The Wild at heart、GamePass版

読み過ぎ 2021_10_23



『The Wild at Heart』は、ほぼ「ピクミン」のパクリと断言して構わないであろう。
種族によって機能が違うところといい、夜が危険なところといい、種からセイレイを増やすところといい、ホントにそっくり。
それでも私はこのゲームのことを素晴らしいと思っている。
というのも、本家の「ピクミン」がアクションゲームである事に拘って行き詰まっている中で、素直にアドベンチャーゲームとして創られているから。
謎解きをやりつつストーリーを追っていくというごくごく普通の作りこそ、私が求めていたものだったのである。

しかし、私はひとつ気になっていたことを書きたいと思っている。
これは結果的にはネタバレにならないのだが、何も知りたくない方は読み進めないでいただきたい。


このゲームは一方の主人公が家出するところから始まる。
どうも父親と折り合いが悪いらしくて、友達と一緒に裏庭から続く森の中へ逃げ込もうとしていたようだ。
ところが、落ち合うはずの友達と会えないまま、不思議な森に迷い込んでしまう。
そこまではまあ良いとしよう。

問題はその森にテレビが一杯埋まっていたことである。
テレビだけでなく、アップライト筐体のような物まで埋まっていた。
如何に不思議の森とはいえ、それはおかしいだろ。
だってさ、テレビが出来たのって精々数十年前じゃん。
アップライト筐体に至っては40年程度でしょ。
ってことは、この森は大昔からあったわけではないんだろう。
テレビなどが何かを象徴しているとすれば、それに価値を感じる人の世界であるはず。

となると、これは不味い!と私は思った。
これはおそらく主人公の精神世界であろう、と。
森に入ってから事故にでも遭って、昏睡状態なのではないか、と思ったのである。
最悪すでに死んでるかも!
そんな物語、最近多いからな。
このゲーム、最初はフィールドが広く感じられて結構大変そうな印象だったせいもあって、苦労した挙げ句に救いようのないエンディングだったら嫌だな、と私はずっと思っていた。
途中で主人公が父親の夢をみるんだけど、それがまた不安を煽った。

ところが、実は全然違うの。
どっちかというと、主人公は友達の方なんだよ。
エンディングも全然悪い印象はなかった。
終わってみれば大満足のゲームでした。
じゃあ、一体あのテレビは何なんだよって話なんだけれども。
特に意味のないオブジェクトなのか、人によって見えるのもが違う世界なのか。
結局のところ、なんにも分かりません。
でも、救いようのないエンディングよりはずっと良いので、許す。


戻る