我々がやっているゲームってヤツは、ほとんどが覚えることによって解決される。 それを「慣れ」と表現することもあるだろう。 パターンを覚えると考える時間が要らなくなるし、操作に慣れれば入力にかかる時間も短くなる。 そうすると、困った事も出てくるよな。 用意されている時間が一定だと、どうしてもそのうち間が空いてしまう。 プレイヤーが上手くなるにつれて発生するこの間をどうやって潰してやるか、潰せるようにしておくか、が創り手としては重要になるかもしれない。 ところで、どうにもこうにもプレイしたいゲームが無くなった。 ここに至っては仕方がない。 避けに避け続けていた『ゼノブレイド』を私はやることにした。 ネット上の評判が良すぎて、あまりにも胡散臭かったのだが・・・。 やってみたら、確かによく出来た作品だったな。 私はマップが広いからイイとは全く思わないし、さすがにこの歳になるとストーリーも茶番としか思えなかったが、戦闘は楽しかった。 寄り道しなくてもクリアするのに60時間ぐらいかかるんだけど、全然苦にならなかったよ。 やっぱりちょっと忙しいぐらいがいいんだな、ゲームって。 このことについて少しだけ説明してみたいと思っている。 とにかくWiiリモコンは使いにくい、普通のRPGをやるには。 右アナログスティックがないから視点を回すのも一苦労だし、そもそも十字キーをメインで使うには普段と持ち方を変えないといけない。 いつもより深めに持たないと届かないからね。 しかも、十字キーなんて今までほとんど使ってこなかったから、十字キーでコマンドを選ぶだけでも最初はぎくしゃくした動作になってしまう。 最初のうちはホントに使えるコマンドを適当に選んでいるだけだったな。 でも、そのうち慣れてくるとコマンドごとの特性を考えて、敵の横側に回ってから、とか、別の味方に敵の注目が移ってから入力しよう、とかいう具合に余裕が出てきた。 要するに上手くなっているような気がするのである。 更にこのゲーム、味方を助けに行ったり、予知を伝えに行ったり、やらなきゃいけないことが一杯織り込んであるから、余裕があっても暇すぎるって事はないんだよ。 好感度上げにBボタン押しが入ったりするのも間を埋めるのに役立ってるかもしれない。 おまけに、スキルをレベルアップさせるとリキャストタイム(コマンドの再充填時間)が短くなるから、プレイヤーが上手くなるのと歩調を合わせて、より忙しくなるようにデザインされているのだ。 通常、出来ることをたくさん用意しておくと、プレイヤーの個人差が出てしまうのだが、プレイヤーキャラがオート戦闘で、しかも3人パーティーのうちの一人だけ操作ってところがミソなんだろうね。 オート戦闘で下駄を履かせたうえにプレイヤーキャラの貢献比率を下げることで、全体としてみるとプレイヤーが上手くなっていると感じるほどには差が出ないという。 なかなか上手いデザインになってると私は思うな。 実のところ、移動しながらコマンド選んでいるだけなんだけど、極めて高い充実感があった。 常に何かはしていたからね。 全然寄り道しなかったので、最後の方でレベルが5ぐらい足りなくて経験値稼ぎをやらなくちゃいけなかったけど、それもまた楽しかったな。 |