ピクミン4_2

危険なタイパという概念 2023_08_10

 

狭義の意味で覚える事は唯一無二のゲームであろう、創る側からすれば。
人間の持つ能力の中で唯一、あまり差が出ないのが覚えることだからである。
覚える事だけは誰にでもできるのだ。
娯楽としてのテレビゲームはクリアできた方が良いので、一見難しいように見えて、覚えればクリアできるように創られてきたのである。
しかし、ここにタイパの概念が出てくると話が変わってしまう。
いよいよヤバいかもしれない。


『ピクミン4』の話である。
各ステージを100%にして、オリマー遭難記をクリアした後にもまだやることは残されていた。
全員救助したはずなのに、なぜか葉っぱ仙人なる人物が現れて、高難易度のダンドリチャレンジをプレイヤーに提示してくるのである。
これは相当難しい。
レベル1ですら、おそらくほどんどのプレイヤーは初見クリアできないだろう。
私が出来なかったから、きっとそう。
ステージを把握して、オッチンと手分けする順番まで決めておかないと制限時間に間に合わないのだ。
逆に言えば、手順さえ決めておけばそんなに難しくない…のかもしれない。
私は挫折したので断言はできないが。
本編が簡単すぎるので、口うるさいマニア向けにこういうオマケ要素があるのは結構な話だろう。

しかし、私はこれをプレイした時、メンド臭いな、と思ったのである。
まず一回、捨てプレイしてみないと手順を決められないから。
その時間がもったいないと感じてしまったのである。
いわゆるタイパの概念が私の中で大きく育っていたのだ。
これを言い出してしまったら、大概の骨のあるゲームはクリアできなくなってしまう。
タイパってすごくヤバい概念なのだ、と今更のように気付いた。

でも、現実にそうなんだから仕方がない。
普段から動画を早送りして、飛ばせないCM中はネット記事読んで、それでも足りないから動画視聴中にスクワットやって、とかやってると覚える時間がもったいないってことになっちゃう。
私だけじゃないでしょ、これは。
この調子だと、骨のあるゲームはどんどん創れなくなっていくだろうな。
やる気のあるゲーマーを国内だけに求めるとどうしても規模が小さくなるので、難しいゲームほどワールドワイドに展開しないと採算が取れなくなることは想像に難くない。


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