真・女神転生IV FINAL

日本でこそ発売可能なお話 2016_04_18

 

日本人は概ね宗教に熱心ではない。
多くの人は冠婚葬祭の時ぐらいしか思い出さないのではないか。
まあ、昔は一向一揆が盛んだったこともあるから、本質的に日本人が宗教体質でないというわけではないんだろうけど。
廃仏毀釈を進めた挙げ句、戦争に負けたことも原因の一つなのかな。
理由はどうあれ、日本人は神様を描くことにも寛容だ。
そんな日本だからこそ、こういうゲームも発売できるんだろう。

『真・女神転生IV FINAL』はよく分からないゲームだった。
続編なのか、マイナーチェンジ版なのか、パッケージの見た目では分からない。
最初にやってみた印象としては、使い回し感が酷く強かった。
前作のことをちゃんと覚えているわけじゃないけど、たぶん悪魔とマップは前作のままなんじゃないか。
10万本も売れたら、がっつり利益が出そうな感じ。
ただし、お話は全然違う、というか、より深い内容だった。
元々よく出来たシステムだから、お話さえ新しければ、全く問題なく楽しめたな。

今回のお話は凄くワクワクした。
天使と悪魔の戦いに多神連合が加わって三つどもえになった上に、ダグザ(主人公に取り憑いている神様)が漁夫の利を狙っているいう複雑な構図。
全く先が読めなくて面白かったな。
主人公の選択も、人類がどうかっていうより、自分はどうしたいか、という点にフォーカスを絞って書かれているところが好感触。
選択は無難なモノを選んだけど、ダグザの言い分にも共感できる。

しかも、最後まで進めると、万物の創造主に関してかなり踏み込んで描いているんだ。
これは具体的には書けないけど、よくここまで表現したな、と思うね。
少なくとも私は他のゲームでは見たことがない。
事と次第によっては、既存宗教の否定と受け取られかねないだろ。
海外で発売できるのかな、これ。
一見先進的な印象のアメリカでも、進化論すら認めないような連中は一杯いるときくけど。

こういうゲームが全く問題なく発売できる日本は素晴らしいよ。
日本もまんざら捨てたもんじゃないな。
日本のサブカルチャーコンテンツが強いのは、こういう自由さに源があるのかもね。


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