THE LAST OF US

見つかったらアカン 2013_07_05

 

かくれんぼゲームはもう流行らない、と私は思っている、以前にも書いたような気はするが。
いまの世の中、待つことが我慢できない。
ちょっとした時間でもすぐに携帯なりスマホなりを弄ろうとするでしょ。
物陰に隠れて敵が孤立するのを待ったり、警戒を解くまで隠れてじっとしてたりなんて、今どきの人間には無理だと思うんだ。
少なくとも日本では。
面白くない時間、成果が得られない時間はほんのちょっとでもイヤ!ってのが今風だと私は理解している。
メタルギアシリーズが思ったほど売れなかったり、ごり押しでも進めるように変わってきたのには、そういう背景もあるんじゃないか。
かくいう私もあんまりやりたくないな。
私は誰よりも待つことが嫌いな人間である。

そんな私にはちょっと酷なゲームだったな、『THE LAST OF US』は。
買う前はゲーム内容をあんまり理解してなかった。
久々の話題作だったし、デモムービーは面白そうだったんだ。
かくれんぼゲームというか、ステルスプレイというか、とにかく私の苦手なタイプだったのである。

序盤は特にきつかった。
武器があんまりないので、ほとんど敵の背後を取りに行くしかない。
最初はイヤでイヤでしょうがなかった。

それが変わったのは、走るゾンビに囲まれたときだったな。
走って逃げられるんだけど、最初は分からないから、倒そうとして為す術なく殺された。
狂ったように襲ってくるゾンビは怖かったなあ。
これはアカン、本気で見つかったらアカン、と思えたときから、少し面白くなってきた。
隠れていることが我慢できるようになったのである。

ゲームがきついのは序盤だけで、中盤から武器はたくさん手に入るし、よく探せば物資もほどよく見つかる。
ホルダーを作れば、武器を切り替えられるようにもなる。
聴覚もレベルアップできる。
ゲームへの理解が深まっていく事と相まって、敵が多少グレードアップしても、どんどん楽になっていく感触だったな。
一回あたりのプレイタイムも15分ぐらいから1時間2時間とどんどん伸びていった。
最後の方はやらずにはいられなかった。

終わってみたら、結構面白かったなという印象である。
極限状態を設定して、モチベーションを高めるような演出をしてもらえれば、かくれんぼゲームであっても結構できるんだ、私でも。
最初の感触からすると、最後まで出来たのが不思議なぐらいである。
私が耐えられたからといって、かくれんぼゲームが流行るってワケじゃないだろうけどね。


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