どんなゲームにだって、良い点もあれば悪い点もある。 自分が好きなゲームを褒めようと思ったときに、悪い点には目をつぶって、ここが素晴らしい!って書く事だって当然出来るわけだ、我々は。 しかし、良い点と悪い点が同じ軸にあると、そうも行かない。 もろに相殺できてしまうからね。 このところずっとプレイしていたNSの『WORK×WORK』のことが私は大好きなんだけど、なかなか褒めにくくて困っている。 先に私が大好きな点を書くと、それはもうテキスト。 コメディと不条理の中間ぐらいを狙ってるのかな。 テキトーな事を喋るキャラに投げやりな突っ込みで返すやりとりが私は大好き。 キャラも憎めないヤツばかり。 大半がモブのようなデザインだけど、実はほとんど全員重要人物で、みんな面白い。 中でも主人公格の第18王子は群を抜いて好きだな。 一見イヤなヤツだけど実はいい人になりたがってる、という人物像は、目新しさもあった。 最後の方は話が深刻になっていくのだが、キャラには深刻感がないのもイイ。 死んだはずのキャラが平然と出てくるのも私は好き。 とにかく好きだと私は主張したいのである。 一方で、ゲームも決して悪くはない。 プレイヤーが操作するボチ夫は、勇者体験テーマパークのインストラクターという設定なのがミソ。 自分が直接戦うのではなく、お客さんパーティーのサポートをする、という体で、オート戦闘に一部介入するのだ。 一倍速と三倍速を切り替えられるのだが、一倍速でプレイする人はいないだろう。 遅すぎる。 三倍速でちょうどイイぐらい。 これはつまり、プレイヤーが全キャラについて一々コマンドを入力していたら一倍速相当の時間が必要だけど、AIによるオート戦闘を導入する事によって時間あたりの密度で得をしています、というアピールだと思われる。 そこがこのゲームの特徴であり、かつメリットでもある。 ところが。 このゲームではローディングが頻繁に発生し、かつ一回一回が微妙に長い。 3秒とか5秒とか。 これがいけないんだ。 時間あたりの密度で得をしたはずなのに、それをローディングが打ち消すのだ。 同じ時間の軸で評価できちゃうからね。 違う軸なら目をつぶる事も出来るのだが、そうは行かないのである。 実際、眠くなる事が多かったよ、テンポが悪くて。 また不思議な事に、このゲームは全くキャッシュを使ってない様子なんだ。 内部でどう処理しているのか、私には分からないけどね。 この程度の見栄えなら、NSのメインメモリに全部入るだろって思うじゃん、普通。 4GBもあるんだから。 デバッグの手間を省くために、必要なデータをその都度読み込むような仕様になっているのかな。 ホントに惜しいと思う。 私は面白いと思ったから、サブイベントも含めてほとんど全てやった。 でも、他人様にやれとは言えないな。 案の定、あんまり売れなかったようで、今どきのゲームを見る目の厳しさに改めて嘆息するばかりである。 <後日談 2018_11_19> ロード時間を短縮するパッチが公開されたようだ。 出来るなら、最初からやればいいのに。 |