『罪と罰』、予想以上に面白いゲームだ。 さすがはトレジャー。(自社販売でないのに、どうしてこんな気合い入れちゃうんだろうか?) なかなか止められなくて、あれほど期待していた『バンジョーとカズーイの大冒険2』に手を着けられないでいる。 私は今このゲームの第2章にいると言って良いかも知れない。 イージーモードでノーコンティニュークリアを達成することが第1章だったとすれば、この『罪と罰』というゲームにトレードオフがあるんだという事に気が付いたのが第2章だった。 それは照準をロックオンにするかマニュアルにするかというトレードオフ。 どんなゲームにもトレードオフは必ずある。 例えばゲームの難易度について言えば、こんなトレードオフがあるだろう。 ・難しいゲームをクリアした方が達成感は大きいが、クリアできる人の数は少なくなる 例えばスコアを競う時にはこんなトレードオフが。 ・連続して敵を倒した方が得点は高いが、その分難易度が上がってしまう 前者の場合、このトレードオフを考えるのはゲームデザイナーであり、後者の場合はプレイヤー自身である。 では『罪と罰』のトレードオフはどんなものかというと、こんなものだ。 ・照準をロックオンにすると照準を合わせる困難を回避できるが与えるダメージは低い。一方、マニュアルは与えるダメージは大きいが照準を合わせるのが難しい。 これはこのゲームの操作が両手の親指を方向キーに使わせる事から来る、通常のゲームとは異なる操作感と無関係ではあるまい。 操作系としては『爆裂無敵バンガイオー』的な新しさがある。 実は私はこのトレードオフに、イージーモードをクリアするまで気付いていなかった。 レベルがノーマルになると、ロックオンだけではクリアできない場面が出てくるので、ようやく気付いたのである。 いま第2章にいると感じるのはそのためだ。 要するにこのゲームはプレイヤーに対して、場面場面で「どっちを使うの?」という選択を強いてくるゲームなのだろう。 耐久力のある敵に対してはマニュアルの方が有利に決まっている。 しかし、プレイヤーは自分の技量と局面を見極めながら選択していくのである。 この辺に自分の成長を感じることが出来るのが、このゲームの素晴らしいところだろうか。 私は、自分ってこんなに頑張り屋さんだったろうか?と不思議なくらいだ。 さて、私はこのゲームをプレイして、もう一つのトレードオフを思った。 私がゲームデザイナーだったら、こうつくるのである。 ・クリアタイムをスコアに大きく反映させることで、プレイヤーにマニュアル照準を使わせるように仕向ける。その反面難易度は少し下げて、クリアは簡単に出来るようにする。そして、スコアを競わせることでリプレイを稼ぐ。 つまりスコアにトレードオフを置くということである。 現実にはクリアできるかどうか、というところにトレードオフが係っているのだが。 果たしてどうだろうか? 実際にこの『罪と罰』のゲームデザイナーの方だって、ゲームを煮詰めていく段階で考えたと思う。 どうせ購入するのはマニアばっかりだから、難易度高めのセッティングが受けるという判断があったのだろうか? 確かに覚えゲーという部分もあって、ある程度やればクリアできそうな気配はある。 ただどれだけの人が付いてこれるのかについては疑問符を付けたい。 私はこのゲーム、大変気に入っているので、出来るだけたくさんの方にプレイして欲しいと思うのだけど。 |