人間は忘れる。 私は『逆転裁判1』の内容を忘れていた。 おかげでこの度発売された『逆転裁判 蘇る逆転』を第1話から楽しむことが出来たのである。(GBA版を持っていると、第5話からスタートできる) だが、そこは2回目という事もあって、このゲームの素晴らしさをまた改めて感じることになったのだ。 「逆転裁判」は一見したところ推理アドベンチャーっぽいのだが、実はそうではない。 プレイヤーはほとんど推理していないのだ。 なぜならば、プレイの課程においては全ての情報がプレイヤーに提示されていないからである。 ほとんどの情報は裁判本番で尋問することによって得ることになる。 だからプレイヤーは物語の全体像が全然見えていない。 推理なんかしようにも出来ないのだ。 プレイヤーは常に局面を打開しているか、もしくは情報を集めているだけ。 ところが、尋問することによって手がかりが一つ出てくると、そこからどんどん物語が展開するようになる。 芋掘りみたいなもんなんだな。 尋問で手がかりを得ることが最初の芋。 最初の芋を掘って取り出そうとすると、その下に沢山の芋がつながっていって、ズボズボッと全部抜ける。 これが快感なんだな。 予想される以上の結果が出た方が喜びは大きいからね。 大抵いいゲームには喜びを増幅させる仕組みがあるものだけど、やっぱり「逆転裁判」にもあったわけだ。 前やったときは気付かなかった。 最初から気合いを入れてやってたわけじゃなかったからな。 一気にプレイしてたからエンディングまで、こんなに素晴らしいゲームだとは思わなかったもの。 そういえば、なんで一番初めに『1』を買おうと思ったんだろうか。 昔書いたものを読み返すと、どうも面白いと評判だったからのようだが。 世間で面白いと言われているものには、それなりに理由があるって事か。 |