パタポン_2

山手線ゲーム 2008_11_11

 

『パタポン』をクリアしてみて、これは結構骨太だな、という感触があった。
それなりに難しいのである。
それでいて、きちんとバランス取りは出来ているんだな。
その点を少し考えてみたい。

このゲームにおいてプレイヤーは神である。
太鼓をリズム良く叩いてパタポン達に指令を出していく。
「ポン、ポン、パタ、ポン」とボタンを押しながら4拍子を刻んでいく。
一回命令を出すと、次の4拍子でパタポンが動く。
つまり4拍子2回につき、プレイヤーは一回判断すればいいことになる。
これは負荷として考えると、山手線ゲームとかあの手の宴会ゲームと同じだな。
リズムに合わせて一定の形式を踏ませつつ、何か別のことを考えるという。
リズムをとるのと同時に敵の状況(ボスキャラの場合は攻撃準備ポーズ)を判断してどのボタンを押すのか決めることがゲームになっているのである。

4拍子2回につき一回しか判断しないので、判断する負荷は割と小さい。(同時にやるからそれなりに難しく感じるんだけど)
むしろリズムを取る方が負荷としてはメインだろう。
これがこのゲームのバランスを決定しているところで、創り手はプレイヤーに対してリズムだけは取れるようになってくれと要求している。
というのも、連続でリズムを刻むことで発生するフィーバーを常に維持しないと倒せないぐらいのバランス取りになっているのである。
いや、むしろ私がやった感じだと、デフォルトのパタポンでフィーバーを連続しても、一部の敵にはギリギリ勝てない、というぐらいのバランス取りだ。
部隊全体の3割ぐらいを性能の高いパタポンに入れ替えて、私はようやくクリアできるぐらいだったな。

ベースラインとして「リズムを取る」という下駄を履かせているので、想定しているプレイヤーの幅はかなり小さくなっているだろう。
パタポンのパワーアップは結構大変で、すぐに強くは出来ないけど、ちょっと入れ替えるだけでギリギリクリアできた、ということがしばしばあった。
リズムを取るぐらい誰にでも出来る、いや、無理にでもやらせるんだ!、という創り手の判断が非常に上手く作用していると私は思うな。

もっとも、これが全然出来ない、という人も当然いるだろう。
山手線ゲームなんかをやると、大抵間違える人はいつも同じになってしまうことが多い。
ベースラインが意外と高いとこにあるので、プレイヤーはそこで足切り喰らっちゃう可能性もあるわけだ。
だけど、それを覚悟して創られているからこそ骨太な印象を受けるんだな。
何とか頑張ってクリアしてみたら、非常に満足感が高かった。


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