『サバイバルキッズ 〜Lost in BLUE』がひとまず終わった。 最後のほうはちょっと「?」と思わないでもない。 普通に筏作って脱出でもいいんじゃないの?とか思ったんだけど、やっぱり素晴らしかったという印象は変わらないな。 構成が凄く上手いんだ。 実は驚くほど短い内容なのに、内容タップリに感じられる。 この辺を少し説明してみたい。 このゲーム、最初はもう食べるだけで大変。 道具作りを覚えるまでの数日間、椰子の実、貝、ワカメ、キノコ、芋を拾ってきて食べるしかない。 ところが、植物の栄養価が低く設定してあったり、あおいちゃんの料理の腕が悪かったりで、あんまりお腹がふくれないのである。 冒険するより、とにかく食べることばかり考えていた。 まさにサバイバル。 ところが、ゲームを進めていくと、少しずつ余裕が出来てくる。 道具作りを覚えると、冒険に費やせる時間が少しずつ増えてくるのだ。 とはいっても、食べるために住処へ戻る必要があるので、劇的に物語が進むわけではない。 この辺が上手いところで、サバイバルすることでプレイのかさ上げを行って、実は凄く短い内容をタップリに感じさせているんだな。 もちろんサバイバルするのは毎日同じ事の繰り返しなので、時間の無駄だといえば時間の無駄である。 そこに「あおいちゃん」がおいてあるところがミソ。 洞窟であおいちゃんが待ってると思わなかったら、帰るのが苦痛で仕方ないはずだ。 だって、毎日3歩進んで2歩下がるの繰り返しなんて、普通イヤじゃない? だからこそ、あおいちゃんは魅力的である必要があるんだろう。 あおいちゃんがお腹空かせてるから帰らなきゃ、とプレイヤーが思わなかったらこのゲームは成立しない。 いわば「サバイバル」・「冒険」・「あおいちゃん」の三位一体論である。 もし、あおいちゃんがいなかったら、主人公はわざわざ洞窟へ戻ってくる意義を見いだせないので、おそらくどこでも寝泊まりできるようにゲームは創られるだろう。 そうすると、冒険を次々とプレイヤーに提示しなければならなくなって、とてつもなく大きなゲームを制作することになったんじゃないかな。 「サバイバル」・「冒険」・「あおいちゃん」を組み合わせるようにゲームを創った人は偉いと思うよ。 こういう構成こそ、小さなゲームが求められる時代に相応しい。 素晴らしいゲームだった。 <追加> このゲーム、序盤かなり不親切。 今時マニュアル見ないと出来ないゲームなんて珍しい。 マニュアル見ても道具作りとか、はじめはよくわからなかったし。 それに創り手がブレているな、と感じることがあった。 プレイヤーがペンを持ってプレイしていると考えてデザインしているのか、持っていないと考えてデザインしているのか。 プレイヤーがペンを持ち替えなくていいように、どっちかを想定して作るべきだろう、とプレイしながら考えていた。 でも、このゲームにケチを付ける気にはなれなくて、つい書きそびれてしまった。 いいことだけ書きたいと思えるゲームだったな。 |