『新曲のための研究講座』プログラム兼パンフレット



ここに載せたのは、昭和42年(1967)に現在の『関東学生三曲連盟』の前身である『学生三曲連盟』の主催で開かれた
演奏会『新曲のための研究講座』の本プログラム兼パンフレットです。この『研究講座』は、その後、『関学三』の主催で開かれるようになった
『現音祭』の先駆けになった活動だったと私は考えています。私は長いことこのプログラムを紛失していたのですが、
最近、事情があってこれが必要となり、先輩からそのPDFファイルを分けていただきました。ここで言う「新曲」とは「現代邦楽」という
意味で、当時、その言葉さえ一般に定着していませんでした。

演奏会のプログラムは、パンフレットの終わり近くにありますが、ここに出演者だけを簡単に紹介すれば、
講演が野村良雄(東京芸術大学教授)、
演奏が、「邦楽四人の会」(後藤すみ子、矢崎明子、菊地悌子、北原篁山)、高畑美登子、横山勝也、鶴田錦史、杵屋正邦門下の
杵屋静子、杵屋五峰の諸先生で、学生でしかなかった私たちが、おそらく学生三曲活動の歴史上初めてこんな意義ある会を開催できたのも、
この先生方の多大なご厚意のおかげと、今も感謝しております。
また、この方々に出演をお願いしたことは、現代から振り返っても歴史的評価に耐え得ると思っています。

このパンフレットは、現代邦楽のこの五十年の歩みの、ごく初期における現代邦楽界と学生邦楽界の動きと思索を記録した
貴重な歴史資料と考えますので、ここに公開することにしました。現代の邦楽愛好者、研究家、学生諸君が熟読して参考に
していただければ幸いです。

なお、パンフレットの中の論文『宮城道雄私感』を書いた北川虚籟はその時だけの私(山戸朋盟)のペンネームで、『現代伝統音楽批判序説』
を書いた山本浩忠は私の友人のペンネームですが、本人の承諾を得る機会があれば、本名を公表しようと思っています。