私は歩く、今日もゲームを求めて 2000_01_28

私は歩く、今日もゲームを求めて 2000_01_28

 

私は今日も渋谷を歩いていた。
なんだか最近、こんなことばかりのような気がする。

先週は「NFL 2K」を買い損ねた。
たまたま木曜日に用事があって買いに行けず、週末探し回ったがついに手に
入れることは出来なかった。
今週は「ROOMMANIA#203」を購入しようとしてかなわず、渋谷
の街をむなしく歩く羽目になった。
なんだか「クロス探偵物語」のあたりからつきがないようだ。

しかし、この労を無駄にしないためにも、足で稼いだゲームの現状を是非記
録しておきたい。

私が昨年から入手に苦労したゲームを挙げてみると、以下のようになる。
・クロス探偵物語(SS)→結局PS版を購入
・カオスシード(SS)
・続・御神楽少女探偵団(PS)
・NFL2K(DC)
・ROOMMANIA#203(DC)

SS版の前2つは除くとして、後ろ3つについてだけ考えてみる。
「続・御神楽少女探偵団」と「NFL2K」は完全に跡形もなく売り切れて
いるのに、全く入荷されない。
それに対して、今日売り切れていた「ROOMMANIA#203」は翌日
再入荷予定だという。
店員さんに聞いてみたところによると、この違いはメーカーが在庫を持って
いるかどうかによるものらしい。
もともと木曜発売になったのは、週末前にリピートをかけることで、売り時
を逸してしまわないようにという事だったはずだ。
しかしながら、どうやらこの方式は完全には機能していないのである。

そして、少なくとも「続・御神楽少女探偵団」と「NFL2K」に関しては
メーカー側が数をしぼったらしいことがわかる。
あれば売れるとわかっていても、販売店は手に入れることが出来ないのだ。

いったいどうしてこういうことが起こるのだろう?
考えてみたが、メーカーと販売店、その両方が消極的になっている、という
理由しか浮かばない。
つまり流通在庫を沢山抱えたくない販売店と、値崩れを恐れるメーカーの思
惑が重なって、初期出荷を抑えたり、再プレスを避けたりといった事態が起
きているのだろう。

では、なぜそうなってしまったのか?
あれこれ考えた末に行き着いたのは、小売りマージンが小さくなっているか
らではないだろうか、ということだ。
つまり一本あたりの利潤が小さくなってしまったために、沢山の在庫を抱え
るリスクに販売店が耐えられなくなっているのではないか。
もはや、年に数本の必ず儲かるゲームだけでは、値崩れる多くのゲームを支
える事が出来なくなってきているのである。

ここまで考えてきたからには、なぜ小売りマージンが小さくなってきたかを
考えなければならない。
それはとりもなおさず、ゲームを作るコストが著しく増大した事に起因する
ものだろう。
そしてゲームの平均的な価格は、ROMを作らなくて良くなったとはいえ、
随分と安くなっている。
苦しくなるはずだ。

つまり、そういったゲーム業界の閉塞が、こうして今日も私を歩かせている
のである。
だとすると、私はこれからどうすればよいのだろうか。
答えは、欲しいゲームは前もって予約しておくしかない、ということである。
しかし・・・、ゲームは定価で買いたくない。
定価で買うなんて納得できないのだ。
なぜならば、ゲームを買うことも私の楽しみの一つなのだから。
それに物欲は突然訪れるものなのである。

私はこれからも歩くだろう。
100円でも安い新作ゲームを求めて。
時には往復460円の電車賃を払ってでも。


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