ユニコーンオーバーロード、PS5版

間口だけでなく懐も広い 2024_04_18



『ユニコーンオーバーロード』をアマゾンランキングで最初に発見した時、面白そうだと思ったが、反面メンド臭そうだとも思った。
SRPGってただでさえ時間かかるのに、RTSとなると、ミスったときに取り返しがつかないからね。
ステージの最初からやり直すハメになる。
どうにも気が乗らなくて、発売当初は見送った。
発売から2週間ぐらい経って、体験版をプレイしてからやっとプレイする気になった。
戦闘に早送りやスキップがあったから。
これならせっかちな私でも出来そうだと思ったのである。
でも、ポイントはそこじゃなかった。
このゲームの素晴らしいところは、戦う前から結果がわかるところだったのである。

このゲームはとにかく複雑。
職種がいっぱいあって、覚えることはほぼ不可能。
その上、ユニット内の配置や行動プログラムもあるので、本気でこのゲームを理解しようと思ったら何百時間あっても足りないと思う。
でも、必ずしも理解する必要はない。
戦う前に結果が表示されるから。
適当に編成したユニットの中で相性のいい奴をぶつけてやれば、大体倒せてしまう。
プレイヤーの理解を問わない、という意味では間口の広いゲームだと最初は思った。

このシステムの更にすごいところは、敵とエンカウントしてからも弄れるところ。
敵とぶつかってからアイテムを使ったり、隊列を変更したり、プログラムを弄っても、戦闘結果を前もって表示してくれる。
これによってプレイヤーは、何をどう弄ったらどういう結果になるのか、ということを学ぶことが出来るのである。
つまり、必要に迫られて理解を深めることになるのだ。
しかも、プレイヤーは理解しなくても構わない。
理解せず、その都度適当に弄って、たまたま上手くいった、でもいいのである。
この「理解しなくていいよ」っていうところに懐の広さを感じるな。

これほど複雑なゲームで、これほど広いプレイヤー層に対応できるゲームも珍しい。
これは素晴らしいゲームだと思うね。
プレイヤーのやる気に応じて、それに見合った喜びを返してくれるなんて。
ちょっと他では見たことがないな。
私はこのゲームをあんまり理解してないと思うけど、それなりに面白かったし、たぶんそれでイイ。


戻る