『The Wild at Heart』は、ほぼ「ピクミン」のパクリと断言して構わないであろう。 種族によって機能が違うところといい、夜が危険なところといい、種からセイレイを増やすところといい、ホントにそっくり。 それでも私はこのゲームのことを素晴らしいと思っている。 というのも、本家の「ピクミン」がアクションゲームである事に拘って行き詰まっている中で、素直にアドベンチャーゲームとして創られているから。 謎解きをやりつつストーリーを追っていくというごくごく普通の作りこそ、私が求めていたものだったのである。 しかし、私はひとつ気になっていたことを書きたいと思っている。 これは結果的にはネタバレにならないのだが、何も知りたくない方は読み進めないでいただきたい。 このゲームは一方の主人公が家出するところから始まる。 どうも父親と折り合いが悪いらしくて、友達と一緒に裏庭から続く森の中へ逃げ込もうとしていたようだ。 ところが、落ち合うはずの友達と会えないまま、不思議な森に迷い込んでしまう。 そこまではまあ良いとしよう。 問題はその森にテレビが一杯埋まっていたことである。 テレビだけでなく、アップライト筐体のような物まで埋まっていた。 如何に不思議の森とはいえ、それはおかしいだろ。 だってさ、テレビが出来たのって精々数十年前じゃん。 アップライト筐体に至っては40年程度でしょ。 ってことは、この森は大昔からあったわけではないんだろう。 テレビなどが何かを象徴しているとすれば、それに価値を感じる人の世界であるはず。 となると、これは不味い!と私は思った。 これはおそらく主人公の精神世界であろう、と。 森に入ってから事故にでも遭って、昏睡状態なのではないか、と思ったのである。 最悪すでに死んでるかも! そんな物語、最近多いからな。 このゲーム、最初はフィールドが広く感じられて結構大変そうな印象だったせいもあって、苦労した挙げ句に救いようのないエンディングだったら嫌だな、と私はずっと思っていた。 途中で主人公が父親の夢をみるんだけど、それがまた不安を煽った。 ところが、実は全然違うの。 どっちかというと、主人公は友達の方なんだよ。 エンディングも全然悪い印象はなかった。 終わってみれば大満足のゲームでした。 じゃあ、一体あのテレビは何なんだよって話なんだけれども。 特に意味のないオブジェクトなのか、人によって見えるのもが違う世界なのか。 結局のところ、なんにも分かりません。 でも、救いようのないエンディングよりはずっと良いので、許す。 |