私が『信長の野望』を初めてプレイしたのは20年以上も前のことである。 それはヘックス型(六角)のフィールド上に兵士数が表示されているだけの極めて単純なものであった。 初代の『信長の野望』はBasicで書かれていたので、我々はその中身を見てプログラムを勉強したものである。 勉強すると言っても中身は極めて単純で、戦国武将のパラメーターと兵士数だけでほぼ勝敗は決するようであった。 戦国武将のパラメーターを書き換えて遊んだこともあったな、そういえば。 その後、「信長の野望」は回を重ねるごとに進化していった。 兵士に兵科が設定されたり、親分のパラメーターではなく兵士を率いる武将のパラメーターが影響するようになったり、攻城戦が組み込まれたり、どんどん要素が付加されていったのである。 私も歴史好きなだけあってある程度まではついていったが、いつの間にかやらなくなったな。 正直言ってメンド臭くなった。 いちいち時間がかかるのである。 今にして思えば、あれはどんどん長大になっていったゲーム界の流れそのものだったな。 今回十何年かぶりに「信長の野望」をプレイした。 といっても「信長の野望」は副題に押しやられており、メインタイトルは『国盗り頭脳バトル』と表示されている。 一見知育ものと間違えそうだが、そうではない。 歴としたシミュレーションゲームである。 ただし、超スピードアップした。 何せ戦闘フィールドがない。 戦闘は従来で言うところの国単位である。 厳密には国と言うより、拠点単位と言った方がイイだろうか。 とにかく凄いスピードである。 ゲームバランスの話はまた別に書くつもりなのでここでは触れないが、フィールド戦闘が無い上に動かせる駒が少ないから、ますます早い。 広いマップでも一回1時間ぐらいで終わるかな。 同じ一時間でもだらだらRPGやってるのとは違う。 凄い密度。 こんな「信長の野望」があり得るなんて、ちょっと考えつかなかった。 戦闘中に条件を達成するとストーリーが進行していくのもシミュレーションゲームでは珍しいな。 普通、戦闘とストーリーは別々に進行していくものなのだが。 ストーリー進行もだらだらしてなくて、非常にすっきりした内容。 歴史が凄いスピードで動いてる!って感じがするな。 正直言ってDSでやるより、画面の広いPCでやった方がより面白いんじゃないか、という気はするのだが、やっぱりDSが、あるいは携帯ゲームであることがこういうスピード感のあるゲームを創ったのかなとは思う。 今までの信長とは違うな。 「信長の野望」が副題に追いやられてしまうのも無理はない作品である。 |