レッツタップ

周回遅れのミス 2009_01_04

 

セガファン最後の希望、中さんが独立してWii用にゲームを制作している、という記事を目にしたのはずいぶん前のことだったように思える。
いや、記事じゃなくて、本人が書いたブログだったかな?
記憶が曖昧で思い出せないのだが。
いつでるのかと楽しみにしてたけど、音沙汰がないのですっかり忘れていた。

たまたま年末にゲーム系のニュースサイトを読んでいて、既に中さんが開発したゲームが発売されているのを知った。
これはプレイしないわけにはいかない。
早速私は 『レッツタップ』とWiiウェアの『レッツキャッチ』を購入した。
『レッツタップ』は箱の上にリモコンをのせて、箱を叩いた振動をセンサーで読み取って入力するゲームであり、『レッツキャッチ』はキャッチボールをWiiリモコンで再現したゲームである。
私がこれから書きたいのは『レッツタップ』についてだ。

『レッツタップ』は箱を叩くゲームである。
これは斬新だよね。
Wiiリモコンを振り回すばっかりが能じゃない。
しかも、振動を検知するだけなら、意外とWiiの検出精度は高いようである。
これはいいところに目をつけたな、と最初は思った。
しかし、ちょっと困ったこともあるのである。

プレイヤーが行っているのはリモコンをどうこうするのではなく、あくまで箱を叩く行為である。
すると、同一性を高くする、という観点からは、箱を叩く動作に近い現実に行われている行為と置き換えることが必要になる。
太鼓を叩くとか、紙相撲の土俵を叩くとか、音楽聴きながら机を指で叩くとか、クイズの解答ボタンを押すとかね。
普通そう考えるはずだよな。

ところが、このゲームはそういうことになっていない。
面倒なので中身について説明はしないけど、純粋に箱を叩くことを入力としたゲームを独自に創作してしまっている。
同一性の高い現実の行為と置き換えてない。
結果として、弱中強の3ボタンを使った場合、あるいは圧力を3段階で認識できる1ボタンを使った場合と同じことになってしまっているのである。

決して面白くない訳じゃない。
酷くまじめに創られたゲームではある。
しかし、箱を叩く行為が喜びを全く増幅していないし、プレイする動機を置き換え元から分けて貰うことも出来ない。

もしこれがミスだとするならば、周回遅れのミスだな。
DSが発売されてもう4年、Wiiが発売されて既に2年が過ぎた。
気づかないなんてことはあり得ないはずなんだけど。
更によくわからないのは、任天堂がこのゲームを絶賛してWiiウェアからパッケージ販売に切り替えるように勧めたという点である。
誰よりもよくわかっているはずのあの連中が、なんでこれを絶賛したのかよくわからない。
これがミスでないとするならば、私が今まで考えてきた「同一性を高くする」という観点自体が間違っていたことになる。
結構今まで自信満々で書いてきたのだが・・・。


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