私はゲームに音声なんか要らない派。 あんなもん時間の無駄だよ。 自分で脳内再生した方が寄与分は上がるんだから、無い方がイイに決まってる。(エロゲーは除く) あってもせいぜい部分ボイスでしょ、と私は思っていた。 でも、使い方次第では面白さに貢献することもある。 たまたまPlayPassで見つけた『There Is No Game』は素晴らしいゲームだった。 ゲーム内容としては、いわゆる脱出ゲームの一種なんだ。 ただし設定がやや特殊。 プレイヤー自身が主人公となり、ゲームプログラムと相対する。 いわゆるメタ構造だよね。 どうやらお蔵入りになったらしく、拗ねて「ここにゲームはない」と言い張るプログラムと無理矢理ゲームを進めるのである。 ゲーム内容もやや独特。 ゲーム中のアイテムをいったんシステム側に取り出してから使うところが、最初は理解できなかった。 ヒントがあるし、慣れると分ってくるんだけど。 ということは斬新であったともいえる。 システム的にも一見の価値はあった。 それよりも、面白かったのは相棒(プログラム)の影響だったという気が私はしている。 というのもずっと喋りかけてくるから。 プレイ中、こちらの行動を阻害せずに喋っていて、それがヒントのようになってるんだな。 ここが良かった。 最初は敵っぽかったプログラムが、一緒に脱出を試みるうち、だんだん親友のように思えてくるのである。 この相棒のおかげで、全く異なるゲームに飛ばされても、一連の作品だと感じることが出来た。 最終的は現実世界にもアクセスすることになるのだが、相棒のおかげで説得力があったな。 音声もこういう使い方なら大歓迎。 これは素晴らしい作品でした。 エンドロール見ると、開発体制がめちゃめちゃ小さいのに驚かされる。 時代はインディーズだな。 といっても、2020年のゲームらしいけど。 とっくの昔にインディーズの時代になっていたということか。 <余談> 相棒がAIではなくプログラムであることに少し驚く。 2020年の頃にはまだAIはブームになってなかったんだな。 時の流れの速さに恐怖すら感じる。 |