久しぶりに『T&E SOFT』というロゴを見た。 『大人のDSゴルフ』を起動した直後に下画面に出てくるということは、開発元がT&Eなんだろう。 懐かしいじゃないか。 まだ生き残ってたんだ。 最近すっかり名前を聞かなかったが。 「ゴルフ」「T&E SOFT」と聞いたら、やはり昔話の一つも書かないわけにはいかないだろう。 私が『T&E SOFT』と最初に出会ったのは、『3Dゴルフシミュレーション』というゲームでのことだった。 あれは何年前のことになるのか。 22、3年前かな? 当時私はまだパソコンを持っていなかったのだが、毎月買っていた『I/O』って雑誌にプログラム全文が載っていたのである。 これを打ち込めば、買わなくても遊べる! そう思った。 私は電気屋さんでポチポチと片手で入力したものである。 しかし、何十ページもあるプログラムを片手でポチポチと入力したところで、そう簡単に終わるはずはない。 おまけに入力中に電源を切られたりで、本気で泣いた。 ホントに電気屋さんで泣いたのである。 今考えても、あれは無理な試みだったな。 その後、FM-7を手に入れた私は『3Dゴルフシミュレーション』を買った。 面白かった。 ところが、こいつは異様なまでに時間のかかるゲームであった。 1プレイだいたい2時間半から3時間はかかったな。 その95%は描画時間である。 何せシミュレーションだから、実際に頂点を計算して、線で結んで、色を塗る。 一打うつごとに2〜3分待つのだ。 あれに耐えられたんだから、あの当時の私は凄かった。 その後、『3Dゴルフシミュレーション2』が発売されて、一試合20分で終わるようになったときは驚いたな。 なんで早く終わるようになったのかというと、プログラムがマシン語で書かれていたからである。 ベーシックがマシン語になると、こんなに高速になるのか、と驚いたものだ。 それは即ち、ゲームプログラミングというものが私の手の届かないところに行ってしまったことをも意味していたのだが。 その後、『遙かなるオーガスタ』を経て、いま私の目の前には『大人のDSゴルフ』がある。 プレイしていると、3Dゴルフゲームって今も昔も変わらない、と思うな。 結局シミュレーターだから。 パラメーターが増えたり、オブジェクトが増えているだけで、基本的には物理演算なのだ。 入力したデータが同じなら、結果はいつも同じになるはずなのである。 だから3Dゴルフがゲームになるためには、何らかの不確定要素を入れなければならない。 私たちはそれをよく知っているし、コントローラーが変わらない以上、不確定要素の入れ方はあまり変わらなかったわけだ。 それがまた今になって、タッチスクリーンという新たなデバイスを得て、新しい方法が提示されたってだけでも凄いことなのだが、それが「T&E SOFT」の手によって世に送り出されたというのはなんだか嬉しいことだな。 |