逆転検事2

あまり期待は出来なかったが 2011_02_26

 

『逆転検事2』を買いたいと思うだろうか。
「逆転裁判」からのスピンアウトであって、更にその続編。
ディレクターはもちろん違う。
あんまり期待出来ないよね。
前作は結構売れたみたいだけど、凄く面白かったわけじゃない。
やや女性ユーザー狙いの感もあった。
「逆転裁判」好きの立場からすると、あんまり積極的に買いたいとは思わないんじゃないか。
私も検査が終わって大らかな気持ちになったタイミングじゃなかったら、発注はしなかったな。
しかし、ちょっと予想外の結果になった。
とても面白かったのである。

「IS-7号事件」を第3話に持ってきているあたりは、ちょっと凄いよ。
「逆転裁判」シリーズの中でもかなり重要な位置にあるこの事件を真ん中に持ってきて、もっと大きなストーリーの伏線として使っていたのには驚いた。
おかげで物語にスケール感が出たな。
つまりそれだけ解決することに価値が生まれるわけで、プレイヤーもグッと引き込まれる。
本来なら最後に持ってきてもおかしくない話を真ん中に持ってきているぐらいだから、もちろんボリューム的にも満足感はあった。

今回は登場人物も面白かったな。
新キャラはどれも結構気に入った。
アイテムを使ってキャラに特徴を出しているあたり、「逆転裁判」のステロタイプだけど、それはそれで逆に安心感がある。
おまけに過去キャラがいっぱい出てきて、ストーリーに絡んでくるんだ。
プレイヤーの中にある喜びに繋がる記憶をゲームの中に織り込んできているだな。
しかも、書き手が変わっててもそんなに違和感はない。
御剣が思うだけで突っ込まない台詞なんかを読むと、二次創作的とはいえ、相当「逆転裁判」の世界が書き手の中で膨らんできている印象を受けた。
やっぱ、好きな人が書いてくれてるんじゃないかな。
私は好感を持った。

今回はあんまり、女性向けのおしゃれ感を感じなかった。
非常に「逆転裁判」らしい、正統な後継作品だった印象である。
ある意味、私が望んでいた寅さん的な作品だった。
これぐらいのクオリティで安定して続編を出してもらえたら、まずまず文句のつけようがないな。
どうせイマイチだろう、と思っていたせいかもしれないが、ヤケに面白かった。


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