絶滅危惧種みくりについて
多年草で水湿(抽水性)植物です。本来は日本全土に分布し大きいものでは高さ2m近くにもなります。葉幅は15mm位の(ミクリ)から5mmくらいの(ヒメミクリ)のものまで、ミクリ属は約10種ありますが、殆どの種がレッドデータブックに記載されています。
地下茎を延ばししばしば群生します。葉はショウブやガマの葉に良くにていますが表面は平坦で裏面にのみ稜があります従って断面は三角形を呈します。
夏になると茎の基部から花茎が伸び、分枝したそれぞれの枝の下部に雌性頭花,上部に雄性頭花をつけます。小さいながらもその果実が栗に似ていることからこの名があります。
減少の原因は河川開発、水質汚濁,農薬汚染などが考えられます。
ミクリ・ヤマトミクリ・ナガエミクリ・ヒメミクリ・オオミクリなど
1999年6月にかけて撮影した〔ミクリ科ミクリです。〕

撮影地埼玉県北本自然観察公園
絶滅の危機に瀕している動植物は多くありますが、特に治水工事、護岸補修により水辺環境の改善????により水性植物の数が激減してしまいました。
埼玉県内では保護されずに自然環境に見られる固体は殆どありません。
何故かミクリを専門的に観察・保護する人たちが多くいます。極めて珍しくなってしまったこともありますが、その名がちょっと愛らしさを感じさせるためでしょうか。

本来は繁殖力も生命力も非常に強い植物に思えます。
しかし、岸辺がコンクリートで固められ水流が激しくなり生活廃水やゴミにいじめられ、夏草と共に刈り取られ減少してきたのでしょう。