TRICK×LOGIC Season2

読み込む機会 2010_09_30

 

『TRICK×LOGIC Season2』にはおまけがある。
『1』の時からそうだが、事件と関係ない金・銀・銅のヒラメキがあって、銅のヒラメキには名作ミステリーの紹介が書いてあるのだ。
大抵は各話のシナリオやトリックと絡めて。
『2』が終わったあと非常に寂しい感じがして、紹介されていた推理小説をいくつか買ってみた。
まだ一つしか読んでないけど。
しかし、あれだな。
やっぱり小説読むのと「TRICK×LOGIC」をやるのとは違う。
「TRICK×LOGIC」にはそれなりの存在意義があるんだ。

『2』は結構しんどかった印象である。
面白かったけど、儘ならない感は常にあった。
なかなか欲しい疑問にたどり着けないんだ。
文章全体から疑問を思いついても、それがどのキーワード、キーセンテンスとの掛け合わせで生まれるのか、なかなかわからない。
ヒント見てもピンと来ないものもあって、結構苦労したな。
5つまで同時に掛け合わせられるから、片っ端から掛け合わせてみて、えーっ!それからできるの?って感じのもあった。
自分とイメージと合わないと、なかなか気づかないんだよ。
疑問さえ出来れば、ヒラメキの方は割となんとかなるんだけど。
答えになる部分を探せばいいわけだから。

ただ苦労したおかげで、物語がすっかり体の中に入ってしまう感触はあった。
部分的にではあるけれども、何十回も読むわけだからね。
あんまり栞機能を使わなかったけど、最終的にはどこに何が書いてあるか覚えてしまって、ぴゃーっと改ページして欲しいところにたどり着けるようになっていた。

こういうことって、普通に本を読んでいるとなかなかないよね。
大体こんな感じかなーというぐらいで先に進んでしまって、まあ大体当たってたなー、とか、そんなんナシだろ、とかつぶやいて終わるのが関の山である。
きっちり全ての要素を検討するということは、私なんかの場合はまず滅多にないな。
推理小説を普段から読んでる人は、楽しみ方を心得ているのかもしれないが。

一つの物語をきっちり読み込む、そういう機会ってあんまりない。
推理小説ももちろんゲームなんだから、やっぱり理解度は上がった方が面白いだろう。
「TRICK×LOGIC」みたいに手順を踏ませてみるのも悪くはないんじゃないか。
苦労はしたけど、ただ読むよりはずっと面白かったような気がしている。

『2』では嘘みたいにあっけなく主人公の問題が解決してしまうのだが、続けようと思えば続けられないことはないだろう。
別に登場人物が変わったっていいんだから。
ダウンロードも含めてどれぐらい売れているのか知らないけど、是非頑張っていただきたいものである。



<余談 2010_10_06>

音楽の世界ではカバーものが流行っているらしい。
メロディにも歌詞にも限りがあるから、新しいものを創るにしても限界がある。
だったら、昔の曲をリメイク?するのも当然だろう。

推理小説だって同じことが言えるんじゃないか。
奇抜なトリックなんて、そんなに生まれるわけがないよね。
携帯電話みたいに新しいデバイスが普及することによって、多少は出てくるかもしれないが。
だったら、昔の推理小説からトリックをライセンスしてもらえばいいんじゃないか。
上手いトリックを考えつく人が文章も上手いとは限らないしな。
借りてこれば、「TRICK×LOGIC」もどんどんリリースできるでしょ。


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