国盗り頭脳バトル 信長の野望_2

一所懸命にあらず 2008_07_28

 

よく知られていることだが、「一生懸命」という言葉はもともと「一所懸命」であった。
「所」というのは土地のことであり、自分で切りひらいた土地を命懸けで守る坂東武者の心意気を表した言葉である。
今でも文章を書くときに敢えて「一所懸命」とする人は多い。
「私は知ってますよ」的な感じがしてイヤらしいので、私は「一生懸命」と書くけど。

時代が進んで戦国時代になっても、やはり基本は土地である。
自分の土地を守ってくれる親分を地侍が担ぐ形で戦国大名は成立していた。(信長だけは例外というべきかもしれないが)
歴史シミュレーションゲームにおいても基本は自分の領地をキープしつつ、領地を拡大していくのが普通のあり方である。

ところが違うな、『国盗り頭脳バトル 信長の野望』は。
このゲームは土地に拘らない。
取りつ取られつの展開をはじめから想定したゲームなのである。
よくこんな構成を思いついたな。
感心した。
あまりに感心したので、まだクリアしてないけど書くことにした。
いま書かないといつ書けるか分からない。

このゲームをプレイしてすぐに思うことは、武将の数が足りない、ということである。
はじめに動員する武将を決めるのだが、武将には動員するのに必要な数値が設定されており、合計数に上限が決められている。
数値の低い武将は動かせる兵士数が少なく不利であるため、ある程度の武将を選択することになる。
すると必然的にコマが足りなくなるのだ。

そのため、どこかを攻めていると必ず無防備なところが出来てしまう。
だから簡単に領地を取られてしまうのである。
むしろ取られてもいいやと割り切ることが出来なければ、このゲームをクリアすることは難しい。
要するに敵の城を全滅させればいいのだから、むしろ敵を自分の陣地に引き込んで、その隙に敵の城を落とすという感じである。
歴史シミュレーションゲームではちょっと見たことのない構成だな。

ターン数に制限があるところもよく考えられている。
時間が立てば立つほど城を強化できるし、武将が保有できる兵士数も増えるのでプレイヤーが有利になっていくのだが、ターン制限があるおかげで緊張感のある展開になる。
プレイ後半ある程度まで有利になると一気にダーッと流れが変わるのだが、時間制限のせいで後一歩及ばず、といった事態にしばしば直面した。
最後の方の数ターンは序盤の数ターンとは価値が違うのだ。
最後に上手く条件をクリアしたときの喜びが凄く大きいな、このゲーム。
絶妙のバランス取りだ。

これはホントに感心した。
こんなゲームにはなかなかお目にかかれない。
新しくて、しかも良くできている。
新しいゲームってのはどこか荒削りなところがあるもんだけどな、普通。
DSの画面が狭いとか領地と武将が重なっているときにタッチしづらいとか、DS特有の問題はあるけど、ゲームとしては完成の域に達しているんじゃないか。
これは凄いわ。


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