CROSS†CHANNEL

驚いたこと 2004_07_12

 

ビックリしたな。
なんだろう、これ。
自分で書いたのかと思った。
しかし、書いた記憶はない。
もっともそれ以前に、これほどの想像力も、知識も、構成力も、エロユーモアさえも私は有していないのである。

『CROSS†CHANNEL』というエロゲーがある。
ペンネームは違うけど、『家族計画』を書いた「山田一」と同一人物がシナリオを書いたと世間では噂されている。
事の真偽は知らないが、いずれはやらねばならない作品だった。
ただ、気が乗らなかった。
たくさんの文章を読むにはエネルギーがいるのだ。
ほかっておいたら、いつの間にか発売から一年近く経過してしまったようである。

『CROSS†CHANNEL』には黒須という主人公が登場する。
この男のしゃべること、考えることに私は驚いたのである。
だって、私が考えていることとピッタリ一致していることが多かったから。
私には凄惨な幼児体験もなければ、養護学校に入れられた経験もないが、考えていることは驚くほど同じだったな。
セリフ回しまで似ているような気がして、自分が書いたのかと思ったぐらいである。
そんなことあるわけがないのだが。

最後のほうなんか、もう胸が痛かった。
感動するのとは違う。
一筋の涙すらも出ない。
イタイ。
たった一人で無限ループの世界に残った黒須君は痛々しかった。
というか、自分が糾弾されているのかと思ったな。
物理的に左胸が痛かったのは、長時間連続プレイで体が弱っていたのかもしれないが。

これほど自分の考えと符合しているゲームは逆に辛い。
ゲームの中で主人公の考え方が否定されると、それは即ち私が否定されることにもなるからな。
心にも体にも悪いゲームだった。
朝の4時半、空が白んでくる時間にようやくエンディングを迎えて、「俺にどーせーちゅうねん!」とつぶやきながら寝る羽目になった。
月曜の朝のことである。



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