実況パワフルプロ野球11 GC版_4

自殺行為 2004_09_07

 

『パワプロ11』のサクセスはラクで楽しいな。
今回は本当にラクチンなのである。
しかし、同時にこれは自殺行為だな、という気もしていた。
今後これ以上の負荷をプレイヤーにかけることは出来なくなってしまったのだ。

きっと興味のある人なら私が説明するまでもなく、『パワプロ11』のサクセスが短くなったということを知っているだろう。
たとえ知っていないとしても、私には説明する熱意がないので、知っていることにしておいて欲しい。

これは結局のところ、出来るだけ負荷を減らして欲しい、という要請がプレイヤー側であったのだと私は思う。
プレイヤーが望む形にゲームはつくられるのだ、特に続編ものは。
しかし、負荷を減らすと、本来は喜びも減少するはずなのである。
ゲームの喜びは困難を乗り越えることにあるのだから。

ところが、プレイヤー側は負荷に耐えられなくなっているので、喜びを別のところで調達してこなければならない。
その結果どうなるかというと、サクセスにシナリオを大量に織り込むことになる。
別の種類の喜びで誤魔化しにかかるわけだ。
この辺の事情は、なんか「ときメモ」が辿った道に似てるような気がするな。(この話は以前書いた)

こうやってプレイヤーの要求に応えていくと、次第にゲームを提供できなくなっていくんだ。
プレイヤーは負荷を減らしてくれ!減らしてくれ!と主張する。
自分で自分の首を絞めているとも知らずに。
おそらく、次は全日本編でもフルイニング戦うのは面倒だ!とか、要求が出てくるだろう。
本来ならば、開発者の皆様にはプレイヤーの要求を突っぱねてもらいたいところである。

しかしながら、実際にはそうもいかない。
ゲームのライバルがゲームだけならばいいのだが、ゲームのライバルはテレビ、携帯電話、映画、音楽、メールと多岐にわたる。
いまは娯楽がユーザーを奪い合う時代なので、ゲームだけが意地を張るわけにはいかないのである。
元々プレイヤーに負荷を強いるゲームは分が悪いのだ。
他の娯楽がラクで楽しければ、ゲームもラクで楽しくなっていく定めである。

『パワプロ11』のサクセスはラクで、楽しいことは楽しい。
一通りプレイしてきて、面白かったなと思う。
ただ、これでいいんかいな、とも思うのである。
ヘビーゲーマーが難しいバランス取りを褒めたりするのが私は大嫌いだけど、ここまで来ると少し主張した方がいいかもしれない。

創り手からすれば、サクセスを中心にやるプレイヤーとペナントを中心にやるプレイヤーに割ってしまおう、という腹なのかもしれないが。



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