苺タイムスに思う

苺タイムスに思う '99_07_12



「苺タイムス」を手にとって懐かしく思いました。
「苺タイムス」というのは、竹本泉先生がゲームをネタにして「スーパーゲームマガジン覇王」という雑誌に連載していたマンガです。(といっても連載していた頃は知らなかった)
竹本泉という漫画家にも説明がいるかもしれません。
もともとは少女漫画家だったのですが、いや、今もそうですが、MCD用「ゆみみみっくす」やSS用「だいなあいらん」の制作に、作画から構成まで全面的に携わった方です。
(いわゆるプロデューサーやディレクターというわけではない)

おそらく、漫画家でこれほど一つのゲームに関わった方はいないでしょう。
というのも、この方はマイナーな中では有名という微妙な位置づけをされていて、売れっ子の方よりは暇だからかもしれません。

私がこの方のファンになったのは、MCD版「ゆみみみっくす」をプレイしてからですので、にわかファンというべきなのでしょうね。
こんな変なゲーム(でも大好き)を考えた人って、普段は何描いているの?と考えたのがきっかけでしょうか。
読んでみると、なるほどさもありなん、という内容のマンガばかりでしたし、この人を保護してあげたいと思ったものです。
以来、手に入る単行本は全て購入してきて、今では30冊を越えるようになりました。
その中の一つが「苺タイムス」なのです。

かつて「だいなあいらん」が発売されたとき、自分の中で、これを人に勧めていいものだろうかという葛藤がありました。(当時はセガのBBSでお勧めをよく書いたものです)
「だいなあいらん」は面白いと思いました。
ゲームに携わることで、竹本先生自身も成長しているなと感じた作品です。
ですが、自分は竹本泉先生が大好きなのです。
ひょっとしたら、今自分が感じていることは、一般に拡張できないのではないか?
竹本先生の作品であるという重りをつけてゲームを見ているのではないだろうか?
そんな不安に駆られて、「このゲーム面白いよ」と声をあげることを躊躇しました。

そこで、当時買ったばっかりだった「苺タイムス」を持ち出して、『急がば回れ』という連載小咄を書きました。
自分が不思議の館の主になって、読み手を歓待し、まず「苺タイムス」を買ってもらい、竹本先生を知ってもらった上で「だいなあいらん」を買っていただこう、という内容のものでした。
ゲームが大好きな竹本先生を知ってもらうことが、遠回りな様でも、「だいなあいらん」購入への一番の近道になるのではないかと思ったからです。
第5話まで書いたかな?
ゲームを離れた作り話としては、初めてだったかもしれません。
今となっては手元に残ってすらいませんが、大体どんなことを書いたのかは覚えています。
第3話を書いているときに、第5話のラストが浮かんできてしまって、第4話を適当に書いてしまったことが心残りだったりしますね。
あれからまだ3年も経っていないというのに、とても懐かしく感じられます。

久々に「苺タイムス」を手にとって見て、そんなことを思いだしていました。
私がゲームが面白いってどういうことなんだろう?って、ああでもない、こうでもないと考えていた時期だったような気がしてなりません。
今も考え続けています。

しかし、「苺タイムス」の中のキャラクター達に竹本先生は言わせています。
好きだっていうことは、ただもう好きなんだって。
好きなゲームは上手になりますし、面白いのです。(下手の横好きということもありますが)
自分がこのゲームが好きなんだ、っていう気持ちをそのままストレートに書くことが出来たらどんなに素晴らしいことでしょう!
私はそんな人間になりたいのです。
そんなゲーマーになりたい。


<後日談 '99_08_11>
もともと『です・ます』書いていたので、こういう調子で書いた方がしっくりきます。
でも、他のものと続けて読むと、えらくまた気持ち悪いものですねえ。


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