終わる苦しさとその先にあるもの '99_10_13

終わる苦しさとその先にあるもの '99_10_13



「プロ野球チームをつくろう!」(DC版)は悩ましいゲームだ。
どこで終わらせたらいいのだろうか?

今、出来ることは全てやったという気はしている。
買えるものは全て買った。
開発できるアイテムもグッズも特殊なもの以外は全て揃っている。
毎月100億以上のサイドビジネスによる収入があり、資金は有り余っている。
17年の間にリーグ優勝6回、日本一5回、世界一3回。
ひょっとして宇宙一があるのかな?と思って続けてきたが、三年連続世界一になっても
出てこないところを見ると、どうもないらしい。
続けるべき要素は見あたらない。
それなのに終われない。

というのも、折角育ててきた選手達を使いもせず見捨てることが出来ないからだ。
ゲームの性質上、今使わなくても若手を育てておかなくてはならない。
しかし、そうそうアッという間に主力が衰えていくものでもないので、20台後半にな
ってまだレギュラーを取っていない連中がいる。
まだドラフトで獲得したばっかりの選手もいる。
彼らには愛着があるのだ。

RPGなんかだったら、終わりは強制的に訪れる。
そこに自分の意志はない。
終わることは寂しいけど、自分が決めた終わりじゃなから、ある意味気は楽だ。
だが、「プロ野球チームをつくろう!」はそうじゃない。
楽しもうと思えば、どこまでも行けそうな気がしないでもない。
それでもいつまでもここにいるわけには行かないようにも思う。
終わりは自分で決めなくてはならない。
それが苦しいんだ。

実はこのゲームを始める前から、きっとエンドレスなゲームだろうと思ってはいた。
現実の野球がそうだし、およそ全てのスポーツがそうだ。
それが故にSS版の頃から敬遠気味だったのだ。
「Jリーグプロサッカーチームをつくろう!」にも手を出さなかった。
新しいゲームを買ってくる喜びを取り上げられる恐怖が、「つくろう!」シリーズから
私を遠ざけていた様に思う。

ただ、いま一つの楽しみが出来たとは言える。
「プロ野球チームをつくろう!」が終わったら、「Jリーグプロサッカークラブをつく
ろう!」をプレイしてみたい。
「プロ野球チームをつくろう!」の先輩格にあたるこのゲームには、いったいどんな楽
しさがあるのだろうか?

もちろんそれは怖いことだ。
また新しいゲームが買えなくなってしまうかもしれない。
だけど、その恐怖を上回る喜びがそこには待っているに違いないと思うようになったん
だ。

「プロ野球チームをつくろう!」をプレイして本当によかったと思う。
楽しかった、と過去形で結んでおきたい。


<追加 '99_10_15>

ないんだろうと諦めていた『宇宙一』が存在していた。
これを最後にしようと思っていた18年目。
それは7回目のリーグ優勝、6回目の日本一のあとにやってきた。
セーブ画面にぽっかり空いたスペースは、予想通り『宇宙一』だったんだ。
これで心おきなく終わることが出来る。


戻る