 どんな活用形でも引ける辞書
98 人間はなぜ枕を使うのか
99 教室の連結
100 タバコ廃絶法
101 人間はなぜ枕を使うのか−その2
103 掃除をしなくてもよい家
104 フレクシブル価格の焼き鳥
105 インド人は、いかにしてゼロを発見したか
106 ポイ捨て通報タクシー
107 定期券の期限切れ警報機能
108 新幹線の名称
109 薬の飲み忘れ防止策
110 アフリカ象の挿し歯
111 幽霊と化け物はどう違うか?
112 自転車をこぐとタイヤに空気(2003年12月22日・「朝日新聞」朝刊一面
)?
113 大病院の順番待ちを携帯電話で知る
114 コンピュータの『順次記号検索機能』
115 「西東京市」はやめてほしい。
116 赤ちゃんを眠らせる機械
117 太郎・次郎・一郎・二郎・三郎・四郎・…
118 携帯電話の上手な買い方
119 注油は一箇所だけでよい
120 濡れた地表の開発で、都市の冷却
121 バス・飛行機の快適な座席
122 サランラップ・ビニールの浪費
123 「くまに注意!」の看板
124 贋(にせ)金作り
125 謎々コーナー
126 新客には大盛り
127 同姓同名
128 ブブカラーメンの混雑を解消する
129 動物を電磁波でコントロール
130 出がけの電話は無視する
131 電子英和辞典を引きやすくする
132 謎々コーナーの答
133 ミサイル追撃システム
134 意義ある海外旅行
135 クラス費の清算
136 患者の在庫ゼロの受付システム
137 教育的ギャグ・放言
138 ポケットのオプション
139 車輪のない飛行機
140 常設ボロ市
141 電子めくりプロ
142 フレクシブル価格のラーメン屋
143 水にくるまれた家
144 入院時間の有効利用
145 立体天気図
146 必ずタバコがやめられる方法
147 海の中の貯水池
148 短い手紙
149 壊れない携帯電気器具
150 電動人力車
152 寝台バス
153 唐がらし梅茶
154 選挙の棄権防止キャンペーン
155 狂牛病の症状
156 半角・全角の入力モードの表示
157 都市建造物の緑化(その2)
158 飼い犬のゴーグル
159 風呂桶(バスタブ)の蓋(ふた)
160 自転車のJAF
161 時計には、なぜ振り子が付いているのか
162 100チームがトーナメントの試合をすると、試合数は幾つか
163 ワールドカップ・サッカーの酩酊評(家族に)
164 大相撲の国際化を賞賛します
165 携帯電話番号送信スイッチ
166 傘を持ち歩く必要はない
168 「もったいない」のブログ
169 自転車交通の充実
170 靴下の統一
171 十円玉のハンディ
172 省エネ食洗機
173 硬貨の節約
174 つもり貯金
175 窓付き冷蔵庫
176 階段スミトルの発明物語
177 安全な飛行場
178 眼鏡クリーナーは駅のホームに
179 T字路の交通制御への疑問
180 お掃除ロボットの形状
181 超低速回転機能の付いた掃除機
182 方舟(はこぶね)ビル
183 原発船
184 都市の道路の渋滞を緩和する
185 電車の乗り降りの時間を短縮する
本文
1 視力検査を能率的に実施する
私が初めて自分の発明の才に気づいたのは、30年くらい前(昭和50年頃)のことです。学校の教師になって、身体検査の視力検査の手伝いをしていた時でした。体育館の中に十台くらい視力検査表が立てられ、生徒が5mほど離れたところに立って、スプーンみたいなもので片目を隠して検査表を見ます。こちらは、大から小に並んだ記号を上から順に棒で指示し、生徒がどこまで見えるかを判定するのです。皆さんよくご存知でしょう。
さて、私は検査をしているうちに、一つの事実に気づきました。近視の生徒は、スプーンを片目にあててこちらを見る時、必ずと言っていいほど、目を細めるのです。反対に、眼のよい生徒は、目をぱちっと見開きます。殆どの生徒が無意識にそういうことをするのです。
そこで私は、目を細めた生徒は0.2あたりから、目をぱちっとした生徒は1.2あたりから検査を始めました。すると、どんどん検査がはかどります。私は周囲で他の先生や看護婦がやっている検査と比べて見ましたが、私の検査のほうが、明らかに早く生徒をさばきます。私はこの「発見」に大いに興奮し、日本中の学校に手紙を出そうかと思ったほどです。それ以来、私は、身の回りのことを能率よく処理するにはどうするか考える癖が付いたようです。(2001.01)
2 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その1)
踏み切りは、交通渋滞の大きな要因です。現代の都市部では、昔と違って電車のダイヤが過密で、朝夕のラッシュ時は、踏み切りが空く時間が非常に短いからです。また、この時間帯は車や歩行者にとってもラッシュ時です。踏み切りは絶対的な電車優先通行になっており、車や歩行者は、ただ待つことしか出来ません。電車を高架にしたり、線路の下に道を通す工事をしたりすれば踏み切りはなくなるのですが、長い工期と金が掛かるでしょう。そこで…
電車の線路の両側に、線路と並行して道が走っている所がありますね。そういう所は、その区間全部を踏み切りにしてしまったらどうでしょう。遮断機を何十台も並べて、踏み切りのオンパレードのようにするのです。車は踏み切りを斜めに横断するとか、両方の道の通行方向を工夫するとかの問題はあるが、とにかく踏み切りの数というか、横断する面積が増える訳だから、渋滞の緩和に貢献する事は確かでしょう。
3 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その2)
こういう場所は、線路の下を掘って、全部道路にするのもよい方法と思います。普通、踏み切りは道と線路が交差している所にしか作られません。だから、踏み切りの立体交差化というと、踏み切りを横切る道路の両側の民家や商店の立ち退きとかに莫大な金が掛かる訳です。線路の両側に道が走っているような所の下を掘るだけなら、土地を買い上げる費用は掛かりません。
4 踏み切りの交通渋滞を緩和する(その3)
踏み切りでは、遮断機が開いていても、車は一時停止と安全確認、さらにローギアーでエンジンを吹かして通過する事が、法律で義務づけられています。それをさせるためか、道路よりわざと盛り上げて作ってある踏み切りもあります。これは本当に必要なのでしょうか。殆どの車が一時停止はするが、きちんと安全確認をしているかは疑問です。踏み切りを道路と同じ平面にして、一時停止なしで通行させた時、エンストが起きるとは考えられません。エンストは今の渡り方のほうが起きやすいでしょう。では、どういう事故が起きるのでしょうか。環状7号線と東急世田谷線が交差する若林交差点は、昔は一時停止がありませんでした。多少事情は違うが、考える材料になるでしょう。
5 橋の交通渋滞を緩和する
交通渋滞のもう一つの大きな要因として、橋があります。橋というものは、川を越えるためには必ず通らなければならない、そして抜け道がないのです。橋の数を増やせば、もちろん渋滞は解消するのですが、莫大な金と時間がかかります。しかし、本当に橋には抜け道がないのでしょうか。私は、橋に抜け道を作る方法はあると考えるのです。
私たちが知っている日本の河をよく観察してみましょう。多摩川、利根川、荒川…。青梅や長瀞のような上流域は別として、中流・下流域では、河といっても大部分は河原で、水が流れている部分は案外わずかです。特に、流れが速い所は、水深はせいぜい50センチ、幅は狭い所では10メートルくらいなのです。これは日本が細長い山国で、河の傾斜が急だからです。川の断面積は流速に反比例するので、流れが速い所は、浅く、狭くなります。しかし、橋は河原全体を大きく一跨(ひとまた)ぎするように懸けられ、時として500メートルを越える長さがあります。
水深50センチ、幅10メートルの流れを越えるために、長さ500メートルの橋を必ず渡らなければいけないのでしょうか。そういう本格的な橋が不要と言っている訳ではない。もっと簡単な橋があってもいいのではないか。
こうしたらどうでしょう。水が流れている所に仮設橋を架け、自動車を河原に誘導して渡す。仮設橋はいくつでも並べられる、つまり、何車線の橋でも作れる。台風など、水嵩が増す時は仮設橋を引き上げる。仮設橋とは何か。私は、湾岸戦争の時ニュースで見たのですが、トラクターの先に付けられた伸縮式の橋とでも言いましょうか。日本でも自衛隊が持っていると思います。特に混雑する橋、工事中の橋などの渋滞をさばくには有効ではないでしょうか。
さらに考えてみましょう。水深50センチ、幅10メートルの水の流れは、断面積が5平方メートルの水の流れという事です。私は素人なので考えが甘いといけないので、用心のため、サバを読んで、10平方メートルと仮定しましょう。ならば、河の一部を掘ってコンクリートで固め、深さ3メートルの水路にすれば、幅は3.3メートルで同じ断面積が得られます。水流の速さが同じなら、同じだけの水を通せる。要するに、その3.3メートルを渡る橋を架ければよいのではないでしょうか。仮に30メートルの区間に橋を架ければ、一車線の幅が3メートルとしても、10車線の橋が出来る訳です。この場合は、仮設橋ではなく、頑丈なコンクリートの蓋(ふた)のような橋がよい。水嵩が増えた時は、水を溢れさせておけばよいのです。
河をコンクリートで固めるのは環境破壊だって? 本格的な立派な橋が完成して渋滞がなくなったら、もとに戻せばよいのではないですか。
6 社員食堂の待ち時間をなくす
一人の客が食堂で食事を20分でとる時、5分の待ち時間があったとする。これを待ち時間がない場合とくらべると、客にとっては5分の無駄です。食堂にとっても、20分の仕事を25分ですることであり、仕事の効率を20パーセントも悪くすることです。これは、ひいては店の広さや客席の必要数にも影響します。客を待たせるということは、客の時間を奪っているだけでなく、食堂の営業の効率を自ら低下させ、食事の価格を高くしているということです。待ち時間が極端に短い牛丼やカレーライスの専門店などが、安い価格で繁盛しているのは、そういうところに大きな理由があるのでしょう。そこで、社員食堂の問題ですが…
その一 仕事をする部屋の近くやエレベーターの中などに券売機を置き、売れ行きがオンラインで食堂の調理場に伝わるようにしたらどうでしょう。例えば、仕事をする部屋のある30階の廊下や、エレベーターの中で食券を買い、五分ほどで一階の食堂に着く。食堂に着いた頃、食事が出来ている。
その二 デスクの上のパソコンに食事の注文をインプットし、食堂に出かける。パソコンは、食堂の調理場のパソコンとつながっている。食堂に着いた頃、食事が出来ている。
7 マンションのエレベーターの待ち時間をなくす
旦那さんが出勤する時、エレベーターの呼び出しボタンを押しに行く奥さんが、日本には沢山いるそうですが、これも、前の話と同じ発想で解決されます。マンションの自分の家の玄関にエレベーターの呼び出しボタンが付いている。靴を履いてエレベーターの呼び出しボタンを押し、乗り場まで歩いて行くと、エレベーターが待っている。マンションを設計する段階で、そういう配線をする必要がありますが。
8 英和辞典を3秒で引く
英和辞典というものは、「引く」のではなく「読む」ことが大切で、そういう意味で辞書に時間をかける事は大切です。しかし、目的の単語を探し出すまでの時間は、短ければ短いほどよいでしょう。目的の単語を探している時の我々の頭脳は、ただイライラしているだけで、何の知的活動もしていません。我々が一生のうちに30万回英和辞典を引くとすると、単語を探し当てる時間を一回に一秒節約しただけで、30万秒、つまり約83時間の節約になります。
最近の辞書は、「耳」(本を開く側のへり)の部分に、aで始まる単語はここ、bで始まる単語はここを開ければよい、ということを示す印が付いています。一種の「単語検索マーク」です。出版社が付けたこの不完全な「単語検索マーク」をありがたく頂戴して、満足して辞書を引いているようでは、根性ある学生とは言えません。私は今、厚さ4センチほどの英和辞典を目の前に見ながらこの文を書いていますが、例えばsで始まる単語の部分の厚さは7ミリ、cの部分は5ミリほどもあります。反対にqは0.1ミリくらいで、ページ数を数えてみたら9ページでした。
qで始まる単語なら、出来合いの単語検索マークでも1、2ページの誤差で目指す単語に行き着きます。しかし、sで始まる単語はそうはいきません。そこで、sで始まる部分のうちの、seで始まる部分にその印を付ける。これは31ページもありました。こうしておくと、sの部分のうちでseの印のある部分の前が、sa・scなどであることが分かります。次に、例えば、siの部分に印を付ける。すると、shには印を付けなくても、seとsiの間にあることが分かります。要するにこういうことを他の部分についても全部やるのです。辞書の耳に、そんな細かい書き込みが出来るのかって? 出来ます。そんな細かい書き込みが読めるのかって? 読めます。本当に3秒で目指す単語に行き着くのかって? 行き着きます。私が高校時代に実際にやったことですから、間違いありません。(2001.02.15)
9 電子単語帳
英語の話のついでですが、辞書で単語を引きながら、この単語は前にどこかで読んだような記憶があるが思い出せない、という経験は誰でも持っているでしょう。単語帳をワープロや表計算ソフトで作ると、前にどのテキストの何ページで読んだか、簡単に検索ができます。そして、そのテキストを読み返すと、その単語が、どういう文脈でどういう意味で、また、どういう文法的使い方がされていたか確認できます。これは勉強の効率を大いに上げるでしょう。電子単語帳というものは、それ以外にももっと利用法が工夫できそうです。
10 運動会の「玉入れ」「鈴割り」で勝つ
コントロールの悪い人は、玉を拾って手渡す仕事に徹する。コントロールのいい人は、玉を投げる仕事に徹する。能力による差別だって? 運動会とか試合というのは、差別するためにやっているのでしょう。差別がいけないなら、全部引き分けにしなければならないではないか。初めから引き分けと決まっている試合なんて、誰もまじめにやらないと思いますが。
話は変わるが、最近の小学校の学芸会で、生徒全員に公平に主役を割り振らなければいけないということで、『走れメロス』が、『駅伝メロス』になってしまったという話を聞きました。本当でしょうかね。
11 運動会の「綱引き」で勝つ
運動会で綱引きをする時、担任のするべきことは何でしょう。応援する。それはもちろんです。しかし、もっと大切な仕事は、生徒を綱全体に適切な間隔に配置することだと思います。試合を前にして綱に取り付く時、生徒は放っておくと、お互いの距離など考えず、てんでんに綱に取り付きます。個々の生徒には全体の配置が見えないのだから当然でしょう。最後尾の生徒の後ろに、綱が3メートルも余っている事もあるし、一部分だけ生徒同士の間隔が狭くなっていることもあります。そういう所は、綱を引く姿勢が窮屈になる、つまり、戦力が弱まるのです。全体を見渡して正しい配置を指示することは、担任以外には出来ないのです。
12 薬の飲み方
花粉症の季節になりましたね。私は毎年同じ薬を医者に処方してもらって飲んでいます。それを、医者の指示通り、朝、晩、一錠ずつきちんと飲んでいれば、症状はまったく現れません。初めはそのように飲んでいました。
そのうちにこう考えました。前の薬の効果が持続している間は、次の薬を飲む必要はないのではないか。また、この薬は本当に一錠飲まないと効果が出ないのだろうか、半錠ではどうだろうか。結論を言うと、今は、半錠ずつ飲んでいます。病気はぎりぎりで抑えられているとでも言うか、かすかに花粉症であるような状態が続きます。薬の効果が切れて症状が悪化し始めると、次の半錠を飲みます。薬代は半分以下で済むが、これは節約が目的ではありません。何と言うか、自分の体を病気と健康の境目においておく事で、病気に対する自主的抵抗力のようなものを育てる意味があるのではないかと思うのです。
ここでちょっと注意が必要です。薬を少な目に飲むことによって「自主的抵抗力」が育つという考えが、医学的に正しいかどうか、私は知りません。また、薬の飲み方は、間違えれば健康を害します。医者の指示に従わないということも、一般的にはよくないことです。つまり、私のやっていることはただの素人考えで、間違っているかもしれません。これを読んだ人が真似をして健康を害しても、私は責任を負いません。
13 透明でない傘を差したまま、自転車で信号を見ずに交差点を突っ切る
傘を差したまま自転車に乗って交差点を渡る時、信号を見るために傘を持ち上げると、顔が雨に濡れて、うっとおしい。交差点の十メートルほど手前で、ふと前方の路上を見ると、雨に濡れたアスファルトの路面に信号の色が映っている。これを見ながら交差点を突っ切ると、顔が濡れないで済んだ。中学の授業で、この「発明談議」を生徒たちにして得意になっていた。
何日かして、ある生徒に「先生、誰それ君は先生の言ったことを真似して、車に引かれそうになりましたよ」と聞かされた時にはヒヤッとしました。発明に事故は付き物、飛行機を作るために何人の人が命を落としただろうか、などと気取ってはいられません。もう十年も前のことです。
危ないから、絶対に実行しないで下さい。
14 電車の精算機の混雑をなくす
駅の自動精算機は、いつも混んでいます。それは当然で、乗客が精算機を使おうとする時間帯は、電車がホームに入ってきた直後に限られているからです。精算機の数を増やせば混雑は解消するが、金が掛かるし、駅の空間の利用効率を下げる。これをどうするか。
その一 電車の中に精算機を設置する。ウーム、電車も混む事が多いし…。
その二 電車の網棚の位置に精算機を設置する。ウーム…。
その三 その一もその二も、下車する駅を選べる精算機を作ることを前提にしている訳だから、それなら、駅のホームに設置すればよいのでは。例えば、吉祥寺から新宿までの定期券を持っていて、東京駅まで行く時、吉祥寺駅のホームに精算機があれば、電車を待っている間に精算できます。この精算機は、まんべんない時間帯に使われるので、数は少なくても混雑しません。特に急行停車駅や乗換駅に設置するとよい。ホームで待つ客が多いからです。
下車する駅が選べるわけだから、現在の精算機と同じ使い方も出来ます。例えば、東京駅のホームの精算機は、東京駅で降りる乗客の精算も出来るわけです。精算する時間がないまま乗り越して来た客は、そういう使い方をするわけです。しかしその場合も、現在のようには混雑しません。なぜなら、大部分の乗り越し客は、途中の駅で、既に精算切符を買ってしまっているからです。
その四 駅の自動券売機に、乗り越し乗車の精算切符を発行する機能を付け加える。これを併用するのもよい。(2001.03.01)
15 電車に乗っている時間の有効利用
電車の中で本や新聞を読んだり、ラジオや英会話のテープを聞くなどの活動は、個人としての有効利用ですが、有効利用のための設備はないでしょうか。
その一 すぐ思いつくのはトイレです。電車の中でトイレに入っておけば、駅でトイレに行く時間は不要になる。まあ、満員電車ではトイレまで行くのも大変だということもあるが。しかし、電車の中にトイレを作れば、駅のトイレは減らすことが出来る。つまり、駅の設備の節約になるのです。
その二 最近、携帯電話の乗り換え案内などがあるが、使い勝手はまだまだですね。むしろ、そういうのを車内に表示したらどうでしょう。たとえば井の頭線なら、電車が明大前に近づくと、明大前で乗り換えできる京王線の時刻表・待ち合わせ時間・乗り換えに要する時間などを液晶表示板に表示する。下北沢が近づくと、小田急線について表示する。渋谷が近づくと、渋谷のすべての路線について表示する。埼京線のように、ダイヤが疎(まば)らな場合、また、ホームが離れていて乗り換えに時間がかかる場合は、特に便利です。
その三 車内ではないが、駅の入り口や、駅の近くの交差点などにも、発車案内があると便利です。ホームに着いてから、「残念、悔やしい」ということにならない。また、乗客の待ち時間を短くするということは、駅のホームの混雑緩和や有効利用にもつながります。(2001.02.27)
その四 地下鉄やトンネルの中でもラジオやテレビの電波が届くようにして欲しい。これは誰でも考えることでしょう。
16 長袖シャツ
長袖シャツの袖は、取り外し可能にして欲しい。特に、下着の長袖シャツ。戸外は昔とあまり変わらず寒いが、今は、部屋の中は昔とは比較にならないほど暖かい。特に、居酒屋で酒を飲んでいる時など、たまりません。ワイシャツ、柄シャツなどの、下着の上に着るシャツも、「腕まくり」なんてダサいですよ。
17 右ポケット
私の上着の胸ポケットは、左に付いています。ワイシャツの胸ポケットも左。中学生・高校生の制服も同じです。ワイシャツのポケットに財布とボールペン、上着のポケットに携帯電話を入れると、左胸ばかりかさ張って、しょうがない。上着の胸ポケットが左なら、ワイシャツのは右にするべきだ。
上着やシャツの胸ポケットは、左に付いているのが普通なのは何故か。言うまでもなく右利きの人が多いからでしょう。私の学校の制服規定を見たら、胸ポケットは左に一つと明記されている。つまり、校則で決まっているのです。これは左利きの人に対して、差別とまで言えるかどうか知らないが、少なくとも、不親切ではないか。そうだ、左利きコーナーに行って、右胸ポケットのワイシャツを探してみよう。
18 頭髪再利用
最近、「血液ロッカー」とか言って、自分の血液を万一の場合自分自身に輸血するために冷凍保存しておくという話を聞きました。その連想。
若い時の髪の毛を保存しておいたらどうでしょう、あとで植毛するために。自分のものだから相性がよいのではないか。そう言えば、昔、女性が自分の髪で自分の鬘(かつら)を作ったという話を、何かで読んだ記憶があります。
19 バス優先信号機
道路の混雑を緩和・解消する有力な方法の一つは、公共輸送機関、つまりバスの利用を増やすことです。バス代は乗用車にかかる費用よりはるかに安いし、自宅や行き先の駐車場の心配もない。バスが乗用車より便利になれば、利用者は増える。利用者が増えれば、バス路線はさらに充実する。すると、ますますバスが便利になる。そこで、その手段として、
その一 バスが交差点に近づくと、信号機に何らかの合図を送り、信号機はそれを感知すると、バスが来る方向の信号を青にする。ただし、対向車線はバスが来ないのに信号が青になってしまうという欠点はあります。とっくに誰かが考えているとは思いますが、参考のため。
その二 過激な方法だが、パトカーなどの緊急車と同じ法律上の権限をバスに与える。バスは必要ならサイレン、またはもう少しソフトな「ピンポーン」などを鳴らして、優先的に道路を通行する。(2001.03.04)
20 乗り換え切符を駅のホームで買う
14の修正です。よく考えると、精算切符に限らず、一般的な乗り換え切符も、駅のホームで買えると、ものすごく便利なのではないか。例えば、吉祥寺から新宿までの定期券を持っていて、新宿でJRのホームを一旦出て、改めて地下鉄に乗るとする。その場合、吉祥寺駅のホームで地下鉄の乗車券が買えると、新宿駅で買わなくてよい。そして、精算切符もその機械で買えるようにすれば、機械の利用効率は非常に高まるのです。(2001.03.08)
21 高速「動く歩道」
長い「動く歩道」は、もっと高速で動いて欲しい。我々が普通に利用している動く歩道の速度を私は正確に知らないので、便宜上、時速3キロメートルとしましょう。
その一 時速3キロの歩道は5メートルほどで終わり、次に時速6キロの歩道に乗り換えるようになっている。非常に長い歩道の場合、更に5メートル先で乗り換えて、時速9キロなどということも考えられる。終点が近づくとその逆にする。乗り換える時、危険ではないかって? 原理としては、普通の歩道から時速3キロの動く歩道に乗り換えるのと同じことをするだけです。しかし、3キロから6キロになる「継ぎ目」の部分をどういう構造にするか、技術的な困難はあるでしょう。
その二 動く歩道を複線化し、左側は従来通りの速度、右側はプラス3キロの時速6キロとする。人はまず左側に乗り、右側に乗り換える。乗り換えた後は、左側の歩道はもう要らないかもしれない。三線化すれば、一番右側は、さらにプラス3キロで時速9キロとなる。終点が近づくと左側に乗り換える。これは技術的な問題はないでしょう。
22 眼鏡レンズ再利用
近視の人が老眼になると、遠くを見るためと、近くを見るための、二種類の眼鏡が必要になります。この近くを見るための眼鏡は、だんだん「度」が下がって行く、つまり若い時使った眼鏡に返って行くのです。そうと知っていれば、今までの眼鏡を全部捨てないで取っておけばよかった。実を言うと、私の場合はそうではなく、乱視の度が上がって行くので、昔の眼鏡は使えません。しかし、そこで、こう考えるのです。
中古のレンズは、なぜ売買されないのだろう。
23 太陽光反射板
昔、西向きのマンションの、一階の南の隅の部屋に住んでいたことがあります。午前中は全然日光が入らない。しかも庭の向こうが小さなドブ川なのでいつもじめじめ。照明と暖房に金が掛かりました。しかし、10時過ぎになると、庭先には陽が射しているのです。私はベニヤ板にアルミホィールを張って太陽光反射板を作り、庭に置きました。日光は反射して部屋の中に入り、天井を照らします。間接照明のような感じで、部屋の中はそれなりに明るくなります。しかし、太陽は刻々と動いているので、時々反射板の角度を変えなければならない。時計仕掛けで向きを変えることも考えたが、実現しないうちに諦めてしまいました。
次に住むことになったのは、練馬区上石神井の東向きのマンションの七階でした。今度は午後、全然陽が入ってこない。夕方、マンションの東向きのガラス戸から外を眺めると、道路を隔てて、早稲田高等学院という学校が見える。その校舎の西側の壁が、夕陽に照らされて輝いています。もし私が早稲田高等学院の先生だったら、あの校舎の壁に反射板を取り付けたでしょう。(2001.03.12)
24 風呂の空間の有効利用
風呂場の空間というのは、一日のうち、数時間しか使われない。もっと利用する方法はないでしょうか。天井に空気を加熱する装置を付けて、洗濯物乾燥室として使う工事が一昔前に流行りました。しかし、今はあまり流行らないようです。理由は、空間が大きくて電気代が掛かり過ぎるからです。現在よく見る電気やガスの乾燥機は、一辺が50センチメートルくらいの四角い箱です。風呂場が一辺2メートルの四角い箱としても、64倍も体積がある。確かに不経済だ。しかし、風呂場という「湿った」空間を、「乾燥」のために使うというアイディアそのものは、たいへん優れた点があります。風呂場は湿った空間だから、密閉性が高く出来ている。だからこそ、乾燥させるにも都合がよいのです。
その一 乾燥室として使うが、加熱は、燃料費が安い石油ストーブを使う。ただし、火事に注意。
その二 今のユニットバスは、風呂場の床や壁の水分をふき取るのに、大した時間は掛かりません。考えてみると、風呂場は清潔な空間でもあります。壁の中にベッドや、寝具を敷くための床を組み込んでおき、必要な時に引き出して寝床に出来るように最初から設計しておくと、案外使えるかも。
その三 風呂と洗濯機は、仕事の原理が似ている点があります。つまり、人間や衣類をお湯や温水の中に漬けて、汚れを落とす。バスタブを洗濯機にも使えるように、最初から設計できないでしょうか。そうすれば、ジェット水流風呂も楽しめる。洗濯物と一緒に風呂に入って、一緒に洗ってもらったりして。正直、なかなかいい考えが浮かばない。
25 入浴時間の有効利用
防水テレビ、防水CDプレーヤーなどを買って風呂場に置く。なければ、メーカーに作ってもらう。防水受話器、防水携帯電話、防水パソコン、…
26 この文章の意図に付いて
ここに書いたことは、私が今までの日常生活の中で、ふと思いついたことのまとめです。こういう点が不便だ、こうしたらもっと便利になるのではないか。私はいつも、ものごとをそのように考える癖があるらしい。アイディアを思いつくと、私はたいがい、授業中に中学生・高校生を相手にその話をします。生徒に話す時は、わざと大げさに、大発明だなどと話します。生徒は、また始まった、という顔つきで面白がったり、馬鹿にしたり、反論したりします。こういう議論は、授業の息抜きになるのです。そういう意味でも、これらの話は、私の教師としての仕事にたいへん役に立ちました。そういう話を、そのままにしておくと忘れてしまうので、どこかに記録しておこうと、最近考えたのです。
これらのアイディアが仮に実現しなくても、全然構いません。考えたり議論したりするだけでも、少なくとも私には楽しく、意味があるのです。これらの話は、ギャグとして作ったのではなく、あくまでも真面目に考えた結果です。そのことについて、私は時々生徒達に次のようなことを話します。
人間の文明は、歴史に残る大発明だけによって支えられている訳ではない。ジェームス・ワットとか、キューリー夫妻とか、エジソンとか、ライト兄弟とか、そういう人たちの大発明は、人類の生活を根本から変えてきた。しかし、そういう大発明の周囲に、無数の小発明とでも呼ぶべきものがあって、砂粒が集まって大地を作っているように、一体となって我々の現在の生活を支えているのだ。我々が日常目にしたり手にしたりするどんな小さな道具一つをとっても、そこに大勢の人たちの智恵と努力が反映しているのだ。だから、どんなささいなことでも、改善しようと努力することは価値のあることなのだ。
人間が、与えられた環境や条件に支配されて、不合理や不便を諦めて生きるとしたら、それは自然への隷従でしかない。それでは、人間は動物であって人間ではない。同様に、与えられた文明に支配されて、その文明に内在する不合理や不便を諦めて生きるとしたら、それは文明への隷従と呼ぶべきものだ。文明は人間が作り出したものだが、他人が作った文明に隷従して生きる限り、その人は文明人とは呼べないのではないか。同じことは社会にも言える。現在の社会システムに内在する矛盾を改革する意志のない人は、社会的人間とは言えない。発明の思想は、改革・革命の思想である。それは、啓蒙思想やフランス革命の思想と深いつながりがある。まあ、それはともかく、要するに、与えられたものに満足しないで、改善の努力をするということは、良いことなのだ。
そういう意味で、発明には大きな意義がある。発明は隷従からの解放、つまり自由(liberty)を目指す行動である。大発明も小発明もその点では同じである。故に、生徒諸君! 私の発明談議を馬鹿にしてはいけない。
実際の授業中に話す時は、こんなに格調高く話せる訳では勿論ないが、まあ、こんな内容のことを話す訳です。これが私の真意であり、個々のつまらぬ発明話より意義のあることかも知れません。(2001.03.19)
27 食器棚
食器棚の中の空間は無駄な使い方をされることが多いようです。何かの記念や式でもらった、高級でしゃれた食器がたくさん並べてありませんか。しかもそれは、今まで一度も使ったことがない、また、よく考えると、今後も使うことはないだろうと思われるものばかりです。そして、そういうのに限って、置くだけで広い空間を占める、つまり、重ねて収納できないのです。日常使う食器だけしまうなら、食器棚の容積は3分の1でよい。いや、もしかしたら食器棚なんか、なくてもいいかも知れない。棚は流しの上にもあるし、洗い桶もあるではないか。そこで、
その一 お祝いでもらったものは、お祝いで捨てる。つまり、何かめでたい事があった時、記念の高級食器で乾杯し、歓声を上げながら床に叩き付ける。
その二 安くて使いやすく、割れにくい食器を絶対に買わない。高級食器を日常使う。すると、洗う時に時々割れたりして、減って行くだろう。
どうしても捨てられない時、せめて食器の中の空間を利用したい。砂糖・塩・お茶・調味料などを入れるくらいのことしか思いつかないが。
広島あたりの地震のニュースで気付いたのですが、地震の時、食器の被害は大きいでしょうね。乾杯して床に叩き付けるのはやめて、寄付する事を考えよう。(2001.03.26)
28 レインコート
昔、地方を旅行中、ある食堂の壁に蓑と笠が飾られているのを見たことがあります。あれは涼しそうですね。雨は体の外に流れ落ちるが、風は雨具の中を十分に通り抜けるように出来ている。考えてみると、蓑は動物の毛皮と同じ構造です。現在我々が使っているレインコートは、冬はよいが夏は暑いです。特に登山の時、それを感じます。ゴアテックスなど、空気を通す布地と称しているものもあるが、それほど涼しいとは実感しません。昔のものは、蓑・笠に限らず、鎧などを見ても、空気が通りやすい構造になっています。日本の鎧は、小さな鉄の切片を麻紐で縫い合わせてあるのです。西洋の鎧兜を日本で着たら、暑くてたまらないでしょう。蓑・笠は中国の絵などでも見るので、日本人の発明ではないでしょう。というより、誰でもが自然に考え出すものなのでしょうが、そういう昔の人の智恵を現代に生かせないでしょうか。
その一 絵を見せて説明できないのが残念ですが、レインコートを沢山の断片に分け、それらを少しずつ隙間を持たせて重ね、縫い合わせて再構成する、とでも言うか、要するに、継ぎはぎだらけで隙間の多い服を作れば涼しいのではないか。
その二 レインコートの中に、傘の骨のようなものを仕込み、風が入るようにする。その一と併用してもよい。
その三 電池で動く超小型のポンプをレインコートやシャツの中に仕込み、強制的に換気する。これは冗談ではなく、宇宙服にも取入れられているということを聞いたことがあります。最近、電池や超小型のポンプなどの発達はすごいですが、この場合のポンプは、ただ動けばよいようなもので十分です。(20001.03.26)
29 濁音・半濁音・振り仮名
平仮名と片仮名は日本人の独創的な発明ですが、欠点がないわけではありません。濁音・半濁音の表記はその一つだと思います。理由は簡単、視認性が低い。つまり、目の悪い人にとっては見にくい。ドイツ語のウムラウト(a、o、uの上に点々)、フランス語のeの上の斜めのチョン、その他、こういう欠点を持っている文字はたくさんあります。特に日本語の場合、振り仮名に濁音・半濁音の文字が使われている時、その欠点が顕著であると言えます。英語やラテン語、ギリシャ語にはその欠点がありません。最初にアルファベットを作った人が、Tに濁点を付けてDと読ませるのではなく、Tとは別にDという文字を作ったからでしょう。
最近ドイツでは、ウムラウトを使わない表記法が法律で正書法と認められたという話を聞きました。aウムラウトはaeと書けばよいというのです。これだと、英文タイプで書くことが出来ます。日本語の濁音・半濁音の欠点を直す方法はないでしょうか。いくら何でも、今さら新しい仮名を作ることはできません。
その一 既にワープロなどで半角仮名文字横書きの場合に使われている方式を、一般化する。つまり、「が」=「か゛」のような書き方を、縦書きでも認める。
その二 文化や伝統のからむ問題は、合理性の観点だけで解決できません。濁点・半濁点を大き目に書く、また、文字のフォントを作る時、濁音・半濁音を大き目にデザインするぐらいが限界かも知れません。
その三 ただし、私は、漢字の右側に小さく仮名を書く形の『振り仮名』(『ルビ』とも言う)はなるべく使わないようにすべきだと思います。「鬘(かつら)」などの書き方もある訳ですから。振り仮名の中の濁点・半濁点や小さい「つ・や・ゆ・よ」なども判読し難いですね。(2001.03.29)
30 共同化・国有化・共産化
24に関連する話です。四月一日(日)の朝日新聞の朝刊の一面に、「くらし 買わないで済ませる時代」という記事が出ていました。「水やエネルギーを効率的に使うように設計された、『エコマンション』の一室には、レンタル洗濯・乾燥機や、レンタルのコードレス掃除機がある。シャワー設備や家具はリースで、食器もわずかしかない。階下には衣類の再利用情報が受けられる共同洗濯場もある。」と、松下電器産業が描いた2010年の生活の一端を紹介しています。要するに共同使用を増やすというのです。
共同使用なら昔からありました。安アパートの便所・洗面所・炊事場は共用だったし、風呂は銭湯だった。共用すれば使用効率が上がるのは分かっているのです。傘だって自転車だって、国有財産にして、駅や交番や郵便局に置いておけば便利だろうとは、一旦は考える。しかしこれは、文化的で自由な社会の発展にはつながらない気がする。もし傘が国有化されていたら、今のような三つに折り畳める軽い傘など発明されず、傘を管理する役人が沢山いて大きな権限を持ち、傘管理公社まで作って、天下り役人が、莫大な給料や退職金を貰うようなことになっていたのではないか。
発明の思想はフランス革命の思想だと26に書きましたが、だからこそ、ロシア革命の思想である共産主義とは大違いなのです。朝日新聞は未だに左偏向から抜け出せないようです。まさか、エイプリル・フールではないでしょうね。私は今後も朝日新聞を購読するつもりです。もちろん、朝日新聞が好きだからではなく、左翼・平和主義・戦後民主主義・自虐史観・人権派の動向とレトリックを監視するためです。(2001.04.01)
31 右折信号の廃止
交通渋滞を緩和する方策として、踏み切りと橋とバスについて考えましたが、もっと効果のある方法は、交差点の通行方法を改善することです。交差点は、橋や踏み切りに比べると桁違い、いや、三桁か四桁違いに数が多いでしょう。それに、平面交差という通行方法は、片方の道を止めて片方の道を通す訳ですから、それ自体が交通を止める原理を含んでいます。すべての交差点を立体交差にすればよいのですが、それは遠い目標に過ぎません。では、どうすればよいか。
最も改善の余地のある点は、信号による右折です。右折信号によって右折することは、交差点の平面の利用効率を非常に悪くしています。つまり、まず、右折信号が出るのを待って道路の中央に停まっている車列が、道と交差点を狭くする。そして、右折信号を青にする時は、直進信号は赤にしなければならない。右折車が、反対方向から左折してくる車を邪魔することもあります。
交差点の右折信号を出来るだけ廃止したいですね。右折は、交差点を直進で通過して、その後左折を三回繰り返せば出来るのです。左折車線は今までより混むことになりますが、もともと交差点を曲がる車は、直進する車よりはるかに数が少ないので、むしろ左折車線を使う効率がよくなるでしょう。左折三回による右折がスムーズに出来そうな、渋滞の多い交差点をピックアップし、案内板の設置、道路の整備などをしたらよい。この改善は、右折するために左折する車だけでなく、本当の左折車も恩恵を受ける。また、左折車と同じ車線を走っている直進車も恩恵を受けるのです。さらに考えれば、ドライバーは、ある交差点が右折できないと分かっていれば、その条件の中で一番便利なコースを初めから考えるので、左折三回による右折など考えなくてもよいかもしれない。
信号のない交差点で、向こうから直進車が来ない時に右折できるという規則はそのままです。ただし、後ろからくる車の通行を妨害する時は、それも禁止すべきでしょう。
交差点について考える時、一番大切なポイントは、例外はあるが、交差点を通る車の大部分は直進車だということです。それは当然で、誰でも目的地に行く時、なるべく曲がる数が少ないような道を選ぼうとするからです。あなたも、車でどこかへ行った時のことを想像するか思い出すかして下さい。曲がった交差点は記憶や想像の中にあるが、直進した交差点なんて、ほとんど頭の中にないでしょう。それほど交差点を直進することは多いのです。だから、交差点は直進車をいかに捌くかを第一に考えるべきなのです。一般論ですが、片側二車線の交差点の右車線を右折車が独占し、左車線を直進車と左折車で一緒に使うなどというのは、混んでいる時は、非能率極まりないのです。
19とも関連するが、路線バスに関しては、例外を設ける必要があるかも知れません。(2001.04.02)
32 一方通行の幹線道路を作る
これも道路の混雑を緩和する方法の一つ。放射状の道路、つまり都心と地方とを結ぶ道路は、普通、午前中は上りが混み、午後はその反対になります。道路の上り車線と下り車線の数を、午前と午後で自由に変えられるといいのですが、無理でしょうかねえ。そこで、思い切って、中央分離帯のない幹線道路をいくつか選んで一方通行にして、午前と午後で通行方向を反対にしたらどうでしょう。例えば、杉並区の水道道路。すぐ隣に甲州街道が走っているので、反対方向に行く車は、甲州街道を使えばよい。中央分離帯がある道路でも、それを外すことは、比較的簡単に出来ます。ただし、一方通行の方向を変える時、どうするかという問題が残ります。
33 信号があってもノーストップ
自動車は、例えば時速60キロでノーストップで走れば、一時間で60キロ進むはずです。東京・大阪間が530キロとすると、9時間程度で着く筈です。しかし、高速道路以外では、そういうことが実現しない。言うまでもなく、信号があるからです。車は、ストップすると、時速0キロで何十秒か費やすことになり、平均時速を著しく下げるのです。高速道路でなくてもノーストップで走る方法はないでしょうか。
こういうことを考えてみましょう。例えば、東京から静岡まで国道一号線で行くことを考える。一定の速度、例えば時速60キロで走る時、進路に現われる信号がすべて青になるように、信号の変わる時間を調節したらよいではないか。その場合、国道一号に交差する道路の信号は、国道一号の信号に従属することになります。これを他の道路にも適用すれば、大部分の放射道路、つまり都心と地方を結ぶ道路は、一定速度を保てばノーストップで走れることにならないでしょうか。
えっ、片側の車線はそれでよいかもしれないが、対向車線の信号は目茶目茶になる? ウゥーム;、しかし、簡単に諦めないで、もう一度考えましょう。信号の変わる時間を調整して、時速Xキロでノーストップで走れるようにすることを「時速Xキロに同調する信号制御」と呼ぶことにしましょう。上下線のある道路では、片側車線でこれを実行すると、対向車線の通行は犠牲になる。これを「片側車線優先信号制御」、略して「片側優先」と名づけましょう。ここで32番のテーマを思い出すのです。
その一 午前中は、都心に向かう車線を「片側優先」にし、午後は都心から出て行く車線を「片側優先」にする。
一方通行の方向を反対にするのは大変ですが、片側優先の方向を反対にするのは簡単です。運転手が、「この赤信号は少し長いな」などと思っているうちに、信号の調節が終わってしまいます。しかも、それは一日に二回あるだけです。これは、道路の状況によっては実現可能ではないでしょうか。
ここで、もう一つ用語の定義をしておきましょう。片側の車線の信号制御を一定速度に完全に同調させて、対向車線の通行は完全に犠牲にするような信号制御を「片側優先度100パーセントの信号制御」と定義します。そして、どちらの側も優先しないような、普通の信号制御を「片側優先度0パーセントの信号制御」と定義します。すると、その中間の片側優先度、例えば「片側優先度50パーセントの信号制御」というものもあり得る訳です。これは、片側の車が完全にノーストップで走れる訳ではないが、青信号で通過できる事が比較的多い。そして、対向車線の通行も比較的犠牲にならないような信号制御です。上りと下りの混み具合、空(す)き具合によって、片側優先度を何パーセントにしたらよいか、コンピュータで最善の数値を計算しながら、信号を制御したらよいでしょう。
その二 都心の交通渋滞は、その一の方法で緩和されるほど甘いものではないかもしれない。信号をどういう間隔で変えようと、信号の先に車が渋滞していたのでは進みようがない。つまり、混雑がある一定の限度を越えると、信号は混雑の緩和には全く無力になるようです。そこで、いっそこういうことが考えられないでしょうか。空(す)いている側の車線の信号を一定速度に同調させる。つまり、例えば午前中は、都心から出て行く車線は、ノーストップで走れるようにするのです。都心に向かう車線の信号は、変わる間隔がめちゃめちゃになるが、信号をどう変えても効果がないほど混雑しているのだから、いいのではないでしょうか。そうすれば、都心から出て行く車線を使う車が増える。ひいては都心に向かう車を減らすことにならないでしょうか。(2001.04.06)
その三 こう考えてくると、32の「一方通行の幹線」という考えが、別の面から復活してきます。一方通行の道路は、一定速度に同調する信号制御をしても、犠牲になる対向車線がないのです。うまく利用すれば、渋滞の緩和に大きく貢献するのではないでしょうか。
34 数学クイズ 小銭入れに硬貨は何個入らなければならないか
ある高校の、マラソン大会の前日のホームルーム。担任「毎年、走り終わった後に、飲み物を買うために財布を出してくれと頼みに来る人が多くて、貴重品を預かる先生が迷惑する。ジュースを買うための小銭は、持って走って下さい。」「先生、百二十円持って走ると、ジャラジャラして、走るのに邪魔になりますよ」「それは正しい意見だ。一秒を争う勝負には、たった硬貨三個でも余計な荷物は無いほうがよい。そうだ。百五十円なら少し軽くなる。五百円だと一個で済むが、自動販売機では使えないだろうなあ…(ちょうどその頃、五百円硬貨は自動販売機では使えなかった)」(別の話に移る。しばらくして、担任)「あっ、さっきの話だが、千円札を持って走ればいいじゃないか。これは大発明だ」……
消費税が導入されてから、一円玉・五円玉をいつも持つようになりました。曖昧な記憶だが、それ以前は、通貨の実質的な単位は十円で、一円玉や五円玉を使って買い物したり、お釣を貰ったりすることはあまりありませんでした。ただし、それは私がその頃、高校生・大学生だったからで、社会全体にとって一円玉・五円玉が不要だった訳ではない。母が買い物に使う大きな財布には、一円玉・五円玉がジャラジャラ入っていたのを見た記憶もあります。
また、もっと昔、私が小学一年か二年の頃は、母から貰う小遣いはいつも五円玉一つでした。しかし、それを使って一円単位の買い物をしてお釣を貰うということはあまりなかったような気がします。ともかく、消費税が導入されてから、小銭との付き合いが深くなった。小銭はなくてはならないものだが、同時に、お札とはちょっと違って、なるべく軽くしたい「荷物」でもあります。今の日本では、小銭、つまり硬貨は一円・五円・十円・五十円・百円・五百円の六種類が使われています。そこで、次のような問題を考えました。
問一 我々が店で、いくらの買い物をしても硬貨の釣り銭を貰わないように支払いができるためには、最小で、どの硬貨を幾つずつ持っていればよいか。もちろん、紙幣は十分持っているものとする。
問二 我々が店で買い物をする時、釣り銭として一番多くの硬貨を受け取らなければならないのはどういう時か。また、受け取る硬貨の個数と内訳は? ただし、釣り銭は、硬貨がなるべく少なくなるように出す、ということを前提にして下さい。
問三 小銭は、なるべく少なく持ちたい。我々の小銭入れには、最低で幾つの硬貨が入ればよいのか。また、その内訳は? これも、釣り銭は、硬貨がなるべく少なくなるように出す、ということを前提にして下さい。また、硬貨の大きさや重さは、今は考えないことにしましょう。答は、37に載せます。
35 鹿の角の露吹きの玉
この話は尺八関係者向けです。1998年だったでしょうか。ある人の法事に招かれて関西に行き、その帰りに奈良に立ち寄りました。奈良公園で、若草山と鹿を眺めながら、朝の十時だというのに茶店で一人ビールを飲んでいた。茶店の中には、鹿の角の細工物のお土産が並んでいます。それを見ているうちに、鹿の角で尺八の露拭きの玉を作ったらどうだろうと、ふと考えた。
「露拭き」とは、尺八の管内に付く水滴をぬぐうための道具で、ハンカチの半分くらいの大きさの布切れに紐(ひも)と錘(おもり)の付いたもので、「玉」とは、その錘(おもり)のことです。店の人に聞くと、すぐ角細工の職人の連絡先を教えてくれました。東京に帰ってから電話して、瓢箪型の玉を十個ほど作ってもらいました。二個は自分で使い、残りは、たまたま一緒に仕事をさせてもらっていた尺八の先生や同門の友人達にプレゼントして、たいへん喜ばれたと思います。
この種の物は象牙製が高級品で、三千円くらいで邦楽器店などで売っています。原価とか小売価格とか、詳しいことは知らないが、鹿の角製の方が安いでしょう。鹿の角は、象牙より白っぽく、灰色の模様や染みのようなものが入っていたりして、高級感はちよっと足りないが、一つ一つ違っていて、面白味があります。重さや堅さはあまり違いません。象は尺八とは何の関係もないが、鹿は大いにゆかりがあり、親近感があります。また、象牙の利用は、最近、野生動物保護の観点から世界的な問題になっていますが、鹿の角は毎年切るもので、まったく問題がありません。
と言う訳で、お浚(さら)い会の引き出物などに、鹿の角の露吹きの玉はお勧めです。職人の連絡先はいつでもお知らせしますよ。(2001.04.12)
36 風呂の温度と湿度の有効利用
最近、加湿器を使う家が多いですね。特にマンションは、冬はひどく乾燥します。ガスストーブや石油ストーブは燃料が水素の化合物なので、燃やすと水分を発生しますが、エアコンはただ空気の温度を上げるだけなので、湿度はますます下がります。ところで、風呂に入った後は、窓を開けるか換気扇を回すかして、湿度つまり空気中の水分を外に出します。実は、温度つまり熱も外に出しているのですが。風呂の温度と湿度を外に棄てないで、居間や書斎に導く方法はないでしょうか。換気扇を回さず、風呂場に扇風機を置いて居間のほうに風を送る。または、家を設計する段階で、天井裏にパイプを通す。
37 数学クイズの答
問一の答 一円・十円・百円が四つずつ、五円・五十円・五百円が一つずつ、計十五個、九百九十九円。
硬貨をそれ以上持っていても、無駄になります。なぜなら、千円以上の買い物の場合は、千円単位までは紙幣で払えるからです。
問二の答 九百九十九円のお釣を貰う時。お釣の枚数・内訳も、問一の答と同じ。
なぜ問一の答と同じなのか。それは原理が同じだからです。買い物で支払うのも釣り銭で支払うのも、「支払い」という点では同じです。要は、「千円以下のどんな額でも支払いできる、必要最小限の硬貨の数と種類」を尋ねているのです。支払う硬貨は、九百九十九円の時が、どんなに数を少なくしても、一番多くなるのです。
問三の答 十五個、計九百九十九円。内訳も、問一の答と同じ。
これも問一・問二の答と同じです。この十五個の硬貨が入る小銭入れを持っていれば、どんな買い物をしても、硬貨が小銭入れから溢れることはないのです。数式を用いて証明も出来ますが、ここでは、問二とその答の文章を引用して、言葉の論理で証明しましょう。
「我々が店で買い物をする時、釣り銭として一番多くの硬貨を受け取らなければならないのは」「九百九十九円のお釣を貰う時」です。ということは、我々がレジの店員に差し出す金が、買い物の金額より九百九十九円多い時、お釣の硬貨の数がもっとも多く、個数は十五個です。
逆の言い方をすれば、「我々がレジの店員に差し出す金が、買い物の金額より九百九十九円多い時」以外は、お釣の硬貨の数は、十五個未満なのです。買い物をする時、硬貨を何十個持っていようと関係ありません。我々が小銭入れの中の硬貨全てと、必要なら紙幣を合わせてレジの店員に差し出せば、買い物の金額がそれより九百九十九円少ない時は、お釣の硬貨は十五個、それ以外はもっと少ないのです。納得が行かない人は、実際にやってみるとよいと思います。
38 小銭入れを軽くする通貨体系
二進法の通貨体系を考えてみましょう。硬貨は、一円・二円・四円・八円・十六円・三十二円・六十四円・百二十八円・二百五十六円・五百十二円の十種類、それ以上は紙幣です。これだと、十種類の硬貨を一個ずつ、つまり十個の硬貨を持っていれば、どんな金額の買い物をしても釣り銭を貰わない支払いが出来ます。また、貰う釣り銭の硬貨の数が最大で十で済みます。現在の通貨体系だと硬貨は十五個必要ですから、大分小銭入れが軽くなります。しかし、現実には無理です。計算が面倒だからです。人間は日常の計算を二進法ですることは得意ではないのです。
そこで、現在の通貨体系に、二円・二十円・二百円硬貨を追加してみましょう。すると、小銭入れの容量は、一円・十円・百円が各一個、二円・二十円・二百円が各二個、五円・五十円・五百円が各一個、つまり、十二個でよいことになります。
二千円紙幣なんかより、二円・二十円・二百円硬貨を作るべきだ。(2001.04.21)
39 定期券は一枚がいい
私は定期券を二枚持っている。色も形も厚さもそっくり。駅名まで同じだ。だって、「たまぷらーざ⇔渋谷」と、「渋谷⇔吉祥寺」。ほら、「渋谷」が同じじゃないか。良く確かめて使わないと、時々間違える。私の知り合いで、定期券を五枚使って苦労している人がいる。まあ、それは冗談だが、複数の定期券の情報を一枚のカードにインプットするなんて簡単なことが、現代の科学技術で出来ないはずがないでしょう。すぐ実現して欲しい。
定期券に油性サインペンで色をぬっていいいか、駅員に聞いてみた。駅員はいろいろ説明したが、要するに、だめだそうだ。定期券は本物・偽物の判断を機械や肉眼で一瞬の間にするものであり、その点お札と似ている。また、定期券は証明書でもある。だから、勝手に色を塗ったり模様を書いたりするものではないということらしい。大方納得した。ますます一枚にして欲しい。(2001.04.21)
40 入学式・卒業式・成人式の見分け方
朝から、黒い上下のスーツを着た男性が自転車に乗って通るのが妙に目に付く。
⇒近所の小中学校の入学式・卒業式。
昼近く、中学校の校門から三十メートルほど離れたあたりに、茶髪の男子が十人ほどたむろし、学校の方を眺めながら、少し落ち着かない様子で、皆で煙草を吸っている。
⇒公立中学校の卒業式。
和服を着た若い女の人が、煙草を吸いながら、朝からがに股で歩いている。
⇒成人式。
41 乗り換えなしでどこへでも行ける
最近、携帯電話のiモードの普及などで、時刻表を明確に意識しながら電車を利用することが多くなりましたが、乗り換え時間というものは案外馬鹿になりません。電車を降りて、混んだホーム、混んだ改札、混んだエスカレーター、長い地下道、そしてまた混んだ改札、混んだホーム、着いてみると、目的の電車、例えば急行は、もうホームを出てしまった後だなどということは、しょっちゅうです。また、渋谷駅の埼京線のようにホームが遠く、しかも時刻表がまばらな時は、二十分近くロスすることもある。
ありとあらゆる組み合わせの相互乗り入れを実現して欲しい。中央線と山の手線・埼京線、井の頭線と山の手線・埼京線、小田急線と京王線、田園都市線と井の頭線、…。首都圏で電車に乗る時、どこへ行く時も乗り換えなしで行けるようにして欲しい。こちらは、最適の電車を時刻表で選びます。最近は、携帯電話が教えてくれる。
駅の大工事が必要だって? 大工事すればいいじゃないか。そうすれば、駅の混雑も緩和されるし、改札にかける費用も節約されるのです。お客は乗り換え駅で降りる必要がなくなるのだから。それに、何と言っても、一時間二十分かかるところが、一時間で行けるようになる。もう一ついいことは、遠い距離を行く乗客ほど楽になる、つまり、ゆっくり寝ていたり、本を読んだりしていられるのです。
42 もう一つの「車」もエレベーターに乗せて欲しい
最近、電車や地下鉄の駅の中で、エレベーターの工事が目に付きます。座椅子式のエスカレーターとでも言うか、そういうものの工事もあります。これは、車椅子の身障者が普通の人と同じように電車を利用できるようにするためで、私も大賛成です。誰だって、いつ車椅子の厄介にならないとも限らない。しかし、私はこういう工事を見ながら、どうせなら、エレベーターの幅をあと50センチ広くしてくれたらと、残念でなりません。車椅子の「車」の他に、もう一つの「車」が忘れられていないでしょうか。それは「自転車」です。
自転車が環境に優しい乗り物なのに、日本ではまだまだ市民権が与えられていないということは、ヨーロッパに行ったことのある人は皆知っているでしょう。ヨーロッパの駅は、階段がほとんどないので、自転車や車椅子は、簡単に汽車に載せることが出来ます。ところが日本の駅は階段が多いためにそれが出来ないのです。せっかくエレベーターを作るなら、自転車のことも一緒に考えて欲しかった。
43 英会話で一番役に立つ言葉
私が大学生の時、初めてヨーロッパに行って、この言葉を覚えたために英会話が出来るようになったという、ものすごいキーワードがあるのでお教えしましょう。それは、"What
to say?"、日本語で言うと、「えーと」です。"How
to
say?"とも言います。
外国人と話していて、英語の表現や単語が思い浮かばない時、「えーと」という言葉を言えないと、絶句するしかありません。絶句して相手の顔を見る。笑う。目をそらす。うなだれる。辞書を取り出して引く。十字を切る。どんなことをしても、相手との心の関係が切れてしまいます。この気まずさを何回か経験すると、英語で話すことが苦痛になってくるのです。この時必要なことは、「自分は今、英語でどう言うか考えているので、しばらく待ってくれ」という気持ちを相手に言葉で伝えることです。それが"What
to
say?"です。「えーと」と言ってさえいれば、相手の顔を見ようが見まいが、笑おうが泣こうが、辞書を引こうが、何をしても相手は変に思いません。相手を待たせて、自分が考える時間ができるのです。
それだけではない。「えーと、えーと、…うぅー、abc? ノー。xyz? ノー。…」と自分が思いつく単語を、ああでもないこうでもないと並べていると、相手は、「君はこう言いたいのではないか」と、こちらが探している言葉を教えてくれます。つまり、"What
to
say?"は、会話をしながら、外国人に英語を教えさせる呪文でもあるのです。もちろん、いったん教わった言葉は、次からは自前のものとして使えます。
実例ですが、「火山」という単語が分からないので、「Uhu〜,
what to say? In Japanese, fire mountain, the mountain having fire
…」とか何とか言っていたら、すぐ、「Ah,
volcano!」と教えてくれました。ついでですが、In
Japanese
… も便利です。何でも直訳すればいいのだから。
これは英語に限らない。ドイツ語だろうと、フランス語だろうと、中国語だろうと同じでしょう。これから使う予定の外国語で、「えーと」はどう言うか、覚えて行ったら、きっと役に立ちます。(2001.05.01)
44 エスカレーターの能率的運転
夕方七時、電車が駅に着き、大勢の乗客が降りて上りエスカレーターに向かう。エスカレーターは混雑します。隣を見ると、下りエスカレーターには一人も乗っていない。もちろん、下りの階段もガラガラです。そういう時は、両方のエスカレーターを上りにすればよいのに。技術的な問題は、技術者に任せます。
45 超小型リモコン胃カメラ
前回までで、過去数十年にため込んだアイディアをあらかた発表してしまいました。これからは発表のテンポが急に遅くなることをお断りしておきます。また、内容的にも精選されていない、また独創性の薄いものが増えるのは止むを得ないでしょう。まあ、今までのものが精選されて独創的だったと言えるかどうかは別として。(2001.05.04)
さて、「超小型リモコン胃カメラ」。説明の必要はありません。コードレスだから、薬を飲むような感覚で、ただ飲めばいいんです。カメラは胃の中の映像を電波で外部に伝えます。あ、胃だけじゃなかった。喉、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸の中を、全部撮影します。外部からリモコンで自由に動かすには、昆虫の運動の仕方を研究している工学などが参考になる。何錠かに分けて飲み、体の中で合体させたり協力させたりする方法もある。多分どこかで研究開発しているでしょう。最後の難関、肛門も、多分自力で突破できるでしょう。出来ない場合は、トイレの中から回収し、病院に返します。うっかり流してしまうと、莫大な保証金を取られますよ。
46 時刻受信機
携帯電話のiモードで、時計を呼び出せると便利ですね。時計は携帯電話に付いているって? あれは本当の時計ではありません。だって、一日に何分の一秒かずつ、狂っていくでしょう。原理的に正確な時刻を知らせる機能を持たない時計は、『おもちゃの時計』です。『本当の時計』と呼べるものは、117番の時報とテレビ画面の時刻表示くらいしかありません。
そこで、117番で時報を呼び出すのと同じように、正確な時刻情報を受信して、画像として携帯電話に表示する。そして、その時刻情報によって、付属の『おもちゃの時計』の時刻合わせがワンタッチで出来るとさらによいですね。
47 電波時計
前回の文章を友人で科学者で尺八吹きの水野香盟君に見せたら、「本当の時計」は、既に商品化されていると教えられました。水野香盟・松山龍盟の両氏と三人で、ある演奏会に出た時、水野君はその時計を私と松山君のために買ってきて、プレゼントしてくれました。
それはカシオの「電波時計」というもので、電波で送られてくる時刻信号で、数分ごとに自動的に時刻を合わせる機能を内蔵しているらしいです。常に一秒の狂いもない、これこそ「本当の時計」でしょう。値段は2900円と書いてありました。さっそく電池を入れてセットし、楽屋に置いて尺八の出演者皆で使いました。
こういう「本当の時計」が身近になるということの意味は、案外大きいと思います。「おもちゃの時計」は、どんなに正確でも、使う時に、「これは一ヶ月位前に時報に合わせたから、まだせいぜい3秒くらいしか狂っていないはずだ」などと考えます。これは大げさに言えば、知的エネルギーの無駄です。「本当の時計」は、それを考える必要がない。「今、何時何分何秒だな。」それだけです。まるで昔のインディアンみたいですね。「あの樹の陰がここまで来たから、約束の時間だ。」時刻の絶対的な基準は、太陽の動きでしょう。そう言えば、昔、西部劇で言っていました。「白人の時計、嘘つく。インディアンの日時計、嘘つかない。」(2001.05.27)
水野君には、お返しとして、35の「鹿の角の露吹きの玉」を差し上げました。
49 正確な五分遅れの時計
47の続きです。電波時計のことをある知り合いに話したところ、彼はこう言いました。「僕は正確な時計というのは好きではないんです。自分の時計はいつも一分くらい進ませています。それによって、精神的にゆとりのある生活ができるのです。」
そう、そういう人にこそ一秒も狂わない時計はぴったりなんです。だって、電波時計を一分進んでいるようにセットしておきさえすれば、その時計は、いつも、一秒の狂いもなく、一分進んだ時刻を表示するのです。いつの間にか進みがゼロになってしまったなどという事は、絶対にないのです。え? 一分進んだ時刻にセットできるのかですって? 少なくとも、技術的には簡単でしょう。
もし出来なければ、時刻を一分足して読めばいいんです。「この電波時計の表示では、今は8時22分31秒だ。一分進ませてあると仮定すれば8時23分31秒と表示されているはずだ。約束の8時30分には6分29秒しかないが、一分進んでいる時計だから、本当は7分29秒あるわけだ。これならどうにか間に合う。時計を一分進ませてあったおかげで助かった。」
どうです? ゆとりのある生活が出来るでしょう。
連想は更に広がる。
「Aの時計は一分進んでいる。これは普通の時計なので、約一分進んでいる。」
「Bの時計は五分遅れている。ただし、これは電波時計なので、一秒の狂いもなく五分遅れている。」
あなたはどちらの時計を使いますか。(2001.06.15)
50 路線バスの右折廃止
31で、右折というものが道路交通に悪影響を及ぼすということを書きましたが、その続きです。
路線バスの右折を廃止できないでしょうか。大きな図体の路線バスが右折する時は、他の車の通行を邪魔します。バス自体も交差点の真ん中で長い間止まり、直進車の合間を抜けるように右折しなければなりません。特に電車の駅の近くは、路線バスが集まるので、交差点の交通に及ぼす悪影響はかなりのものです。交差点を右折することは、バス自体にとってもやっかいなことであり、スムーズな運行にとって不利なことなのではないでしょうか。バスに限らず、そもそも右折というものは、自動車にとって面倒なことであり、左折に比べると事故の危険性も高いのです。
路線バスは、電車の駅と駅を結ぶ、または駅を基点として市内を循環するものですから、右折をなくすことは、理論的には簡単に出来ます。すべてのバス路線を、右折がないように、つまり全体として左回りになるように引き直せばよいのです。しかし、現実には難しい問題があるでしょう。自分の家は、今までより遠回りになってしまうなどという問題です。全体としては良くなることは明らかだが、個々の利害が錯綜して改革が実行できない。
あらゆる市町村に、「聖域なき構造改革」が求められるのです。(2001.06.22)
51 あらゆる道路を一方通行にしたら
31で、交差点が道路交通のネックになっているということを書きましたが、またまた、その続きです。
一つの思考実験として、あらゆる道路を一方通行にしてみたらどうでしょう。もちろん、高速道路は別です。なぜなら、高速道路は、もともと原理的に一方通行であり、だからこそスムーズな交通が可能なのです。
すべての道路を一方通行にすると、交差点における交通制御は、きわめて単純化されるでしょう。交差点を通過する車は、直進する車と、右又は左に曲がる車の二種類しかないことになります。車が曲がる先の道路も一方通行なので、一つの交差点で、右折と左折が両方出来るということはないわけです。もちろん、五差路、六差路などの例外はありますが、今は省略します。
これは思考実験ですから、いろいろと考えてみましょう。例えば、東京の環七を左回りの一方通行に、環八を右回りの一方通行にするというように、環状道路は交互に左回りと右回りにする。国道246を下りの一方通行にし、その代わりに別の何本かの放射道路を上りの一方通行にするというように、放射道路は交通量に応じて適当に上り、下りの一方通行にする。更に、全ての放射道路に対して、33で述べた「片側優先信号制御」を適用する。一方通行は「片側」しかない訳ですから、「ノーストップ信号制御」と言った方がわかりやすいが。そうすると、大部分の放射道路においては、高速道路に近いノーストップの通行が実現するのではないか。現実の道路は整然と放射状・環状になっているわけではないが、原理的にはこういうことが出来るのではないか。
いづれにしても、一方通行化には、多くのメリットがありそうです。もちろん、デメリットもあることは承知しています。全体の交通量が増えることです。そういうことを数値的に計算して、全体として効率化されるかどうか、専門家に研究して欲しい。そういう学問はあるのでしょうか。『自動車流体力学』と言ったのでは実も蓋もないので、『交通制御工学』とでも言うような学問があってもよいでしょう。私は、このようなアイディアをここにアップすることしか出来ませんが。
しかし、余談ですが、立体交差ではない、いわゆる一般道路では、「ノーストップ信号制御」をしても、立体交差をする高速道路の、約半分の輸送量しかさばけないということが言えそうですね。この話は、単に算術的な問題なので、ここでは詳しく論じませんが。
52 高性能ブラインド
プラスティック製の薄い板をたくさん横に並べて紐で繋ぎ、窓に掛けて日差しを遮るのに使う、あのブラインドです。高級品は木で出来ているのもある。大部分の家庭では、真夏はガラス窓を密閉し、まどの内側にブラインドやカーテンを掛けて日差しを遮っているようです。
ブラインドは、なぜ窓の内側に掛けるのでしょうか。確かに、部屋の中は直射日光から保護されます。しかし、窓から部屋の中に入ってきた日光の何パーセントがブラインドで反射して、もう一度ガラス窓を通過して部屋の外に出て行くか。おそらくほんの僅かでしょう。大部分の日光は、ブラインドを暖めたり、部屋の中で乱反射して壁や床を暖めたりして、熱エネルギーに変わり、部屋の温度を上げていると思います。
ブラインドは、原理的には窓の外に吊るすべきでしょう。しかし、そうすると別の問題が生まれます。操作がしにくい。風に弱い。アルミサッシの普及で、雨戸は最近あまり使われなくなったが、昔と違って、金属製で安く、取り付けも極めて簡単になっています。ブラインドの機能を兼ねた雨戸はすでに作られているでしょう。それを利用したほうが省エネ効果が高いはずです。
53 都市建造物の緑化(その1)
最近、ビルの屋上に土を敷き、池を造り、植物をたくさん植えて緑の庭園にするという技術が宣伝されています。屋上を庭園化すれば、トンボが育ち、野鳥が集まり、冷房費の節約になり、都市のヒートアイランド化を抑えることにもつながるそうです。それがどの程度の効果をもたらすか、私は詳しくは知りませんが、方向としてはよい考えだと思います。
そこで、思考実験の大好きな私としては、もっと徹底した都市の緑化を考えてみました。ビルの屋上に限らず、ビルの側壁面、一戸建て住宅の側壁面と屋根、さらに送電線などの鉄塔、あらゆる橋の橋梁部分、…などなどを、出来る限り蔦(つた)やつる草や苔などで蓋(おお)う。都心に森や林をこれ以上増やすことは無理ですから、すべての建造物を対象に、いわば都市建造物緑化を試みる。
蔦が五十階建てのビルの地上から屋上まで伸びる筈がないですって? 各階ごとの外壁に細長いベランダを作り、植物のための「地面」を提供してやる。さらに、ビルの外壁には蔓草が絡み付くための竹垣を張り巡らす。送電線の鉄塔に朝顔の蔓(つる)を巻き付けても、わずかしか巻き付かないですって? 鉄骨の間に、何十層もベランダを作り、竹垣を組み、朝顔が密集して育つ環境を用意してやるのです。もちろん、竹垣といっても、本当に竹で作る必要はないでしょうが。いずれにしても、技術的な問題は、技術者にお任せしたい。大切なことは、アイディアを出すことだと思います。
このような建造物の土地化・緑化を実行した時、そのプラス面とマイナス面を考える。プラス面は上に書きましたが、土の地面が存在するだけでも、その保水と水分の気化による冷却効果、微生物やコケ類などの繁殖による有機化、更にそこに育つ植物による涵養効果など、環境を安定させる効果は高いでしょう。マイナス面は、第一に、植物が建物に与える風化作用。家の回りに植物をやたらに生やすことは、家を傷めることになるということです。また、我々の生活のあまりに身近に昆虫や動物が集まることは、衛生上・安全上の問題を生むかも知れません。次に、植物の管理に金が掛かることでしょう。枯葉の掃除の手間など、馬鹿にならないと思います。
昔から、蔦の絡まるチャペルなどはありましたが、現代の建築にそれを大規模に応用し、環境保護に利用するには、植物育成の新しい技術や、植物育成に適した建造物の構造や素材の研究開発が必要でしょう。また、そういう用途に適した植物の品種を遺伝子工学によって作り出すことも考えられます。私の家を実験に使えればよいのですが、それは出来ません。金が掛かるからです。
誰か金のある人、ぜひやってみてください。そうだ、まずデモンストレーションに、池袋や新宿の高層ビル、東京都庁、東京タワー、レインボーブリッヂなどで公開実験するというのはどうでしょうか。蔦や朝顔やコケで覆われた東京タワーは環境保護の象徴になり、エッフェル塔より人気が出るのではないでしょうか。
54 バスタブの仕切り板
現代人の私たちは、風呂というものにいろいろの入り方をしています。時間にゆとりのある時はバスタブ(風呂桶)全体に体を伸ばして、ゆったりとするのもよいでしょう。しかし、忙しくて風呂が沸くのを待つのも惜しい時などはどうでしょうか。一人の人間が風呂に入るのに、バスタブ全体の水を沸かすのは無駄だと感じることもあります。
そういう時のために、バスタブを仕切る板を作る。水はバスタブ全体に入っているが、沸かす部分は仕切るのです。ふたの形を多少工夫すれば、ふたと仕切りに両用できるものが出来るでしょう。多少隙間があっても、温度の違う水は混ざらないから、形はだいたいでよいでしょう。(2002.01.27)
55 回転寿司と寿司の知識
回転寿司というものが発明されて、たぶん三十年くらいになるでしょう。私の学生時代までは、ああいうものはなかった。最近は外食産業界に完全に市民権を得て、人気、売り上げともに好調のようです。私も時々行きますが、一つ、問題を感じることがあります。私は、回転寿司を食べるとき、「あの寿司は、安くてうまそうだ」などと考えて、次々にいろいろ取って食べる。その時、その寿司の名前のことはあまり考えません。もちろん、すでに知っているものも多いが、名前を知らないまま食べているものも多い。また、名前を知らなくても食べることが出来る。考えてみると、こういうことは伝統的な寿司屋ではあまりないことです。伝統的な寿司屋では、名前を知らないと注文しにくいし、注文するときに寿司屋に名前を教わったり、ついでにその名前の由来、ネタの産地などを教えられることもあります。社会科の勉強というと大げさだが、寿司の背後には、日本の食文化・産業の知識という大きな世界が存在していたような気がする。
ここに一人の若者がいるとする。彼は子どもの頃から回転寿司が大好きで、いつもいろいろな種類の寿司を腹一杯食べている。しかし、「とろ」とか、「こはだ」とか、「かっぱ」とか、「とびっこ」とか、寿司の名前はまったく知らない。思い浮かべるときは、「あの、赤くて脂がのった値段の高いやつ」、「白と銀の縞模様でちょっとすっぱいやつ」、「キュウリ巻き」、「タラコよりちょっと大粒の卵のかたまり」などと考えている……。
一つ一つの皿に寿司の名前を表示するのは大げさでしょうが、何かスマートな方法で寿司の名前やその名前の由来、産地やそれにまつわる話などを教えてもらえると良いのだが。
書いた後で教えられたが、子供たち向きに解説を付けた寿司屋がすでにあるそうです。考えてみると、寿司屋は「海の動物園」のような意味もあるわけですね。(2002.04.11)
56 クラスのニックネーム
「今から体育大会の閉会式と成績発表を行います。皆さん、静かに聞いてください。八位、イー組。七位、エッチ組。六位、エー組。五位、エフ組。四位、エー組。三位、イー組。二位、イー組。優勝、イー組。……」
B組、C組、E組、G組は、皆「イー組」に聞こえやすい。A組、D組は、両方とも「エー組」に聞こえやすい。子音が違うのだが、子音は音が短く、また、こういう場合は文脈で判別することが出来ないからです。また、Dは、「デー」と発音する人と「ディー」と発音する人がいて、余計紛らわしい。一組、二組、…なら音も聞き分けやすいし、指で数を示すことも出来るが、小学校みたいで、どうも…。何か良い方法はないでしょうか。
各クラスに、そのクラスのアルファベットを頭にもつ動物のニックネームを付けて呼んだらどうでしょうか。つまり、A組は、「アリゲーター組」と呼ぶことにする。別名「ワニさんチーム」でもよい。B組は「ベアー組」、「熊さんチーム」。C組は「キャット組」、「猫さんチーム」。Dは「ディアー」(鹿)。Eは「エレファント」(象)。Fは「フォックス」(狐)。Gは「ゴート」(山羊)。Hは「ホース」(馬)。こうすると、クラスの旗にそれらの動物の顔を描いたり、クラスのTシャツのデザインにもなって、体育大会が盛り上がります。「優勝はエレファント組です。おめでとう。象さんチームの代表者二名、前に出てください。優勝カップと賞状を校長先生から授与します。象さんですから、手でなく、鼻で受け取ってください。」
ただし、H組とD組は、連合させない方がよいでしょう。
クラス名の聞き取りやすさは火事や地震の時の危機管理においても大切です。「おーい、1年ディアー組、鹿さんチームは私の周りに集合しろ。担任が行方不明なので、私が代行する」「3年アリゲーター組、異常ありません」「もしもし、2年キャット組31番の誰それ君が行方不明です」非常にわかりやすいでしょう。(2002.04.11)
57 車間距離を0にする
自動車は道を走るとき、前後の車との間に適正な車間距離を保つことが必要です。しかも、高速になればなるほど長い車間距離が必要となる。しかしこの車間距離というもの、よく考えると道路の利用効率を非常に悪くしています。もし車間距離をもっと短くしても安全に走ることが出来れば、道路の利用効率は、ものすごく改善されるでしょう。車間距離を検知して自動的にスピードを制御するなんて、誰でも考えることです。しかし、自動車にそんな装置を付けたら、車間距離はもっと長くなるでしょう。なぜなら、事故が起きたら、その機械を作った会社、あるいは認可した役所の責任になりかねないから、絶対に安全な車間距離を設定するからです。私はもっと根本的な解決策を考えました。
ここに東京から大阪まで高速道路を行く、同じ会社のトラックが五台あったとする。この五台を連結して走らせることはできないでしょうか。ロープで繋ぐのではなく、自動車と自動車を繋ぐ連結器を新しく作るのです。そうすれば、この五台の通行料は大幅に割引されるでしょう。なぜなら、五台分の車の長さ+一台分の車間距離しか道路の空間を使っていないからです。このように連結して走る車が増えれば、道路は空(す)き、輸送量が増える。また、車にかかる風圧が全体として軽減されるので、ガソリンも節約されるでしょう。
そう考えると、これは、トラックでもバスでも乗用車でもよい。また、別の会社同士でも、赤の他人同士でもよい。とにかく行く先の同じ車を連結して、列車のようにして高速道路を走らせる。そういう技術と制度が出来ないものでしょうか。(2002.05.29)
58 線路空間の有効利用
前回と同じ発想ですが、電車の線路の上の空間というものも、何か利用方法がないでしょうか。つまり、電車が通らないときの線路の上の空間は、まったく利用されていないわけです。ウーム、なかなか良い考えがうかばない。
その一
線路の両側に花を植えて、ミツバチを飼う。電車に跳ね飛ばされるミツバチが可哀想かも。
その二
線路の表面を平らにして、自動車も通れる構造にし、道路としても使えるようにする。現に踏み切りは自動車が通っているのだから、線路全体をそういう構造にしたらよい。電車が後ろから近づいて来たら、車は車線を譲る。地方で、鉄道と道路が並行して走っているところなど、一体化して兼用してもよいのでは。
59 iモード辞書
電子辞書の登場は、教師の私にとっては、たいへん歓迎すべきことです。生徒・学生がものすごくよく辞書を引くようになった。高校生諸君、電子辞書を買うときは、古語辞典が入っているものを買ってください。ところで、今度はもうすぐ、iモードで辞書が引けるようになるでしょう。そうなると、ドイツ語だろうとフランス語だろうと、呼び出しさえすれば使えるわけです。当然、研究が進んでいると思います。
60 十二個の玉のクイズ
私の発明ではありませんが、面白いクイズ。ここに十二個の玉があります。パチンコの玉のようなものを想像してください。A・B・C…Lと名前を付けると考えやすいでしょう。十一個は重さが同じですが、一つだけ重さの違うものが混じっています。他より重いか、軽いかは分かりません。天秤ばかりを3回使って、(重さを量るための分銅は使わないで、)この玉が重い、または軽いということを特定したい。どうしたらよいでしょうか。
このホームページの表紙から『アクティブクイズ』に入ると、13番にこのクイズがあります。興味のある人は試して下さい。
61 人質クイズ
こんどは私の考えたクイズです。テロの横行する地域で仕事をするA社とB社があります。A社は、社員の生命を第一に考える方針です。先日もテロリストに誘拐された3人の社員を、身代金を払って救い戻しました。B社はテロには絶対に屈しない方針です。先日も社員を3人誘拐されたのですが、要求された身代金を払わず、3人とも殺されました。あなたは、A・Bどちらの会社に就職しますか。(2002.07.20)
62 洗濯物乾燥機
洗濯物乾燥機というものも、利用効率が悪いものです。現在普及しているものは、一辺が50センチメートルくらいの四角い箱で、マンションのベランダなどに置いて使う人が多いようです。見方によれば洗濯機の半分もある大きなものですが、これを本当に必要とする時は、梅雨時その他、長雨の期間に限られている。長雨の時だけ、ピンチヒッターのように使える乾燥機はないでしょうか。そこで、
布団乾燥機を、洗濯物乾燥機にも使えるように初めから設計する。布団乾燥機に、もっと大きな空気袋を付け替えられるようにして、熱風を勢いよく吹き込み、その中で洗濯物を乾かす。空気袋は気圧で膨らむが、折りたためる骨組みを付けてもよいでしょう。これだと、不要の時は片づけられる。布団乾燥機と洗濯物乾燥機は、仕事の原理はほぼ同じですから、大で小を兼ねることは可能でしょう。今のままの布団乾燥機でも、洗濯物乾燥機として使えないこともないでしょうが。
63 出前配達請け負い業
飲食店の出前というサービスには、いろいろな問題が含まれています。遠い距離を出前するのは効率が悪い。また、掛け蕎麦一杯とか、安いものを少数出前するのも効率が悪い。店が混んでいる時に出前するのも大変だし、店で食べている客に対するサービスの低下にもつながる。また、例えば一軒の家に出前に出た直後にその隣の家から出前の注文があると、もう一度行かなくてはならない。出前の帰りというのは、空(から)の車で走っているのだから、効率が悪い。また、数時間後に食器を回収に行くという仕事も付随する。
考えてみると、本職の上手な人が出前の仕事に回るというのは、あまり合理的でない。とすると、出前している人は本職が下手なのだろうか。若い人に出前をさせている寿司屋などがあるが、出前の仕事が、寿司を作る修行に何かプラスになるとは思えない。出前は、その飲食店の本来の業務とはまったく別の種類の仕事でしょう。実際、出前をしない店も沢山あり、特に、ラーメンなどの大資本のチェーン店は出前はしません。もともと出前は、個人商店が狭い地域で客を取り合うため、互いに対抗上やむを得ず始めたことかもしれません。
しかし、客の立場から言うと、電話一本で自宅や職場で食事ができる出前は、たいへんありがたいサービスです。出前をする店種は、普通、寿司屋、蕎麦屋、ピザ屋、洋食屋などですが、ケーキ屋とか喫茶店とか居酒屋とか、場合によっては魚や野菜などだって、出前してほしい時もあります。店の立場から見ても、出前は、客席の設備がなくても商品が売れるというメリットもあるでしょう。
そこで私は、退職金を元手に『シロネコ山戸の出前便』を始める決心をしました。頼まれれば何でも出前を請け負いますが、初めはやはり食事が中心です。町内の二、三十軒の飲食店と契約を結び、出前配達の仕事を代行します。バイクか小型車に食事を積み、ヘルメットに付けた携帯電話で、走りながら常時注文を受けます。そして、もっとも効率的な道順を選択しながら、飲食店と客の家の間を走り回る、というより、順に移動して行くのです。多くの店と多くの客の家の間を動くので、一つの家に行くためだけに遠くまで行くということも、空車で長い距離を帰るということもありません。イメージ的に言うと、A宅に寿司を届け、次に、そこから10メートル離れたB宅にラーメンを届け、また、そこから10メートル離れたC蕎麦店で蕎麦を積み込み、また、そこから10メートルのD宅にカレーライスを届ける、そういう感じです。つまり、輸送効率が高いのです。
料金はお店から頂きます。お店は、人件費が節約されるから、経営はかえって楽になります。
寿司にラーメンの匂いが移ったらどうするって? そんな技術的な問題はすぐ解決します。それより、役所の許可というか、法律の壁が問題かもしれません。(2002/07/23)
64 娯字訂正クイズ
「今月の言葉」で、「先立つ不幸をお許し下さい」を出しましたが、それと同類のクイズです。どこかで見たものが大部分ですが、私の考えたものもあります。他にも面白いものがあったらメールでお教え下さい。ここに追加させてもらいます。
あ アメ屋横町 アメリカ合州国 以外な結末 壱萬圓礼 犬棒岬 江戸時代の寺小屋 大者新人 憶病者 押し着せ 御銭別
か 凱戦門 桓根 学園粉争 画竜点晴 邯鄲一睡の夢 間接痛 危機一発 魏史倭人伝 逆説接続 興味深々 興味本意
鶏頭となるも牛後となる勿れ 劇団の主催者 結婚呪い 玄海灘 現在分子 源子物語 工場排水 国際間係 御紹待券
小憎寿司 五里夢中
さ 三國史演義 三味一体 自我自賛 若干二十歳の若者 週間誌 十二支腸潰瘍 授業の複習 上気嫌 招集令状 召待状
女性合唱団 人口知能 人事移動 人跡未到 新訳聖書 清小納言 晴天白日 責任転稼 絶対絶命
漱石先生の妻君(さいくん) 疎縁な間柄
た 大同小違 単数と復数 短刀直入 対島海峡 坪内逍遥著『小説真髄』 低脳児
な 日米安全保証条約 日刊誌 脳力不足
は 迫兵戦 藩籍奉還 広島平和記念館 武士は食わねど爪楊枝 不和雷同 紛飾決算 扁桃線炎
ま 慢画 未青年 無我霧中
や 野性動物
ら 羅針板
わ
I
allways talk about beautyful Afrika in my speach. / beautifull /
beautyfull / usefull / useles / untill /
Steal
giter busyness, wellcome! (スチールギターの忙しい仕事、よく来た!)/
Eine Kleine Nachtmusic /
Amerika
/ befor / feburuary / plesure / holyday / allthough / allmost /
allways / allso / esnic / synicism /
misstake
/ sweet room / fourty-four / hight (高さ)/
Emperial
Hotel(帝国ホテル)
○参考までに、紛らわしい漢字の熟語のペアーをメモしておこう。
融和・宥和 説教・説経 横丁・横町 主催・主宰 多彩・多才 兎・兔 前人未到・前人未踏 解答用紙・回答用紙
預言者・予言者 的を射た意見・的を得た意見 以外・意外 人工・人口
○参考までに、私が耳にした言葉遣いの間違いもメモしておこう。
該当(テレビのアナウンサーが「かくとう」と読んだ)
65 清涼飲料のカリウム含有量
高血圧の人はカリウムを摂取するとよいという話を聞きました。ではカリウムの多い食品・飲料を探してみよう。ただ多ければいいというものでもないとは思うが、とりあえず手近な所で、ペットボトルの清涼飲料。今の所の調査結果は次のとおりです。だんだん、発明・発見・アイディアと離れてゆくが、まあいいでしょう。
100ml
あたりのカリウム含有量
○ co・op 濃縮還元
ORANGE
Juice
195mg
○ 日本コカ・コーラ Mineral
Balance 44mg
○ SUNTORY
DAKARA(カラダ・バランス飲料)
25mg
○ 大塚製薬 ION
SUPPLY DRINK POCARI SWEAT 20mg
○ 日本コカ・コーラ AQUALIUS
19mg
○ 伊藤園 天然ミネラル麦茶
18mg
オレンジジュースにカリウムが多量に含まれているということは、オレンジ、つまり蜜柑にも含まれているということか。それなら、要するに蜜柑を食べればいいのでしょうか、こう思って調べたところ、普通のミカンで、可食部
100gあたり、カリウム含有量は
150mgと分かりました。
その後、柿には170rも含まれていることが分かりました。また、カリウム含有量の多い果物は、柿、リンゴ、海藻、青菜、バナナ、スイカ、サツマイモなどだそうです。
66 光源氏の本名は?
これも私の考えたクイズです。日本文学の中で一番の傑作といわれる『源氏物語』、その主人公が『光源氏』ですが、光源氏の本名は何と言うのでしょうか。分かる範囲で答えてください。ヒントというより参考ですが、光源氏の父は『桐壺の帝』、母は『桐壺の更衣』、最初の正妻は左大臣の娘『葵の上』です。しかし、これらの名前は、言わば渾名(あだな)というか、呼び名であり、本名とは関係ありません。本名はどう推定するのか。例えば『葵の上』は左大臣の娘だから、常識で考えて藤原氏でしょう。二番目の正妻は『紫の上』で、この人は皇族でした。
67 渋滞車線
久しぶりに高速道路を走りました。私は車の運転はしないので、バスに乗ってです。相変わらずの渋滞で、一時間ほどのろのろ。そんな道路の様子を眺めていれば、何とかならないか、解決法の一つも考えますよ。
高速道路の車線幅は、時速100キロ以上で走ることを想定して、広く作ってある。一般の道なんか、対向する車との間隔が30センチもないような狭い道をお互いに時速40キロぐらいですれ違っている所が沢山あります。渋滞している時は速度は遅いし、同方向に走るのだから、車線は狭くてもよいはずです。渋滞がよく起きるところは、車線を狭くして、二車線は三車線に、三車線は四車線に増やしたらどうでしょうか。普通の車線のラインは白で書かれているから、色を変えて、渋滞用のラインも書いておく。渋滞しないときは普通の白いラインの車線を使えばよい。(2002.08.02)
68 渋滞時連結
前回の続きです。車線の数を増やすのは、いわば横方向の空間節約ですが、縦方向の空間節約を考えると、やはり連結走行ということになります。57で述べた「連結」は、いわば「高速時連結」ですが、低速時に連結して走行することは、高速より簡単でしょう。低速で走りながら前後の車と連結する機能を開発する。そうすれば、理論的に言うと、渋滞しているところは車間距離が0になる。道路の輸送効率は数倍になるから、渋滞はすぐ解消するのでは。
70 人質クイズの答
61の「私の」答です。テロリストがB社の社員を誘拐するメリットは何でしょうか。問題をよく読んでください。B社は、絶対に身代金を支払わないのです。逆に、A社の社員を誘拐すれば、身代金を奪う可能性は高いです。A社は社員の生命を第一に考えるからです。しかし、それでA社は安泰でしょうか。A社がテロリストに支払った身代金は、新たなテロを起こす軍資金に使われ、テロは拡大再生産されるでしょう。しかも、テロリストは、次もA社の社員を狙います。なぜなら、A社の社員を誘拐すれば金が入ることが分かっているからです。B社の社員は、どんなに手間隙をかけて誘拐し、脅迫しても、一銭にもなりません。
もし、テロリストに屈服し続ける限り、A社はやがてテロリストに支配される会社になってしまい、テロリストの手先として他人の生命を奪う側に回るでしょう。なぜなら、A社の方針は、自分達の生命を守るためにはテロに屈服しても仕方ないということだからです。これが国家の話だったらどういうことになるか。会社と国家を同列に扱うことは、議論を粗雑にする。また、現実の世界で起きていることはもっと複雑で、いろいろな考えや解決法が存在します。だから、それについて、ここでは詳しくは述べません。しかし、テロとの戦いはきれい事ではすまないことだけは確かでしょう。
今日は
2002.09.07
小泉さんが北朝鮮を訪問する日が近づいていますが、一つ、心配なことがあります。万一の話ですが、今回の訪問がものすごくうまく行き、11人の人質が全員帰されて、北朝鮮に対する援助や過去の植民地支配に対する補償も双方合意でまとまったとしましょう。万々歳。そうでしょうか。その結果を見て、世界中の人がこう考えないでしょうか。「日本人を誘拐して人質にすると、制裁を受けるどころか、総理大臣が話し合うために訪ねてきて、身代金を払ってくれる。おれ(たち)も、やってみようかな。秋刀魚は目黒に、じゃなかった、人質は日本人に限る。」よく考えて下さい。一番そういうことを考えて、また実行する可能性のある国は、北朝鮮なのです。クイズとその答をよく読めば、その論理は明白でしょう。そうしたら、また金を払うのでしょうか。
不法に拉致された人質を取り返すことは、話し合いとか取引とかいう次元の問題ではない。無条件で原状回復を要求すべきです。それは国家の自衛権に属することで、そのためにどの国も軍隊を持っているのです。犯罪者となぜ話し合わなければならないのか。要求と話し合いは違います。また、犯罪者から人質を返してもらうのに、なぜ金を払わなければならないのか。これは、本筋を言えば、石原慎太郎氏が言うように、戦争覚悟で取り返すべきことです。現在の日本は、このクイズのA社に当たることは、残念ながら事実でしょう。
71 光源氏の本名
66の答です。光源氏は、天皇の子供として生まれたわけですから、初めは姓はありません。天皇家には姓はないですね。昭和天皇は、「裕仁」、今の天皇は「成仁」だったか、とにかく名しかないのです。しかし、光源氏は八歳の時、臣籍に降下しました。これは「臣籍降下」とも言い、「臣」は天皇の家臣つまり国民、「籍」は戸籍、「降下」は降りること、つまり皇族の身分を離れて国民の身分になることです。国民になれば姓が必要です。そこで、光源氏は、天皇から源(みなもと)の姓を賜(たまわ)った、つまり、いただいた。だから、光源氏の姓は「源」です。当たり前でしょう。私たちが知っている源氏の人は皆「源の誰それ」、平氏の人は、「平(たいら)の誰それ」、私の属する山戸氏の人間は、「山戸誰それ」です。平安時代は、なぜ音読みにして「氏」を付けたのか。これは、中国の真似です。
次は名ですが、これは源氏物語に書かれていないので、分かりません。「ひかる」は本名ではなく、世間の人が付けたニックネームで、「光る君」は「光り輝くように美しいお方」、「光源氏」は「光り輝くように美しい源さま」というような意味です。今(2004年)流行の言い方をすれば、「げんさま」です。
72 ロミオとジュリエットは、出会ってからどのくらい経って結婚したか。
ロミオという名前は、今たいへん話題になっていますね。光源氏は日本文学の代表。ロミオとジュリエットは西洋文学の代表。この二人は神父立会いのもとで、教会で正式に結婚しました。それは出会ってからどのくらい経ってからか。もう一つ、ロミオとジュリエットは、結婚した時、何歳だったか。ついでにもう一つ、二人が死んだのは、出会ってからどのくらい経ってからか。(2002.09.02)
73 合理的な振り替え休日
現在の制度だと、日曜日と祝日が重なると、翌日の月曜日が振り替え休日になります。連休は増えるが、月曜日ばかり休日が増えるために、困っている人が沢山います。特に学校はそうです。授業数のアンバランスを直すために、今週の火曜日は月曜日の時間割で授業をしよう、という訳にはいかないのです。火曜日は別の学校に教えに行っている先生もいるし、生徒だって、予定が狂ってしまう。現代では、学校の授業というのは、生徒一人一人によってその曜日の時間数が違い、学校が終わる時間が違うのです。振り替え休日は、月・火・水・木・金に、平均して分配してほしい。土曜日をどうするかは、工夫の余地があるでしょう。一刻も早く法律を改正すべきだ。
74 都市の冷房
53の「建造物の緑化」の続きです。都市のヒートアイランド化の原因はアスファルトの道路や鉄筋コンクリートのビルなどが増え、土の地面が減ったことです。しかし、アスファルトやコンクリートに、都市を暖める性質があるわけではない。また、土の地面が減ると夏は都市が暖まるのは、土と水分の太陽熱の吸収効果と、水分の蒸発による冷却効果でしょう。もともと日本は水が豊富で、例えば東京の年間降水量は、パリの二倍以上あります。ところが、最近の大都市は下水道が完備して、せっかく天から与えられた恵みの雨を、なるべく手際よく海へ捨てるような仕組みになっている。人々の生活を快適にするために水はけのよい都市を作ったが、それが、逆に、猛暑の都市を作ってしまったのです。しかし、道路や学校のグランドや公園の広場を、昔のような、雨が降ればすぐぬかるみになるような土の地面に戻すわけにはいきません。水はけが悪くてもいいような広い平面が、都会のどこかにないでしょうか。
私は、その答の一つに「屋根」があると思います。大都市はどこへ行っても家だらけ。家の面積イコール屋根の面積ですから、屋根の面積を合計したら、大変な広さになるでしょう。その屋根を、全部水はけを悪くするのです。昔の茅(かや)葺き屋根や藁(わら)葺き屋根の家は、クーラーなどなくても涼しかったそうです。それは、茅や藁が、雨水を一定期間その中に保持して少しずつ蒸発させ、家全体を気化冷却する機能を果たしていたからでしょう。茅や藁のような、あるいはそれ以上の保水能力を持った屋根素材を開発する。一番単純なアイディアとしては、雨水が溜まる箱のような瓦を作り、屋根に並べる。もっと高性能の屋根構造、屋根素材の開発も、現代の科学技術の力をもってすれば、そんなに難しいことではないと思います。
そういう屋根が作られれば、現在の瓦やスレートの屋根より多少高価でも、売れるはずです。なぜなら、その分、クーラーの費用が節約されるからです。しかも、この新素材の屋根による冷房は、運転音もなく、体にも無理な負担を掛けないでしょう。また、冬は暖房効果があるかも知れません。更に、どの程度かは知りませんが、下水道設備の節約や河川の洪水防止にもつながるでしょう。雨水を貯める屋根は、一つ一つが小さなダムだからです。技術的な問題は、例によって専門家に任せることにして、とりあえずアイディアのみ。
75 弘法大師の雨乞いはなぜ効果があったか
私が作ったという訳ではないが、どこかで聞いたクイズ、というか、問題です。日本の代表的な高僧、弘法大師は平安初期の人で、高野山金剛峰寺を開き、真言宗の開祖となりました。また、嵯峨天皇・橘逸勢とともに、『平安の三筆』としても有名です。この人は、当時先進国だった中国(唐)に留学し、最新の仏教を身に着けて日本に広めたのだそうです。仏教の勉強というと、現在は狭い意味で捉えますが、当時は、哲学・自然科学を含んだ、広い意味での学問一般だったようです。
さて、この中国から帰ってきた弘法大師が雨乞いをすると、雨が降る、また、杖で地面を叩いた所を村人が掘ると、水が出てくるという奇跡が次々と起こった。現在でも各地に伝説として残っている『弘法の井戸』です。そんなことは、古いお寺、例えば東大寺や法隆寺の坊さんには、とても出来なかったそうです。なぜ、弘法大師は、そんなことが出来たのでしょうか。弘法大師の奇跡の謎を解き明かしてください。真偽は別として、いかにもなるほどという答が用意されていて、話の種にはなります。
76 携帯電話とバス・タクシー
バス・タクシーの利用を増やすことは、自家用車を減らし、道路の混雑の解消につながるということは、19でも書きましたが、バス・タクシーの欠点の一つに、いつ来るか分からないことがありました。最近の携帯電話のiモードの進化は、その解決に利用出来そうです。次のことが出来たらよいですね。もちろん、そのうち実現するでしょう。
その一 自分が乗ろうとしているバスが、約何分後にバス停に来るか、どこからでも知ることができる。
その二 自分がいる場所に一番近い空車のタクシーが、約何分後に来ることができるか、知ることが出来る。また、そのタクシーを呼ぶことが出来る。
タクシーは客を探すために、「流し運転」をしますが、客からの呼び出しに応じて出向くのであれば、流す必要はなく、思い思いの場所で待機していればよいのではないか。その時間は運転手は休めるし、ガソリンの節約にもなる。客にしても、道路を遠くまで眺めて空車のタクシーを探したり、タクシー乗り場まで歩く必要はなくなるのです。10分後に駅に来てくれと、電車の中から呼び出すことも出来るはずです。
ギリシャのタクシーは相乗り制で、初めから相乗りすることも、途中で行く方向の同じ客を拾って相乗りさせることもあります。しかし、そのためには、相乗りさせるのに都合のいい客にたまたま出会わなければならない。しかし、携帯電話を利用し、いろいろな客からタクシーに連絡が入ってくれば、もっと効率的な相乗りが出来るのではないか。そうすれば、その二に「空車のタクシー」と書いたが、空車でなくても、「空席のあるタクシー」でもよい訳だ。考えてみると、タクシーに一人で乗るなんてことは、公共輸送機関を無駄遣いしているのです。原理的には、新幹線に客が一人しか乗っていないのと同じです。相乗りで使うということは、ものすごく合理的で経済的なことではないでしょうか。料金は、ギリシャの場合は運転手がヤマ勘で決めるらしいが、きちんとした計算式を作ってコンピュータに計算させることは簡単でしょう。
77 片側一車線の道路の追い越し
例えば、あなたの運転する車の前に大きなトラックが、エンジンの力が足りないらしく、ノロノロというか、ギシギシというか、必死で走っている。それを追い抜きたいが、そのためには当然ながら対向車線に出なければならない。目測を誤れば、また、前のトラックが意地悪をすれば、対向車と正面衝突…。片側一車線の道路での追い越しは、ものすごく危険で、ストレスを伴う仕事だということは、誰でも知っているでしょう。特に、車長の長い車はやっかいです。もちろん、所々に車線を増やして、登板車線のような、追い越される車のための車線を作る、最終的にはそれが一番いいが、それが実現するまで、何とかならないか。
所々に「追い越し優先区間」を設置する。この区間では、追越しを掛けられた車は、例えば相手のクラクションの合図に応じて、スピードを落とさなければならない。また、この区間では、対向車は、自分の車線の前方に、追い越しのために中央線を越えてこちらに走ってくる車を見たら、スピードを落とさなければならない。そういう法律を作るのです。上り車線の追い越し優先区間と、下り車線のそれとは、もちろん同一区間にならないように、道路の起伏やカーブなども考慮して交互に設置する。
78 タクシー・ナビゲーション・システム
76に書いたことをタクシーの側から見ると、タクシー・ナビゲーターというものが想定されます。タクシーを求める客の携帯電話からの情報を刻々と受けて、客の位置、人数、行く先、別のタクシーの位置、個々の客を乗せる権利の優先順位のようなものが画面に表示される。その情報を利用しながら、且つ又、ギリシャのタクシーのように客を相乗りさせながら走ると、タクシーは非常に肌理(きめ)の細かい、合理的で効率的な輸送ができるのではないか。考えてみると、タクシーは走る経路を自由に選べるので、乗客に関する情報さえ正確なら、バスや電車よりはるかに効率の高い輸送ができるはずです。当たり前のことだが、電車やバスに乗るには、まず、駅まで、普通は歩いて行かなくてはならない。また、目的の駅に着いたら、そこから更に、目的の地点まで歩かなくてはならない。電車やバスを使うということは、遠回りをして目的地に行くということです。
電車は別として、バスについて改めて考えてみると、バスはバス停に客が待っていなくても、また、そのバス停で降りる客がいなくても、決まった路線を走らなければならない。たとえバス停から少し離れた所にそのバスに乗りたい客がいても、路線から外れることは、制度上できない。また、客を降ろす場所はバス停に限られ、別の道を通って、客の本当の目的地まで連れて行くこともできない。自由に経路を選べるのが自動車の利点なのに、自らその利点を放棄しているというのは、考えてみればおかしな話です。
一つのラディカルな思考実験として、すべての路線バスを廃止し、それらをタクシーとして運用することを考えて見ましょう。つまり、現在の普通のバスを大型タクシーと考え、20人乗り程度の小型バスを中型タクシーと考え、5人乗りの普通のタクシーを小型タクシーと考える。そして、必要なところで客を乗せ、必要なところで乗り換えさせ、必要なところで降ろす、そういうシステムを作るのです。客の立場から説明すると、携帯電話でタクシーを呼ぶと、1〜2分で小型タクシーが迎えに来る。そのタクシーは相乗りです。十分ほど走ったところで、中型タクシー、または大型タクシーに乗り換える。目的地に向かって走る途中で、他の小型タクシーからも別の客が乗り換えてくる。中型から大型に乗り換えることもある。目的地に近づくと、乗った時とは逆に、客はそれぞれの目的地に応じて、行く先の同じ中型・小型に乗り換え、自分の目的地で降りる。こうなると、もはや、ナビゲーターではなく、ナビゲーション・システムと呼ぶべきでしょう。もちろん、このシステム全体をどう運用するかは、コンピュータに計算させるのです。
なぜ私がこんなことを思いついたか。それは今年の夏、トルコのカパドキア高原で、原理的にこれに似たシステムを体験したからだと思います。簡単に言うと、そこでは、ホテルの自家用車と小型のツアーバスと、大型のツアーバスが、非常にうまく組み合わされて、客の人数と行く先に応じて、乗換えというか、客の積み換えが合理的に行われていました。人間は荷物と違って、あのバスに乗り換えろと言うと、自分の足で歩いてゆくので、積み替えはとても簡単です。また、路線バスでも、大型バスから小型バスへの客の積み換えは、ヨーロッパのあちこちで行われていると思います。(2002.09.27)
79 ロミオとジュリエットの結婚
72の答です。私の計算では、出会って16時間半後に、それも、教会で神父立会いのもとに正式に結婚した。その時、ジュリエットは13歳、ロミオの年齢は書かれていませんが、それに釣り合う若さでしょう。二人が死んだのは、出会った4日後です。この劇の時間進行をまとめると、次のようになります。
日曜日(7月15日頃)
8時 開幕。ヴェロナの広場。
9時 モンタギュー家で、ロミオ登場。ロザラインへの片思いに悩んでいる。
同じ頃 キャピュレット家で、ジュリエット登場。パリス伯爵とのお見合い話が持ち上がっている。
18時〜22時 キャピュレット家のパーティー。ジュリエットはパリスと踊る(つまりお見合い)が気に入らない。
パリスはジュリエットを気に入る。
ロミオは恋の相手ロザラインに会う目的でパーティに乗り込むが、ロザラインは欠席。
21時30分 ロミオとジュリエットが出会い、お互いの素性を知らないまま一目ぼれし、二回キスする。
このことは、二人以外は誰も気がつかない。
22時 パーティーが終わる直前にロミ・ジュリ双方がお互いの素性を知る。
23時〜翌日1時 ロミオがキャピュレット邸に逆戻り、バルコニーのジュリエットと恋の対話。
月曜日
1時 ロミオとジュリエットが結婚を約束する。
3時 ロミオはキャピュレット家を出て、自宅に帰らず、ロレンス神父の修道院で夜明けを待つ。
ティボルトはこの夜、ロミオに果たし状を送るが、ロミオは家に帰らないので、それを知らない。
5時 ロミオがロレンス神父に会い、結婚の媒酌を頼み、神父は引き受ける。ロレンス神父は薬草や毒草の知識に詳しい。
9時 ジュリエットが、乳母をロミオと会わせるために使いに出す。
12時 乳母がロミオと会い、結婚式の時間と場所を聞き、ジュリエットの許に帰る。
15時〜16時 ロレンス神父の立会いで、ロミ・ジュリの結婚式。三人以外は誰も知らない。
17時 ジュリエットの甥のティボルトがロミオの友人のマキューショーを殺害。
18時 ロミオ、ティボルトを殺害。その罪により、ヴェロナから火曜日の夜明けまでにヴェロナから立ち去れという
追放の刑を受ける。ロミオはその後、ロレンス神父の修道院に隠れる。
22時 ロミオ、縄梯子を伝ってジュリエットの寝室に入り、夜明けまで語り合う。
24時 ジュリエットの父キャピュレットがパリスにジュリエットのパリスとの
結婚を約束。式の日取りは木曜日だが、後に水曜日に繰り上げられる。
火曜日
6時 ロミオ、ジュリエットを置いてマンチュアに出発。
水曜日
3時 ジュリエット、毒薬を飲む(42時間仮死状態になる薬)
6時 乳母が仮死状態のジュリエットを発見、死んでいると思い込む。
8時 パリス、ジュリエットとの結婚式のためジュリエットを迎えに来る。
9時 結婚式はとりやめ、ジュリエットの葬式、埋葬。
木曜日
19時 ジュリエットの墓場で、ロミオがパリスを殺害。
20時 ジュリエットが死んだと聞かされているロミオは、眠っているジュリエットを見て、
死んでいるものと誤解。自殺。
21時 ジュリエット、墓の中で目覚める。死んでいるロミオを見て、自殺。
金曜日
夜明け前 終幕
ビデオや映画を見て、美しいセリフを楽しみながら、時間進行と筋の急展開にも注意してください。また、北イタリアの夏の季節感も味わってください。
80 観光バス・ナビゲーション・システム
78の延長です。観光バスも、法的に相乗りタクシーにしてしまえば、もっと安く、便利になります。例えば、ある学校のあるクラブ活動の合宿が、あるリゾート地で行われるとする。行きに乗ってきたバスが、帰りは空(から)で帰ることが多いですね。同じ日にそのリゾート地を出発して帰る別の団体など、いくらでもあるでしょう。それを乗せてゆけばよいのに。そもそも、一つの団体がある旅館に着いたときは、別の団体がその旅館から出てゆくのが普通です。団体でなくても、たった一人でも、客を乗せれば料金が取れるが、空で帰れば一銭にもならない。今の制度では、そういう輸送をすると、違法になるのでしょう。
また、団体で借り切るといっても、その団体だけで必ずしもバスが満員になるわけではない。例えば三十人の団体だったら、途中から別の団体や個人の客が乗り込んできたってかまわないし、初めから別の二十人の団体と一緒に乗せてもかまわないはずで、客の立場からしても、その方が安くなる。もちろん、それがいやなら一団体だけの貸切の契約も出来る。しかし今はどこの観光バスも相乗りなどはしない。多分、法律で禁止されているのでしょう。携帯電話を利用したナビゲーター・システムが技術的に可能になっても、現在の法制度ではそのシステムを十分に活用させることは出来ないでしょう。むしろ逆に、法制度を変えれば、技術も開発されるはずです。そのよい例が、電電公社の廃止にともなう携帯電話の飛躍的な進化です。
発明・発見ということを考えていくと、やがて政治の問題に行き着きます。ここで政治というのは、どのような法的環境が、社会にとってもっとも適切かという意味です。極端な思考実験として、乗客の自動車輸送に関する現在の法律をすべて撤廃して、すべての自動車輸送を完全に自由化すれば、どういう状況が起きるか。誰でも、暇なときは自家用車でタクシーの営業が出来る。誰でも、バスを買って、観光バスつまり大型タクシーの営業が出来る。料金は自分で決め、客との交渉で値引きもできる。……。ものすごく自由で便利で安くなる反面、ものすごく不自由で危険でかえって高くつくという現象が同時に生まれるでしょう。私は、もちろん、そんな野放しの状態を理想にするわけではありません。しかし、現在の法制度や法的規制が厳しすぎるのではないかと考え直す契機になることは確かです。日本社会の規制緩和・自由化は大いに進めてもらいたいと思います。
81 弘法大師の雨乞い
75の、私がどこかで読んだ答です。弘法大師は唐に留学し、今日で言う狭い意味の仏教だけでなく、気象学や地質学など最新の科学知識や土木技術も学んで日本に帰ってきたそうです。土木工事には気象学や地質学の知識も必要なのでしょう。そこで彼は、雨が降る気象条件が整うと雨乞いをした。低気圧や前線が近づくと雨乞いをするのだから、雨が降らないわけがない。気象庁が雨乞いをするようなものです。
また、地形や地質を観察して、地下水が流れている場所を科学的に推定した。山伏がその実地調査をしたという話も聞いたことがあります。調査結果をもとにして、杖で地面を叩き、村人に井戸を掘らせた。それが各地に伝説として残っている『弘法の井戸』なのだそうです。ため池を作って農業の発展に貢献したという話も、そういう知識や技術の裏づけがあるらしい。これらの種明かしは、当たらずといえども遠からずだと思います。
奇跡の話には、この種の種明かしがありそうなことが多いですね。『三国志』の赤壁の戦いの時、諸葛孔明が、魔術を用いて東風を呼び込み、劉備の艦隊に風上から焼き討ちする作戦を成功させた話は有名だが、孔明も天気予報が出来たらしい。新田義貞が鎌倉を攻めたとき、黄金造りの太刀を稲村ガ崎から海に投げ入れて龍神に祈ったところ、潮が引いたので、新田勢は海伝いに鎌倉に攻め込んだ話がありますが、これも、同様らしいですね。上州育ちの新田の武士たちは潮の満ち干についての詳しい知識がなかったので、神の加護を信じて意気が上がったでしょう。
投げ入れし剣(つるぎ)の光あらわれて千尋(ちひろ)の海も陸(くが)となりぬる(明治天皇)
義貞の 勢はあさりを 踏みつぶし(古人)
引き潮に メッキの太刀を 捨てる振り(朋盟)
82 通勤電車のラッシュの緩和
当然、すでに考えた人はいると思いますが、…。東京の井の頭線を具体例として話しましょう。井の頭線は、吉祥寺と渋谷の間を往復する路線で、途中に十五くらい駅があります。今、吉祥寺発、渋谷行きの電車について話します。五両編成ですから、吉祥寺側から渋谷側に、順番に@〜Dの車両と呼びます。話は簡単、Dの次にEの車両をくっ付ける。Eは、渋谷駅でしかドアが開かない。また、@は、渋谷駅ではドアが開かないこととし、それを表示し、放送する。Eは、渋谷駅以外の全ての駅のホームからはみ出します。だから、Eに乗る人は、Dから、車内の連結通路を通って入る。途中の駅でEをホームに止める方法もあるが、今は省略します。@は渋谷駅ではドアが開かないので、渋谷駅で降りる人は、Aのドアから降りる。そうすると、ダイヤを変えなくても、駅のホームを延長しなくても、輸送力は20%アップする。法律や条令の規制があるかもしれないが、そんなものは撤廃すべきでしょう。(2002.10.20)
83 山手線の輸送力を七割アップ
前項と同様の発想で、東京の環状線、山手線の輸送力を七割アップする方法を考えました。山手線は十両編成なので、@〜Iまでの車両があるが、それに七両くっ付けて、J〜Pの車両と呼びます。東京→有楽町→新橋というふうに走る外回りを例にすると、各駅で次のように、例えば東京駅では@〜I、有楽町駅ではA〜Jがホームに止まる。各車両の外側と内側に、その車両のドアが開く駅名を表示する。連結通路は広くした方がよいでしょう。
東京 @〜I→有楽町 A〜J 新橋 B〜K 浜松町C〜L 田町D〜M 品川 E〜N 大崎 F〜O
五反田 G〜P 目黒 F〜O 恵比寿E〜N 渋谷 D〜M 原宿C〜L 代々木B〜K 新宿 A〜J
新大久保@〜I 高田馬場A〜J 目白 B〜K 池袋 C〜L 大塚D〜M 巣鴨 E〜N 駒込 F〜O
田端 G〜P 西日暮里F〜O 日暮里E〜N 鶯谷 D〜M 上野C〜L 御徒町B〜K 秋葉原A〜J
神田 @〜I(→東京)
乗れる車両が一番少ない例は、「東京→五反田」「五反田→新大久保」「新大久保→田端」「田端→神田」の場合です。その場合は、GHIに乗るか、車内で移動する。七割アップで、車内は空いているし、移動する時間も十分あります。隣の駅へ行く時は、移動の時間が少ないので、九両の車両に乗れるように工夫しましたが、神田から東京は例外で、どの車両にも乗れます。ラッシュ時の乗客は大部分が通勤客で、乗降駅は決まっているので、すぐ慣れるでしょう。各駅の乗降客の数その他の要素も考えて、細かい改善点はあるでしょうが、それは現場の技術者にお任せします。(2002.10.21)
84 前2項目はまったく不可能と判明
82と83のことを、食堂でたまたま会った数学の先生に話したら、「ふふん、それはまず不可能でしょう」と、たちどころに否定されました。その話を簡単に紹介します。
電車の連結車両数を限定する要素は、ホームの長さではない。ホームを長くするのは技術的にも経済的にも簡単である。インドなどでは、ホームなどなくても、路線内の地面に直接乗客が降りたりすることもある。そうではなく、車両数を限定する要素は、レールの『接触限界』である。電車のレールというものは、上り線と下り線(環状線なら外回りと内回り)が単純に二本並べられているのではなく、例えば各駅停車と急行とか、一本のレールを複数のルートの列車が使えるように、多くの箇所で分岐している。これを「ポイント」と言う。そのため、列車の長さがある一定の範囲を超えると、例えば各駅停車を急行が安全に追い越せないというようなことが起こる。電車は急カーブは出来ないから、安全に追い越せる範囲を広げるには、ものすごく広い範囲にわたって、線路を作り直さなくてはならない。当然、土地の買い上げなど、金がかかる、…
私はその話を全部理解したわけではないが、だいたい納得しました。「あなたは、何故そんなに詳しくご存知なのですか」と尋ねたら、その先生は、「私は本校の『鉄道文化研究部』の顧問である」と答えられました。やはり真面目に研究している人にはかなわない。前二項、せっかく考えたのを消すのは惜しいので、失敗の記念に、そのままにしておこう。
85 精神安定ガスでテロを解決
ペルーの日本大使館、旅客機、劇場…。閉鎖された空間を占拠して人質をとるテロというのは多いですね。事件が起きるたびに、何とか出来ないかと考えるのは人情です。
「精神安定ガス」のようなものを、初めは薄く、だんだん濃く、犯人に気づかれないように少しずつ注入する。三日も経つと、犯人も人質もすっかり落ち着いて、将棋を指したり、読書に耽ったり、瞑想したり、お祈りしたりしている。そこへ特殊部隊が、しずしずと突入し、犯人を逮捕する、というのはどうでしょうか。既に使われていてそれなりの効果を挙げているが、秘密にされているかも。(2002.10.25)
86 接触限界を超えずに車両を増やす
84の続きです。今日、ふと思いついて、「鉄道文化研究部」顧問の先生に、「先の細くなった形の車両を作り、それを列車の最先端と最後尾に一両ずつ付けるのなら、接触限界を超えない増結も可能ではないでしょうか。勿論、車両の先端を細くするといっても、線路(車輪)の幅以上には細くはできない。また、電車とホームの間に隙間が出来るが、それは、ドアの部分の床がせり出すようにするなど、解決法はいくらもあるでしょう。」と質問したら、「ウーン、分かりません」と、忙しそうにおっしゃっていました。どなたか詳しい方がメールで教えて下されば、ここにご紹介したいです。
87 井の頭線のレール分岐を、全線に渡って実地検分
82と84の続きです。今日、吉祥寺から渋谷まで、井の頭線の全線に渡って、線路の分岐の状況をつぶさに検分しました。その結果、分岐点の位置をちょっとずらす工事をすれば、接触限界を超えずに連結車両数を増やすことは十分に可能という結論に達しました。鉄道会社は、何故そんなわずかな金を惜しむのでしょうか。なんなら、私が出してあげたいが、今はちょっと持ち合わせがありません。
ある生徒が授業(実は発明談義の雑談)の時に言った言葉を、私は思い出しました。「先生、電車の混雑を緩和したからって、鉄道会社が儲かる訳ではないでしょう」そうかも知れない。なるほど。だとすれば、問題は技術ではなく、やはり制度にあるのではないか。考えてみると、タクシー・飛行機・客船には定員がある。また、路線バスや観光バスも、定員があるかどうかは知らないが、恒常的な殺人的ラッシュなどという話は聞かない。ラッシュが恒常化しているのは特定の時刻、特定の路線の電車と、特定の時期の列車・新幹線くらいのものである。人間を物理的限界まで詰め込んだ状態が事実上の定員だ、などというのは、憲法違反ではないか。電車・列車の定員を法制化すべきではないか。少なくとも、どんなラッシュ時でも、新聞が読める程度でとどめるべきだ。そうすれば、輸送量の増強などは、鉄道会社が自分で工夫して、すぐに実現するだろう。
88 二階建ての滑走路
今度は飛行機の話。日本は飛行場が狭くて、韓国やシンガポールにアジアのハブ空港をとられてしまい、政治・経済の部門でも遅れをとりそうだ云々という話を、竹村健一氏がよくしますね。ならば、滑走路を二階建て、三階建てにすれば、土地を広げなくても、二倍、三倍の広さの飛行場になるのではないか。二階といっても、普通のビルの二階とは高さが違います。20メートルでも30メートルでも、飛行機の発着に安全なだけの高さを持った二階です。構造体や床の強度が問題だろうが、飛行機は、電車や船などに比較すると、同じ重さのものを運ぶための自分自身の重量は、非常に軽いでしょう。そもそも、軽くなければ空が飛べませんから。また、床は飛行機一機を支えることが出来ればよい。着陸したらエレベーターで地上に降ろすからです。後は専門家に任せます。
89 インフルエンザの流行を抑える
インフルエンザに対して、一番抵抗力が弱いのは、もちろん子供です。子供が何十人も、狭い部屋に集まり、長い時間を一緒に過ごす所、それはもちろん、幼稚園・学校でしょう。インフルエンザが流行する時、子供同士が幼稚園・学校で感染し合い、そのビールスを各家庭に持ち込み、家族に感染させるというケースは、かなりの比率になるでしょう。では、インフルエンザ・ビールスは、どのような環境を嫌うか。それは温度と湿度が高い環境です。そこで、幼稚園・学校に加湿器・加湿装置を設置する。昔、学校に、ストーブはあったが、クーラーはなかった。今はあるのが当たり前。次は加湿装置でしょう。(2002.11.1)
90 目の前の湖の深さを知る
学生時代、友人から教えてもらって、今でも覚えている知識。今、あなたがハイキングに出かけて、友人や恋人と湖のほとりにいるとします。「この湖はどのくらい深いのか」というような話が出るでしょう。目の前の湖が深いか浅いかを知るにはどうしたらよいでしょうか。何メートルの深さなどと正確に分かるわけではないが、なるほどと感心する答が存在します。石を投げ込んで、その音で判断する、などというのを忍者の漫画か何かで見た気がするが、あれは嘘でしょうね。(2002.12.10)
91 高性能ローラースケートの開発
正確には知りませんが、自家用車は1トン以上の重さがあるでしょう。一台の自家用車が平均三人の人を運ぶとすると、一人あたり300キログラム以上の自重(自分自身の質量)も運ばなければならない。それだけの燃料を消費しているのです。バスの重さが2トンとして、平均20人の人を運ぶとすると、一人を運ぶための自重は100キログラム。自転車なら15〜20キログラム。高級サイクリング車だと、重さが10キロぐらいしかないものもあります。鉄道は物を運ぶ原理が少し違うので比較にはならないでしょうが、道路を走る乗り物で、自重が一番軽いものは何でしょうか。それはたぶんローラースケートです。これは大人の乗り物としても見直されてよさそうです。最近よく見かける子供の遊具のようなものは車輪が一つしか付いていませんが、もっと長く走るためにはやはり四つの車輪が必要でしょう。もっと小さくて軽くて強く、衝撃吸収能力の大きい車輪や、車輪の出し入れをスムーズにする機構などを開発し、通勤などにも使えるようにすることは、現代の科学技術の水準なら、そんなに難しいことではないでしょう。そういうものが出来れば、バスに乗ったり歩いたりする時間や金が大幅に節約される筈です。自家用車は100万円以上、ちょっと性能のいい自転車でも10万円以上します。バス代が一日400円としても、一年で10万円くらいにはなるでしょう。高性能ローラースケートは、一足10万円でも高くないと思います。なにしろ、ガソリン代も税金も駐車場も駐輪場も必要ないし、バス停まで歩いたり、バスを待つ時間も必要ない。電車を降りたとたんに走り出せるし、場合によっては、会社のビルの中でも走れるわけですから。歩道が石畳で走りにくかったらどうするかですって? 歩道を作り変えればいい。あるいは、そこだけ歩いてもよいのです。息子の話では、外国人で使っている人が多いそうです。(2002.12.28)
92 速度が測れるメトロノーム
最近のメトロノームは電子化されていて、小型でチューナー(音程を測る機械)と兼用できたり、たいへん便利になっています。メトロノームの機能とは、例えば「四分音符=80」と指定すると、そのテンポで、カチカチと音を出すことです。この機能の逆が出来ないでしょうか。つまり、音楽を聞かせると、音の強弱からリズムを読み取って、その時点の音楽の速度を刻々と表示する。そういうものが出来ると、この部分は、楽譜はインテンポなのに、演奏は寸づまりになっているなどということが数値化されて示される。テープレコーダーなどと組み合わせて、録音した演奏を再生しながら、テンポも客観的に把握して反省することも可能でしょう。芸術に機械を取り入れることは、それ自体、決して悪いことではありません。むしろ、使い方次第で、人間の感性をもっと鋭敏にすることに役立つはずです。既に実現しているかもしれませんが、思いついたので書きました。
93 キックスケーター用ロッカー
91の続き。家から駅までキックスケーターに乗り、それを電車の中まで持ち歩いている人もいますが、あれを駅に置くという選択肢もあっていいですね。コインロッカーは少し値段が高いでしょう。専用の駐輪場というかロッカーを作れば、自転車駐輪場の十倍以上の収容能力があるはずです。自転車から乗り換える人が出てくれば、その分、駅前が片付くことにつながります。一輪車についても考えてみましたが、これは通勤には向かないようですね。
94 発車時刻の表示は切符売り場に
15のその三の続きです。駅のホームに設置されている電車の発車時刻の電光表示は、考えてみると、実に馬鹿げています。ホームまで行って、そこで表示を見て、「しまった、ちょっと遅かったらしい」と悔やしがることに役立つだけです。駅の大きさや構造はさまざまですが、発車時刻表示は、原理的に言えば、ホームから歩いて十分くらい離れている所にあるのが一番よい。具体的には、駅や駅ビルの入り口、駅に繋がる通路の入り口とでも言ったらよいか。その辺で、電車の時刻を見て、急いで、あるいはのんびり切符を買ってホームへ行ったり、時間があるときは売店で買い物をしたり、トイレに行ったり。ホームで電車を待つ時間は、ゼロであるのが理想だし、そうなればホームはもっと狭くてもよいことになる。最近は携帯電話で時刻表が見られるが、使い勝手はまだまだで、急いでいるときは実用になりません。
95 □□□□
目の前の湖の深さを知るには、周りの山を見る。山が険しければ、湖は深い。なだらかなら、湖は浅い。実は何の具体性もない答なのですが、学生時代、湖を見ながら、友人にこれを教えられて、私は不思議な感動を覚えました。見えない世界は、見える世界の延長上にある。見えない世界も、見える世界を延長することによって認識できる。そんな哲学の話をする時、例として挙げると、説得力があるかも。上の空欄に入る言葉も、すぐ分かりますね。「90の答」です。
96 どんな活用形でも引ける辞書
「超基礎古文…高校生・受験生のための文法・訳し方・単語の解説(1)」の$99の結論部で、古語辞典や国語辞典の話です。
最近、電子辞書が広く使われていますが、これは辞書の形態と機能に根本的な変革をもたらすかもしれません。最新の電子機器の機能を以ってすれば、どんな活用形でも引ける辞書、また、付属語が付いていても、そのまま引ける辞書などの開発もそれほど難しい問題ではないでしょう。つまり、今までと違って、文中に使われている言葉を、そのままの形で入力すれば引ける辞書が出来るはずです。その場合、全ての用例を見出しとして作る必要はなく、用言の活用や接続などの情報を記憶させて、内蔵されたプログラムで品詞分解して目的の見出しにたどり着くなどの方式が考えられます。さらに、英文ワープロなどに採用されているスペルミスを指摘する機能を真似て、間違った活用形でも、また、間違った仮名遣いでも引ける機能なども考えられる。いづれにしても、辞書の観念が根本から考え直される時期に来ているでしょう。そんな研究・開発の仕事があったら、是非参加させてください。(2003.03.24)
98 人間はなぜ枕を使うのか
これは私が作ったクイズ、じゃなくて、思いついた疑問。あらゆる動物の中で、寝るときに枕を使うのは人間だけでしょう。類人猿も枕は使わないと思います。なんでだろう。また、人間はいつ頃から枕を使い出したのだろう。生物の先生に質問したが、答は「ウーン。」という感じでした。
99 教室の連結
最近のビルで、大きな会議室を必要に応じて幾つかの小さな会議室に分けて使うことが出来る構造が見られるようになりました。壁がスライド式になっていて、自由かつ簡単に引き出したり格納したり出来るようになっていることが多いようです。
さて、ここに学校があるとする。一学年十クラスとすれば、三学年で三十クラス。つまりホームルーム用の教室が三十ある。普段の授業はもちろん教室でやるが、一学年全員を集めて同じ話を聞かせたりするときは、大教室とか小講堂とか、学校によって呼び名は違うが、そういう所に移動する。全校生徒が集まる時は、大講堂、体育館などに移動する。大講堂は、当然、全校生徒が入る、或いはそれ以上のスペースが必要です。しかし、よく考えると、一学年の生徒が大教室に移動した時、その学年の教室は空になっているし、全校生徒が大講堂に集まった時は、全部のホームルームが空になっているのです。学校にとって、大講堂はたしかに必要ですが、その大講堂は一年のうち何日使われるかと考えると、使われないときは、その空間は無駄に放置されているのです。
一学年分の教室の壁を電動でスライドさせると、そのまま大教室になり、全学年分の教室の壁をスライドさせると、そのまま大講堂になる、そういう構造が設計できないでしょうか。通路はどうするかなどの技術的な問題は、例によって、専門家に任せます。そういえば、時代劇などで見るお城の大広間は、襖で幾つもの部屋に仕切れるようになってますね。
100 タバコ廃絶法
最近、法律改正で、駅のホームでタバコが喫えなくなったそうで、テレビなどで話題になっています。私は33歳のときにタバコを止めて以来、喫っていないので、まったく無関心。しかし、禁煙した時、半年間ものすごく苦しんだことは、今でも忘れられません。タバコの害をいくら説明されても、止められない人は多いでしょう。そこで私は、誰も禁煙の苦しみを味わわずにこの地球上からタバコをなくすための法律、『タバコ廃絶法』を発明しました。その条文は、簡単です。
まだタバコを喫った事のない人は、今後、タバコを喫ってはいけない。
この法律の制定に反対する人は、一人もいないはずです。まあ、『駆け込み喫煙者』が生まれるでしょうが、たいした人数ではないでしょう。この法律を施行すると、誰も禁煙の苦しみを強制されず、また、愛煙家は一生タバコを満喫(文字通り、満ち足りるほど喫煙すること)しながら、しかも約百年以内に地球上からタバコが廃絶されます。考えてみると、これは画期的な発明で、人類の健康に寄与することは、パスツールやコッホの業績に匹敵すると思います。(2003.05.04)
101 人間はなぜ枕を使うのか−その2
人間が寝るときに枕を使うというのは、人間だけが衣服を着るということとよく似た特徴でもあり、人間が文明的存在であることの一つの表れだということは確かです。しかしそれだけではなく、もっと具体的に、ヒトの進化の過程という面からも、考察が可能でしょう。
人間が枕を使うという事は、仰向け、つまり腹を上に向けて寝ることと切っても切れない関係があると思います。腹を上に向けて寝るということは、動物の中では非常に例外的なことなのではないか。恐らくほとんどの動物、特に高等動物である脊椎動物は、普通は腹を下にして寝るでしょう。これはもちろん、外敵に対する備えです。腹を上にした姿勢は、自分の内臓を脊椎の防備なしに、むき出しにすることなので、外敵の攻撃に対してきわめて弱いからです。また、仰向けの姿勢は、四足や二本足で立って、戦ったり逃げたりする姿勢に転換するのに時間がかかります。私は犬を飼っていますが、その犬が、時々腹を上にして寝ているのを見ます。あれは、自然界に生きない、人間の保護で何の危険も感じずに寝ることの出来るペットの特権なのではないか。野良犬(最近は都会にはほとんどいないが)が、腹を上にして寝るだろうか。また、私は、虎に関する何かのテレビ番組で、虎が腹を上に向けて寝る姿を見たことがありますが、これは非常に珍しい寝方であるという解説があったのを覚えています。外敵の脅威を感じない、百獣の王だからこそ、そういう寝方が出来るのではないか。
人間は、歴史上のいつの時点からか、火を使うことを覚えたり、人工の住処を発明した。それによって、外敵の脅威から大きく解放され、腹を上に向けて寝ることを覚えた。その際、そういう姿勢は、今までの進化の過程でほとんどとったことがなかったので、首の骨が不自然に後ろに曲がってしまう。そこで、道具を使う能力を行使して、枕を使うようになった。だいたい、こんなシナリオなのではないでしょうか。仰向けに寝るということは、人間が自然の脅威から解放されて、まさに、『枕を高くして寝る』ことができるようになったということなのではないか。
103 掃除をしなくてもよい家
私達が家や部屋を掃除する時、その具体的な目的物、対象は何か。それは、塵、埃とゴミでしょう。塵と埃の違いは明確ではないが、塵より埃のほうが小さくて軽い感じがします。ゴミは、例えば、爪を切った時、床に落ちた爪の小さな切片などのように、一定の形と大きさと重さがあるものが大部分です。ところが、塵、埃、特に埃は、布団や衣類の繊維のくず、外から入ってきた土埃や花粉、タバコの煙などに含まれる微粒子、人間や動物の皮膚や毛の一部が離れたものなどなど、いろいろの小さく軽い物質の漠然とした集合体です。また、ゴミは、床に落とさないよう、また、落としたらすぐ拾うように気を付けることが出来るが、埃はそれが出来ません。埃は、家の中に、部屋の中に、いつの間にか溜まってしまいます。空中を浮遊して部屋の空気を汚すものも、大部分はゴミではなく、埃です。そう考えると、埃をいかに処理するかが、効率よく部屋をきれいにするポイントでしょう。
埃はどこに集まるか。それは部屋の隅、つまり、壁と床の角(かど)や家具の陰などの空気が動かない所です。そこで、次の二つのことを同時に考える。一つは、出来るだけ隅を作らない。もう一つは、部屋を設計するとき、埃を集める能力の高い隅を部屋の数箇所に積極的に作り、そこに集まった埃を取り除く装置や構造を初めから用意しておく。
「装置」とは、一例としては電気掃除機の吸い込み口のようなもの、また、「構造」とは、その隅に穴を開けて空気が埃と一緒に外部に排出されるようにする工夫が考えられます。また、電気掃除機の吸い込み口を突っ込みやすい形にするだけでも、ずいぶん掃除が楽になります。
具体的に考えると、私達の家では、排気扇は普通は壁の高い位置についています。これは床と同じ低い位置にあった方がよいでしょう。そして、その排気扇の近くには冷蔵庫・洗濯機・箪笥などの大きな家具を置き、意識的に隅を作ったらどうか。そうすれば、排気扇を回す度に埃が外に排出されます。また、冷蔵庫の後ろ側の放熱装置は、静電気か何か知らないが、埃を吸い付ける性質があるらしい。それを掃除に利用しない手はないでしょう。普通、冷蔵庫の後ろは掃除しにくいような位置に置いてありますが、掃除しやすいように工夫することは出来るでしょう。例えば、放熱装置をスライド式に引き出せるようにすると便利だと思います。掃除をしなくてもよい、とまではならないが、掃除の手間が省けることは間違いありません。
104 フレクシブル価格の焼き鳥
吉祥寺に『伊勢屋』という有名な焼き鳥屋があります。その店の焼き鳥は、どの種類(レバーとか、ハツとか)も80円均一で、安いだけでなく、たいへんおいしいので、いつも客が満員です。二階にも客席があり、店全体で、客の収容能力は、70人から80人くらいでしょう。この店で焼き鳥を食べながら、客が焼き鳥をもっと安く食べられて、しかも店がもっと儲かる方法はないか、考えました。…
客が店に入ると、店員が注文を取りに来る。客は「レバーとカシラと軟骨と葱を二本ずつ。味付けはタレで。」などと注文する。注文を受けた店員は、焼き鳥を焼いている店員のところに行って、注文を伝える。五分ほどして、注文した焼き鳥が出来てくる。店の側は、注文を受けてから焼き、出来上がればすぐ客に渡すのだから、在庫はゼロです。ここで在庫と言うのは、既に出来ているのにそれを食べる客がいない焼き鳥という意味です。しかし、客は、焼き鳥を食べるのに五分の待ち時間を必要とする。この五分間は、出来たら、ない方がよい。
焼き鳥を焼く店員は、客の注文を受けてからではなく、注文を予測して、いわば前もって焼き鳥を焼けばよい。焼き鳥の種類はせいぜい十くらいです。毎日焼き鳥を焼いているのだから、どの種類がどのくらいのペースで売れるか、予測できないでしょうか。その予測がぴったり当たれば、焼き鳥は出来たらすぐ客の前に運ばれる。また、客は待ち時間なしで食べられる。つまり、店の在庫ゼロと客の待ち時間ゼロが、同時に実現するわけです。しかし、店の予測が外れたら、客は少し冷めた焼き鳥を食べなければならない。
そこで、例えばレバーが少し余ってきたら、店内に「レバー ただ今割引 75円」などの掲示を出す。電光掲示板があるとよいですね。こうすれば、必ずすぐ売れます。むしろ、割引の焼き鳥を目当てにくる常連客ができ、割引がないと苦情を言われるくらいになるでしょう。それが客というものです。また、「お持ち帰り」の客も、これを目当てに来る人が増えるでしょう。
もう一つ、もっと簡単ないい方法があります。それは、「おまかせ五本セット 390円」のようなメニューを作り、余っている焼き鳥をそちらに回す。
これで、営業中のどの時刻でも、在庫を限りなくゼロに近づけることが出来る。待ち時間を減らした分、客の回転がよくなるわけだから、割引しても利益は増えるでしょう。在庫を出来るだけなくすという作り方は、トヨタ自動車の『カンバン方式』とかいうものがあるそうですが、私の発案もそれにヒントを得たものです。
回転寿司などでも、いつまでも引き取り手のない寿司を時々見かけます。店員が乾いた寿司だねに水を塗ったりしていますが、あれも、一定の時間が過ぎたら値引きすべきでしょう。
105 インド人は、いかにしてゼロを発見したか
ゼロの発見は、数学・自然科学史上に特記すべきものですが、なぜインド人がそれを発見することが出来たのか。私は、それはインド人のもう一つの偉大な発明であるカレーライスと深いつながりがあると考えるのです。カレーライスを食べるとき、誰でもカレーとライスを適当な量に混ぜながら、だんだん両方を減らしてゆきます。そして、最後にカレーとライスが両方同時になくなるように食べます。そこで、カレーがプラスの数、ライスがマイナスの数とイメージすると、プラスとマイナスをバランスよく相殺していくと、最後にカレーもライスもなくなり、『世界』のメタファーであるかのような皿の上に、『プラスもマイナスもない、何もない状態』が現出する。こういう体験を繰り返すうちに、インド人の頭の中に、プラスとマイナスの間にあって、プラスでもマイナスでもない、何もない状態、『ゼロ』という観念が、次第に成熟、いや、熟成したのではないか。ちょうど、カレーが熟成するように。インドのカレーは日本のカレーとは違うという人もいたが、そんなことは無視すれば、これは、おそらく私しか解き明かし得なかった数学史上の秘密でしょう。
インド人がゼロを発見するまで、本当に人類はゼロを知らなかったのか。われわれ日本人にとって文明の先生だった中国人はどうか。私は漢和辞典で、『零』を引いてみました。すると、解説や用例はほとんどなきに等しく、「@『ごくわずか』例:零細企業、A『水のしずく』」くらいしかありません。もちろん、『零戦』などと数の概念の『ゼロ』の意味で使われているのは最近の言葉です。中国人は『空』、『無』などの漢字も持っていますが、『空』は『穴』、『無』は否定詞(「〜ない・なかれ」のように、否定を表す言葉)でした。それらが『ゼロ・何もない・から』のような哲学的意味で使われるようになったのは、やはりインド哲学、つまり仏教の影響のようです。
では、中国人は何を数の基準と考えたか。それは『一』です。漢和辞典に載っているあらゆる漢字の中で、一番多くの熟語を作っているのは、どんな辞書を引いても『一』です。そして、『一』の項目に挙げられている熟語を読んでいると、中国人が、世界の諸現象の構成の単位を『一』に置いたということが実感される言葉が多くあります。「一概・一元・一切・一如・一心・一身・一旦・一天・一念・一致・……」ちなみに、『一』の次に熟語が多いのは『人』です。
『一』と『人』を基準に、世界を具体的に捉え、『史記』を初めとして膨大な数の歴史書を残した中国人。存在しないもの、『ゼロ』を発見し、全世界の歴史を『諸行無常』の一言で要約してしまったインド人。ヒマラヤ山脈を隔てた、この二つの民族の思考の対照性については、古来指摘した人が多いですが、こういうところにもそれが表れているのでしょう。この項の話は眉唾と笑う人も多いと思いますが、理系の人とは違った観点から『数』を考えた、少しは意味のある話として読んでもらえれば幸いです。
106 ポイ捨て通報タクシー
最近、タクシーの後ろの窓ガラスに『ポイ捨て通報タクシー』とかいうステッカーが貼ってあるのを見て、なるほどと思いました。そのタクシーは、窓から道にゴミをポイ捨てしている車を発見したら、警察に通報する約束になっているという意味でしょう。簡単に言えば、民間人であるタクシードライバーが、警察に協力するシステムになっているわけです。民間人の警察への協力という制度は、江戸時代にもありました。「お上の十手を預かる、このあっしが、…」などというセリフは、それを表しています。この考えはもっと発展させると、警察の予算の節約と同時に警察力の強化という二つの効果が同時に期待できそうです。最近は、携帯電話が普及しているので、これをうまく利用して、タクシーやトラックの運転手に、指名手配の車の情報などを一斉に流し、情報を提供させたり、交通違反を通報させたりする制度を作ることは、一考に値するでしょう。
その後、タクシーの運転手に聞いてみたら、既にそういう連絡網は出来ているそうで、何かあると、営業所から無線で連絡があるそうです。バスやトラックには連絡は行かないだろうという話しでした。それならそれでよいとして、一般のドライバーに協力してもらう方法もありそうですね。
107 定期券の期限切れ警報機能
ボーと生活しているうちに、定期券の期限が切れてしまいました。期限の切れた定期券でも、例えば三日間は、継続で新しい定期券を買うのに利用できるようにしてほしい。また、定期券の期限が切れる一週間前からは、改札を通るとき、警告音が出るようにして欲しい。
108 新幹線の名称
東海道新幹線が出来て、超特急『ひかり』と『こだま』が走り始めたのは、1964(昭和39)年10月1日でした。私はその頃、高校生でしたが、『こだま』はともかく、『ひかり』という名称に疑問と心配を感じました。光は、この世に存在するあらゆるものの中で、もっとも速いものです。超特急とは言え、出来たばかりの電車に、そんな最高に速いものという意味の名前を付けてしまっていいのだろうか。将来、もっと速い超特急が出来たとき、付ける名前がなくて困ることにならないだろうか。『でんぱ』や『でんき』では、光と同じ速さだし、第一、列車の名前には向かない気がしました。
ところが、最近登場した『ひかり』より速い超特急の名前は『のぞみ』です。私はこれには感服しました。望みは心の中、つまり形而上の現象です。形而上の現象は、形而下つまり物質世界の法則に支配されません。シェークスピアの『ロミオとジュリエット』の中に、「私の愛は、あなたに与えれば与えるほど増える」というようなセリフがありますが、そういうことは確かにあるので、つまり、心の中で起きる現象は、物質世界の法則とは違う法則に支配されているのです。だとすれば、『のぞみ』が『ひかり』より速くても、あながち矛盾したことではないのです。
しかし、私の心配はまだ消えません。将来、『のぞみ』よりもっと速い超特急が出来たら、どんな名前を付けたらよいのか。私がとっさに思いついた言葉は、『絶望』でした。『望み』と『絶望』のどちらが速いかはさて置き、さらに速い列車が出来たらどうするか。『望み』より『絶望』より速く時空を駆けるもの、『望み』や『絶望』が到底追いつけないほど素早く我々をつかむもの。私は考え付きました。そうなると、最後は『無常』しかありません。東京発博多行きの『無常』は、確かに西に向かって、光よりも、望みや絶望よりも速い速度で走るでしょう。その時、発車のベルは、祇園精舎の鐘のように響くのでしょうか。
109 薬の飲み忘れ防止策
私は毎日薬を飲んでいます。飲み忘れないために、薬の包装というか、プラスチックとアルミ箔で薬を挟んで密封してあるケースにサインペンで日にちを書きます。これが書きにくい。アルミ箔の部分、もう少し字が書きやすい材質に換えて欲しい。もう一つ提案。慢性病の場合、医者に通うのは2週間に一度とか、週単位で通うので、処方される薬の数も7個が一つの単位になっている。だから、初めから七個や十四個が一単位で包装されていれば、薬剤師も患者も便利です。初めから曜日が印刷してあるといいかも知れないですね。(2003.11.14)
110 アフリカ象の挿し歯
今、象牙が世界的に不足しています。正確な名称は忘れましたが、野生動物保護条約というようなものが世界各国で批准され、アフリカ象の狩猟や象牙の売買が世界的に禁止されるようになったからです。象牙を使うもので、我々に身近なものは印鑑ですが、これは代用品でも機能に問題が生じるわけではありません。しかし、三味線のバチや箏の柱(ぢ)(絃を支える柱)、箏を弾くための箏爪(ことづめ)などは深刻です。象牙でないと、思い通りの弾力が得られない、つまり、思い通りの演奏ができない。これは、演奏家にとってはたいへんな問題です。楽器のメーカーも対策を講じ、象牙に近い材質のプラスチックを開発し、『限りなく象牙に近い』バチなどと称して売り出していますが、本物の象牙にはとても及びません。良質の象牙は、年取って死んだ象の象牙からは取れず、青年期・壮年期の健康な象のものでなくてはだめだそうです。何とかならないでしょうか。
『限りなく象牙に近い』プラスチックで、象の挿し歯を作ったらゾウでしょう、いや、どうでしょう。軽金属の芯を入れたりすれば、本物の象牙より軽く、強い物だって作れるでしょう。催眠銃で象を捕獲し、眠っているうちに歯医者が象牙を取って、代わりに挿し歯を入れておく。目が覚めた象は、たぶんまったく気づかないでしょう。または、なぜか、前より軽く、振り回しやすくなったとか、前より立派になって仲間内で幅が利くようになったとか、感じるかもしれません。
111 幽霊と化け物はどう違うか?
これは落語で聞いた話で、一種の艶話(つやばなし)です。発明・発見から離れるが、面白ければどんな話題でもよいでしょう。
ある奥さんが、旦那さんの浮気に悩み、死んで幽霊になって仕返しをしようと考え、自殺しました。地獄に行ってみると、幽霊になるには、閻魔(えんま)様から「幽霊許可証」をもらわなければいけないという。そこで奥さんは閻魔の庁(地獄のお役所)に「幽霊許可願い」を出し、許可証をもらいに行きました。ところが、なかなか許可証が出ない。奥さんは毎日、役所に通いました。ある日、門番の赤鬼が、奥さんに声を掛けました。「奥さん、毎日何のご用で閻魔の庁に来るんですか。」「幽霊許可願いを出したのに、何日たっても許可が下りないのよ。」「へえ、それは気の毒ですね。」隣でそれを聞いていた青鬼がしげしげと奥さんの顔を見て、こう言いました。「奥さん、今度、化け物許可願いを出してみたらどうですか。」
112 自転車をこぐとタイヤに空気(2003年12月22日・「朝日新聞」朝刊一面
)?
ペダルをこぐエネルギーのごく一部を使って、自動的にタイヤに空気を補充する機構を内蔵した自転車が発明されたという記事です。価格はかなり高くなりそうです。これはどうでしょうか。私は自転車のタイヤに空気を入れるのを、面倒だと思ったことはありません。私は自動車を持っていないので、自転車にはたくさん乗る部類に入りますが、空気を入れるのは三ヶ月に一度くらいです。また、今は、電動のポンプも自転車屋に置いてあるし、使用料を取られても、せいぜい五十円です。この発明が、新聞の一面に載るほどの価値があるかどうか、疑問です。
自転車の改良に関しては、たくさん思い出があります。
一つは、ディスクブレーキの自転車に乗っていた思い出です。1980年頃でした。これは、ブレーキが利きすぎるような気がしました。現在でもあると思いますが、主流にはなっていません。
もう一つは、ペダルに直結したギヤーを、真円ではなく、楕円にしたものです。オーバルギアーと呼んでいました。ペダルを踏む脚の動きは往復運動だが、ギアーの動きは円運動なので、楕円ギアーの方がエネルギー伝達の効率が高いという理由でしょう。私はこれは理にかなっていると思いましたが、すぐ使われなくなりました。
もう一つは、ちょっと説明しにくいが、ペダルの軸をペダルの重心より上に付けて、常にペダルが平らな状態になるようにしたものです。こうすると、自転車に乗る時、ペダルの角度を気にしたり直したりする必要がないのです。私はこれはとても好きでした。現在でもあると思いますが、やはり主流にはなっていません。また、ギヤーとチェーンではなく、シャフトでペダルの力を後輪に伝えるシャフトドライブ、また、金属のチェーンではなく、ゴムベルトを使うベルトドライブなどもありましたが、やはり主流になっていません。
また、前輪の軸の中に発電機を内蔵した自転車を最近見かけます。外装の発電機のような、発電時の不愉快な振動がないというのが特長でしょうが、費用対効果の面で、どの程度効率的か疑問です。これもそのうち、使われなくなるでしょう。自転車にライトを点けて走るのは、そんなに長い時間ではないのです。たまに夜走る時、外装の発電機が多少不愉快な振動を出しても、気にするほどではありません。その上、昼間走っている間も、発電機を回す負荷がかかり続けるのは、不合理です。
電動自転車などは別ですが、人力だけで動く自転車は、品質の改良はあるでしょうが、機構の改良はこれ以上の余地は少ないのでしょう。そう言えば、昔、荒川の土手を走っていたら、後ろから冬の季節風が強く吹いていたので、両手離しをしてレインコートを広げ、ヨットの真似をして遊んだことがあります。
私は自転車が大好きなので、たくさんの自転車屋さんと付き合いました。自転車屋というものは実に玉石混交で、無知で無責任な人もいれば、その反対の人もいます。ある自転車屋さんから、「自転車のタイヤはどこが一番早くすり減るか」という知識を教えてもらったとき、私はたいへん感心しました。それは、次のようなものです。
自転車の車輪のリム(タイヤとチューブを固定してある金属製の丸い輪)は、ほんの僅かではあるが、左右にぶれている。そのぶれが一番大きい所がブレーキのある位置に来たとき、地面に接するタイヤの部分が一番速くすり減る。
絵や実物を示せないので、説明が難しいのですが、お分かりでしょうか。簡単に言うと、タイヤの中で、一番多く、また一番強く、地面に対してブレーキを掛ける所が一番多くすり減るという訳です。言われてみれば当たり前のことですが。
また、あるインテリの自転車屋さんから、自転車のメカニズムや進化の歴史を講義され、「自転車という乗り物は、技術的には、約110年前にほとんど完成の域に達した。ちょうどその頃、自転車を更に飛躍的に進化させた乗り物が作られた。それが飛行機である。世界で初めて飛行機を作ったライト兄弟は、自転車屋であった」と聞かされたときは、世の中に「自転車史観」というものがあると知りました。似たような話がシェークスピアの『ハムレット』の中にあります。墓堀りが「世界で一番長持ちする家を作る職業は、墓堀りなんだよ」と自分の仕事を自慢するのです。確かに、墓堀りの作る家は長持ちしますね。
113 大病院の順番待ちを携帯電話で知る
先日、ちょっと体調に異変、大病院に行きました。二時間くらい順番待ちをしたかな。日本が老人社会に向かっていることもあり、この傾向は続くでしょう。待っている間、病院を出て、買い物をする、散歩をする、図書館に行く、家が近い人は自宅に帰る、そういうことが出来ると有り難い、また、気晴らしになります。携帯電話で順番待ちの情報が得られるとよいですね。携帯で順番待ちの登録というか、申し込みが出来ると、待つ必要がなくなるので、もっと良いです。その場合、パスワードなどを使えば、悪用・乱用されないでしょう。
114 コンピュータの『順次記号検索機能』
コンピュータの検索・置換機能は、皆さんご存知でしょう。テキストの中の「桜」なら「桜」を全部探し出し、必要なら、「梅」なら「梅」に置換する。しかし、私はもっと高度の検索・置換機能を必要とします。例えば、テキストの中に、@からSまでの記号が、重複なく、順番に使われているかを検索する。アルファベットのaからz、ローマ数字のTから]、片仮名の(ア)から(ン)や【ア】から【ン】、算用数字の1.から100.、chap.1からchap.100
その他いろいろ。また、正しい順次記号に置換する機能も。さらに、原稿の段階では○や◎などの一定の記号を入れておき、後でこの機能を働かせると@からSや1.から20.などに換えられる機能も。
115 「西東京市」はやめてほしい。
「西東京市」「西荻南…」などの地名には、私は何か違和感を感じます。甲子園の予選の地区分けの場合などは、便宜的なものだから仕方ありませんが。「西東京市」があるなら、「東東京市」という地名もあり得るはずだし、「西荻南」があるなら、「西荻西」「東荻東」などもあり得るのか、などと考えてしまうのです。同じことは、「南房総」にも感じます。もともと「房総」という地名は、南の「安房(あわ)」と北の「総(ふさ)」を合わせたものです。「総の国」は大きいので、「上総(かみつふさ・かづさ・かずさ)」と「下総(しもつふさ・しもうさ)」に分けて呼ばれました。その房総をまた南北に分けて「南房総」と呼ぶ。「南部北部」(岩手県南部地方の北部)、「西東北南」(にしとうほくみなみ)(東北地方の西の部分の南)なんて地名があったら妙でしょうね。そういえば、今日、JRの駅で、「北東北」の旅へのお誘いというポスターを見て、いい宣伝文句を考えました。『汽車は北北東(ほくほくとう)へ行き、あなたは来た、北東北(きたとうほく)へ!』(2003.12.31)
今日テレビで、千葉県の富浦町と千倉町とどこそかとどこそかが合併して新しい市を作り、その名前は『南房総市』だと言っていました。やれやれ。こういうものは住民投票で決めると、個性的な名前は票が分散し、誰もが受け入れられる平均的で平凡な名前が選ばれてしまうのでしょう。面白い名前はいくらでもあるのに。黒潮市、望洋市、鯨洋市、湾洋市、南風市、若潮市、潮風市、暖風(あたかぜ)市、温潮(あたしお)市。
私は木更津で生まれ、君津で育ちましたが、この二つが合併して『北房総市』になるなんて聞いたら、本気で怒るでしょう。(2005.10.18)
116 赤ちゃんを眠らせる機械
嘘か本当か知りませんが、どこかで聞いた話。赤ちゃんや乳幼児を眠らせる機械があるそうです。その子供のお母さんの心臓の音を録音し、それを弱い振動に増幅して、子供のベッドにその振動を伝える。すると、子供は、お母さんの胎内にいた頃の安心した気分になり、すぐ眠ってしまうそうです。未熟な大人にも使えるかも。
117 太郎・次郎・一郎・二郎・三郎・四郎・…
石原慎太郎東京都知事は、もちろん長男、石原裕次郎は、もちろん次男。小泉純一郎氏は、もちろん長男でしょう。日本には、特に男の場合、こういう風に兄弟間の序列を表す名前が多くあります。しかし、稀にお兄さんなどいないのに次郎という名前だったり、「…一郎」という名前なのにお兄さんがいるなどということがあります。次男が一郎であっても、法律上はもちろんかまわないし、実際、稀にはあるのでしょうが。しかし、そういう場合、その人の前で、その話題は出しにくいですね。兄弟が亡くなったり、何かの事情で両親が別れたり再婚したりして、家族の構成が変わることがあり得るからです。兄は慎太郎、弟は純一郎だなどということも、理論的にはあり得るのでしょう。
また、例えば六郎さんの場合、自分が六番目の男子だということを、いつも公開していることになります。つまり、こういう名前は、その人のプライバシーの一部を、例えほんのわずかではあっても、外部に公開していることになります。ある場合には、それが他人に知られたくないものになり得るのです。例えば、仮に財前六郎さんがいたとする。その兄の財前五郎さんが凶悪犯罪を犯して、日本中の話題になった時、あなたは財前五郎と顔も似ているし、年も近い。ひょっとして弟ではないか、などと分かってしまうとか。
話は長くなりますが、そもそも、人の名前というものは、昔も今も一種のタブーとしての側面を持っており、その人の本質を隠すことが大切な機能の一つだとも言えます。現在でも、「美子」といっても美しいとは限らないし、「つよし」といっても強いとは限りません。昔も、「八幡太郎義家」とか、「九郎判官義経」とか言っても、本名は「源義家」「源義経」で、「八幡太郎」「九郎判官」は、世間の人が勝手に呼んだ、呼び名です。世間の人たちは、そういう呼び名で呼ぶことによって、その人たちのプライバシーを、ある意味で暴(あば)きつつ話題に乗せたと言えるでしょう。今の世の中では、兄弟は平等と法律で定められています。名前とプライバシーの関係について、終わり。
もう一つ。「男はつらいよ」の主人公、車寅次郎氏は次男らしいですが、そのお兄さんという人は誰も知らないでしょう。いろいろと複雑な事情があるらしいです。興味のある人はインターネットで調べて下さい。
118 携帯電話の上手な買い方
私はマニュアルの類を読むのが大嫌い。大学時代、学生便覧を読まなかったし、電気機器の説明書も、確定申告の手引きも読むのが大嫌い。最近、息子または娘が携帯電話を買うのに合わせて、同じものを買うと便利だということに気づきました。そうすれば、マニュアルを読む必要がありません。
119 注油は一箇所だけでよい
私は時々、自分の自転車に注油します。十箇所くらいに注油しますが、必要なところに全部注油しているかどうかは分かりません。また、例えば、ブレーキや変速機の力を伝えるワイヤーが通っている直径7ミリくらいの細い管の中など、注油が必要だが注油しにくいところもあります。自転車だけでなく、自動車、飛行機、ありとあらゆる機械についても、同じことがあるのではないか。自宅のドアーや門扉の蝶つがいに油を注すときも、上の蝶つがいに油を垂らせば、下のものにまで流れるように最初から作るべきだといつも思います。
私は医学・生物は苦手ですが、人体で、油、つまり潤滑油にあたるものは、リンパ液でしょう。リンパ液は体中のリンパ腺を巡回していると思います。巡回はしなくても、一つの機械について、一箇所から油を注入すれば、注油が必要な箇所全部に油が届くような機構は、比較的簡単に作れるのではないか。そうすれば、潤滑油の補給は一箇所で済むのではないか。
120 濡れた地表の開発で、都市の冷却
53と74の続きです。都市のヒートアイランド化を抑制する方法の一つとして、地面の保水性を高めることが有効なのは誰でも認めるでしょう。最近の道路や町の広場は、皆、アスファルトで舗装されています。コンクリートやアスファルトは保水性がほとんどゼロなので、雨が降ってもすぐ下水などに流れてしまい、太陽熱を吸収して熱くなってしまうのです。町中で協力して道路に水を撒くだけで、しばらくの間はずいぶん涼しくなるなどの実験が、最近話題になっていますね。土の地面のように、水を含んで保つ性質を持つアスファルトや、レンガを発明したらよいではないか。10年ほど以前、たまたま東京都の水道局に勤めている友人がいたので、私はそんな質問をしてみました。
彼は答えました。「そんなに簡単な話ではないんですよ、山戸さん。水を含むアスファルトやレンガを作っても、すぐゴミが目に詰まって保水力が落ちてしまう。そういうアスファルトやレンガの細かい隙間を掃除するなんてことは、ほとんど不可能です。隙間を大きくすれば、アスファルトはすぐ乾いてしまう。やはり土の地面にはかなわない。土の中にはバクテリアが住んでいて、ゴミを食べて土の成分に同化させてくれるんですよ。土は有機物と無機物がうまく混ざり合っていて、…云々、土に含まれている植物繊維は、…云々。(彼は、私の知らないことを色々言った。)土は生きているんです。やはり田舎のように、田圃があって、小川があって、土の地面の中にミミズがいて、そういう環境じゃないと、地表に保水能力を持たせるなんて、難しいことなんですよ。」
ウーン、そうか、…では、その生きている土を、中に閉じ込めるような構造のレンガや石畳が作れないでしょうか。図解できないのが残念だが、格子状の骨組みを組み合わせて、レンガのような一定の形態は保っているが、中には隙間が沢山あって、土が詰め込めるような構造になっている…。土の地面が、雨によって流されたり、ぬかるみになったり、表面の形が変わったりしないように、一定の形に固定されて、しかも、アスファルトの路面のように、一定の重さに耐えられる強度を持っている地表。ちょっと別の発想だが、隙間の大きい石畳で、石と石の間や、石の中に開いた穴に土が沢山詰まるような舗道、しかも、石と石は鉄筋などの硬い素材で繋げられて固定され、ばらばらに動かない…。要するに、水を保持する性質と、自動車などの重みを支える力を兼ね備えた舗装道路を作るのです。水爆やクローン人間を作る技術さえ作ったのだから、その程度のものは簡単に作れそうな気がします。これからは、環境との調和を図る土木工学が社会に求められるでしょう。専門家の皆さん、頑張ってください。(2004.08.10)
121 バス・飛行機の快適な座席
先日、「青春ドリーム号」というJRの夜行高速バスに乗りました。新幹線で帰るつもりだったのですが、駅で偶然立て札を見て、その驚くべき安さに惹かれたからです。神戸から東京まで、何と、たった5000円、新幹線のほぼ三分の一です。私は、緑の窓口で、なぜそんなに安いのか、聞いてみました。すると、普通の夜行高速バスは座席が三列なので、八千円台、ところがこれは普通の観光バスと同じで、座席が四列で定員が多いのだそうです。実際乗って見ると、長時間乗るには、やはり窮屈です。乗客の大部分は若者でした。快適な乗り心地を維持しながら、いかに多くの乗客を詰め込むか、これはバスにとって、いや、むしろ飛行機にとって、根本的な課題でしょう。私は神戸・東京間約八時間、「青春ドリーム号」の中で、そのことを考え続けました。
隣の乗客との間で、どこが窮屈なのか。バスの座席は、片側二つの座席が、きちんと並んで配置されています。隣の人と私がもし同じような体格なら、体の各部分が互いに同じ位置で対応します。私の観察では、特に肘(ひじ)と膝が触れやすいようです。また、足も隣の人の足と触れ合わないか、気になります。座席が前後に五センチか十センチもずれていれば、かなり違う感じになるのでは。結論から言うと、
1.隣同士の座席の位置関係を、前後にずらす。乗客同士が赤の他人同士の場合は、背の高い側が前の座席、低い側が後ろの座席を選び、知り合い同士で話しなどしたい場合は、その逆を選ぶなどという習慣が生まれるかもしれない。
2.隣同士の座席の位置関係を、上下にずらす。例えば、通路側の床の位置を、数センチ高くする。
3.副次的な問題だが、隣同士の座席を一体化して使うこともあるかも知れない。そういう場合の為に、現在のような配置の座席も一部残しておいた方がよいのかも知れません。その辺は、バス会社にお任せします。
122 サランラップ・ビニールの浪費
サランラップやビニール袋の浪費は、誰が考えても考え直すべきでしょう。サランラップは、使い捨てでなく、少し厚くてもよいから、ハンカチやタオルくらいの大きさにして、電気洗濯機で洗えるようにして欲しい。もう一つ、別の話。雨の日に新聞をビニールで包んで配達するが、あんな無駄なことはない。もう少ししっかりした袋を作って、新聞を配達しながら回収して、また使えばよいのでは。
123 「くまに注意!」の看板
これは私の作った笑い話。発明・発見とは少しずれるが、まあ、笑い話の発明とも言えるでしょう。
最近、異常気象の影響か、熊が人里に下りてくる事件が多発していますが、その、熊の話。北海道や東北地方などで、国道を車で通っていると、よく、「くまに注意!」という看板を見かけます。ある時、私が地元のAさんの車に乗せてもらい、国道を走っていると、その看板を見かけました。ところが、その看板は、「くま」の二字の間に「る」を入れて、
「く ま に 注 意 !」
∧
る
こうなっている。「くるまに注意!」となっているのです。私はAさんに尋ねました。「誰があんなことをしたんでしょうね。」すると、Aさんは、答えました。「ああ、あれは、熊が書いたのですよ。」
124 贋(にせ)金作り
贋金作りは、なかなか割に合わないそうです。技術が難しく、コストが掛かる上に、すぐ見つかる可能性が高いからでしょう。今、紙幣の切り替えが行われています。こういう時期なので考え付いたのですが、新札の発行と同時に贋金を発行したらどうでしょうか。皆がまだ本物を見慣れていないのだから、贋物を見分けることも難しいのでは。昔、喜劇映画で、大蔵省の造幣局の印刷所に忍び込んで、本物のお札を印刷しまくった犯罪集団の話を見たことがあります。あれは、「贋金」作りではなく、贋「金作り」ですね。
125 謎々コーナー
咳の子の謎々遊びきりもなや 中村汀女
この俳句を教えたついでに、授業が脱線し、謎々の話になってしまいました。謎々にはまると、謎々無限地獄に陥って抜け出せなくなりそうなので、それは避けたいですが、印象的なものをいくつか。
英語の謎々 私が作った英語の謎々。A君は、自分の本棚の中の本を、もう読んだ本とまだ読んでいない本に区別するために、読んだ本には色紙を張ることにしました。さて、何色の色紙を張ったでしょうか。やさしい謎々です。
日本語の謎々 これはどこかで聞いた謎々というか、クイズ。伊達政宗がお腹をこわしました。下痢か、便秘か、どっちでしょうか。品のない謎々ですが、掛詞を使った種明かしがあります。
生徒の謎々 高校生が教えてくれた謎々。もちろん、小さい頃覚えたものでしょう。日本で一番高いところにある鉄道の駅は、どこの駅でしょうか。子供も大人も納得する、とても明快な答があります。
平安時代の謎々 「父には会はで(会わないで)、母に会ふもの何。」私が学生時代、日本語の音韻の歴史に関する授業で、金田一春彦先生から教えていただいた謎々です。この謎々が、古代日本語では「はひふへほ」は「バビブベボ」などと発音したらしいと推測する根拠になっているのです。
二千二百年前の中国の謎々 「老子」という本に出ている話を謎々にしました。ここに茶碗があります。茶碗のいろいろな部分の中で、一番大切なところはどこでしょうか。常識の盲点を突く鮮やかな答。哲学的な謎々です。
126 新客には大盛り
私の知っているある飲み屋。酒を一合注文すると、大きな受け皿の上に七勺位の茶碗を置いて、大量の酒が受け皿にこぼれるように注ぐ。全体で、一合半くらいの量になるでしょう。要するに、大盛りの大サービスです。私は喜んで、何度かその飲み屋に行きました。すると、面白いことに、だんだんサービスの量が減ってくるのです。だからという訳ではないが、その後しばらくその店にご無沙汰して、久しぶりにまた行ってみました。店の人は、もう私の顔を忘れた頃です。すると、また大盛りで出てきたのです。
今度、変装して行ってみようかなあ。(2004.12.31)
127 同姓同名
117の続きで、名前の話。ひょっと思いついたのですが、生存している兄弟姉妹に同じ名前を付けることは、法律で認められているのでしょうか。もしそうなら、悪い親が、双子の兄弟に同じ名前を付けて悪事に利用するなどということも考えられる。また、親と同じ名前を子に付けることはどうでしょうか。お祖父さんならどうか。何代前ならよいのか。また、近い親戚、例えば甥とか、叔父とかはどうか。また、死去した兄弟姉妹と同じ名前を付けることはどうか。例えば、野口英世をたいへん尊敬していて、子供に英世という名前を付けたが、夭逝してしまった。そこで、次に生まれた子供にもう一度英世という名前を付けたいなどということは、あるかも知れません。また、結婚したとき、妻の名前が夫の姉妹の名前と同じなどということは大いにあり得る。夫の姉妹が結婚しない場合、ごく近い親戚が同姓同名ということになる。大家族で大きな家に住んでいる場合、住所、電話番号も同じ、理論的には生年月日も同じなどということもあり得るでしょう。森進一と森昌子が結婚したが、森進一のお姉さんは昌子という名前で独身、森昌子の兄は進一という名前で、…
二日後、インターネットで調べたら、基本線は分かりました。答は、「同じ戸籍内で、同一の名前をつけることは出来ない。」ということらしいです。詳しく知りたい人は、
http://www004.upp.so-net.ne.jp/hitosen/dare/daremo.html を見てください。
もう一つ疑問。再婚して増えた子供が、前の子供と同じ名前だったら、同じ戸籍内で同一の名前になってしまうのではないか。
128 ブブカラーメンの混雑を解消する
6や104と同じ内容の話ですが。私が時々行くブブカラーメンは、いつも混んでいて、たいがいは客が店の外に並んで待っている。十分位待つのは普通で、夏は暑さを、冬は寒さを我慢しなければならないが、それでも皆辛抱強く待っているのは、安くて美味いからです。この混雑は解消できます。客が店に着いたら、すぐ店外で注文し、料理が出来たら中に入れればいいのです。店の外に券売機を置き、客の注文の状況を店内から把握できるようにするとよいでしょう。要するに、客が店の中で料理が出来るまで待つ時間をゼロにする。そうすれば、さばく客の数も増えて、売り上げも増えます。一人の客が、平均して店内で五分待ち、十分で食べると仮定し、待ち時間をゼロにすれば、売り上げは五割増す計算になる。もちろん、それだけ沢山の客が来ればの話ですが、もし客の数が少ないなら、店は狭く出来るわけで、設備費の節約になり、やはり儲かる。これは別にお節介ではなく、こうしてもらったほうが、こちら(客)も待ち時間を減らせるわけです。
129 動物を電磁波でコントロール
インド洋大津波の報道によれば、津波が来る前に、動物は皆高いところに逃げて、被災地に動物の死体は一つもない…。この報道は、誇張もあるだろうし、眉唾でもありますが、しかし、地震が発生させたある種の電磁波を、動物が津波が来る前にキャッチするということはあるらしい。もしそうなら、逆に、その電磁波を人間が作り、または保存し、動物に聞かせる、または浴びせることによって、動物を人間の意志通りに動かすことも出来るわけだ。そういえば、電磁波ではなく音波だが、『ハーメルンの笛吹き』などという昔話や、インドの蛇使いが笛の音で蛇をあやつるなどの話がある。鶯の近くで尺八を吹くと、鶯も一生懸命歌います。また、山の中で尺八を吹くと、周りにいる鳥も急に沢山鳴き出します。要するにこの項の話は私の独創ではなく、常識の範囲なのでしょう。(2005.01.22)
130 出がけの電話は無視する
発明ではないが、ヨーロッパを旅していて、気づいたこと。
スイス人のフーゲンシュミット夫妻が、私を連れて、これから家を出て町の観光に出かけようとしていた時、電話が鳴りました。夫妻は、当然のように電話を無視して、出発しました。それだけです。大事な客を案内する間際だから無視した訳ではなく、出発する間際にかかってきた電話は無視するという生活習慣が確立しているという感じでした。どんな大切な電話だろうと、もし、一分前に家を出ていたら電話の音は聞かなかった訳です。私、あるいは大部分の日本人とは違う行動の仕方でしょう。どちらが合理的でしょうか。
131 電子英和辞典を引きやすくする
電子英和辞典を引いて、その引きにくさに驚きました。原因は、本の辞書と同じ感覚で項目や文字を詰め込んであるからです。本の辞書、特にいわゆる『中辞典』には、手に持てる大きさや重さに収めなければならないという制約があります。研究社の『大英和辞典』は、重くて大きく、机の上に置いてでなければ引けなかったが、項目の並べ方や用例の配置には余裕があって、単語の細かい意味、熟語など、とても捜しやすかったです。
英和辞典を引く時は、単にその単語を見つけるだけでなく、その単語の用例や熟語をしらみつぶしに読み、テキストの使い方と一致する用例を探し出すことに大きなエネルギーと時間が必要です。電子辞書は、膨大なメモリーがあるのだから、スペースや改行を十分使って、捜しやすくレイアウトして下さい。カシオの皆さん、よろしくお願いします。(2005.02.20)
132 謎々コーナーの答
英語の謎々 赤。red
つまり
read
だから。
日本語の謎々 便秘。何故なら、伊達政宗は片目だったから。
生徒の謎々 東京駅。ここに来る電車は全部上(のぼ)り、ここから出る電車は全部下(くだ)りだから。
平安時代の謎々 答は「くちびる」。現在のハ行音つまり「はひふへほ」は、平安時代には「ba,
bi, bu, be, bo」または「pa,
pi, pu, pe, po」と発音したらしい。金田一先生は、「fa,
fi, fu, fe,
fo」もどうとかおっしゃったが、忘れました。正しくは、先生の本を読んでください。ともかく、ハ行音の子音は、上下の唇を合わせて発音する音だった。つまり、「父」では上下の唇が合わないが、「母」では合うのです。それが、この謎々から推察されるという訳です。
二千二百年前の中国の謎々 答は、「中の空間」。なぜなら、そこに水などを入れるからです。何もない空間、つまり「無」が、茶碗という「有」の一部として存在するということ…。「無」があるから「有」が茶碗としての役割を果たすことが出来る…。とにかく、「無」について考えさせられます。
133 ミサイル追撃システム
ミサイル迎撃システムというものがあります。敵が発射したミサイルに対して、こちらからミサイルを発射し、途中で命中させて打ち落とす。喩えて言えば、相手の発射した矢を、こちらから矢を射て、途中で当てて打ち落とすという訳です。中島敦の『名人伝』という小説の中にそういう話があり、その元になる話が中国の古典にもあるのですが、それは今はパス。そんなことが現実に
100パーセントの確率で成功するわけがない。
こちらから撃ったミサイルを途中で旋回させて、敵のミサイルの背後に回り込み、追尾させ、追い付いて命中させる。そうすれば、落とす確率は大幅に高まるでしょう。旋回性能の問題、スピードの問題、時間的制約、基地をどこに置くか、など、問題は沢山あるでしょう。基地は、例えば対馬のような、本土の端に近いところに置く、または人工衛星や航空機のように空中に置くなどが考えられる。また、一番効率の良い航路で回り込むようにミサイルの飛行を制御するコンピュータプログラムも必要です。旋回で時間をロスするなら、親ミサイルに子ミサイルを積み、上空で反対方向に発射する方法もある。いづれにしても、当然研究や開発が進んでいるでしょう。これも私の独創ではありませんが、話の種に。
そう言えば、昔、アメリカのレーガン大統領が打ち出した「スター・ウォーズ計画」というのがありました。このアメリカの宇宙軍拡構想は、その構想が発表されるだけで当時のソ連に強烈な圧力を加え、ソ連崩壊の原因の一つになりました。ソ連はアメリカの宇宙軍拡に対抗して軍拡する資金も技術もなかったので、アメリカに対抗するための軍拡競争を諦めた、つまり、共産主義を捨てたのです。これが、第二次世界大戦の終了から約半世紀続いた東西冷戦の終結、それも、東側(社会主義陣営)の敗北による終結でした。1989年という年は、資本主義が共産主義を崩壊させた年として、歴史に残るでしょう。荒っぽい言い方だが、軍拡計画が、平和をもたらした例と言えます。軍縮は平和をもたらし、軍拡は戦争をもたらすと、一概には言えないのです。第二次世界大戦は、日独伊が米英仏その他世界中に対して挑戦した戦争ですが、それが出来たのは、ワシントン会議、ロンドン会議など、世界的な軍縮の進行があったからではないでしょうか。現代でも、隠れたヒットラーは、世界の完全軍縮を喜ぶでしょう。なぜなら、完全軍縮された世界において、その軍縮条約を破って軍備を持ち、先制攻撃をかければ世界を支配できる、先制攻撃をかけるぞと脅すだけでも世界を支配できるからです。
134 意義ある海外旅行
卒業式のシーズンです。卒業生諸君、おめでとう。新学期が始まるまで、海外旅行に出かけようなどという人も多いでしょう。意義ある海外旅行をするにはどうするか。ズバリ、一人で行くことです。友達と一緒に行ったのでは、実は海外旅行をしているのではなく、日本での生活を海外に持って行っただけです。旅行中話す言葉は、ほとんど日本語、相談相手も日本人だと思います。一人で行けば、どんな場合でも、外国人に外国語で話しかけるしかないのです。私はドイツで病院に行った時、その時の私の症状や病歴、内臓の名前を表す英語の単語などを辞書で調べて一覧表にし、出来るだけ暗記して行きました。そうしなければ、ドイツ人の医者と話が通じないでしょう。ドイツ人の医者は、もちろん英語で話してくれます。たぶん世界中どこでもそうでしょう。え? 男は一人で旅行できるが、女はどうすればよいか? それは女性諸君が考えてください。(2005.03.09)
135 クラス費の清算
あれは実に面倒です。仮に40人のクラスで、一人当たり1497円返すとしましょう。………。あまりに面倒なので、説明を省略します。コンビニなどで、注文した金額のプリペイドカードを作って売ってくれるとよいですね。1497円のカードを40枚買って、59880円支払い、生徒に一枚ずつ渡せばよい。
136 患者の在庫ゼロの受付システム
今日、テレビを見ていたら、病院の新しい受付システムというようなことで、113に私が書いたことと大体同じ内容のことが紹介されていました。携帯電話を使って、患者が病院の外から、自分の診察の順番や時刻を知るシステムを取り入れた病院が増えているということです。患者を待たせないほうが、医者も落ち着いて診療が出来るそうです。それはそうでしょう。
もう一つ、私は面白いことに気づきました。牛丼や焼き鳥の話で触れたのと同じこと。患者を待たせる必要がなければ、広い待合室は必要ない。つまり、それだけ建物が小さくて済み、経営が楽になる。「入院すること」に対しては料金を取ることが出来るが、「順番待ちすること」に対しては料金は取れないからです。また、患者が自分の行動を自分で管理することになれば、「誰それさん、何番の診察室にお入りください」とアナウンスして患者の流れを整理する事務員の人件費も軽減される。患者の在庫をゼロにする、いわばトヨタ自動車と同じ経営の発想と言うことになるのではないか。(2005.04.19)
137 教育的ギャグ・放言
32年間教師をやっている間に生徒たちとのやり取りから生まれたギャグ。ギャグとは少し性格の違う、放言のようなものも混じっています。シェイクスピアの名セリフほどではないが、歴史の中に埋もれさせるのは忍びないので、特に良質(?)なものだけ、ここに残して置くことにします。学校の若い先生たちに利用してもらえたら幸いです。
○ 君たち、自殺なんてことを簡単に考えてはいけないよ。…よくよく考えなくてはいけない。両親や友達がどんなに悲しむか……、君たちは、自殺ということを簡単に考える人もいるかも知れないが、それがどんな行為か、本当に分かっているか。自殺なんてね、自殺なんて、、……自殺行為だよ!!
○ (授業で小説などを読んでいる時)………心臓をやられたんだね。君たち、心臓をやられたら、もうだめだ。心臓は大切だからね。心臓は、…心臓は人間の体の、……、心臓部だからね。
○ 君たち、目は大切だよ。目が見えなくなったら大変だ。「目は人間のまなこなり!」と言う。(これは私の創作ではなく、落語の盗用)
○ 何?、インフルエンザで欠席の生徒が多いから、学級閉鎖にしろだって? よし、このクラスを、学級閉鎖にする。今すぐ、教室の窓を全部閉めて鍵を掛けろ。ドアーも閉じて、誰も教室から出てはいけない。学級閉鎖だ!(その後、中世のヨーロッパでペストが流行り、町が閉鎖されたことなどを話し、閉鎖とはそういう意味だったなどと話題を展開する。生徒の学年によっては、カミュの小説『ペスト』や、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』の話などにも及ぶ。
○ 何?、他にもおしゃべりしてる生徒はいるのに、なぜ自分だけが注意されるのかだって? 君、殺人をして警察に捕まった時、「他にも人を殺して逃げている人は沢山いるのに、なぜ俺だけ捕まえるんだ!」と文句を言っても仕方ないだろう。私は公平に注意しているわけではない。不公平に注意しているのだ。公平でなければ注意してはいかんと言われたら、どんな些細な注意だって出来ないよ。警官が自転車の二人乗りを注意するのだって、日本全国の二人乗りを公平に注意している訳ではない。私も、たまたま君が目に付いたから注意しているだけだ。注意されたら直せばよい。
○ 何?、部室にテレビを置いてはいけないなんて、急に言われても困るだって? ものを言う時は、いつだって急に言うんだよ。では、30分間「えーと」と言った後で言えば、急に言った事にならないのか?
○ (遠足に出発する朝)君たち、あそこにいるA先生を見てごらん。素足にサンダル靴を履いてきた。我々は皆、靴下にスニーカーで暑いが、A先生は涼しそうだなあ。ああいう手、いや、ああいう足もあったのか。
○ (掛詞、縁語の説明のついでに、)…同じように、水泳部に入ったとは言わないで、思い切って水泳部に飛び込んだと言うといい。…新入部員勧誘の締め切り直前、野球部にすべりこんだ。画家になる夢を描いて、美術部に入る。若い人はいいねー! えっ、サッカー部? ……ウゥ…サッカー部に、…入部しけり;。えっ、バスケット部!!、;;……ウゥー…、;;入ったけれど、すぐ出ちゃった……。
○ (文化祭の準備で)諸君、見てください。この、ニクロム線を熱して発泡スチロールを切る糸鋸みたいな機械を、発泡スチロールカッターと言います。これを使って発泡スチロールを切ってください。
…諸君、仕事をしながら聞いてください。この、発泡スチロールカッターで発泡スチロールを切っている人のことを、発泡スチロールカッターと言います…。
○ (食堂で)最近、癒やし系食品というのが注目されているのを知っている? 癒やし系音楽と同じで、心が癒やされる食品、…いやし中華、いやしの刺身、…
○ 今回の中間試験で悪い点を取った人は、その悔しさを忘れず、期末試験で取り返してください。その悔しさを忘れてはいけない。「畜生、こんな悪い点を付けた先生に、今度はいい点をとって、復讐してやる。」そういう気持ちで、よく復習して試験を受けてください。
○ (新幹線に乗って、)「ほら、あそこに『関が原病院』という看板が見えるでしょう。あの病院はいつもものすごく繁盛しています。なにしろ、刀傷、槍傷の負傷者が、ぞくぞくと運び込まれますから。
○ 生徒「先生、新しい校舎で新しい職員室、新しい机に座って、うれしいでしょう。」私「君、教師はどういう時が嬉しいか、分かっているのか。教師と言うものは、どんなに校舎が立派でも全然嬉しくないんだよ、…生徒が立派な生徒でない限りはね。」
○ (私ではなく、同僚の先生の警句。修学旅行先で、旅館が火事になったという想定で避難訓練をした時、周辺を見張っていて、)こら、そこの二人、「火事が起きました。」という放送がまだないのに、旅館から出て来てはだめじゃないか。火事が起きる直前に逃げ出してくる人は、放火犯なんだよ。
○ (私ではなく、同僚の先生の警句。父母会でクラスの父母たちに、)…そういうわけで、皆さんのお子さんたちのクラスはたいへん騒がしいのです。え?、どのくらい騒がしいのか知りたい? 今のこの父母会と同じくらい騒がしいのです。
○ えっ! 雷と稲妻はどう違うのか? 君、そんなことも知らないの。雷は、ゴロゴロ、稲妻は、ピカピカ。分かっただろう。ついでに、原爆は、ピカドン。
138 ポケットのオプション
17の続きで、ポケットの話。簡単な一重の上着、ワイシャツ、柄シャツ、Tシャツ、綿パン、Gパン、半ズボン… こういうものを買う時、ポケットがオプションで選べるとよいですね。どこにどういうポケットがあるのがよいかは、その人の好みによります。普通の位置のポケットだけではなく、例えば海外旅行に行く時、シャツの裏側や、ズボンの内側にポケットが欲しい場合もあります。ポケットの大きさや、「ふた(と言うかどうか知らないが)」の有り無しなども、人によって好みが違います。デザインの好みもあり、完全に自分の好みにあったポケットのある衣類というのはなかなか見つかりません。かと言って、金を掛けて仕立てるほどのことではない。自分に必要なものを選んで付けてもらう、これが一番合理的でしょう。(2005.06.11)
139 車輪のない飛行機
旅客機の車輪が壊れて、着陸の時、大騒ぎしたというニュースをテレビで見ました。飛行機の車輪というのは、ものすごい無駄ではないでしょうか。日本からヨーロッパやアメリカまで飛んで行くのに、なぜあんな重い車輪をはるばる運んで行かなければならないのか。車輪を出し入れする装置の重さも馬鹿にならないだろうが、出したままで飛べば空気抵抗のために燃料の無駄遣いになる。空を飛ぶのに車輪など要らないのです。では、離着陸はどうするのか。なかなかいいアイディアが浮かばないが…
1.車輪の着いた離着陸用の「タグプレイン」(タグボートの飛行機版)を飛行場に置いておき、飛行機はそれに負ぶさって、離着陸をする。うーむ、タグプレインと飛行機の着脱が難しそうだ。
2.滑走路を全部プールにし、飛行機は水面に離着陸する。また、海上や湖上に飛行場を作る。うーむ、飛行機は見かけほど軽くはないかも。
3.飛行機の胴体と滑走路の間に、何らかの装置で磁力や風圧などを加え、飛行機を持ち上げる。リニアーモーターカーが飛び上がればいいのだろうが…
4.滑走路にレールを敷き、厚いスポンジ(ショックを吸収する物質)を張った台車をレールに乗せる。離陸のときは、飛行機の大きさにより、台車を何台か連結させて、その上に飛行機を乗せる。着陸のときは沢山連結して、飛行機はその上のどこかに着陸する。台車にモーターやブレーキを付けてうまく操作すると、離着陸の距離を短くすることもできるのでは。
140 常設ボロ市
家の中、部屋の中、机の中などをちょっと整理するとすぐ分かるが、私たちの身の回りは、無駄なものがいっぱいです。仮に文房具を例にしても、同じ種類の筆記用具が沢山あり、使いかけのセロテープは三つもあり、カッターナイフの替刃など、一生使っても使い切れないほどある。無駄なものは捨てればよいとも思うが、短くなった鉛筆一本だって、捨てるのは抵抗がある。しかし、無駄なものは、私たちの居住空間を狭くしているのです。そのくせ、例えば、紫色の油性サインペンが欲しいなどと思うと、それはない。二、三回しか使う必要がないので、新品でなくてもよいのだが、コンビニで買えば、百円。そしてまた、机の中に放置される。
リサイクルショップの中に、常設ボロ市のコーナーがあるとよい。何でも一円、あるいは無料。無駄な鉛筆、セロテープ、替刃は一円で売り、紫色のサインペンを一円で買う。机の中がすっきりします。
こう考えると、物置というものについて考え直す必要がありそうです。物置とか倉とかいうものは、昔は裕福の象徴だった。それだけ、しまって置く物があるということだった。しかし今は、めったに使わないものは、物置に置くより、リサイクルに出して社会に流通させた方がよいでしょう。
ついでにもう一つ。私の家に、雪かき用のスコップが一つある。しかしこれは、一年に一度か二度使うか使わないかで、今年(2009年)はまだ一度も使っていない。しかし大雪が降れば、どの家でも雪かきのためにスコップが必要だろう。しかも同時に必要とする。何かいい考えはありませんか。
141 電子めくりプロ
演奏会を聞くだけの人は知らないでしょうが、開催する側にとって、めくりプロというのは実に手間が掛かるものです。まず、字を書いてくれる書道の先生を捜さなくてはならない。次に、事情を話して、お願いする。お礼をどうするか、なども気を使う。引き受けてもらったら、曲目を連絡して書いていただくのですが、間違いがないように、注意が必要です。「新ざらし」などという言葉は、お琴を弾く人以外は知らないから、「野ざらし」になってしまったことがあった。出来上がったら、受け取りに行かなければならない。あの大きな紙を二、三十枚も荷造りして郵送してもらうというのは、ちょっと申し訳ない。そして演奏会当日、いろいろな荷物と一緒に、忘れないように、また、汚さないように、会場に持って行く。会の最中、一曲ごとにめくる。人間国宝級の演奏家のリサイタルでも、めくりプロをめくるのを忘れて、演奏の最中に人が出てきてめくったのを見たことがあります。めくりプロは、今演奏中の曲がどの曲かをお客に知らせ、お客はその上でプログラムの冊子を見て演奏者の名前を調べたりするので、なくてはならないものです。演奏の途中で会場に入ってくるお客もいますし。演奏会が終わって、さてどうする。捨てるわけにもいかない。出演者に配るか? もらった人はどうしているのだろう? お花と違って、枯れないし…。
「電子めくりプロ」があれば、当日、会場の事務室でコンピュータに曲目を入力するだけでよいはずだ。プログラムを編集したファイルを、フロッピーディスクに入れて持って行ってもよい。インターネットで送ってもよい。何?、情緒がない? では、色々な曲目のめくりプロを写真に撮り、画像データ化して、初めから会場の事務室のハードディスクの中に入れておく。現代では、インターネットでどこにでも配信できるから、曲目の画像データー保存を担当するホールを一つ決めておき、そのホームページから必要なときにダウンロードするのが一番便利でしょう。
楽屋の入り口の掲示、あの「誰それ先生の部屋」などという張り紙も、電子掲示板化すると便利でしょう。
142 フレクシブル価格のラーメン屋
104の続きです。私の好きな駅前のラーメン屋を、時々通りがけに覗いて考えたこと。昼頃は客を待たせるほど混んでいるが、午後のある時間帯は、店の中は閑散。土地代、建物代、機材、人件費が無駄になっているのではないか。開店している間は、いつも店が満員になっているのが理想的だ。
結論、時間帯によって価格を変え、客がいつも満員の状態に保たれるよう、調節する。中途半端な時間にラーメンを食べさせられたくないですって。何を言っているのですか。そういう人は、きちんとした食事の時間に、その時間の料金を払って食べればよいではないですか。
実は、こういうことは既に行われています。寿司屋の「ランチサービス」などがそれでしょう。イギリスでは、曜日によって列車の切符の値段が違うという話を聞いたことがあるが、確認はしていません。飛行機のチケットの値段などは、完全にそういうシステムになっていますね。しかし、時刻によって商品の値段を露骨に変えるというのは、現代の商習慣に合わないし、客に無用の誤解を与えるかも知れない。まあ、「午後二時から五時までは、お八つに餃子を2個サービス!」くらいが現実的な線かも。
143 水にくるまれた家
120の続きです。暑いので庭に水を撒く。庭に撒くだけでは面白くないから、家の壁や窓にも水を掛ける。少しは家が冷えるのではないか。そして、雨というものは人間の水撒きの労力に換算すると、膨大な仕事量に匹敵するなあ、などと考える。そう言えば、昨日だったか、「雨水会議」とか何とかいうものが開催されるという広告を電車の中で見たのを思い出す。壁に水を掛けるより、屋根に水を撒いて、その水が満遍なく壁に染み込むような構造の家を作れば、家を外側から、もっと効率的に冷やせるのではないか。現代の家は、屋根も壁も、水をはじくような素材で作られているようです。
屋根に雨水を貯め、その水が少しずつ壁全体に染み込むような構造の家を作る。屋根の一番高い一点に水を注げば、屋根と壁全体に水が染み込んで行き渡るような構造を作ることは、理論的には可能だ。そうすると、いつも濡れたタオルにくるまれているような家が出来、屋根と壁全体から、常に水が蒸発し、気化熱で家を冷やすことになる。屋根の水がなくなったら、水道水を屋根に送ってもよい。そういう家は、夏は涼しく、冬は暖かいのではないか。(2005.08.05)
144 入院時間の有効利用
先日、生まれて初めて手術を経験、八日間ほど入院しました。当然、入院時間の有効利用について考えました。結論。
1.インターネットやワープロくらい使わせてほしい。
2.テレビがあるのはよいが、自分で持ち込んだビデオも見られるようにしてほしい。
また、誰でも楽しめるビデオ、例えば寅さんシリーズなどは病院に置いてほしい。
3.医者の許可で外出できるのは合理的でよいが、特に、床屋・本屋などは、病院内に地図を貼って場所を示したり、そこまでのタクシー料金を示したりして、行きやすくしてほしい。病院巡回バスのコースも、そういう店を通るとよい。退院してから床屋に行くのではなく、さっぱりした頭で退院したい。床屋は、入院者割引きなどしてくれないでしょうか。
4.入院しながら、歯医者にも通院できるとよい。
145 立体天気図
「天気予報の時間です。明日は、日本列島は二つの高気圧に包まれ、午前中は全体として穏やかな晴天に恵まれるでしょう。…、しかし、午後は上空に冷たい空気が入ってくるので、大気の状態が不安定になり、各地でにわか雨が…、…。」
現在の平面的な天気図ではなく、立体的な天気図をテレビで見せてほしい。暖かい空気は暖色で、冷たい空気は寒色で、冷たい空気と暖かい空気の境目に雲が出来る様子、雨が降る様子など、見て分かるように工夫して、地上の風、上空の風、低気圧や台風の周囲を風が立体的に動く様子、…画家が書いてもいいし、コンピュータグラフィックスで自動的に描くプログラムを組んでもよい。空は三次元の空間なので、その方が気象現象を目で見てよく理解できるでしょう。(2005.08.08)
146 必ずタバコがやめられる方法
タバコをやめたいと思っている人に、私が時々教えてあげる、単純だが確かな禁煙法です。私はこの方法で33歳の時禁煙して以来、多くの知り合いに教えて、禁煙の手助けをしたと思います。特別の薬を飲む、医者に相談する、スポーツをする、食事を工夫する、映画を見たり音楽を聞いて気晴らしをする。そんな面倒なことは一切する必要がありません。特別な道具も使わず、費用も掛かりません。それなのに、あらゆる禁煙法を試みたが成功しなかったという人も、なぜかこの方法だけは実行した人はいないようです。こんな単純な禁煙法が、なぜ実行出来ないのでしょうか。教えてほしいですか。では、教えてあげましょう。単純ですよ、…、その方法は、…、そう、何も特別なことはする必要がない、…、ただ、タバコを吸わなければいいのです。ね、いい方法でしょう。
147 海の中の貯水池
夏になるとしばしば渇水がニュースになります。ある地方に例年の量の雨が降らないため、貯水池が空になったなどのニュースです。貯水池をもっと沢山作れば問題は解消するが、もちろん、金がかかる。海の中に貯水池を作れないでしょうか。海の中にビニールシートの袋のようなものを入れ、河の水が十分ある時期に、水を溜め込んでおく。渇水の時にポンプで吸い出して使う。河の水は海水より比重が小さいので、そのままではビニールの貯水池は海に浮かぶでしょうが、錘を付けて海底に沈める方法もあり、また、海中の一定の深さに止める方法もあるでしょう。海の生態系に影響を与えないか。海は十分広い。貯水池の体積なんて、海に比べればほんのわずかでしょう。
ダムは最初から大規模なものを設計・製作しないと割に合わないが、海の中の貯水池は端的に言えばビニールの袋だから、適度な大きさのものを沢山倉庫に用意しておき、必要に応じて海中に入れればいいので、無駄がないでしょう。水量の多い河の河口に何箇所かこれを作り、渇水の深刻な場所に持ってゆく方法も考えられる。海流をうまく利用すれば、案外簡単に移動させられるのではないでしょうか。
148 短い手紙
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
これは徳川家康の重臣・本多作左衛門重次が陣中から奥方あてに送ったもので、簡潔な手紙として有名です。「お仙」は女の子と誤解しやすいが、そうではなく、作左衛門の子息の本多成重(幼名仙千代)のことです。
世界一短い手紙のやり取りとしては、フランスの文豪ビクトル・ユーゴーが「レ・ミゼラブル」を出版した時、出版社に、
「?」 本の売れ行きはどうですか。
という手紙を送り、出版社からユーゴーに、
「!」 素晴らしい売れ行きです。
という返事が送られて来たというのがあまりにも有名です。
実は日本にもこれと同じくらい短い手紙のやり取りがあります。
「○」 東京で下宿している大学生の息子から郷里の母に、「金送れ。」
「×」 母から息子に、「金はない。」
この話は、授業で使えますよ。
149 壊れない携帯電気器具
携帯電話、携帯ラジオ、ウォークマンその他の携帯電気器具が壊れる原因は何か。その大半は、おそらく、落とすことでしょう。テレビやエアコンのリモコン機器にも同じことが言えます。むしろ、こういうものは、落とさない限りほとんど壊れないのではないか。しかも、なぜか、買ったその日に落とすことが多いような気もします。そこで、これらに自動車のバンパーのような構造を取り入れるとよいでしょう。機械をあまりきっちりと詰め込まないで、角(かど)の部分の内部空間を少し空けておく。そうすれば、落としても外側が少しつぶれるだけで、中は無事です。付属品としてケースを付けるなら、角の部分は少し厚くして、ショックを吸収するようにするとよいですね。
まったく別の発想で、落とすと、ショックでバラバラに分解するようにするのも良いかも。分解することで衝撃を分散し、個々の部品は無事なのです。後で組み立てやすいように設計しておけばよい。
150 電動人力車
最近、バッテリーと電動モーターを装備した自転車が、急速に普及しています。自転車にとって強敵の坂道や向かい風なども難なく克服、しかも、免許も不要。私は自転車を筋肉の力を維持するための運動の手段と心得ているので、買うつもりはありませんが、個人的な事情は別として、大変優れた発想というか、発明だと思います。それに関して、…
鎌倉などの観光地に行くと、人力車が観光客を乗せて走っています。観光のために昔の風俗を復元したものであることは分かっているのですが、何か違和感を感じませんか。人間が、牛馬の代わりに車を引き、その車に別の人間が乗っている。引くほうも乗るほうも、観光地のフィクションというか遊びと言うか、そう考えているからよいと言えばよいが、しかし、…。これは深刻に言えば、憲法違反、いや、人権無視、いや、身分差別、いや、奴隷制、封建制、いや、…ともかく、問題を感じます。外国人が見て、変に思わないでしょうか。日本人でも、車夫に気の毒だから乗りたくないと感じている人も多いでしょう。
人力車に電動モーターを付ければ、車夫は単なる運転手に近くなる。乗客も気持ちよく乗れるから、商売繁盛するでしょう。モーターの付いていることが、外から見て分かるとよい。いや、むしろ、本物の人力車とは違うという意味で、『電動人力車』とどこかに表示すればよい。『電動』と『人力』は矛盾するが、まあいいでしょう。
152 寝台バス
121の続きで、夜行バスの話。夜行バスはもちろんバスの中で寝ることを前提にしている。しかし、現在の夜行バスの座席の形態で、本当に熟睡できるでしょうか。少なくとも私は、水平な姿勢でなければ熟睡できません。ほんの少しでも座席が斜めだと、絶えず体が斜め下にずり落ちる感じがするのです。皆さんはどうでしょう。自分の家で寝る時、斜めのベッドで寝る人がいるでしょうか。
結論。鉄道の寝台車のような、上下、または上中下の寝台を備えた夜行バスを運行すべきだ。法律が邪魔しているなら改正すればよい。
153 唐がらし梅茶
私はもともとお茶に梅干を少し入れて飲むのが好きで、特に冬は時々飲んでいました。去年の秋に福島に行きましたが、たまたま旅館で飲んだ『唐がらし梅茶』がとてもおいしかったので、ずっとそれを捜していました。最近、インターネットで買える事が分かりましたが、取り寄せる手続きが面倒だし、すぐ飽きるかもしれない。それに、少量ずつアルミか何かの袋に入れて売る形式が、資源の無駄という感じがします。ひょっと思いついて、今までの『梅干茶』に唐がらしをパラッと一振りしてみました。これは大正解。この本物の唐がらし梅茶、たいへんおいしいです。
154 選挙の棄権防止キャンペーン
私の発明した選挙の棄権防止キャンペーン。
「オレ以外の有権者は全員棄権してほしい。そうすれば日本はオレの思い通りになる」
冗談はともかく、今日、横浜市長選と議員補欠選挙に行ってきました。たまたま自転車がなかったので、徒歩で15分位歩きました。歩きながら見ると、徒歩で投票所に行き来する人が沢山います。こんなに徒歩の人が多いとは。理由の詮索など割愛して、結論。選挙の当日、町の中を巡回する『投票バス』を運行できないでしょうか。市役所や福祉施設のような機関は、たいがいバスを持っているはずです。それを日曜日の投票日にも活用する。道幅の広い通りと投票所を結ぶ巡回ルートを決め、同じルートを一日中何度もゆっくり走る。ピンポーンなどの音を出して知らせるとよい。合図をすれば止まって乗せてくれる。お年寄りなどには大変便利で、投票に行く人が増えるのではないか。天気の悪い日、道の悪い田舎などのことも考えると、一考にあたいするのでは。(2006.03.26)
155 狂牛病の症状
先日、テレビで、記者が通りすがりの人に「狂牛病にかかると、どういう症状になるかご存知ですか」と聞いていました。聞かれた人は、「いや、知りません」などと答えていました。そういう時は、こう答えましょう。「勿論知っています。顔が牛に似てきて、角が生えてきて、モーと叫ぶんでしょう」鳥インフルエンザの場合は、「勿論知っています。口が尖って飛び出てきて、トサカが生えてきて、コケコッコーと叫ぶんでしょう」
156 半角・全角の入力モードの表示
コンピュータに文字や数字を入力するとき、年がら年中、半角と全角を間違える。これは漢字や仮名を使う日本人の宿命でしょうね。西欧の人は半角しか使わないのでしょう。何とか間違えにくく出来ないでしょうか。一つのアイディア。カーソル、ディスプレイの文字を入力する位置に点滅しているあのカーソルのデザインを、半角と全角で変えることはできないでしょうか。半角は細い縦線、全角は太い縦線とか、半角は青っぽい色、全角は赤っぽい色とか。文字を入れるときに常に神経を集中させる場所だから、見逃さないと思います。
157 都市建造物の緑化(その2)
53・74・120・143の続きです。今日、NHKのテレビでこの話を放送していました。店の外壁がコンクリートの壁で、落書きなどをされて困っていたが、全体をコケで覆ったところ、落書きがなくなり、外観もぬくもりのある柔らかい感じになり、客の評判も非常によく、その上、冷房効果も生まれ、いいことだらけだそうです。そして、最近、この方法が全国的に注目されていて、建物の緑化に補助金を出す自治体が続々生まれているそうです。コケとはいい方法ですね。私の家もやってみようかなあ。(2006.04.24)
158 飼い犬のゴーグル
私の家の犬が猫に引っ掻かれました。飼い主に引かれて、ただ犬人しく、じゃなかった、大人しく散歩していただけなのに、猫の方から突然襲い掛かってきたのです。猫は犬の目を狙って攻撃したらしいが、幸い少し外れて、目の傍に傷が出来ています。もし猫の爪が目に命中していたら、取り返しの付かないことになったでしょう。猫は体は小さいとはいえ、百獣の王、虎やライオンの親戚で、その闘争本能と能力は侮れません。犬のチョッキやレインコートなどは時々見かけるが、そんなものより、ゴーグルを作って売ったら儲かるかも。(2006.05.19)
159 風呂桶(バスタブ)の蓋(ふた)
バスタブの蓋は、一部分が透明な材料で出来ていると、蓋を開けずにバスタブの中の水の量を見ることが出来る。終り。
160 自転車のJAF
JAFとは、自動車の故障修理出張サービスのことです。これは自転車にもあるとよいですね。携帯電話で連絡したら、車で来て修理してくれてもいいし、修理屋さんまで運んでくれるだけでもよい。そんなことを考えて、『自転車 故障 修理 出張』のキーワードでインターネットを検索してみたら、全国規模ではないが、方々に出来つつあるようです。駅の駐輪場などに、電話番号の案内などがあると、もっとよい。業界が大同団結して、全国どこでも、自転車の
110番のようなところに電話すると、一番近い出張修理屋さんに連絡してくれるようにしてくれると、更によい。
161 時計には、なぜ振り子が付いているのか
発明ではないが、問題。教師時代の思い出ですが、学校の広い会議室の一角に、勝利の女神の彫像が高く時計を掲げていて、その時計には、クオーツと表示してあります。その時計に振り子が付いている。ある時、授業で、あの振り子は何のために付いているのかと、生徒に質問してみました。ある点については正解でも、それに関連する別の質問には答えられないとか、つまり完全に答えられる生徒は稀でした。私が勤続30年の記念に学園からいただいた時計は、今でも玄関に飾ってありますが、初めは振り子が付いていたのに、今は付いていない。家内に聞いたら、どこかにしまってあるそうです。?? さて、時計の振り子は何のために付いているのでしょうか。
162 100チームがトーナメントの試合をすると、試合数は幾つか
ついでにもう一つ問題。もちろん、引き分け再試合などは数えません。リーグ戦なら簡単ですね。99×100÷2=4950試合。
163 ワールドカップ・サッカーの酩酊評(家族に)
○日本・オーストラリア戦が終わって「日本がオーストラリアに勝てる訳がない。第一、国の広さが違う。それに、向こうはカンガルーと一緒に練習をしてるんだ。」
○日本・ブラジル戦が終わって「日本がブラジルに勝てる訳がない。第一、国の広さが違う。それに、向こうは野牛と一緒に練習してるんだ。」
164 大相撲の国際化を賞賛します
私が小学校5年の時、記録を調べると、昭和30年9月場所11日目、当時関脇の若乃花が大関の千代の山と17分を越える死闘を演じ、3回か4回水が入り、ついに引き分けになりました。断わっておくが、皆それをテレビで見たのではなく、ラジオで聞いたのです。翌日学校に行くと、学校中がその話題でまさに沸騰していました。それから私は若乃花のファンになり、弟子入りまで考えたほどです。
今、大相撲の国際化の是非が議論されていますが、私は大賛成です。世界中の田舎から日本に集まった若者が大相撲で活躍し、出世し、金持ちになり、郷土・祖国に錦を飾る。日本の文化と金が世界の田舎に還流し、世界中の人が日本に好意を持ち、憧れる。また、我々日本人も、力士の故郷の世界各地に興味を持つ。江戸時代の相撲だって、お江戸と日本各地の田舎を同じような関係で結んでいたのでしょう。
ふるさとの 四股名もゆかし 相撲取り(古人)
北海道の名寄(なよろ)出身なので、四股名を『名寄岩』にしてくれと自分から親方に申し出た名寄岩の映画を、子供の頃見て感激しました。砂漠の国出身の、横砂、じゃなかった、横綱、朝青龍。青龍は、中国やモンゴールでは英雄の象徴だそうです。露鵬(ろほう)と白露山(はくろざん)のロシア兄弟。グルジア出身の黒海。エストニア出身のバルト。ブルガリア出身の名大関、ヨーグルトは優勝したこともあります。ルーマニア出身、ドラキュラ。ニンニクを食べた相手には弱いそうです。
これからは南米、アフリカなどからも、もっと沢山の力士が集まるでしょう。黒人の力士は、まだ少ないですね。アフリカのコンゴ出身、ブラック・スター、…? ブラック・スターだけはやめた方がよいかな。いや、むしろ、勝ちは白星、負けは黒星で表すこと自体を考え直すべきでしょうね。
165 携帯電話番号送信スイッチ
携帯電話で話をしている時に、こちらの携帯電話の番号を尋ねられることがあります。私は自分の番号など覚えていません。そもそも、カードの暗証番号とか、インターネットのサイトのパスワードとか、最近は、暗記が必要なことが多すぎます。言わせてもらうが、物事を深く考える人は、暗記は苦手なのです。そこで、非常にあわてます。ワンタッチで自分の携帯の番号を、音声で相手に送る機能が付いていると便利ですね。
166 傘を持ち歩く必要はない
私の家には、冷蔵庫が一台ある。一台あれば十分だからです。自転車は二台ある。二台あると丁度よいからです。靴、ズボン、シャツ、上着、…以下、略。欲しいが買えない物は別として、必要な物は必要なだけあり、それ以上はないようにしている。無駄なものがあると、家が狭くなるからです。ところが、傘は15本以上ある。そんなに沢山あるからといって、便利だとは言えない。傘は、雨が降って来た時、なければ非常に困るものであり、ボロ傘でも、ありさえすれば助かるものである。江戸城の殿様さえ、貧しい農家の娘に頭を下げたくらいだ。
蓑(みの)を隠し 庭の山吹 折りに行く(朋盟)
傘はまた、雨が止むと、面倒なお荷物になる。こう考えると、傘は、我々の身の回りの道具の中で、その必要性という点で、非常に特殊な性格を持っている。にも拘わらず、傘は、他の商品と同じような売買の形態しかとられていない。多くの家庭に傘が必要以上にあるということは、経済学的に言うと、傘の流通制度に欠陥があるということだろう。
結論。あらゆる商店で、中古の傘を売るべきである。また、あらゆる商店で、中古の傘を買い取るべきである。二十円でも三十円でも、ただでも構わない。そうすれば家に傘が溢れることもなく、天気予報を気にして悩む必要もなく、いつ、どこで雨が降ってきても困らない。雨が降ってきたら、通りすがりの商店で傘を買い、晴れたら、その辺の商店に売ればよい。中古の傘の自動販売機などもあるとよい。
いつこの話を思いついたか。この間、自転車で遠出をしたら雨が降ってきたので、飲み屋に入った。帰りに客が置いていった傘をもらい、「家の近くの飲み屋に返しておきます」と言った時です。
167 通勤急行バス
電車の通勤ラッシュを緩和するためには、電車の駅から遠い大きな団地などの地域から、直接都心に向かうバスを走らせればいい。そんな簡単なことが、なぜ話題にならないのでしょうか。朝、通勤のため自宅を出て近くのバス停に行き、バスに乗って十五分ほどで最寄の電車の駅に着き、そこから電車に乗って都心に向かう人は沢山います。そういう人たちを、自宅の近くのバス停から直接都心に運べば、それでいいのではないか。乗客の定員を座席の数にしてしまえば、観光バス並の快適な通勤になるはずです。バスの中で朝食をとったり、トイレに行ったり、本や新聞を読んだり、勉強も出来る。問題点は何か。たぶん、料金は問題にならないでしょう。バスの運賃は、鉄道に比べると安いことは121に書きました。また、仮に多少高くても、通勤交通費は会社が払ってくれるし。
問題は所要時間、つまりスピードです。電車は信号で止まらないし、走る速度が速いのでバスは対抗できないのです。そこで、この種の通勤急行バスに限って、他の自動車よりも優遇する制度を作る。19に書いたことの繰り返しになるが、交差点を優先的に通行できる信号制御や、パトカー並の優先通行権を与えることなどが考えられる。また、高速道路を割安で通る権限を与えてもよい。(2006.10.20)
168 「もったいない」のブログ
「もったいない」という考え方が現代においていかに大切かは、論じるまでもありません。その実践。別に発明と言うほどの独創性はないが、市民的連帯というか、皆が知恵を出し合うことは大切でしょう。
1.パンフレットのようなものを紙として捨てるとき、ホッチキスの針やクリップなどは外すべきでしょう。その外した針やクリップはどうするか。それ以外にも、折れ釘、壊れた画鋲、不要になった鍵などなど、小さな金属片は捨て場所に迷います。私は名刺の箱の中に溜めています。三年ぐらい溜めたら、金属のゴミとして、まとめて捨てよう。
2.大きなスーパーなどにある、傘を入れるビニール袋は、使われたものを使う。他の人も同じ事をしていた。
書き出せばキリが無い。こういうことは、誰かがブログを作り、沢山の人のアイディアをそこに集めるべきでしょう。昔、NHKの「尋ね人の時間」というのがあったが、ああいうものは現代なら簡単でしょうね。ブログを作って、尋ね人のデータを自由にアップロードし、自由にアクセスして検索すればいいわけですから。こう考えてくると、「もったいない」に限らず、ここに書いた「発明・発見・アイディア」の中には、同じような性質のものが多くあるようです。新しいものから、ちょっと並べると、
167・166・165・160・157・156・154・152・151・150・149・147・…
まだまだ、沢山ある。
「小さなアイディア=社会改革」みたいなブログを作り、多くの人のアイディアを出し合う場にするのが一番よいのではないか。アイディアに対する批判、否定意見を集めることも非常に意義がある。誰かそのブログを作ってくれないか。…と考えると、「それをなすべく定められた者は、汝自身である」という神の声を聞くような気がする。しかし、私はブログの作り方も知らないし、一銭の得にもならない…。今日はここでいったん思考中断。
3.コンビニで買い物するとき、ビニール袋はもらわない。大概は自転車に乗っているから、そのまま籠に入れる。
4.トイレのペーパータオルや、手を熱風で乾かす機械は使わない。ハンカチがある。
5.飲み屋で、春の七草の一つ、芹の御浸しを食べたが、実にうまい。しかし、量が多いので、半分以上残った。家へ持って帰って、ラーメンにでも入れたら、さぞかしうまかろう。飲み屋さんに頼めば、プラスチックのパックに入れて持ち帰らせてくれます。しかし、そのパックももったいない気がするし、また、他の客から変な目で見られないか、とか、…。飲み屋に行くのに、何を食べるか計画を立てて、パック持参てのもねえ…。
6.飲み屋の「お通し」は絶対反対。お通しを出す飲み屋には、絶対行かないという運動を起こそう。あんな不合理のものはない。喫茶店に入って、お通しを飲んでからコーヒーを飲みますか。お通しが欲しい人は、勝手に注文すればよい。具体的にどういう行動をとるか。ここにこう書いたことこそが、行動である。
7.毎朝三十分ほど、犬を散歩させるが、その時、犬が変なものを食わないように、地面をよく見ていなければならない。すると、いろいろな物が目に入る。古い木ネジ、プラスティックの破片、つぶれたペットボトル…。犬の糞を持ち帰るために袋を提げているから、拾って持ち帰るのは簡単です。犬に散歩をさせている人は、私以外にも沢山いる。以前、犬の散歩をさせている人に、幼児を不審者から守る仕事をしてもらおうという話があったのは記憶がある。屑拾いに限らず、それ以外にもいろいろ考えられるようだ。
8.即席味噌汁の具、つまり乾燥させた野菜や海藻などは、プラスティックの袋に一食ずつ密閉して封入するのはよいが、味噌まで同じように袋に入れてあるのは資源の無駄。
169 自転車交通の充実
先日、テレビで、「自転車通勤をやって見たら、いいことだらけだった」という話をしていました。自転車で会社に行き、シャワーを浴びてスーツに着替えるのだそうです。健康の維持、交通費の節約、環境保護、また、通勤ラッシュの緩和にもつながる、どの点から見てもいいことだらけです。問題は、本当によく考えて作られた自転車専用の道路がほとんどないことです。郊外にあるサイクリング道路も、実際に走ってみると、ほとんど全てが歩行者と一緒で、所々でスピードを落としたり、止まったりしなければならないようになっていて、自動車で高速道路を走るような走り方は出来ません。それはそれでよいが、それとは別に、都心に、自転車専用道路を作るべきだ。きちんと車線を分ければ、歩行者と一緒でもよく、自分の好みのスピードで走ることも出来、また、いつでも休むことも出来る。サイクリングが目的ではないから、地下道や、屋根と透明な壁で囲まれている道を作れば、雨や風の時、助かる。自転車の大敵は、まず雨。次に上り坂と向かい風で、味方は下り坂と追い風です。上下の車線をプラステックの壁などで区切り、いつも適度な追い風が吹くように設計することも出来るでしょう。また、急坂はエレベーターやエスカレーターで上るようにも出来る。自転車専用道路は、どんなに立派なものを作っても、自動車の高速道路に比べれば比較にならないほど安いでしょう。そう言えば、オランダには自転車専用レーンがあり、知らずに歩いていたら、怒鳴られました。
170 靴下の統一
靴下の色は黒、種類は冬用と夏用の二種類とする。そして、銘柄を一種類とし、十足とか、まとめて買う。要するに、管理に手間と頭を使いたくない。
171 十円玉のハンディ
34の続きですが、例えば10キロメートルのマラソン(長距離走)で、10円玉一つをポケットに入れて走ると、入れない場合に比べてどの位遅くなるものでしょうか。物好きかもしれないが、計算してみました。勿論、公式は勝手に作りました。10円玉の重さは4.5グラムです。走る人の体重は60キログラムとします。
10キロメートル=10000メートル=1000000センチメートル
60キログラム =60000グラム
十円玉を持った時の走る人の体重=60004.5グラム
一定の時間内に走る距離と走る人の体重が反比例するとして、十円玉を1つ持って走る距離をxとすると、
1000000×60000=60004.5x
x≒999925(センチメートル)
75センチメートルも差が出るのだ。これは大きいですね。中学生、高校生諸君、学校のマラソン大会の時は、是非、体を軽くして走ってください。そうそう、ぜい肉も取って。(2007.01.10)
172 省エネ食洗機
食洗機(自動食器洗い機)を買って使ってみて、その性能に満足しました。しかし同時に、もっとよくする方法があるのではと感じました。我々は、手で食器を洗う時は、ただ水や液体洗剤を食器にかけるだけでなく、スポンジのような固体を使って、食器をこすって洗っています。その方が短時間で、確実に、また、強制的に汚れを取ることが出来るからでしょう。食洗機にもそれを応用出来ないでしょうか。私のイメージとしては、直径5ミリから1センチくらいのスポンジの玉を、まあ、茶碗に一杯分くらい、食洗機の中に入れて、水と洗剤と一緒に高速で噴流させる。スポンジの玉が食器に衝突し、汚れを取るのではないか。水流で洗うよりも、スポンジでこすって洗う機能を重視すれば、水流は少し弱くても済む、また、時間も短くて済む。要するに、省エネにつながるのではないか。
もう一つ、空想の部類に入るが。固形洗剤だが、初めはスポンジのように弾性があり、一定の時間が経つと水に溶ける洗剤を開発し、それを直径5ミリから1センチくらいの玉にする。簡単に言うと、粉石鹸を改良して、スポンジのように柔らかい玉にし、一定の時間が経たないと溶けないようにする。これをジェット水流に入れて使うと、食器にぶつかって擦りながら、だんだん水に溶けて小さくなる。つまり、こすり洗いから流し洗いからすすぎ洗いまで、全部やってくれる自動食器洗いが実現するのではないか。(2007.01.29)
食洗機雑感
1.茶碗などを伏せて置くので、糸底に水が溜まる。これからは、糸底の数箇所に切り込みを入れた茶碗が便利だろう。既に買ってしまった茶碗の糸底に切り込みを入れてくれる商売があるとよい。陶器を切る特殊な電気鋸を持って、団地や住宅街を巡回すれば、必ず繁盛するだろう。
2.食洗機の外壁の一部または全部を透明にして、内部で起きていることが見えるようにすると、利用者の理解が深まり、食器の並べ方を工夫する気になるなど、有効利用や設計改善に繋がるだろう。
3.食洗機は、今後、電気冷蔵庫や洗濯機と同じように、ほとんどの家庭に普及するだろう。その普及は、食器や鍋などのデザインに大きな変化をもたらすかも知れない。今までは、人間が手で洗うものは、真円の形が一番有利だった。また、縦に細長い形、内部に仕切りなどがある形のものは洗いにくかった。しかし、食洗機なら、そういうことはあまり関係ない。考えてみると、丸い小皿を3枚使う代わりに、3つに仕切られた四角い皿を使っても同じことなのだ。食洗機なら、皿を3つ入れるより、1つ入れる方が手間がかからなくてよい。また、鍋などは、取っ手の小さいもの、あるいは取り外せるものなどが売れやすくなるかもしれない。
173 硬貨の節約
32・38・171などの続きです。そんなことを考えているうちに、買い物をする時、お釣の硬貨の数が出来るだけ少なくなるように金を出す癖がついた。例えば買い物が763円の時、263円持っていれば、それと千円札一枚を出す。一円玉がなければ、265円出す。五円玉も一円玉もなければ、270円出す、などなど。店員がどう思うか観察しているが、店員は平気な顔で、例えば502円のお釣をくれたりします。自動販売機の場合も同じです。
考えてみると、多くの人がこのような硬貨の使い方をすることは、社会全体にとって非常によいことなのではないか。まず、財布が小さくて済む。一人一人の体が軽くなる。すると、電車や自動車の使用エネルギーが、わずかだが減る。また、店の釣銭箱が小さくて済む。実際、ある文房具屋でそういう払い方をしたら、釣銭に一円玉を使わなくて済むので助かると感謝されたことがあります。そして、巨視的に見ると、日本全体で保有する硬貨の数が、少なくて済む。クレジットカードがいくら普及しても、硬貨が不要になる時代は当分来ないでしょう。
最後に、こういうことがうまく出来るために財布をどう使うかが大切でしょう。紙幣を入れる財布と小銭入れを別にしたり、硬貨をばらばらにポケットに入れたりしないで、紙幣と硬貨をいつも一つの財布にまとめ、必要な種類の硬貨を必要な数だけすぐ出せるように財布を使う、またはそういう財布を作ることが必要でしょう。(2007.03.05)
174 つもり貯金
フジテレビ(8チャンネル)で、平日の朝十時から、今は「分かって頂戴」という番組名になっていますが、つい最近までは「答えて頂戴」という名前で、面白い番組をやっていました。ある時それを見ていたら、「肉親の好意に感動したり感謝した経験」というテーマで、こんな実話を紹介していました。
A子さんは、結婚を3ヶ月後に控えた若い女性です。ある時、居間のテーブルの上に、A子さん名義の預金通帳が置かれているのを見つけました。自分が知らない、自分名義の預金通帳なので、A子さんは何気なくそれを開いてみました。すると、
いついつ、お寿司を食べたつもり … 2000円
いついつ、ドレスを買ったつもり、… 8000円
…
…
などと、鉛筆でメモの付いた入金の項目が並んでいます。そのメモがみんな「…つもり」となっているのです。総額は500万円近く、しかも、通帳の欄外に、「目標、500」などと書いてあります。これはA子さんのお母さんが、A子さんのために貯金してくれているものにちがいありません。筆跡もお母さんのものです。娘の結婚のお祝いにプレゼントしてくれるのでしょう。A子さんはそっと通帳をもとの場所に戻しました。
三ヵ月後、結婚式の前の日、A子さんは、お母さんから500万円のプレゼントを頂き、大いに感激しました。そのときの感動は今でも忘れられないそうです。
こういう話です。私はこの話にたいへん感動しました。特に、この「…つもり」という発想が面白いと思いました。しかし、この話は、もっと面白い話になってもよいような気もしました。そこで、話の後半を次のように変えてみました。
三ヵ月後、結婚式の前の日、A子さんは居間のテーブルの上に、また、例の預金通帳が置かれているのを見つけました。お母さんに感謝しながら、中を見ると、貯金の総額はちょうど500万円になっていて、全額引きおろされています。ところが、A子さんが驚いたことに、そこにはこんなメモが書き込んであったのです。
いついつ、全額、娘にプレゼントしたつもり。
A子さんは今でも、あの500万円は何になったのだろうと考えるのです。
175 窓付き冷蔵庫
172の続き。冷蔵庫の扉も透明にして、扉を閉めたままで中が見えるようにすると電気代のロスが少なくなる。勿論、透明扉の外側にカーテンやスライド式の覆いを付けて中を見えなくする方法もある。
176 階段スミトルの発明物語
今回、生まれて初めて「実用新案登録」を出願するという面白い体験をしました。分かりやすく言うと、特許を取ったということです。そこで、その発明のスポンサー募集も兼ねて、ここにその話と製品を紹介しましょう。
103にも書いたように、家の中で埃の溜まる場所は、部屋の隅や大きな家具の裏や角の、空気の動かないところです。私はある時、娘が電気掃除機で階段を掃除しているのを見て、面倒な仕事で気の毒だなあと考えました。どこの家でも、二階家なら必ず階段があり、そこを掃除するためには、一段ごとに小さな踏み板とその角の埃を取らなければならない。部屋の掃除と比べて、面積が小さい割に仕事は面倒でしょう。階段の段数を数えてみると、十三段あります。階段の隅は、三つの平面が互いに90度の角度で接しながら一点に集中する窪みになっていて、それが1段につき2箇所、計26箇所あるのです。この窪みを掃除しやすくする方法はないか。
私は、古い年賀状を、一辺が4センチから7センチくらいの三角形に切り、階段の隅にセロテープで貼り付けました。こうすると、階段の隅の窪みが浅くなり、埃が溜まりにくく、また、掃除がしやすくなります。この場合、階段の掃除は、電気掃除機ではなく、箒を使ってさっと掃いた方が簡単です。また、隅を浅くして埃が溜まり難くしてしまえば、階段にはほとんど埃は溜まりません。何故なら、階段は常に人が行き来して空気をかき混ぜるので、隅以外の場所にある埃は空気に乗って移動し、結局は階段の下に落ちてしまうからです。私はこの発明の成果に満足し、この三角形の紙に『階段スミトル』、略して『スミトル』と名前を付けました。私は、家族全員がこの発明に感謝すると思っていましたが、そうでもありませんでした。しかし、発明家に対する家族の無理解などという話は、どこにでもあるので、その話は省略します。その中で娘だけが、「四角い階段を丸く掃けばいいんだね」と評価してくれたことだけは書いておきます。
さて、発明の仕事というものは、一つの問題を解決しただけでは完了しません。新しいことを一つ考え付くと、それに付随した問題が次々と生まれてきます。例えば、『スミトル』の形状は、直線で作られる正三角形ではなく各辺をわずかに内側に反らせた、少し尖った正三角形の方がよいのではないか。材料は、紙ではなく板の方がよいのではないか。また、階段の狭く窪んだ隅に三角形の紙をぴったりと正確に貼り付けることは案外難しく、どうしたら失敗なしに貼り付けることができるか。また、セロテープで貼り付けると、セロテープ自体が静電気を帯びて、逆に埃を集めてしまうのではないか。三角形の紙に糊代を付けたらどうか。そうなると、どういう糊代の形が一番いいか。また、どういう糊が一番いいか。などなど。実際に発明の仕事をしている人はよくご存知でしょうが、実験と作り直しの試行錯誤が延々と続きます。私は普通に生活しながら、時々その仕事に没頭していました。
そんなある日、私の家が建築後ちょうど十年経ったというので、建築会社の人が定期点検にやって来ました。私はちょうどよい機会だと思い、『スミトル』を設置した階段を見てもらいました。下の写真がそれです。
するとその人が、非常に肯定的な態度を示した、簡単に言うと、これは需要があるというようなことを言ったのです。私はそれを聞いて、これは何らかの特許を取っておく必要があると考えました。何故なら、特許を取っておかないと、この私のホームページに『スミトル』について書くと、そのアイディアを他人に横取りされてしまう恐れがあるからです。
それから私は、発明と特許の制度や法律について勉強を始めました。今までも私は発明家を自称していましたが、それは、ただ自分の思いついたことを学校の生徒に話して授業の息抜きにしたり、自分のホームページに書いて読者に面白く読んでもらおうという程度のことでした。ところが、思いがけないことに、今回の『スミトル』の発明は、今までの自己満足だけの発明ではなく、本当の発明の仕事の世界へ、否応なく私を引きずり込んだのです。発明という仕事は、個人の趣味を超えて、国家の産業の非常に大切な一部を構成しており、『特許庁』を作った高橋是清以来、大勢の先達がその法制の整備に努力を傾け、また、高峰譲吉、豊田佐吉、御木本幸吉、後は忘れたが、とにかく大勢の日本人が、『偉人』として特許庁のホールの壁面に肖像画を飾られ、歴史の教科書などにも載っていて、ひょっとすればノーベル賞を取るかも知れないほどの偉大な仕事なのです。
私は実用新案登録の出願書類の書き方をインターネットで勉強して、見よう見まねで何とか書き上げ、更に特許事務所を訪ねて弁理士の先生にその書類を書き直してもらいました。それがいかに大変かということは、実際に発明に携わっている人は既によく知っているし、また、それ以外の人は関心がないと思うので、省略します。
さて、私はすべての書類を整えて、2007年3月、旧暦で言えば如月(きさらぎ)の某日、虎ノ門の特許庁にその書類を出しに行きました。特許庁は、地下鉄の駅から五分くらいのところにありました。私が中に入ろうとすると、門番が制止し、「身分証明書をお持ちですか」と尋ねます。私はもう定職がないので、そんなものは持っていないと言いました。すると門番は、「では、名刺の様なものでもよいのですが」。私は生憎、たまたま名刺も持っていませんでした。しかし、ここを通り抜けなければ、出願することが出来ません。私は自分が、時ならぬ『勧進帳』の弁慶になって、関守の富樫と対決しているような気分になりました。
私は出願書類を出し、この書類は本物なので、どうか通してほしいと頼みました。しかし、中身を見せるわけにはいきません。発明に関する書類は、特許庁の出願受付済みのスタンプをもらうまでは、内容を秘密にしなければならないのです。関守は私の書類を横目で覗き込もうとしていましたが、私がハッと気が付いて隠したので、諦めました。そして、急に刀の柄(つか)に手を掛けて、「よろしい。では、私の質問に答えられたらここを通してあげましょう。あなたは特許庁の本当の名前を知っていますか。それを、早口で三度言えたら、ここを通ってよろしい」と言うのです。
私は何となく筋書きが分かったので、「はい、では言います」と言って、大きく息を吸ってから、なるべく落ち着いて、「東京特許許可局。東京特許許可局。東京特許許可局。」と言いました。すると関守はなぜかにやっと笑って、「ふふん、あまり上手ではないが、武士の情、ここは見逃してあげましょう」と言って、やっと通してくれたのです。私は虎ノ門で、虎の尾を踏み、毒蛇の口を逃れたる心地がしました。ともかく、こんな苦心の結果、次の番号と名称の登録証を獲得しました。もちろん、その内容は特許庁のホームページの中の『特許電子図書館』で見ることが出来ます。
【登録番号】実用新案登録第3135465号(U3135465)
【考案の名称】角隅部設置部材および角隅部設置部材を設置して成る階段構造体
【登録日】平成19年8月29日(2007.8.29)
さて、これも発明の世界では常識ですが、といっても、私自身もそのことを今回初めて知ったのですが、発明というものは、思いついたらすぐ儲かるとか、特許を取ったから偉いとか、そういうものではありません。特に、実用新案などは、誰でも、どんな思いつきでも出願出来ます。それどころか、一旦現実の発明や特許の世界に踏み込むと、自分の発明を世の中に売り込んで金を儲けないと、逆に金を失うことになるのです。現に私の今回のケースだって、発明についての勉強に掛けた時間や労力は別としても、具体的に弁理士と特許庁に、かなりの金を支払っています。しかし、今のところ私のアイディアは一銭の金にもなっていません。つまり、簡単に言えば大損の状態にあるのです。もし自分の発明が儲からないと初めから分かっていれば、特許庁に出願などしない方がよかったという理屈になります。こうして私は、否応なく、「発明の売り込み」という仕事に追い込まれてしまいました。これが又、たいへんな仕事です。(続く)
さて、今日は2011.07.10
この発明を実用新案登録した日から約4年が経ちました。今年の
3.11に東北大震災と福島第一原発の事故が起き、今、節電が全国民の大きな課題になっています。今までの、電気使い放題の生活が根本から見直されるようになったのです。この動きは、『スミトル』にとっては追い風になりそうです。そもそも、階段を電気掃除機で掃除しようとすること自体が、かなり面倒なことではないでしょうか。箒という安くて軽くて便利なものが昔からあるのです。最近の論調の一部を利用して言うと、階段の掃除に電気掃除機を使うという誤った発想自体が、『オール電化政策』を推進し、原発を日本中に増やして大儲けしようとしてきた電力会社やその黒幕の陰謀かも知れない。それはともかく、階段を掃除するには電気など使わない方がよいし、箒と『スミトル』とは非常に相性がよいのです。考えてみると、まず二階のゴミを箒で掃いて階段に集め、階段を掃いてゴミを一階に集め、そこで電気掃除機を使うというのが便利な掃除法かも知れません。
この文章の前半を読めば分かるように、『スミトル』を考案した当時、私は「節電」、「電気掃除機より箒」という視点はあまり意識しませんでした。しかし今の社会情勢の下では、節電こそむしろ『スミトル』の大きなセールスポイントになり得るのではないか。そういう考えで、もう一度『スミトル』の宣伝に努力しようと思います。
2011.08.15。
インターネットで発明の売り込み法についていろいろと調べているうちに、面白い一節を見つけました。そこにはこう書いてあったのです。
「発明で金儲けをしようと考えるより、むしろ宝くじを買った方が、金を儲ける確率は高いですよ。」
更に宝くじについて、私はこんな話を昔聞いて、授業で使えるなと思ったことがあります。
「一人の人間が宝くじで一等に当たる確率より、一人の人間が交通事故に遭う確率の方が何倍も高い。つまり、宝くじで一等に当たるためには、何度も交通事故に遭わなければならない。」
この二つの命題を合わせるとどうなるか。誰でも分かるでしょう。発明で金を儲けるためには、交通事故に十何回も、あるいは何十回も遭わなければならないということになるのです。私は不運なことに、いや、幸運なことに、交通事故にまだ一度も遭ったことがありません。特に自転車の運転は得意で、もちろん60年間無事故です。しかし、スミトルの発明で金を儲けたら、大変なことになります。交通事故に、十何回もまとめて遭わなければいけないのです。その時の対策を今から考えておかなければ…。
2012.06.25。最近、NHKの英会話のテキストで勉強していたら、次のような一文に出会いました。
Everything
that can be invented has been
invented.(これから発明されるはずのすべてのものは、すでに発明されている。)
177 安全な飛行場
139の続きです。また飛行機の着陸失敗の事故が起きました(2009.03.23)。強風の日、成田空港に着陸しようとした貨物機が乱気流の一種のウインドシア(windshear)というものに巻き込まれて横転・炎上し、乗組員二人が死亡したという事故です。貨物機だったので、乗客がいなかったのが不幸中の幸いでした。飛行機にとって一番の鬼門が着陸であり、次ぎに離陸、一定の高度で高空を巡航している時は、もっとも安全なのでしょう。やはり飛行場、特に滑走路というものを考え直す必要があると思います。現在の滑走路は、屋根も囲いもない、ただのむき出しの地面です。飛行場は全世界に散らばっています。強風も吹くし、大雨や大雪も降り放題、大粒の氷(ひょう)だって降ることがあるでしょう。鳥だって、あまり高い空にはいないでしょうし、地面に近いほど、吸い込む危険性も高いのではないでしょうか。屋根と壁の付いた、全天候型の飛行場というものが一つでも作られないでしょうか。
178 眼鏡クリーナーは駅のホームに
眼鏡屋さんの店先の眼鏡クリーナーは、駅のホームに置けないでしょうか。そうすれば、電車を待っている時間が有効に活用できる。そこに眼鏡屋さんの名前を書いておけば、駅に看板を出すよりもっとよい宣伝になるのでは。そんなことを考えていた時、たまたま眼鏡屋の店先で眼鏡クリーナーの水を替えている店員がいたので聞いてみた。そうしたら、駅は遠いので、水を替えたりする手間が大変になるという話。それなら、一日に一回水を替えればよいようなクリーナーを作ったらよいではないか。
179 T字路の交通制御への疑問
片側一車線のT字路を歩いていて、ふと考えた。T字路を直進で通過する道をA、T字路で行き止まりになる道をBとしよう。Tの字で説明すれば、上の水平の直線がA,縦の直線がBです。そこで、Aから左折してBに入ろうとする車は、なぜ赤信号で止まらなければならないのか。別の言い方をすれば、Aから左折してBに入ろうとする車は、いつでも左折してもよいのではないか。
もちろん、一車線で、自分の車の前に直進車が止まっていれば左折は出来ない。しかし、道路が空いていて、たまたまそのT字路にやってきて左折しようとしている車が、赤信号で止まることはよくある。そういう場合、止まる必要はないのではないか。つまり、直進は不可だが左折は可という信号を出すべきではないか。あるいは、「赤信号でも左折は可」という標識を信号の下に付けるだけでもよい。また、左折車が直進車に邪魔されずにいつでも左折できるように、Bと反対側の車線の幅を多少狭くしてもB側の車線を左折と直進の2車線にするべきではないか。
蛇足だが、Aの信号が赤になっている時、Bの横断歩道を渡るための信号は赤になっています。また、Aを渡る横断歩道の歩行者を優先することは、一般的な原則と同じです。この話は文字どおりT字型をした交差点に限らず、一般的な三叉路にも適用されます。
その後、片側二車線の道路ならどうだろうかと、近くの幹線道路のT字型交差点を見に行ったら、やはり左折車は直進車に混じって赤信号で止まっていたが、台数は非常に少なかった。こういう所ではT字路の少し前から二車線のうちの左側の車線を左折専用にするということは意味がないだろう。しかし、左折する車が非常に多いT字路なら、費用対効果の面で、引き合うかも知れない。(2009.10.23)
今日(2009.10.28)、たまたま自転車で世田谷通り(東京都狛江市の和泉多摩川と世田谷区の三軒茶屋を結ぶ通り)を走っていたら、私の提案がぴったり当てはまる交差点を見つけました。「新一の橋」(狛江市岩戸あたり)という交差点です。ここでAに当たるのは世田谷通り、Bは「いちょう通り」という名前でした。三軒茶屋に向かってこの交差点に差しかかる世田谷通りは直進専用車線と左折専用車線の二車線になっていて、左折する先のいちょう通りは片側一車線、上下二車線です。この交差点を左折していちょう通りに入ろうとする車は、やはり赤信号で止められていました。三軒茶屋方面からこの交差点に来て、右折していちょう通りに入ろうとする車との優先関係や、信号を変えるタイミングなど、細かい問題はあるでしょうが、基本的には赤信号でも左折できるはずです。
この交差点の脇に立ってしばらく観察したが、左折車は非常に少なく、百台に一台くらいでした。T字路でAからBに左折する車が少ないというのは一般的に言えることかも知れない。しかし私が最初にこの論を思いついた私の家の近くのT字路は左折車が多い。いずれにしても、私は原理原則を提起しただけで、具体的にどのT字路をどういう信号にするという個々の問題は、専門家に任せます。
もう一つ別の提言。十字路で、右折車を通すためにわざわざ信号が変わる時間を調節してあるところがたくさんあるが、その場合、右折車とちょうど反対の動きをする左折車も通していいのではないか。
180 お掃除ロボットの形状
103の続きです。テレビで、お掃除ロボットのお掃除ルンバというのを見て、まだまだ実用には遠いような気がしました。学校の教室のような真っ平らな床なら効率がよいでしょうが、家庭の床というのは色々なものが敷いてあったり置いてあったり…。もう一点。埃は隅に集まるものです。ルンバの形は丸ではなく四角、いや、三角、それも各辺が弧になった、尖った三角が理想でしょう。
181 超低速回転機能の付いた掃除機
103と180の続きです。超低速回転の機能を備えた掃除機を作ったらどうでしょうか。電気代は小さな蛍光灯を付け放しにした位しか掛りません。それを部屋の隅の埃が集まりやすい所に置き放しにするのです。埃は部屋の空気の動きによって動き、その場所に来ると掃除機に吸われる。時々、置く場所を変えてもよい。案外効果があるかも知れません。(2011.01.09)
182 方舟(はこぶね)ビル
3.11の東北・関東大震災以来、原発の事故も重なって、悪夢のような春が続いています。被災地では、住宅地を海岸から離れた丘の上に移す計画が考えられているそうです。大変よいことだと思いますが、津波は今後も、日本中どこの海岸を襲ってくるか分かりません。そこで私が考えたのは、ビルを舟になるように設計することです。市役所・警察署・消防署・大きなデパート・マンションや団地などの集合住宅のビルを方舟になるように作る。具体的に言うと、初めから窓が開かないように、密閉構造にする。スイッチ一つで出入り口を密閉できるようにする。または、出入り口は最上階や屋上に作り、人はビルの外部に取り付けたエレベーターなどで出入りする。津波が押し寄せたとき、衝撃は受けるでしょうが、ある程度以上の大きさのビルであれば、中にいる人や機材はそれほど大きなショックを受けないでしょう。流されないように、長い鎖などで地面と連結しておくとよいかも知れません。また、方舟ビル同士を長い鎖などで連結しておくことも考えられます。こうすれば、山に近いところに住んでいる人は山に逃れ、町の中心近くに住んでいる人は方舟ビルに逃れればよい。この後の詳しいことは専門家に任せます。(2011/04/14)
ここに書いたアイディアはまったく無意味だということに後で気づいたが、このままにしておこう。まあ、発明に失敗は付き物だし、これを読んだ人がもっとよいアイディアを生みだすヒントになるかも知れないから。(2011/06/08)
183 原発船・ラジコン機器
原発を船の上に乗せたらどうでしょう。原子力空母、原子力潜水艦などは既に出来ているのだから、原子炉を船に乗せることは既に技術的には可能なわけだし、これらの船の中では小規模な原子力発電も行われているのかも知れません。そこに更に大きな発電機を乗せるだけです。そういう原発なら、地震からも津波からも被害は受けないでしょう。台風も心配ありません。進路を避けて航行させておけばよいからです。(2011/04/14)
ここに書いたこともあまり意味がないことに気付いたが、上と同じ理由でそのままにしておこう。それより、
『免震構造の原発を造る』というアイディアはどうでしょう。(2011/06/08)
万一に備えて無線偵察機などのラジコンロボット兵器、機器を用意することの必要性は、今回しみじみと感じさせられました。ラジコン偵察ヘリ、ラジコンブルトーザ―、超小型ラジコン偵察車、ラジコン放水車、ラジコン消防車、ラジコン作業車、その他色々。また、大きくて重い機器は分解しておけば、日本国中、いや、世界中どこへでも飛行機で運べます。そして、アメリカのシステムを真似れば、東京からでも無線操縦できるはずです。それに、「ロボット」の分野は日本が最も得意とする分野のはずです。片足ケンケンや縄跳びが出来るロボットも悪くはないが、原発の中で放射能を気にせずに仕事をするロボットの方が緊急の課題ではないでしょうか。こういう主張をすると、戦争につながると言ってその意図を疑う人がいるが、戦争のための武器と平和のための機器とは、本質的に区別できないのです。今回の事故の教訓を生かせば、日本の原発を世界一安全なものにすることも不可能ではない。少なくともその技術は持っているはずです。(2011/04/14)
今日、日本製のラジコン原発偵察車のようなものが急遽完成し、さっそく利用されたというニュースを聞きました。3.11
から三か月も経っていない。日本は、原発事故に対処する方法や機器を作り出す技術も知識も持っているのです。日本が原発を全廃すれば、これらの技術は無駄になり、開発も研究も止まってしまいます。これからの世界にも、原発は増え続ける。アメリカ、フランス、ロシア、中国、インド、イギリス、カナダ、北欧、韓国、台湾、東南アジア、そして将来、東欧、南米やアフリカも可能性があります。世界の事故対策に貢献するためにも、原発の全廃は避けた方がよいでしょう。(2011/06/08)
184 都市の道路の渋滞を緩和する
東京の吉祥寺駅の北口から成蹊学園前まで十分間ほどバスに乗って、道路における自動車の通行を遅らせるものは何かを観察すると、一番目につくのが、路上の一時停車であることは、誰も異論がないでしょう。これは、商店の前などにライトバンなどを一時停車させて、商品の積み下ろしをしているのですが、運転手がいる状態で、一定の短い時間ならしてもよいと法律で認められています。ちょっと調べたら一定の時間というのは五分以内ということらしいが、そんなものが守られているとはとても思えないがここではパス。しかし、合法だろうと違法だろうと、とにかく停車している車の幅だけ道路が狭くなるわけだから、他の車の通行に支障を及ぼすのは間違いありません。特にバスやトラックなどの大型車は非常に通りにいので、その他の車も全部影響されます。これをなくすには。
1.車道と歩道にまたがって駐車できるようにする。車道と歩道の間に柵がない場合は既にやっているかもしれないが、柵がある場合は、それを取り外しが可能なように直し、鍵をかけ、鍵の管理をその前の商店に任せる。
2.その商店の近くに別の商店や医院、事務所などがあり、それが広い玄関先のようなものを持っていて、たまに駐車のために使っているようなことがよくある。そこが空いているときは使わせてもらうように、約束しておく。
3.その商店の近くに個人所有の駐車場がある場合もよくある。その駐車場のその時間に空いているところを、一時間くらい使わせてもらう約束をしておく。駐車場というものは、昼間は多くの車が出払っていることが多いので問題ないでしょう。
1.2.3.いづれの場合も、警察の指導、または若干の法改正が必要になるでしょう。
また、2.3.の場合は、個人の土地の使用権、貸借権などの問題をどう扱うか、微妙な問題もある。また、たまたま約束していた場所が使えなくなった場合は、今のような路上の一時停車も認めることも必要かもしれない。
いっそ、この種の路上停車を全部禁止してしまえば、商店は金を出し合って駐車場を一か所借りたり、その他とにかく自助努力で工夫して、それが出来ない商店は淘汰されるということになるのかも知れません。
いや、むしろそれは反対で、そもそもその町の道路が渋滞するということは、住民にとって、特に商店、事務所、病院などにとっては「損」なことです。だからお互いに話し合って積み下ろしのための停車場所を融通し合うことで、かなり問題が解決できるかも知れません。
185 電車の乗り降りの時間を短縮する
「…一つのドアの前に固まらず、周囲を見回して、少しでも空いているドアを選んでお乗りください」
電車が駅に止まって乗客が乗り降りする時、ホームにはいつもこういうアナウンスが流れます。私もなるべく空いているドアーを探して乗ろうとはしていますが、いったん並んだ列から離れるというのは案外面倒な気がするものです。周りを見回すと、そんなことには全然無関心な乗客も沢山います。また、最近は、車椅子・ベビーカー・大きな荷物を出し入れする人などが急に出現し、予測通りのタイミングでドアから乗車できないことも多いようです。
解決策 乗客がホームに並んで待つ位置を、ドアの前ではなく、ドアとドアの中間にしたらどうでしょう。後の説明はすべて省略します。鉄道関係の方たちだけでもこれを意識してもらい、ご家族・友人などに広めて頂くとよいと思います。私は、自発的にこれを実行しています。また、知り合いと一緒に電車に乗る時は、この方法を推奨しています。