もういい加減しろ!って思うんだ。 ループだの、シフトだの、いつまでそんな話しとんねん。 おんなじような話ばっかりで飽きたという部分もあるのだが、それ以上に私が歳をとって、自分の死を意識するようになったせいもあるのだろう。 人生は一回きり。 取り返しがつかない一瞬一瞬の積み重ねですよ。 上手くいくまで何回でもやり直すとか、そんな話は受け入れられない。 それでも、そんな話が大人気で、それがなくてはゲームが創れないというなら、まあ、我慢しても良いよ。 ホントにそうならね。 これから『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』について書こうと思っているのだが、シリーズものだから隠す必要はないような気はしている。 何も知りたくない方はここから読み進めないで欲しい。 『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』は脱出ゲームとして面白かった。 最初に部屋を見渡すと、5〜6個怪しい装置が見つかるのだが、どこから手を付けて良いのか分からないので、ちょっと壁を感じる。 ところが、一つとっかかりが見つかると、そこから芋づる式にズボッズボッと謎が解けていくのが気持ちいいな。 所々、文字入力があるのも、オールドファンにはたまらない。 ターゲットが小さすぎて指でタッチするのがシンドイところはあったが、それを差し引いても面白かったと言える。 今どき、クオリティの高い脱出ゲームってなかなか発売されないから、これは貴重な存在だと私は思う。 お話とも絡んでくるシステム面にも最初は驚いた。 90分ごとに記憶が消去されるところがミソで、時間が不連続だと思わせて、実は世界自体が不連続だってのが上手いところではないか。 最初はワケが分からないが、パートパートは独立しているから、とりあえずは困らない。 バッドルートも全部通る必要があって、そこで得た情報を正解ルートで使うってあたりはちょっと目新しいかもしれないな。 全部経験しなければいけないから、事実上一本道のようなもので、時間稼ぎに必然性を持たせたとも言える。 時間稼ぎといえば、音声が一行ずつスキップできないのには辟易した。 たぶん動画との同期のせいなんだろうとは思うが、標準的なアドベンチャーゲームなんかよりはかなり時間が掛かったな。 それはいいよ、時間稼ぎが必要なら。 その上、お話が納得いかなくても我慢する。 「鶏と卵」的な話にも目をつぶる覚悟はあるんだ。 しかし、だ。 実際のところ、全然売れなかったらしい。 2機種合わせて初週一万本レベルだったことにはさすがに驚いた。 ゲームが、特にアドベンチャーゲームが売れなくなったとはいっても、「逆転裁判」や「ダンガンロンパ」は20〜30万売れるのに。 私がプレイしてみた感触として、20分の1って俄には信じられないな。 それでも現実を受け入れるなら、そこから導き出されるいくつかの事実があるだろう。 ゲームにお金を払ってくれる人が必ずしも狭義の意味でゲームをしたいわけではないし、いまとなってはループものに訴求力があるわけではないし、多少グロが入っているからといってたくさんの人が喜ぶわけじゃない。 売れてる作品との差を考えるなら、やっぱり愛されるキャラクターが必要なんだろうな。 殺すにしろ、殺されるにしろ、プレイヤーが思い入れを持ったキャラが何かしらをしないとプレイヤーはお金を払う気にならないんじゃないか。 売れているゲームを真似ろと言っているわけではないが、真似ても別にイイじゃん。 大切なことは、ゲームが発売され続けることだからね。 仮にそれが体裁としてのゲームであったとしても。 <余談> 調べたら、書いてる人が『パンチライン』と同じ人だった。 道理で、またかと思うわけだ。 |