あれ?、これしまったな、と思った。 意外と難しかったのである。 ノーマルでスタートして30分ほどして、私は後悔していた。 難易度下げておけば良かったと。 序盤でこんだけ苦労してると、終盤耐えられるはずがないだろうと容易に予想出来たのである。 しかし、それは間違った予想だったな。 既に使ってしまった30分が惜しくて、後悔しながらやっているうちに分かってきた。 こういう展開の仕方もあるんだな。 ちょっと珍しいかもしれない。 『VANQUISH』は今どきにしては特異な性質を持ったアクションゲームである。 例によってあんまり説明するつもりはないんだけど、1行で書くなら、『VANQUISH』は一見スローとダッシュが使えるところに特徴のあるTPS、とでもいっておけばいいのではないか。 このゲームの珍しいところは、先に進んでもあんまり敵が強くならないことだな。 と同時にプレイヤーも強くはならない。 武器をパワーアップしても、弾数が増えるだけで、威力はアップしていない?ようだ。 ずーっと同じような展開が最後まで続く。 逆に言うと、序盤から終盤とあまり変わらない攻撃にさらされるわけで、最初はとてもクリア出来ないように感じるんだな。 私はこのゲームをノーマルでクリアするまでに135回死んだ。 それでもクリア出来たからには、それなりに解法があったわけである。 その答えは状況を把握して、よく考えること。 自分は一方的に有利なスローとダッシュが使える。 シールドは休めば回復する。 所々に隠れる場所がある。 補給アイテムは何が置いてあるのか。 雑魚敵はどこにいて、イベントボスはここから現れる。 イベントボスの行動パターンはどうで、弱点はここだ、っていうのを把握して考えればなんとかなるもんだ。 もっとも、攻撃が激しいもんだから、つい自分に出来ることを忘れちゃうんだけど。 こんなに死んだのもちょっと記憶にない。 スローがあるんだから、それをどのタイミングで使うか、どういう状況でつかうか、を考えていけば、それほど技能は問われないんだな、実は。 弱点を露出させるのにスロー使っちゃったら、弱点にスローは使えない。 じゃあ、スローを使わずにガードを外すにはどうしたらいいのか、って考えていけばいいのだ。 つまり、技能を戦略で補うことが出来る。 パラメーターをインフレさせなくても、プレイヤーの操作技能を成長させなくても、それなりに壁を乗り越えさえる事は出来るのである。 なかなか面白い構成だと思う。 ダッシュ、スロー、シールド、近接攻撃というプレイヤーに一方的に有利な要素が全て一つのエネルギーゲージで賄われているところがミソなんだろう。 有利な要素を使わせすぎない、という意味で。 無制限だったら、なんにも考えずに出来ちゃうからな。 これは意外と満足感が高かった。 シンドかったけど。 135回死んだだけあって、イベントボスが出てくる度に壁を乗り越えている感触はあったのである。 心配りが行き届いているとは言えないけどな。 たぶんクリア出来るだろう、という安心感はなかった。 落ち着いて考えれば大丈夫だから、ってところをプレイヤーに全く伝えていないような気はする。 |