私は3DSの設計に発売当初から疑問を持っている。 3Dをメインに据えようとしたため、タッチパネルのついていない上がメインになってしまい、下がどうしても従属的な使い方になってしまう。 最近では任天堂自身があまり3Dをプッシュしなくなったところをみると、やっぱり失敗だったと思ってるんじゃないかな、開発した連中も。 3DSの使い方の中でも、上を見ながら下を差分入力で使うのが一番マズイ。 せっかく操作対象そのものをタッチする使い方をDSで提唱してきて、今やスマホ・タブレットなどでも主流になったというのに、自ら後退してしまうという愚かさ。 かといって下を使わないと、上だけではPSPに毛が生えたぐらいのパフォーマンスしか発揮出来ないし、下をメインで使えばPSVitaに遠く及ばない。 だから3DSを活かすには、上下をどう上手く組み合わせて使うか、という非常に難しい課題に取り組まなければならない。 にもかかわらず、任天堂自身が全く解を示せていないじゃないか、どうなってんだ?と常々思っていたところ、ようやく出てきたな、『妖怪ウォッチ』。 驚くべき事に、レベル5の作品だった。 『妖怪ウォッチ』は金のにおいがする作品である。 オープニングで、ガチャガチャみたいな物に「100円入れるの?」っていう台詞に違和感を覚えた。 怪しいと思って調べてみたところ、最初からいわゆるクロスメディア展開の一環として作られたらしい。 漫画、アニメ、ゲームの同時展開。 おそらくガチャガチャも発売するつもりなんだろう、確認はしてないけどね。 妖怪を仲間にするときに、メダルを貰うあたりも何か展開を考えていそうで気持ち悪い。 「一儲けするぞ!」っていう意気込みがありありと伝わってくる。 もっとも、ゲームは大変良く出来ている。 子供向けだと思えば、ストーリーは我慢できなくもないし、妖怪のキャラは立っていた。 私は結構好きだな。 そして、なにより下の使い方が上手かった。 高解像度の上は主に眺めるだけで、ゲームは下で行う、というのがイイ。 もう少し具体的に書く。 下を操作パネルとして使うタイプは今までにもあったのだが、それだけなく下で操作対象を直接タッチするんだ。 上がリアルタイムで進行しつつ、必殺技を使う、呪いを解く、などが下だけで独立してるのが新しい。 今まで見た記憶がないな、3DSでは。 キャラをリングで回すと上のキャラが連動して入れ替わるのも面白い。 リングにキャラが描いてあるから、上から目を切っても良いんだ。 下を見てプレイできる、という点が優れていると思うな、私は。 一部、差分入力もあるけど、まあ、やむを得ない程度だろう。 弱点を狙うあたりは、やりにくいこともゲームだと思えばいい。 これは良く出来てると思うな。 上の高解像で演出しながら、ゲームは下で行う。 これが3DSに最適な構成じゃないか。 どんなタイプにでも使えるわけじゃないだろうけど。 任天堂より先に出してきたあたりは大したもんだ。 <後日談 2013_08_28> 『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』では任天堂もようやく3DSの新しい使い方を提示してきた。 やっぱり「連動」がキーワードなんだな。 お手本が出てきたから、これからの3DSには期待が持てる。 <後日談2 2014_01_26> 年が明けて、急に『妖怪ウォッチ』の売れ行きが伸びた。 不思議に思って調べたら、アニメが始まったらしい。 予想通り妖怪メダルも発売してて、しかも売り切れ店続出とか。 金儲けのセンスはさすがだな、あそこの社長さん。 |