プロジェクト シルフィード

結論はどっちにでも出来る 2006_11_02

 

私はこれから360用の『プロジェクト シルフィード』について書きたいと思っている。
ところが、この話の結論をどうするのか、私の腹はまだ決まっていない。
どっちにでも出来るのだ。
褒めてもイイし、貶してもイイ。
つまり私達がプレイしているゲームってのはそういうもんだと、この話の最後に判るはずなのである。

PC8801版の『シルフィード』をプレイしていたら、やっぱり最新の「シルフィード」もやってみたくなった。
どうせ失望するだろうな、と分かってはいるのだが、失望することもまた期待の一つなのである。
私は『プロジェクト シルフィード』を買い求めた。
もちろん、中古で。
びた一文儲けさせないよ、スクウェアには。

それはともかく、この『プロジェクト シルフィード』。
「シルフィード」と全然違う。
辛うじて機体の発着シーンに面影を残すのみで、なんというか、ファンを怒らせるために作られたかのようである。
まあ、どう作ったところで、ファンは怒るんだけど。

一方で意外に惹きつけられるゲームでもあった。
臨場感があって、気分が盛り上がる。
敵機を追いかけて旋回していると、そっちの方向に首が回ってしまう自分に気付いた。
戦闘中に周りからメッセージが飛び込んできて、艦隊戦やってる合間でドッグファイトやってるような感覚になるんだな。
リアルとはちょっと違うけど。
アニメの戦闘シーンの一場面を担当しているような気分かな。
ゲーム部分の前後に配置されたムービーも適度に短くて、ゲームとの連続性を阻害していないようにも感じた。
なかなか没入感はある。

ところが、プレイヤーは大したことをやっているわけではない。
実は敵がほとんど攻めてこないため、自分は一方的に攻撃するだけである。
肝心のドッグファイトにしても、追いかけ回すより、少し離れたところから、誘導弾でロックオンした方が楽に倒せる。
ゲームの仕組みが分かってしまうと簡単「か」の字なのだ。
私の負荷理論的にいうと、大したゲームにはなっていない。
有り体にいうと、今風のRPGと同じだな。
大したことはやっていないのに、如何に凄いことをやっているように感じさせるのか。
一見プレイヤーが上達しているように見せかけて、実は複雑な操作を覚える事以外は武器がパワーアップしているだけだというマジック。

で、これを褒めるか、貶すか、という話になる。
どっちにでも書けるのだ。
ちょっと硬派なゲーマーを気取ってみたければ、後者で書けばいいし、無邪気に喜んで見せたければ前者で書いてもいい。
正直に言えば、私は前者と取りたい気分だ。
360クオリティに目が慣れていない所為もあると思うのだが、惹きつけれられる部分の方が圧倒的に多かった。
名前に「シルフィード」と付いていなければ、もっと褒めてみたい所である。

プレイ中、名前に「シルフィード」とさえ付いていなければ・・・、と何回も思った。
まったく余計なことをしてくれる。
まあ、「シルフィード」と名前が付いていなければ、これをプレイしようとは思うはずもなかったのだが。


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