経済ニュース番組を観ていると、ときどき下取りキャンペーンの話が出てくる。 百貨店やら量販店やらで、よくやっているそうである。 しかし、その多くは買ってもらうきっかけを作るためにやっているようで、下取りの本質的機能が発揮されているわけではなさそうだ。 下取りには、今あるものを需用者から奪って、新しい需要を生み出す効果がある。 ゲーム機って下取りに向いている商品のはずなんだ。 例えば、コンパクトカメラなんかだといったん売ったら後は何も売るものがないから、あんまり無理は出来ない。 しかし、ゲーム機だったら下取りで損をしても、後からゲームソフトを買って貰えるでしょ。 互換性を売りにするゲーム機なら尚更下取りしない手はない。 WiiUを売る際にはWiiを下取りすべきだったのではないか。 何でこんなことを考えていたかというと、WiiUが素晴らしいゲームマシンだとわかってきたからである。 『Nintendo Land』をプレイしたら、それがわかった。 WiiUは全方位型のゲームマシンなんだよね。 PS3並の据置ゲームマシンとして使える。 PSVを上回る一画面の携帯ゲーム機としても使える。 3DSを圧倒的に上回る二画面ゲーム機としても使える。 3DSと同じ二画面であっても、物理的に分離しているが故に、新しい使い方が生み出せる。 更にWiiコントローラーを使えば、体感ゲームも出来る。 意外と無線の届く範囲が狭いので、リビングに置いたらリビングからは離れられないが、リビングにいる分には完成形といってもいいゲームマシンなのではないか。 しかし、である。 今のご時世、ゲーム機として優れているからといって勝者になれるわけじゃない。 それはWiiが証明した。 結局、普段あんまりゲームをやらない層が買ってくれなければボリュームが出ないのだ。 とすると、WiiUの真のライバルはWiiなのではないか。 そういう意味では、任天堂の「スーパーなWii WiiUです」というキャッチコピーは正しいように思える。 Wiiをリプレイスしてくれってことなんでしょ。 ところが、WiiUの新しい部分ってのは必ずしもWiiユーザーにとって必要なものじゃないわけだ。 液晶コントローラーの新しい使い方も、従来の直感的な使い方とは違うものになりそうな気がする。 たとえ簡単であったとしても、何かしら新規なルールを伴うものになるだろう。 おそらくそういうものに、ライトな皆さんは魅力を感じないんじゃないか。 そうなると、WiiUを普及させる一番の方策はWiiの下取りだったんじゃないかと私は思うのだ。 私だったら、WiiUの定価を5,000円ほど高く設定して、引っ越し後にWiiを任天堂に送ったら、10,000円分eショップのポイントがもらえる、とかそういう展開を考えるな。 不公平感が出るから、今更やるわけにもいかないだろうけど。 なんとなくWiiUは売れなさそうな気がしてきた。 64とかGCの二の舞になるのではないか。 それはそれで応援したくはなるよな。 |