柿崎町は芋島（いものしま）地区にあるこの名刹は、柿崎和泉守景家の菩提寺として知られている。
彼の上杉謙信を育てたと言われる天室光育（林泉寺）を後に招いた、かなり格式の高い寺である。
柿崎和泉守景家（かきざきいずみのかみかげいえ）って人は・・・
上杉謙信の部下で柿崎地区の豪族であった。
勇猛果敢、豪放磊落。川中島の合戦の際、先陣を切ったと言われる。
でも、その後謀略に破れ（？）景家は、処刑。一族は流転の日々を送り、やはり謀略で内部抗争させられ、生き残りは家名を再興したものの、その力は大幅に削がれ、やがて柿崎の地を離れていった・・・故に現在、柿崎町に柿崎姓のものは居ない（北海道に移住したそうな）。
物語などには悪人（謙信を裏切った？）に書かれてる人だが、そんなに悪い人ではなかったと、地元民は強く主張している・・・まっ、その方の菩提寺ですので、一応墓があったりします。
楞厳寺は、その格式故か勉学の地としても有名、多くの者がこの寺で教えを請うたという。
その名残なのか境内にある石碑には、「酒を飲んでの入山を許さず」といった文字まで刻まれている。
上の写真は楞厳寺の惣門である。言い伝えによると、この門は柿崎氏の居城、柿崎城（木崎城）の者を移築したとのこと。
城のあった木崎山は、現在の柿崎インターチェンジであり、その面影はほとんどないのだが・・・
もし本当なら意義深い門である。
柿崎町の役場庁舎の隣に、この不思議な空間は存在する。
ここは教会ではない。れっきとした浄土真宗のお寺です。
インドバゴタ様式といわれるその造りは、ハッキリ言って良く解らない。
十字架付ければどう見たって教会。
でもちゃんと本堂内には畳が敷いてある！
このような外観故に、以前より話題になっていた寺ではあるが、
如何せん田舎なもので、いまいち有名には成れないのです（笑）
ちゃんと浄土真宗であるからして、その境内には壇家の墓石が立ち並んでいます。
ハイ、普通の墓石です（笑）
このお寺は結構ないわれがある寺なんです。
昔、親鸞聖人がこの地に立ち寄った際、この地に宿を求めたのですが断られ、仕方無しにその辺にあった石を枕に夜を明かしたとか。
この石を「御枕石」として奉ってるのがこの寺です。
昔はこの寺の参道脇に「御枕石」があったのですが、町道拡幅などでその地を移され、現在は寺内に奉られてます。
それにしてもこの外観ですので、小学生達の写生には、良い題材になっています。
かく言うhorakaも小学校の時に、この寺の石段を描き、何とか賞をもらったことがあります。
当時はもっと古びた外観だったのですが（趣があった）、外装工事でちょいと綺麗になりすぎた感があります。
まぁ、柿崎のトワイライトスポットではありますね。
柿崎町の有名なイベントに、「お引き上げ」というのがありますが、
そのメイン会場です。（例年６／２０〜２２）
そもそも「お引き上げ」というのは「報恩講お引き上げ」というのが正式で、
親鸞聖人をお祀りする催し物なのですが、その時期を農繁期などから外すため、季節を引き上げて（ずらして）行われたことから「お引き上げ」と言われるようになりました。
つまり「お引き上げ」は、柿崎やこの寺に限ったことではなく、どこの浄土真宗のお寺でも行われているものなのです。
（前述の浄善寺でも、行われている）
ところが、柏崎の「閻魔市」と同じく、柿崎町の「お引き上げ」も、縁日的要素が強くなっています。
まぁ、一回ぐらいお参りしておきましょうよ（笑）
この浄福寺、史跡的なものもありまして・・・
明治天皇が全国を巡幸された際、この境内に滞在されたのだそうです。
以後その地を玉垣で囲い、保存していたそうなのですが、消失してしまい、現在は石造りで保存してます。
（だからって何か意味があるのか？）
その旨をなんと文部省が説明した表示があったりします（神様扱い？でも仏教の寺なんだけど）
この寺は柿崎町内でも高いところで、この周辺の道で「お引き上げ」の際、縁日が開かれます。
隣に諏訪神社もありますので、二年参りや初詣にはもってこいです（笑）
地域密着なお寺と行ったところでしょう。