私は戦ってきた。 ゾンビと戦ってきた。 戦ってきたというのは、なにもゲームの中だけのことではなく、夢の中でも戦ってきたし、あるいは現実の世界でもゾンビ犬と戦おうとしたぐらいである。(勘違いだったんだけど) どうも子供の頃、青い顔のゾンビが人の足を「ガブッ」と咬む映像を見て以来、私はゾンビと戦う宿命を背負わされたらしい。 ゾンビはいわば私の宿敵なのだ。 かといって、「『宿敵』と書いて『とも』と読む」などとは決して思っていない。 私はゾンビが大嫌いなのである。 あんなにイヤなものもない。 何がイヤって、あいつらは増える。 どんどん増える。 初めのゾンビをやっつけ損なうと、もう手のつけようがないほど増えてしまうのだ。 人間の肉を喰らいたいのは許容するとして(いや、しないけど)、途中まで食べて止めるなよ、全部食えよ、といいたい気持ちである。(いや、食われるのはイヤなのだが) ジェイソンやブギーマンと戦って勝つ自信はあっても、ゾンビの大群には勝てないだろう。 しかし、ゾンビも死んでくれるゾンビなら良い。 (ゾンビは既に死んでるんだろうけど) むしろやっつける方法のあるゾンビの方が一般的かもしれないが、やっつけられなかったら悲惨である。 特殊な例を持ち出すのならば、映画『バタリアン』にでてくるゾンビは細胞単位でゾンビ化しているので、どうやっても死なない。 仕方がないので燃やしてみたら、ゾンビ化物質が空気中に飛んで、町中ゾンビになる有様。 おまけに知能があって、人間騙したりするので、ゾンビ不信になってしまいそうである。 あんなゾンビはイヤだ。 じゃあ、『バイオハザード0』のゾンビはどうなんだ? 私たちは知りたくて仕方がないはずだ。 だから私はここに記しておかなければならないのである。 奴らはとても良いゾンビなのだ、と。 ピストル4発ぐらいで死んでくれるし、一度にゾンビ化せず、時間差で少しずつゾンビになってくれる。 まことに人に優しいゾンビなのである。 時々陰に隠れていたりするのはご愛敬。 こんなゾンビなら戦えると思った。 |