イース7

満足度第1位って 2009_10_28

 

「満足度第1位」という広告を出しているゲームがある。
その名も『イース7』。
まだ続いていたのか、と驚くほど古くから続いている作品である。
ドラクエやFFが毎回リセットされた内容であることを考えると、日本のゲームで最も古くから続いているシリーズかもしれない。
私の記憶によると、「イース」シリーズは途轍もなく膨大な1つの冒険譚の部分部分を切り出した作品、という設定だったハズだ。

懐かしさもあるし、久々にやってみるかなと発注してから、あれ?満足度第1位って何をもって第1位と決めたのかな?と疑問に思った。
よくよく見てみると、Yahooゲームの満足度週間ランキングで1週だけ第1位だったようである。
メジャーなタイトルがないときに公開して、全米第1位と宣伝文句に使うハリウッド映画みたいな感じがしないでもない。
なにやら不安な気配が・・・。

やってみると、オープニングの出来は極めて悪いな。
スタートしてから、すぐ何もイベントが無く、妙に間延びした町中をブラブラさせられる。
何がフラグなのか分からないが、イベントが始まるまで15分ぐらいかかってしまった。
ちょっと考えられないな。
普通は強制イベントから始まるものだが。
しかも、町中をブラブラしていると気付くのだが、ちょっと広い、というか、画面内に表示されている情報量が疎だ。
もっとコンパクトに一画面に沢山の情報が入るように描いた方がいいんじゃないかと私は思うのだが。

チュートリアルも個別にチュートリアルのパートを儲けてあるあたりは、非常に前時代的だ。
イマドキは、ストーリーの中で必要なことを必要なときに必要なだけ、ステップを踏んでプレイヤーに伝えていくのがもはやスタンダードになりつつある。
最初に全部まとめて説明する、というのは非常に古くさい感じがするな。
やりたくなくて、チュートリアルを読み終えるのに二日かかってしまった。

最初の30分、非常に印象が悪い。
続き物ということで導入部分が端折られているからなのか、或いは創り手がPC文化でやってきた人達だからなのか。
フィールドが間延びしている分、アクションが速くて、戦闘に爽快感はありそうだけど。
プレイしていけば印象が変わるかもしれないので、この話はクリアするまで載せないことにする。



距離=速さ×時間 2010_01_06

 

どうせやるなら据え置きが使えない引っ越し中にやろうと思いつつ、結局しばらく放置してしまった。
久々にやるとまったくストーリーが分からない。
しかし、意外に面白いな。
これはファーストインプレッションと全然違う。

街の中なんかは画が間延びしているように感じるけど、フィールドに出るとそれが利点になる。
移動距離が長い分、早く動けるからな。
凄くスピーディー。
雑魚と戦ってるだけでも結構楽しい。

ボスキャラになるとその利点が更に活きる。
巨大なボスキャラを1画面に入れながらも、その広範な攻撃をダッシュでかわしつつ攻撃する事が出来るのだ。
画素が細かく画面が広いPSPの特性とファルコム伝統の巨大ボスが上手くかみ合った作品になってるな。

距離=速さ×時間だから、実は距離が短ければスピードを遅くすれば良いだけである。
DSのARPGが何となくモッサリしているのは、処理速度の問題だけじゃなくて、画面の狭さ、画素の荒さに起因する部分もあるはずだ。
画素の荒いとキャラクタを小さく表示できないから、一画面に納めきる範囲がどうしても狭くなる。
その分、動作を遅くして、バランスを取らざるを得ないからだ。

ただ、どうせ同じなら早く動いた方が気持ちいい、なんか凄いことをやっているような気がする、というのはあるだろう。
そういう意味では、PSPにおいてこの『イース7』の縮尺は正解だな。
ボスキャラ倒したときの満足感は、これに勝るゲームを思い出すことが難しいほどである。

やっぱりPC文化の匂いはどこまでもついて回るけどな。
建物の縮尺とかはもっと縮めてもイイだろ。
街ん中では戦闘しないんだから。
移動速度が速くても、一画面に入っている情報が少ないので、一見したときのメンド臭い感が非常に強く感じられて仕方ない。
もうちょっとコンシューマー寄りのバランスを、と思うけど、そうすると良さが死んじゃうかもしれんから、あんまり強くは言えないか。



<後日談 2010_01_10> 

いや、凄い。
このゲームやると目が見えなくなる。
たぶん集中しすぎて、目の筋肉が固まっちゃうんだろうな。
ラスボス戦とか一時間戦い続けて、もうマジで今ブラインドタッチって感じ。
字が全然見えません。
目がイイのが自慢だったから、見えないって事がこんなんだとは知らなかった。
見えないって辛いな。

しかし、あんだけ戦うと感動せざるを得なかった。
ちょっとあざといような展開なんだけどな。
アレで感動しちゃうのは、自分でやってる感じがするからだろう。
満足度第1位は伊達じゃない。

あえて言うと、これをクリア出来なかった人は口をつぐんじゃうから、評価が高くなる可能性もあるけど。
歯ごたえのあるゲームをゲーマーは褒めたがるからな。
これを出来ませんでした、とは言えないよ。
だから、私も目が見えなくなるまでやったんだ。


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