デビルメイクライ4

ジャンルにスタイリッシュ 2008_04_07

 

ゲームにはジャンルが付いている。
アクションだとかRPGだとかいうやつのことだ。
といっても、個々のゲームがどのジャンルに分類されるかは、特別意味があるわけではないだろう。
単に分類上の問題である。

しかし、通常の分類では納得がいかない、とメーカーの方で思うこともあるようで、勝手にジャンルを創ってしまうケースもある。
勝手にジャンルを創ってしまった一番古いゲームは、私の知る限り『ハイドライド』だと思う。
今でこそARPGという表記は珍しくないが、二十数年前にはなかった。
戦闘画面に切り替わらないで、通常のフィールド上でそのまま戦う事が珍しかったからだろう。
ちなみにこの「A」はアクティブの略なのだが、現在はアクションのAだと思われているようである。

ところで、いま私は奇妙なジャンル名を勝手に付けたゲームをクリアしたばかりである。
PS3の『デビルメイクライ4』には「スタイリッシュアクション」というジャンル名が付けられていた。
ジャンルにスタイリッシュって・・・。
驚くほど限定的でありながら、全くもって具体性に欠けるジャンル分けである。
私は『4』で初めてこのシリーズをやったから前のことは知らないが、勝手にジャンルを作るにもほどがあるだろう。
しかしながら、実際のところ確かにこのゲームはスタイリッシュであった。

要はアクションゲームなのである。
通常のアクションゲームに対して特徴的なのは、より上手にプレイしたくなるように仕向けている点だ。
上手にプレイすると、より上位の技が取得できるようになっていくので、上手にプレイする意欲がわく。
ただし、上手にプレイしなくてもクリアは出来るようになっているので、そこは上手にプレイしたいと思うより強い動機付けが必要になる。
そこでスタイリッシュが出てくるワケだ。

プレイヤーはただ△ボタンや□ボタンを押しているだけなのだが、その行為の置き換え元が凄くカッコイイことだと思うと喜びは増加する。
しかし、今どき剣を振り回したり、銃を撃つぐらいじゃ特別かっこよくない。
だからムービーをバンバン入れていく。
クリア後にムービー全部再生してみたら、ちょうど2時間だった。
その銃を撃つ行為、剣を振り下ろす行為がどれほどスタイリッシュかということを、これでもかというぐらい刷り込んでいくのである。

もちろん主人公は遅すぎる反抗期をむかえたイケメンボーイとちょい悪オヤジ。
これしかないという感じの主人公達である。
二人ともとにかく言うことをきかない。
動作はいちいち大げさ。
なんだかよく分からないが、とにかくスタイリッシュなのだ。

確かにカッコイイと感じさせることがゲームの構成要素として存在している。
これは『デビルメイクライ4』に必要不可欠なものだな。
スタイリッシュってのもまんざら嘘じゃない。
ゲームの分類として適当かどうかは依然として疑問だが。



<後日談 2010_01_10>
同じメーカーが創った『BAYONETTA』とかいうゲームがあったのを思い出した。
もしやと思ってオフィシャルサイトを覗いてみたところ、「∞クライマックス・アクション」と書いてあったよ。
∞クライマックスってどういう事だろ?
ちょっと興味が湧くな。
「こりゃなるほど∞クライマックスだ!」って思うようなシチュエーションってあり得るんだろうか。


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