ファンタシースターオンライン_3

勝ち目が欲しい 2001_03_03

 

私は書いている内容がネタバレかどうか普段は気にしていない。
なぜならば、これは私のための書き物だからだ。
しかし今回は、これから書くことが『ファンタシースターオンライン』のオフラインプレイにおけるネタバレであることを断っておくことにする。
なんといっても『ファンタシースターオンライン』はまだまだ売れ続けているのだから。


私は赤い腕輪が「ころんっ」と転がり落ちてきたとき、「ああ、そうだよね」と思った。
話の流れからいって、まあ、妥当な線だったのである。
しかし、エンディングの右脇で寂しげに回る赤いリングを眺めているうち、腹が立ってきた。
ちょっと待てよ、俺には始めから勝ち目がなかったのか?って。
そりゃずるいよ・・・。

通常のゲームづくりでは「キャラを立てる」という作業を行う。
つまりプレイヤーの中に、そのキャラクターがどういう人物なのかを構築していくわけである。
中には主人公はプレイヤーの分身なので白紙にしておくものもあるが、少なくとも周りのキャラには肉付けをする方が普通である。

ところが。
この『ファンタシースターオンライン』というゲームでは、全く「キャラを立てる」という行為が行われていなかった。
それは、ネットワークゲームならではのことだったかもしれない。
全てのキャラはプレイヤー達に委ねられているのだ。

そんな中に一人だけ例外がいる。
「赤い輪のリコ」と呼ばれる凄腕ハンターだ。
彼女はプレイヤーの導き役としてゲーム中に登場する。
もっとも姿を見ることはない。
彼女の残したメッセージをたどっていくに過ぎないのだ。
しかしながら、彼女は同時にストーリーテラーでもあった。
プレイヤーは彼女の発見と考察を自分のストーリーとして受け取っていく。
だから彼女にだけは辛うじて、キャラクターとしての肉付けが行われていたのだろう。
そして、それ故に私は彼女は助けられねばならないと思った。
ゲームである以上、どんなに困難でも勝ち目があるべきだと。
プレイヤーには努力によってハッピーエンドを勝ち取る権利がある。

そして、私はハードモードのエンディングに辿り着いた。
まさかノーマルが終わってから、更に20時間もやる羽目になるとは思いも寄らなかったが。
レベルは49に達していた。

最後に、いま私が考えていることを書いておきたい。
えっ!まだやるの?
ホンキ!?
せめて、勝ち目があるのかどうか教えてー!!